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風塵社的業務日誌 https://blog.goo.ne.jp/wind-dust/

出版現場の最前線から、企画、編集、営業と業務に関わることをなんでもレポートします。

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2006/05/16

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  • ある入力原稿(不定期連載0011)

    長らく中断していた下の原稿、ようやく刊行準備に入ることにした。これからまじめに仕事をしなければならない。(腹巻)肺を刺されて入院したときに、広田さんと一緒に見舞いに来てくれた女性洋子が、その後広田さんの家にも遊びに来るようになった。もしかすると前から来ていたが、俺が知らなかっただけかもしれない。広田さんの前の彼女で、二二歳という。家に出入りしていたので、俺も周りの人もみんな、まだ広田さんの彼女だと思っていた。それでも、一緒にお茶を飲みになど行っていた。彼女と知り合って一ヵ月くらいして、広田さんとは二年前にすでに別れていると聞かされた。それなら、なぜいまも広田さんの家に出入りしているのかと俺が聞くと、実家(親)と広田さんは金銭関係でつながっており、広田さんも実家によく来るとのことで、別れてからも妹のように可...ある入力原稿(不定期連載0011)

  • ジャガイモを植える(04)

    結局、ライトを買ってきて室内で育てるのはしばし延期とする。そして思いついた。日中は会社前の歩道に植木鉢を出しておき、日に当てておけばいいじゃないか、と。歩行者の邪魔にならないところにひっそりと置いておけば、苦情も出ないことだろう。そこで、会社に来たら松の盆栽ともども路上に出しておく日が2、3日続いた。ところが目の届かないところにジャガイモを置いていると、スクスク育っているのだろうか、日当たりはどうなのだろうかと気になってしょうがないものである。日が暮れたら、鉢ごと100均で買ってきた防虫ネットに包んでおけば、コバエの発生も抑えられることだろうと期待しておく。しかしある日、出社してみたら、やたらとコバエが多い。大量発生していて、室内をワンサカ飛んでいやがる。これまで置いておいた「コバエがホイホイ」も「アース...ジャガイモを植える(04)

  • ジャガイモを植える(03)

    さらに後日、Eババ、ただのぬかと茶がらまでご持参なされた。どちらも肥料として効果が高いものとされている。話は変わるが、茶がらを味噌と一緒に炒めれば酒のつまみやらご飯のおかずになる。これはOさんから教わった。それを一度、妻の前で実演してみたら妻がヘンに気に入ってしまい、緑茶をいれてはその茶がらを冷蔵庫に溜め込み始めたから辟易したものだ。単純な話、珍味系の料理は飽きるのも早い。飽きちゃうと箸が伸びないということになる。話をもどし、ライトに当てていた種イモから出てくるのが、芽であるのか根であるのか、それはどうでもよろしい。とにかくそれがある程度伸びてきたら、いよいよ鉢に植えようと考えていた。そして、ようやくそれが2センチほどになっただろうか、植えてみることにした。その芽か根を下にし、5センチほどの深さに植えると...ジャガイモを植える(03)

  • ジャガイモを植える(02)

    それからは、昼飯時に出た野菜くずや卵の殻をコーヒー豆かす入りぬか漬けパックに放り込み、さらなる土作りにいそしむことになった。YouTubeをまた見ていたら、バナナの皮が肥料にはいいと紹介しているサイトがあった。べつにバナナが好物というわけでもないのだけれども、土作りのためとバナナを買ってきては、皮を細かく刻んでパックに放り込んだこともあった。そこで気になる。そもそもがぬか漬けを食べれば塩味を感じる。ということは、ぬかに塩が含まれているわけである。となると、そこで植物を育てても、塩害で育たないのではなかろうか。恐る恐るぬか漬けコーヒー豆を半つまみほど取り出し、ペロンとなめてみた。苦味はあるが、塩味は感じなかった(ような気がする)。これならばいけるのではなかろうかと思いつつも、除塩の仕方をネットで検索してみた...ジャガイモを植える(02)

  • ジャガイモを植える(01)

    徒然なるままに酔ったオツムで日々駄文を綴っていると、過去になにを記していたのかなんてほとんど忘れていることに気がついた。その昔F社に勤めていたとき、夕方になると中二病的自己承認欲求の固まりのようなオッサン連中ばかりがただ酒を飲みに来ていて、そいつらにはうんざりするしかなかった旨のことは述べた記憶があるものの、ほかになにを記してきたのかは深い霧の向こうのような感じがする。したがって、以下の記述に過去のものとダブった部分があってもご愛嬌ということでお願いしたい。そこで、何月前のことかは忘れてしまったけれど、日曜日に妻とたまたま散歩にいった練馬のJAの直売所で盆栽の松を見つけ、650円で買い求めたことは記したように思う。翌日、その盆栽を会社に持っていき、PCのわきに置いてから簡易ライトでずっと照らし続けておいた...ジャガイモを植える(01)

  • 友人と酒を飲む

    某日、ワルの弁護士軍団らと行きつけのおでん屋さんで酒を飲む。コロナのおかげでいっときこの飲み会も開けなかったけれど、復活できて実にうれしい。そしてほろ酔いとなってきたところで、電波系の依頼者には困ったという話題になった。「弁護士懲戒を請求してくるくせに、すぐにまた事件の依頼をしてくるんだよねえ」「そういう人、いる、いる」「この前、某県の地検から電話があって、ある服役囚の出所日の情報を彼の敵対組織にあなたが流したんですか?ってたずねられたんですよ。一審しか関わってなくて出所日すら知らないんだから、そんなことできるわけないじゃないですか。しかも、彼はなかで騒動を起こして刑を重ねていたそうで、私が関わった事件以上に服役しているんですよ。なのに地検は、どうして私に電話してくるんですかね。アタマにきて『そんなことす...友人と酒を飲む

  • 五公五民

    本日で6月も半ばを迎える(某氏の生誕記念日だそうだ)。実は半年以上、経理、法務系のダラダラした作業が弊社の業務の中心となっていた。それがとにもかくにも終了し、ある程度の成果を上げることはできたものの、想定外の出費が生じてしまい、期待していたほどではなかったのは残念である。しかしそれよりもなによりも、まったくやる気のわかない作業だったので、小生がウツ状態でPCに向かっては終日ため息をついているだけという日々が続いたこともあり、時間ばかりかかってしまった。それが一番の残念な点であると総括しておこう。それでも、過去10年間、澱のようにたまっていた経理的・法務的諸問題はとりあえずクリアすることができた。なにせ、みなし解散法人なる状態に陥っていたわけであり、法人格を消滅させなかっただけでも大きな成果である。そのうえ...五公五民

  • 下賎のきわみ的共同体性的酔っ払い様式

    気がついてみれば、6月に突入していた。速すぎる。3月からトライしている経理関係の作業がなかなか終わってくれない。それが小生をウツに追い込んでしまい、ルーティン業務すらやる気がわかなくさせていく。税務署さんには数年分の申告を終えていて、ヤレヤレと安堵していたある日、国税さんから電話がかかってきた。「◎◎年分の申告書が出ていないようなので、その期の確定申告をすませてください」げな。その電話を受け小生はエーッと仰天しつつ、どうしてそんなことになったのかと想いをめぐらせてみたら、その期の分は税務署さんが「もう時効なので申告しなくてもいいですよ」とおっしゃったものに当たることを思い出した。その旨を国税さんに述べると「申告書『別表七』の欠損金又は災害損失金の損金算入等に関する明細書に記載されている控除金に該当するのが、その...下賎のきわみ的共同体性的酔っ払い様式

  • 小銭入れをなくす

    某日午後、IさんとHさんがご来社。あるパンフを英訳することになり、どうしてなのかは知らないが、弊社内でその作業をすることになったのだ。小生にしてみれば、仕事に集中できないので迷惑な話ではあるものの、そのパンフの翻訳作業には弊社内が適している事情はおぼろげながら理解はできる。といっても危ないパンフではなく、日本でも公開されたある映画をオックスフォード大学で上映したいという英国人が現れ、日本語版のパンフを英訳してその参考にしてもらおうという主旨である。そのうえ、その日本語版では説明不足な点もあるので、そこは補っておきたいという欲張った作業だ。IさんもHさんも、英語に関しては専門性が高いかたがたである。しかし、翻訳というのはなかなか難しい作業のようだ。特に業界用語というか、ある集団が特定の条件内で使ってきた用語の場合...小銭入れをなくす

  • 追悼、T先生

    学生時代の恩師であるT先生の訃報の連絡が、某日夜、小生のケータイのショートメールに飛び込んできた。享年92歳だそうである。大往生だ。長命でなによりではあるけれど、まずは合掌。先生に初めて出会ったのは、小生が二十歳ソコソコのときだったと思う。ずいぶんとお歳を召されていたように感じたものではあったけれど、振り返ってみれば、現在の小生の年齢とさほど変わっていないようにも思う。しかしそのため、先生のことを陰では「クソジジイ」と敬愛の念をこめてお呼びさせていただくことになった。または、ボウボウと伸ばされた白髪がただものではない風格を現していたので、「ライオン丸」などと呼ぶこともあった。先生は某アホ大学の文学部インド哲学科(コース名の正式な名称などとっくに忘れた)の教授をされていた。小生も文学部には制度上所属していたものの...追悼、T先生

  • 春なのに

    2022年も1/4が終わったものの、陰鬱となる話ばかりだ。とにもかくにも、ウクライナの戦争がどんな形であれ、早く終わってほしい。報道されている内容がどこまで真実に迫っているのかはわからないものの、多くの死者が出て、多くの建物が破壊されて、多くの人が困っていること自体は事実だろう。そのニュース映像を見ているだけで気が重くなってしまうのだ。その昔、パパ・ブッシュのときの米軍のイラク侵攻時、破壊された油田跡に石油を全身にかぶった水鳥の映像が流れたことがあった。イラクの破壊行為の残忍さを象徴したものというわけだけど、これがのちに米軍側のプロパガンダ映像であったことが暴露されたことがある。以来、戦争時のニュース映像やら報道内容にはプロパガンダが含まれていると思って眉唾で見ているが、それでも、ウクライナの人たちが困り果てて...春なのに

  • 玉ねぎを炒める(続)

    つまんないことを考えつつ刻んだ玉ねぎをフライパン上で時おりひっくり返していると、ようやく飴色になってきた。それを、大き目の両手シチュー鍋に移し、煮ていくことにする。一方、ニンジンとジャガイモの皮をむき、ひと口大にザク切りしてからレンジで1分ほどチン。ニンジンは弱火でじっくり火を通すと甘みが増すので、本来ならば、フライパン上でゆっくり温めていきたいところではあるけれど、社内のコンロにはバーナーが一つしかない。そのため、電子レンジをフル活用することになる。ニンジンとジャガイモを鍋に放り込んでから、カレールーの投入。味見をしてみるとちょっと辛さが弱いかなあという感じだったので、ターメリックやコリアンダーなど無水カレーを作るときに使っていた香辛料類を適当にパラパラ。ついでに、こくを強化するためしょう油も少々。これならば...玉ねぎを炒める(続)

  • 玉ねぎを炒める

    某日夜、千代田区某所にて某Aという会議があった。この会議は35年くらい続いているのかな。小生が関わるようになって30年くらいだと思う。振り返ってみれば、そのA会議に関わってきたメンツのうち2名が亡くなっていて、別の3名が病気を現在抱えている(内1名がかなり重篤な状態)。30年も経てば高齢化が進むのも当然であり、仕方がないといってしまえばそのとおりではあるもののそう簡単に割り切れるものではない。鬼籍に入られてしまったYさんについては以前述べたはずなので、今回はパス。もう一人の方はカメラマンをされていた。ところがお名前を失念してしまっている(なので、以下Cさんとする)。でっぷりとしたお腹なのにいつもジーパンをはいていて、そのベルトがお腹に食い込んでいる。そのお姿を拝見するたびに、苦しくないのかなあと思ったものであっ...玉ねぎを炒める

  • デモに反対する

    いつの間にやら2022年も3月に突入した。速すぎる。直近では、某雑誌の入稿が終了し、某ミニコミ誌の発送も終了。しかし、2月末の支払いですんでいないものがまだあり、さらには3月の資金繰り状況も思わしくない。月末までにまだまだ日数はあると思っていても、すぐ月末を迎えてしまうのは毎度のこと。オツムが頭痛状態からなかなか抜け出せない。そろそろなにか一発当てたいところだ。資金繰りの悩みはさておき、夜間、人と会って酒を飲む機会が増えている。とはいえ、居酒屋などに行くわけではなく、某会の事務所だったり弊社内で、買ってきた酒を飲んでいるだけだから、コロナのマンボーとは無縁である。そして思うのであるが、他者と話しながら酒を飲んでいるのはやはり楽しい。一人でネットを見ながらウジウジ飲んでいるのも悪くはないけれど、そこから生まれてく...デモに反対する

  • 風塵社的身体的不調

    精神的な不調は脱したものの、お次は身体上の不良に悩まされている。まず、歯が痛み始めた。ずいぶんと昔のことで、どういう状態であったのかすら覚えていないが、右下奥歯には派手に治療してもらった跡が残っている。その虫歯だったところの下の歯茎が歯周病に冒されてしまったらしい。歯周病って治りにくいんだっけ。もう何十年も抱えたままだ。そして、十数年周期くらいで痛みやがる。以前、ある歯科医院で受けた説明によると、疲労などで免疫が低下すると歯周病が活性化しそれを白血球が退治するから、その虐殺後の膿やらガスが溜まってしまい、それが痛みの原因となるとかだったかな。うろ覚えなので、間違っているかもしれない。いずれにせよ、久しく忘れていたその鈍痛が、ある土曜の午後に始まった。上記の説明に従えば、白血球が華々しく活躍して歯周病菌が虐殺され...風塵社的身体的不調

  • 文章整理を終える

    昨年末から気分の不調が続いていた。年齢的なものなのか、勤続疲労か、コロナ鬱か、それともそもそも不調でなかったことがあったのかは不明なれど、こんな駄文を記す意欲なんてまったくわかない状況となる。出社してもボケッとネットを見ていては日が暮れ、夕方からは酒を呑みつつまたネットを眺めている。そして酔っ払ってきたところで帰宅の途につくというなんとも自堕落な状態が続いていた。もちろん、駄文を記したって非堕落というわけもないけれど、生産性が低いことは明らかであろう。ただし、生産性が低いこと、それ自体にどういう問題があるのだろうか、という疑問はある。生産性の高いことがまるで美徳のように語られることもある。しかし、なにもしないことのほうがよっぽど積善ではなかろうかということだ。屁理屈はさておき、その生産性の低い状態でも、2022...文章整理を終える

  • 皮膚科へ

    新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。背中にふたつできたアテロームのうち1個が、昨年11月に炎症を起こしてしまい、結局は妻と老医師になかに詰まった皮脂を押し出してもらって治癒することができた。その最終診察のおり「残っているもうひとつも、この際だから手術してもらうことはお願いできますか?」とたずねたら、手術しても再発の可能性はあるとか、手術痕がケロイド状に赤腫れすることもあるなど、デメリットの可能性を一通りレクチャーされた。現在では、医療現場でもリスクの説明をすることになっているのだろう。そのうえで、「それほど大きくなっているわけでもないですから、しばらく様子を見ておいたらいかがですか」と医師からアドバイスがあった。小生としても、残っているからといって日常に差支えがあるわけでもない...皮膚科へ

  • 昼もうどん、夜もうどん

    12月24日に風塵社恒例の忘年会も無事に終わり、いよいよ年末モードとなってきたのではあるけれど、気が抜けたのか体調が悪い。忘年会の途中から小生は気分が悪くなり、お客さんなんてほったらかしにし、床にヨガマットを敷いて寝始めた。みなさんが「帰るよ~」と声をかけてくれたので起き出し、見送ったあとはソファに引っくり返って朝まで社内で寝ていた。エアコンは入れっぱなしなのでカゼをひくこともなかったが、朝の6:00くらいに目が覚めたものの気分の悪さは抜け切っていない。そのまま寝転がったままウツラウツラしていると、8:00くらいに妻から電話がかかってきやがる。どこぞで子猫チャンとニャンニャンしているのではないかと疑っているわけである。そのまま10:00くらいまで寝ていたのだろうか。ようやく起き出し、前夜の飲み会の片づけとなった...昼もうどん、夜もうどん

  • Oさんのこと

    某日、W氏から電話がありOさんが亡くなられたとのこと。8月に別のOさんが亡くなったので、本年、小生と関わりのあった方の訃報は2件目か。いやいや、そんなことはない。いけすかなかったじいさんも死んでいるし、某氏が亡くなったのも今年のことだったか。小生の年齢が、諸先輩方を見送る段階にいたっているということなのだろう。そのわりに、コロナで死んだという人の話は聞いていない(と思う)。本年の2月だったか、M氏に渋谷でバッタリ会ったとき「Oさんのこと聞いてる?」とたずねられた。なにも知らなかったので「どうしたの?」と聞き返せば、ガンが発見されすでにステージ4の状態だと説明された。それを聞いてなにか適当な返事をしたはずだけど、やはりどこかショックであった。その後、3月末、某集まりにお連れ合いに付き添われたOさんがひょっこり顔を...Oさんのこと

  • Aさんのこと(01)

    〈以下の主な人物・組織〉A:小生を悪魔教に引きずり込んだ謎のジジさまB:悪魔教司祭を務める謎のババさまC:A氏につきまとう謎のオバハンX:悪魔の復活を願う謎の狂信者集団(宗教法人未認定)小生(腹巻):小心な小市民であるただのオッサン某日、Bババから電話がある。「Cさんからハガキが届いたんだけど、Aくんの健康状態がかなり悪そうなんだよ。とにかく、家までちょっと見にいこう、腹巻くんも来て」。そう言われてたら、断るわけにはいかない。Aジジには多大な恩義を感じているし、ある意味、小生はAさんの最高位の弟子のようなところでもある。Aさんから受け継いだ悪魔教の秘儀のおかげで、これまでどれだけの資金繰り危機を乗り越えてきたことだろうか。そこで某土曜日13:00、都内某区S駅でババさまと待ち合わせ、Aさんの住むアパートへと歩い...Aさんのこと(01)

  • 電話、電話、電話

    仲間内で久しぶりのサバトを予定しており、その準備であわただしい。しかしこちとら、会社の法人格消滅の危機というのに、そんなことをしていていいのだろうか。一方、悪魔の力を借りているので、炎症を起こした粉瘤の治りは順調のようだ。近々また病院に行ってくれば、もうOKかな。それはともかく、そのサバトの問い合わせ窓口を弊社にしているため、電話やらメールでの応対が多い。これまでも何回となく窓口をしてきたが、従前の2倍くらい来ているような感じだ。そしてコロナ下ということで「事前予約をしていますか?」との質問が圧倒的である。「コロナが怖ければ、サバトなんて来るな」とは言えない。「特に行っておりませんので、会場まで足を運んでいただければ大丈夫です」とかなんとか、適当に答えている。しかし、そのサバトでクラスターなんて発生したら、なか...電話、電話、電話

  • 集中が足りないのか

    どこでどう勘違いしてしまったのかよくわからないが、本日が某誌の入稿日だと思い込んでいた。入稿というのは印刷データを印刷所に渡すことで、印刷所ではそれを出力してくれる。その出力紙のことを現在では白焼と呼んでいて、白焼の段階までは修正することができる。ちなみに昔は、入稿したデータ(写植屋さんの作ったもの)を製版屋さんがフィルムに焼き付ける。それを印画紙に出力させる方式であり、その用紙が青かったから青焼きと呼称していた。そして印刷技術がデジタルに移行したことにより、フィルムの需要はガックンとなくなってしまった。コダックは倒産し、富士フィルムがフィルムを製造しなくなるわけである。それでも街中を歩いていると、たまに「◎◎製版」なんて看板を見かけることがある。以前は製版をしていたけれど、現在は印刷に業種転換した会社なのだろ...集中が足りないのか

  • イベントに向けて

    今月末にちょっとしたイベントを予定しており、おかげでなんだかあわただしい。イベントといっても弊社が直接関わるものではなく、会場の片隅に弊社刊行物も置かせてもらおうとは思ってはいるもののそういう話ではなく、小生もその主催者の一人であるため準備に追われているということだ。思えばこの数カ月、それを、どういうイベントにするのかの議論ばかりを仲間内でしていた。A案に思いの深いA氏、B案が現実的ではないのかというE氏、そして、なんでもいいよという小生。そのなかでようやく某案に落ち着き、全体の一致を見たのであった。そうなればそうなったで、お次はこなさなければならない作業がかなり生じる。某氏に会い企画内容の打ち合わせを行い某案の現実性は高まるものの、別の某氏には出演を断られる。また別の某氏は「ほかのアポが入っているので」と断ら...イベントに向けて

  • アテローム

    何年前からなのか、それとも何十年前からなのかは忘れちゃったけれど、小生の背中には粉瘤なるものが二つもある。粉瘤とはアテロームとも称するらしいが、角質やら皮脂が皮膚の内部に溜まってしまいコブ状になったものである。小生の場合はいずれも小さく、腕を伸ばして触ってみれば、表面の盛り上がりが少し感じられるくらいのものだ。そのうち左側のものはあるときから成長を始めたようで、以前よりも大きくなっているなあと気がかりになって妻に見てもらうと、「赤黒く腫れ始めているよ。気持ち悪い」げな。そこである日、池袋の整形外科医を訪ねてみたら「切開手術を急ぐ必要はないし、手術そのものはすぐに終わるけれど、飲酒・入浴は制限される」とのこと。飲酒はともかく、風呂に入れないのは不便なので、寒くなったら手術しちゃおうかなと考えていた。ちなみに父も粉...アテローム

  • お米をいただく

    某日、郵便局員が台車に重そうな荷を載せてやってきた。それをヨイショッと社内の隅に降ろしていかれる。なんやろねと見れば、お米の紙袋だ。それも新米30キロ。びっくりした。1俵が60キロというから半俵ということになる。贈り主の某氏に、まずはお礼のメールを入れておいた。「突然のことで、まずは驚きました」と。そしてまた、小生一人で食べてくれという意味ではないことも理解している。後日、社内で某会議をした際に、集まった仲間で分けてくれということだ。実は長らく、社内での昼飯で、お米を炊くのをやめていた。理由は簡単で、近くにあった某スーパーが建て換え工事に入ってしまったからである(そのまま閉店するのかな)。近くにできた別のスーパーに行くと、ろくな魚が置かれていない。時間のないところをわざわざ自炊して、うまくもない魚を食っても味気...お米をいただく

  • 衆院選2021

    第何期かの衆院選が終わる。小生はもっと自民の数が減るかなと予想していたのだけれども、予想(期待)よりも多く当選してしまった。つまんねえの。それよりも意表外だったのは、維新の躍進であった。東京にいると、身近に維新の存在を感じる機会は関西よりも少ない。そのため、自民が減らした票数は立憲民主に流れるものとばかり思い込んでいたけれど、結果はそれをまったく裏切る形になっている。それでも、立憲共産党の効果はそれなりに目立ったようには感じた。負けても、自民候補にそれなりに肉薄している接戦が多かったからだ。しかし、立憲共産党の連携がこの先さらにスムーズになるとは思えない。連合対全労連という支持団体の根本的な対立がそこにあるからである。さらに連合内では、電事連なんていう原発推進団体の発言力が強いそうだ。そんなものは国民民主(旧民...衆院選2021

  • くやしいのう

    某日、某氏から囲碁のお誘いの電話が入る。「いつですか?」とたずねると「次の日曜」とのこと。場所は新宿のいつもの碁会所である。「行きます」と二つ返事をしてから、妻の了解をもらっていないことを思い出したけれど、なんとかなるだろう。そして血戦の日曜日を迎える。午前はスーパーでお買いもの。早めの昼飯を摂って新宿へ。碁会所に入ると、すでにお仲間が2、3人集まっている。ちなみに席料は1200円で、以前より200円値上げされていた。「お誘いいただきありがとうございます」とお仲間にあいさつすると、「実はコロナで、日曜日にここで囲碁を打つのは2年ぶりなんだよ」とT会長に言われた。「それと中心だったNが死んじゃったから、これからの会の運営をどうするか、囲碁が終わってから酒を飲みつつ決めようと思うんだ。腹巻くんも来る?」とたずねられ...くやしいのう

  • お誘いを受ける

    某日の昼前、会社に向かおうと池袋某所を歩いていた。たまたまラブホの前を通りかかる。すると、向かいから歩いてきた女性が、ニコッと微笑んでから頭を下げる。細身のショートカットで、30台前半かなという感じだ。容姿は美人というほどでもないけれど、シコメというわけでもない。そして小生に近寄ってきて、「実はコロナで失業しているところでして、ちょっとだけ援助してもらえませんか」とささやいた。アクセントがいささかカタコトっぽいので、中国系かなと思う。国籍なんてどうでもよく、ラブホ前での援助の申し込みである。それがどういう意味なのかは、かなり鈍感な小生であっても理解はできる。しかし、肝心の所持金が3000円くらいしかないのだ。彼女の希望額を知らないが、3000円じゃ金額交渉すること自体が失礼というものだろう。コロナ云々という理由...お誘いを受ける

  • 資料収集見学

    ある日、お仲間数名と某大学の社会運動の資料収集センターに見学にうかがった。そうした資料類のことを最近ではアーカイヴズと称し、その作業に携わる司書さんや学芸員さんのことをアーキヴィストと呼ぶらしい。そんなふうに世のなかが変わっていたなんて、まったく知らなかった。小生も学生時はそうした資料整理のバイトをずっとしていた。当時はまず、図書館カードに資料名や作者名に年代、形状や大きさなどを一つ一つ書き込んでいく。さらにそれを、当時は人気のあった桐というデータベース型ソフトに入力し、最終的には目録としてまとめるというのが一般的なあり方なのではなかっただろうか。モノを見て、図書館カードに記していくなんて、とにかく単調で退屈な作業である。そのため、友人とバカな話をしつつゲラゲラ笑いながら作業していたものだ。それはともかく、某大...資料収集見学

  • 警職法

    日曜日。日中は眠くてしょうがない。囲碁トーナメントを鑑賞しながらウツラウツラ。勝負の最後の最後、素人にはとうてい理解できない超難解な死活がからみ、まったくわからない。ハンマー上野嬢がリンリンに負けちゃって、小生ちょっとがっかり。その後なんやかんやあり、19:00前には夕食を終える。早いときなどは、そのまんま20:00には寝てしまうこともある。ところがその日、テレビをボケッと眺めていたら、「日曜美術館」では横尾忠則の特集をしているではないか。面白くてついつい最後まで見てしまう。彼が突発性難聴とは知らなかった。チャンネルを換えたら、Nスペでは中国共産党の歴史を追っている。李鋭という人物を知らなかったうえに、共産党支配についてのこんなにあけすけな意見が、日本の報道機関の手に渡ってしまって中共は大丈夫なの?という気にも...警職法

  • パーパス

    まだ9月というのに、年末までの資金繰りの目処がたってしまった。数年ぶりの快挙かもしれない。おかげで気が抜けた。朝から眠くて走ろうなんて意欲はわかない。歩いて本郷へと向かうことにする。ところが、会社に着いても眠い。ソファにひっくり返って目を閉じながら、金額計算が間違ってないか暗算で確認してみる。おそらくは、なんとかなることだろう。最悪、年末の払いを年明けまで引っ張れば、年内の倒産はない、ということになる。この引っ張るというのは毎年やっている手で、要するに、一般の会社の場合は銀行の最終営業日前に冬休みに入る。そのため、こちらの支払いが遅いからといって、すぐさま請求されるわけではない。そして、年始の営業開始日は多くの会社の場合4日か5日であるから、12月30日までに支払うこともなく、1月5日に払えば問題が生じないとい...パーパス

  • 福岡に行きたくない

    本年6月、福岡まで行かねばならない用事があった。それが終わったので、しばらくは福岡に行かなくてすみそうだと考えていた。最低でも向こう10年くらいは、行かなければならない必要性もないだろうということだ。そこで、もしかしたら、これが最後の福岡行きになるやもしれぬという気分で、福岡行をこのブログ上に記していた。ところが、それが完結する前に、来年もまた福岡に行かないといけないかもしれない、という状況に陥ってしまったのだ。おかげで、福岡について記すのがすっかりいやになる。そして数日前、「今度の年末年始、福岡の実家に帰りたか」と妻が言い出した。「なにしに行くん。そりゃ、あんたが行くんはかまわんばってんな、わしまで行くこともなかろうもん」と応える。そして内心では、「年末年始にかみさんおらんと、静かでうれしいなあ。またジョギン...福岡に行きたくない

  • 母への手紙

    某日、嫂から電話が入る。曰く、小生の実母が数えで米寿とのこと、ついては敬老の日にお祝いの手紙を施設の人が代読してくれることになっている、「それであなたにも書いてほしい」げな。コロナ下、母の入っている介護施設の職員も大変だ。「兄貴はなにか書いたの?」とたずねたら「お母さんの性格分析みたいなことを書いてたよ」。レビー小体型認知症のバアサンの性格をいまさら分析してなんの意味があるのだろうと一瞬思ったが、その状態であるがゆえに三つ子の魂があからさまに発現しているのかもしれない。兄一家に認知症の母の世話を100%お任せにしているので、小生は母の状態を細部にわたって理解しているわけではない。母はこれまで抑圧していたわがままを発揮していることだろう。そうであれば、兄が母の性格分析をしたくなるのもうなずける話だ。いずれにせよ、...母への手紙

  • 追悼Oさん

    Oさんという方が、先月の中旬に亡くなられていたそうだ。「そうだ」というのは、Oさんからの連絡がなかったので心配した某悪逆集団の某氏が自宅まで行ってみたところ、亡くなっていたとわかった、ということである。その悪逆集団には小生も関わっていて、Oさんが関わるようになったのは90年代初頭だろうか。小生の方が先の関わりじゃないかと思うものの、そこの記憶は定かではない。Oさんは1948年、北海道某市のご出身。なので、享年は73(74?)歳ということになるのかな。父は炭鉱夫であったらしい。高校の同学年にAさんとMさんがいた。その、高校の卒業写真集を持っていて、小生がお借りしたままである。返そうとしたら、「いや、いいよ。腹巻くんが持っててよ」と言われ、そのまま社内に置きっぱなしのままだ。おかげで、学年のマドンナであった(らしい...追悼Oさん

  • 脱・器用貧乏

    8月半ばに『同性愛と新約聖書』を刊行してから、9月初旬にかけ、雑誌を1冊、書籍を1冊、ミニコミ1部、「救援」という機関紙を1部、制作終了。我ながら、よく働いたものだ。ミニコミは制作費の請求が発生するわけではないので、正確にはマルクスのいう賃労働には当てはまらない。ボランティアというか遊びのようなものに該当するわけであるものの、しかし、決して手を抜いているわけでもない。お次の仕事も控えているし、風塵社としての次のプロジェクトも始めたいし、そのミニコミに関わるプロジェクトもある。ミニコミ用のプロジェクトとは、小生がどなたかに話を聞いて記事にまとめるというもので、誌面の関係上9000字をマックスとしていた。しかし、いま踏み込みたいなあという企画に関しては字数制限を設けるつもりはない。そのくらい、ある世界においては重要...脱・器用貧乏

  • 目白へ

    日曜日、半分ウツラウツラしながら囲碁トーナメントを見る。ようやくにして、クソ五輪だ、クソ高校野球だのが終わってくれて、放送時間が通常にもどったのはうれしい。何週間前だったか、明け方の3:00ころ、囲碁トーナメントの放送がされたことがあった。視聴者はどうせ録画ですますのだろうというのが放送する側の考えなのかもしれない。しかし、新聞のテレビ欄をたまたま眺めていて、さすがに哀しい気分にさせられた。そのうえ、睡眠障害を抱えている小生は、放送開始前に目が覚めてしまい、ついついリアルタイムで鑑賞してしまったのである。面白い勝負だったような印象なんだけど、内容はまったく覚えていない。さて、14:00に囲碁を見終えたので「ちょっと池袋に行ってくる」と妻に伝えた。すると「なにしに行くの?」と、想定どおりの返事。「定点観測」「なに...目白へ

  • 『同性愛と新約聖書』販売の裏側

    昨日も記したことであるが、しばらく新刊を出せられなかった。その間にコロナ騒動が勃発し、書店営業の仕方や新刊見本の出し方が変わることになった。要するに、対面は避けてくれということだ。コロナ前の場合、新刊ができるとその見本を抱えて取引している各取次(問屋)に出かけていく。これを見本出しなどと称していた。大手出版社の場合は取次の方から来るらしいが、大多数の出版社は出向くことになり、風塵社も出向く側であるのは言わずもがな。出版最盛期に小生の場合、最大で6社回っていたのかな。それが現状では3社である。そして各取次では、担当者に見本と書店さんから上がっていた事前予約の注文書を渡し、こちらの希望納品部数を伝えることになっていた。その際に、新刊の内容に売り文句やらマーケティング対象の設定やら「こんな形で話題作りをしています」的...『同性愛と新約聖書』販売の裏側

  • 『同性愛と新約聖書』

    ある日突然、このブログを更新する意欲を失ってしまった。失ったからといってなにがどうなるというわけでもないけど、以前は、更新していないと風塵社が倒産しちゃったと思われるのかなと不安に感じていた面はあった。しかし、それも余計な心配だと気がついたためなのか、駄文を記す意欲が湧いてこなかった。意欲が湧きでない理由を分析しようが、考察しようが、それもまたどうでもいい話だ。記すべきは、久しぶりに新刊を発行したということである。書名『同性愛と新約聖書』、副題「古代地中海世界の性文化と性の権力構造」、著者はKさん、本体価格4500円也。弊社からの刊行物では2番目に高い値をつけている。1番高いものは25000円であった。小生がこの場で内容について述べてしまうと、本書がレポートの課題とかになったとき、学生がこのブログからコピペしそ...『同性愛と新約聖書』

  • 福岡へ2021(16)

    福岡大仏胎内めぐり、地獄コーナーが終わって、いよいよ暗闇コーナーへ。その入り口には、左の手すりに沿って暗闇を進んでいけば右側に錠前があり、それをにぎれば霊験あらたかなりというようなことが書かれている。そのへんは、善光寺と同じだ。というか、善光寺を模しているのだろう。とにかく、暗闇のなかへと入っていき、手すりに沿って歩いていく。小生の後ろに妻が着いていく。どの程度歩いたのか定かではないが、2、3分もかかっていないかもしれない。暗闇なので長く感じてしまう。出口に近いところに錠前があったので、妻に「あったよ」と伝えておいた。そこから少し歩けば、もう出口。出口を抜ければ今度は極楽コーナーで、極楽図が掲げられている。暗中を歩くことが擬似死体験となり、その先にある極楽のありがたさを感じられるという趣向なんだろう。仏教におい...福岡へ2021(16)

  • 福岡へ2021(15)

    東長寺の福岡大仏も見ていこうとなり、拝観料一人50円(ふたりで100円)を払い大仏殿のなかへ。その建物を大仏殿と呼ぶのかどうかは知らない。そこには、木造坐像では日本一の大きさという大仏が鎮座ましましている。確かに大きい。見上げると、口が自然にポカ~ンと開いてしまう。しかし、博多のもぐりは、こんな大仏があったなんて知らなかった。もしくは、話を聞いたことがあったかもしれないが、忘却の彼方へとなっていた。そもそもが信仰心などないので、大仏情報にうとくても仕方がないだろう。そういえば、池袋の仙行寺という寺が、数年前に近代的なビルに建て替わった。その際に、新名物として登場したのが浮かぶ大仏である。池袋大仏と称しているらしい。床に台座が敷かれ、そのうえに木造仏が置かれているのではなく、背面の壁に仏像が固定されている。そのた...福岡へ2021(15)

  • 福岡へ2021(14)

    それまで座禅などしたことがなかったので知らなかったが、曹洞宗では壁に向かって足を組み、臨済宗では本堂の中心を参加者が囲むように禅をする。したがって、薄目を明ければ対面に座っている寮友の姿が見える。C寺で座禅をしていたある日、鼻水が垂れてきやがった。なるべく音を立てないよう、必死になって鼻水をすすりこもうとするが、鼻水は万有引力の法則に従い下へ下へと伸びていく。花粉症の季節が終わったころじゃなかったかと記憶するが、身体が目覚める前の早朝は鼻水が出やすい。そして小生の奮闘にもかかわらず、鼻水は唇を越え、アゴを越え、さらには顔を通り越して喉もとあたりまで垂れ下がっている。しかも、プラ~ンプラ~ンと右に左へと揺れ始めやがった。チラッと前方に目をやれば、対面に座っているT君が肩をふるわせて笑いをこらえている姿が見える。「...福岡へ2021(14)

  • 福岡へ2021(14)

    ついでなので、別の妄想も記しておこう。中国では明の時代、倭寇なるものが猖獗を極めることになる。倭とはあっても、その実態は日本、朝鮮、中国の荒くれどもの集まりであったことは、定説化されている(と思う)。おそらくは、博多の街でのあぶれモノにも、倭寇となったのが多かったはずだ。そこで以前から疑問に感じていることがあるのだけれども、彼らはいったい何語をしゃべっていたのだろうか?ピジョン・チャイニーズだったのか。それとも、その問いがそもそも間違っていて、日朝中の海の民の間では共通言語が成り立っていたということなのだろうか。よくわからない。さらにずっと時代をさかのぼれば、九州北部と朝鮮半島との交流は縄文時代から続いているそうだ。それは朝鮮からも縄文土器が出土していることからもうかがえる。となると、彼らは同じ言語、または似た...福岡へ2021(14)

  • 福岡へ2021(12)

    聖福寺にはある重要な文書が伝わっているらしい。それがなんだったのかを失念してしまったが、小生が学生のとき、そこの坊さんが「あの文書はどうして重要文化財に指定されないんですかね?」と語っている場に居合わせることがあった。そんな話を聞いても小生にしてみれば「なんのこっちゃ?」なんだけど、学界では偽書とされているらしいと、中世史を専攻していた先輩に教えてもらったものである。それはともかく、まずは聖福寺の手前にある承天寺(じょうてんじ)から見学してみることにする。そこで気がついたが、そのへんは御供所町という町名で、ごくしょまちと読むらしい。名古屋の市営地下鉄に御器所駅というところがあり、そこの読み方はごきそ、だ。地名の由来は同じような理由によるものじゃないかと推察するが、読み方には地域差が発生している。博多の地の人はサ...福岡へ2021(12)

  • 福岡へ2021(11)

    夕飯を食べながら弟に「朝日新聞の土曜日の別刷りを見ていたら、吃音治療の専門家ということで馬出(まえだし)病院の医師が紹介されていたんだよ。それはいいんだけど、写真の撮り方がホントに上手くてさあ、緑豊かな一角をその医師が慎ましく歩いているような感じの演出で、馬出にそんなとこ、ねーよって思っちゃった」と述べた。すると義弟曰く「いやあ、あのヘンもものすごく変わりましたよ。建物なんてみんな近代的になっちゃって、治療棟がバンバン建っているし、庭も患者フレンドリーな感じになっているんじゃないですかね」げな。ヘー、そうなんだ。小生の述べている馬出病院なるところは、夢野久作著『ドグラ・マグラ』の舞台ともなったところであり、アジア太平洋戦争中は七三一部隊にも多くの人材を送り込み、さらには米兵の生体解剖を行ったことで歴史上著名なス...福岡へ2021(11)

  • 福岡へ2021(10)

    妻と義理の弟とドッキングする時間が近づいてきたので、駅ビルを降りていった。ミスドの前で小生を待っている姿がある。ところで、くそハンバーガー屋のマクドナルドのことを、東京ではマックと略称し、大阪はマクドと呼ぶという話は有名だろう。福岡はマックではないかと思う。エスカレーターでは、東京で歩かない人は左側によって右側を空ける。大阪ではその逆で、歩かない人は右側に寄る。福岡は、小生の覚えているかぎりでは東京方式。名古屋は数十年前に、大阪方式から東京方式に転向したはずだ。名古屋の転向にはなにかきっかけがあったのだろうか。人々の社会的行動がある日を境にガラッと変わってしまったのだから、謎としか表現できない。したがって、名古屋ではマクドナルドのことをどう略称しているのか。今度名古屋に行ったら、姪にでも聞いてみることにしよう。...福岡へ2021(10)

  • 福岡へ2021(09)

    春吉橋から南に右折し博多駅方面に進めば、川の両岸は緑地帯となっている。その一帯を清流公園と称すらしいが、川の流れは清流とはほど遠い。河口が近いのだから、それも仕方がないことだ。そして、屋台の仕込を始めている人たちの姿が目立つ。昔は発電機を持ち込んで店の照明などに使用していたと思っていたのだが、その清流公園のあちこちに電源が設置されているのだ。それは知らなかった。中洲の川沿いは屋台が並ぶことで有名な、福岡の観光地である。そのため観光地料金だから、例えばおでんのようななんでもないものでもクソ高い。それでも、「ここのおでんは東京じゃ食べれん味ばい!」なんてお店のオニイサンが気勢をあげれば、観光客は喜んでくれる。したがって、地元の人はめったに行かない一角でもある。札幌のラーメン横丁に地元の人が行かないようなものだ。ラー...福岡へ2021(09)

  • 福岡へ2021(08)

    さて、缶ビールを飲み干してしまったので、天神に向かうことにする。南側の中洲方面に少しもどってから橋を渡り、福岡市赤煉瓦文化館のところに出る。昔は日本生命九州支店だった建物だ。その建物の前に、昔は屋台が出ていた(いまはどうなのか知らない)。寮の先輩がそこでバイトをしていたことがあったとかで、夜、ラーメンを食いに車でよく行ったところである。そこを通り過ぎ、いよいよ天神コアの跡地へ。巨大な更地が広がっているはずであるけれど、フェンスに囲まれていてなかはよく見えない。数年後どうなっているのだろうか。ただし、飛行機の騒音と工事の音とがあいまって、クソうるせえ。そこに巨大なショッピングモールが誕生しても、うるさいことには変わりないだろう。そこで時計を見ると、そろそろ博多駅に向かわないと妻との待ち合わせに遅れそうだ。中洲を突...福岡へ2021(08)

  • 福岡へ2021(07)

    そういえば、博多駅の新幹線側の2階に、ヒゲのオヤジのイラストを掲げた床屋だったか美容院があったはずだ。あれってなんだったっけ?と、その看板を探してみたものの見つからない。そのお店がなくなってしまったのか、小生の記憶ちがいなのかは判然としないが、見当たらないものはしょうがない。そろそろ歩き疲れてもきたので、とにかく宿に向かうことにしよう。ということで博多駅構内を抜けて大博通りへと向かう。博多駅から海側に向けて、大博通り上にモノレールを通すという計画があったことを思い出した。モノレールといえば小倉で充分という気もするが、博多駅から福岡ボートまで直結させるということだったのかな。もしもそうなっていたら、博多駅周辺にはガラの悪い人たちがたむろしていたことだろう。その昔勤めていたT社の倉庫が、埼玉の戸田にあった。現在は某...福岡へ2021(07)

  • 福岡へ2021(06)

    そこで米作を本格的に始めようとしたら、その場の構成員での集団作業が求められる。計画的な人員配置をはじめ、四季の変化のなかでの各作業の判断、各種資材の手配、収穫物の保存・配分などなど、個々人のてんでバラバラさには制御がかけられることになる。そこからヒエラルキーが自然に発生し、さらにそれが王権の誕生へと展開していく。というのが一般的な説明だろうか。一方、これは福岡の話ではないものの、縄文時代中期には農耕が始まっていたことは定説となっている。ユネスコの世界遺産に選ばれそうな東日本の縄文遺跡群とか、信州諏訪の縄文遺跡などでは農耕の跡が認められている。そして、シャーマンか首長のものなのかどうかは知らないが、埋葬の仕方が特殊な形態の墓もあり、階層分化が始まっていたこともわかっている。(以上は、過去に読んだ書籍から記憶をもと...福岡へ2021(06)

  • 福岡へ2021(05)

    せっかく山王まで来たので昔通っていたバイト先を探してみたものの、マンションが建ち並んでいるだけで、問屋らしきものなんてどこにも見当たらない。移転したのか、倒産しちゃったのか気になるものの、その社名も忘れちゃったからその後の調べようもない。その会社はあきらめて、久しぶりに山王公園を歩いてみた。30数年前の姿を覚えているわけもないが、印象としては、ずいぶんと整理されたような気がする。以前から芝生の広がっているところではあったはずだけど、現在ではジョギング用ロードなんかも作られていた。近くに住んでいる人だろうか、4、5名のジジババが楽しげにおしゃべりをしている。「オイ、オイ、密だぞ」なんて野暮なことは言わない。公園内を博多駅方面に向かって進んでいけば、左手には山王神社がある。これは昔からあるものの、少し盛り上がったと...福岡へ2021(05)

  • 福岡へ2021(04)

    そして、食後「すみませ~ん、そば湯ください」と店員さんに声をかけたら、店員さんはキョトンとした顔をしている。一緒に食べていた仲間も「おまえ、なん言っとうと?」という雰囲気だ。その一人が「腹巻、そば湯っちゃなんね?」とたずねてきたので、食文化がちがうんだとようやく気がついた。ばってん、そば湯もつかん盛りそばっちゃなんね、という気分にはなったものである。小生が福岡に暮らしていた当時は、そばを食すということがそのくらい非日常であったはずだ。そのゆえに、薬院なんかでそば屋と出合ったのなんて奇跡に近かったのかもしれない。ところが、昼飯を食べに入ったチェーン店のうどん屋では、目の前で幼い男の子が盛りそばを食べている。なんとも珍妙な光景のように感じた。そして案の定というべきか、そば湯なんて出てくるわけがない。そば湯という文化...福岡へ2021(04)

  • 福岡へ(03)

    ようやく泣き止んだガキを連れてババサマがもどったところに、そのテーブルに料理がちょうど運ばれてきた。なにを頼んだのかなあと眺めれば、ガキには盛りそばである。「マジ!博多で盛りそば?」と意外の感に打たれる。もちろん、福岡にそばがないわけではない。そば自体は、福岡県の場合、旧小石原村あたりでも栽培されていると聞いたことはある。しかし福岡でのそばとなると、東京(というよりは東日本)のように日常的な食事ではないはずだ。そのゆえに驚いた。学生のとき、後輩に松山出身のやつがいた。そいつの曰く、「そばって、大晦日だけに食べる特別なものだと思っていました」。そんなことを聞くと、信州の山ザルである小生など腰からくだけそうになるものの、食文化の違いなんてのはそんなものなのだろう。そういえば、小生が初めて福岡に行ったとき、晩飯を食べ...福岡へ(03)

  • 福岡へ2021(02)

    しばらく待っていてようやく登場時間になったので、初めてスターフライヤーに乗り込んだ。スターフライヤーって、そもそもは羽田―北九州市間を結ぶ路線としてスタートしたはずである。しかし、北九州市の空港がどこにあるのかは知らない。シートが革張りとは聞いていたが、そもそも機体が大きくないので、1列が左右に3席ずつの6席だ。しかも、お客さんはガラガラ。航空会社には申し訳ないものの、これなら快適な移動になりそうな予感がする。しかし、ビデオのプログラムはさほど充実していない。読み止しの本を読みつつウツラウツラしていたら、あっという間に福岡に近づいてきている。向かって右側の席に座っていたのだけれど、窓外には小さな島がいくつかプカプカ浮かんでいるのが見えてきた。そのうちの一つで、大規模な埋め立てでも行っているのだろうか、二つの小さ...福岡へ2021(02)

  • 福岡へ2021(01)

    本年も、妻と一緒に福岡に行ってきた。事前に義弟から「どこか行きたいところあると?」とたずねられ、「空港通りのひらお(という天ぷら定食屋さん)に行きたい」と答えておいた。すると、コロナを心配する妻は「そんなとこ、店内は仕切られているの?」とくだらねえ心配をしやがる。「それじゃあ、大宰府インター近くのだるま(天ぷら屋らしい)にする?」と義弟は気を遣ってくれるのだけれども、小生にとっての問題はそこにはない。そもそもが大宰府まで行くほどのことでもないうえ、だるまというお店のことを知らない。そうではなく、小生に初めてイカの塩辛の美味しさを教えてくれたひらおに行きたいだけなのだ。しかも、ひらおは福岡空港に接している。そこで妻が弟に「じゃあ、来る途中に店内をのぞいてきて。密だったら、私は車のなかで待っている」げな。小生は塩辛...福岡へ2021(01)

  • 月末の風塵社(02)

    某日、Aさんという方にお話をうかがう機会があった。AさんはB社から本を出されてもいる。雑談の最中、B社の話となった。弊社と同じくB社も厳しい経営を余儀なくされていたので、B社社長の苦労もしのばれるというものだ。そしてまた、Aさんの著書の売れ行きとは関係なく、B社の経営は厳しかったことだろう。ただし、その本が爆発的に売れていたら、話は別である。そして、B社社長からAさんに「お金貸して」という電話が、ある日あったらしい。なんでも、B社社長は知人からお金を借りるため某所まで出かけたいのだけれど、その旅費も作れないということだ。しかし貸し借りとなると、その後の人間関係を含めて面倒になっていくのが世の常である。そこで聡明なAさんは、自著を100冊買い取るという方策でB社の手助けをしようと考えた。金額にすれば10数万という...月末の風塵社(02)

  • 月末の風塵社(01)

    月末を迎えた。金がない。支払いをなんとかしなければならないけれど、その当てもない。会社に行くのがいやになる。本日の風塵社の営業は休みにしようかなあと、布団のなかで考える。しかし、校了しなければならない仕事が一本あった。となれば、会社に行かなければならない。嗚呼、いやだいやだと思いつつ布団から出てみたものの、よくよく考えれば(よくよく考えなくても)、こんな生活をもう20年以上も続けているのだ。こんなんでよく生きてきたなあと、いまさらながら、おのれの強靭な生命力に気がついた。高校生だったとき、友人から「おまえはヴァイタルだよなあ」といわれたことがあったけれど、当時はvitalなんて語の意味を知らなかったから、「ヴァイタルってなに?」と素直に聞き返していたものであった。それから何年かが経ち、別の友人から「おまえはゴキ...月末の風塵社(01)

  • ぬか漬けパック

    金欠病の合併症による鬱状態が思わしくない。会社に着いても気分がだるいだけ。会社までは走っているというのに、着いたらだるいとはどういうことなのか。おかげでポケ~としているばかりなり。そんなかったるい日々を送っていたら、社内の流し下の収納に置いていたヌカ漬けをダメにしてしまった。もちろん、陶器の容器で漬けているわけではなく、スーパーにあるパックのものだ。それを開けるたびに刺激臭が漂うようになってしまうというわけである。キュウリやらナスという夏野菜を、これから漬けたいなあという季節を迎えようとしている。そこで、腐敗菌に占領されてしまったヌカ漬けパックを、そこでなんとか復活できないものかと考えた。ネットを引いてみると、「腐敗菌は嫌気性なので、毎日、手でとにかくかきまぜろ」とある。ならばと朝昼晩の3回、パックを開けては数...ぬか漬けパック

  • 大月へ(06)

    「鬼の岩屋」というむかしの修験道の跡地をあとにし、われわれもようやく山頂を目指すことにした。ここで告白しておけば、実はその岩殿山なるものを少々ナメていた。夫婦ふたりとも、足元は登山靴ではなくジョギングシューズである。しかもスティックも持ってきていない。さすがにペットボトルの水くらいは駅前で買ってきたものの、実質的には昼食用におにぎりの準備をしたくらいだ。そこでmこの先つえくらいないと面倒かなと、落ちていた枯れ枝を拾いスティック代わりとした。10分も歩かないうちに尾根のような感じの道となる。左右を見比べてみるが、どちらも広葉樹と針葉樹が入り混じっており、明確なちがいはなさそうだ。これは方位の問題なのかな。東南側から登っていれば、左右に同じように日が当たる。そのため広葉樹と針葉樹との棲み分けが生じていないのだろうと...大月へ(06)

  • 大月へ(05)

    岩殿山のルートマップを見ていて、巨岩を稚児落としと呼んでいることを知る。しかも何箇所かあるようだ。名称の由来は人減らしにあったのか、それとも子どもたちへの教育的威嚇効果によるものなのかは知らないが、それにしても物騒な命名をしたものである。信州の姨捨山みたいなものだ。さらには鎖場もあるようだ。以前、韮崎の甲斐駒ヶ岳(だっけ?)に妻と登ったときも鎖場があった。「すぐ終わるからちょっと鎖場を試してみたら」と妻をだまし、無理に登らせてみた。すると途中で下を見てしまったのだろう、人間が恐怖を感じる高さまで登っていることに妻が気がつく。いまさら降りるわけにもいかないので、必死になって上まではい登っていった。その姿を笑いながら小生は登り、上に到着してから「だから言ったでしょ、やればできるって」と偉そうに訓示してあげたわけであ...大月へ(05)

  • 大月へ(04)

    何十年か前、ネズミの国には行ったことが一度あるけれど、富士急ハイランドには行ったことがない。小生は信州安曇野の出身なので、小学生のころ夏休みに富士急ハイランドまで遊びにいってきたという同級生が、毎年、ひとりかふたりはいたものであった(もっと多かったかな)。おそらくは両親の車に乗せられ、連れていってもらったのだろう。うらやましい、一度は行ってみたいなという思いと同時に、絶対に行きたくないという気持ちもこみ上げてきたものである。どういうことかというと、ガキのころは父親の乗用車の臭いがダメで、乗るとすぐに気分が悪くなって吐き気をもよおしてしまったからだ。そのため、車での長距離移動など拷問でしかない。当時の交通事情では、安曇野から富士急ハイランドまで車で2時間半くらいだろうか。往復すれば5時間ともなろう。まあ、帰りは寝...大月へ(04)

  • 大月へ(03)

    妻は特急あずさで大月まで行くつもりであったようであるけれど、特急を使うほどの距離でもないだろうと思っていた。そのため、中央特快に乗ることは至上命題でもあったのだ。そして池袋―大月間のJR乗車券のみなら、片道1500円ほど。所要時間も2時間弱というところだろうか。ところがトラブルが発生し、大雑把にどの程度時間がかかるのか、結局のところいまだわかっていない。そのトラブルというのは、小生がまちがえて八王子で下車してしまったことである。高尾行きの電車に乗っていたのだから、素直に終点の高尾まで行けばよかった。ところがなにを勘違いしたか、高尾から先に進む電車は八王子から出ているものと小生は思い込んでいて、八王子で降りてからホーム上をさまようこととなる。どこに行くにしても、そこでの行動は基本的にはインプロヴィゼーションだと小...大月へ(03)

  • 大月へ(02)

    さて、布団にはもぐりこんだものの、久しぶりの山歩きだなあと想像したら、山猿ちゃんの血が騒ぐというものである。眠れなくなってしまった。いい歳こいて、遠足前の小学生かよという気分となる。隣りからは妻の高いびきが聞こえてくる。「うるせえな、この野郎」と思っているうちに、こちらもいつの間にやらウツラウツラ。ところがしばらくして、目が覚めてしまった。枕元に置いたケータイを見れば、2:00前である。睡眠不足で遠足中止ともなったら、笑うに笑えない。熟睡できないなあと内心でぼやきつつ、ひたすら目を閉じていることにする。そこでまた意識がもどれば、まだ4:00前。これが5:00くらいならば起き出すところではあるけれど、もう少しの辛抱とまた目を閉じる。おかげで6:00前に目覚ましの音で起きたときは、眠くて眠くてどうしようもない。遠足...大月へ(02)

  • 大月へ(01)

    いつの間にやら5月となり、連休を迎えることとなる。これまでは、連休中に開かれる笠間の陶炎祭なるものに、妻とF社社長と出かけることが多かった。ところがコロナの影響で昨年は中止。今年はいちおう開くものの、お酒を出すようなところはないようだ。それならば行ってもしょうがない。妻は焼き物も見たいようであるけれど、小生にしてみれば酒を飲む以外に愉しみなどあろうはずがない。そこで、せっかくの連休をどうしようかと考えるものの、そのうちの1日は出社して定例の「救援」の作業をしなければならない。残りは家でゴロゴロするにしても、1回くらいはどこかの低山にでも登りたいものだ。どこに行こうかなあと考えてみる。妻はコロナに恐怖しているので、高尾山のような混雑の予想されるところには絶対に反対することだろう。秩父の低山には「飽きちゃった」とタ...大月へ(01)

  • ブルーマンデー(02)

    妻の件は、ひとまず置いておこう。月も下旬を迎えようとすると、月末の支払いが気になってしまう。歩きながら、入金予定と支払い金額の計算をしてみる。取次からの計算書がまだ届いていないので、月末の取次入金がどの程度になるのか正確にはハッキリしていない。そこで、現在高と確定している入金予定額とを合算してみると、思いのほか以上に余裕がありすぎるようだ。先月末に計算したときは、いささか足りないことになりそうだから、取次入金がそこそこあればいいなあと願っていたはずである。あれ、おかしいなあと支払額を計算しなおしてみたら、今月の倉庫代をいまだ支払っていないことに気がついた。その出入りの差額でずいぶん余裕だなと考えていたわけで、原因がわかってしまえばアリャリャリャという気分だ。結局、いささか足りないことにはなんの変わりもない。気が...ブルーマンデー(02)

  • ブルーマンデー(01)

    ある月曜日の早朝5:00くらい、久しぶりによく寝たような気分がして目が覚めた。ここのところずっと、日曜の夜は睡眠の摂りかたが不規則で、翌朝に目覚めたとき、スッキリ感などとは無縁の状態に陥っていたのである。日曜の21:00くらいには眠くなり布団にもぐりこんでしまうものの、24:00あたりで目が覚めてしまう。その目覚めのタイミングが合えば『進撃の巨人』を鑑賞できたのだけれども、つらいのは『進撃~』が終わったあとに起き出してしまったときである。トイレに行ってから再び布団にもどっても眠れないし、TVの通販番組を見ていても退屈だし、といって本を読む気にもなれず、朝までどうしようかと悩むことがたびたび生じていた。それが、ようやく快眠できたという月曜の朝だ。今週はがんばろうかなあなどと、めずらしくポジティブな思考も芽生える。...ブルーマンデー(01)

  • プロジェクターに苦労する(02)

    13:00開場、13:30開演予定なので、セッティング時間は30分しかなく、かなりの時間をすでに消費してしまっている。かなりあせっている小生に、力強いホワイトナイトの出現だ。そこに、当日講演をする予定のM氏も到着された。プロジェクターをゴチャゴチャいじっているわれわれに「そのプロジェクター、このパソコンにもつながりますよね」と、持参のノートパソコンを示される。そこで、インプット2から引っ張ってきたコードを、そのパソコンにぶち込んだら、パソコン画面を映写することはできた。映り方がゆがんでいるけれど、それはあとで調整すればよい。問題は、インプット1でつなげているDVDの映像がどうしても映写できないことにある。ようやく音声を流せることはできた。しかし、肝心の映像がまったく映らない。ホワイトナイトの彼も「どうしてなんだ...プロジェクターに苦労する(02)

  • プロジェクターに苦労する(01)

    ある日、某任意団体のY氏から文京区内某施設の予約を頼まれる。毎年恒例の定期総会を開くため、広い場所を借りたいということだ。そのため、文京区で事業をしている弊社に、場所取りの指示がおりてきた。そこで、HPから某日・某会場の抽選申し込みをしておいたら、なんと弊社が受かってしまった。いささか面倒ではあっても、世のため人のために少しでも貢献できるのならば光栄だとしておこう。その定期総会前日、Y氏から電話が入る。「腹巻くん、明日の件なんだけど、プロジェクターの使用は大丈夫?」「ああ、大丈夫だと思いますよ。プロジェクター込みで借りていますから」「短い時間だけど、DVDを持っていって上映する予定なんだ」「そういうのは早く言ってくださいよ。でも、確かDVDプレイヤーがあるはずで、それとつなげば上映できるんじゃないですかね」など...プロジェクターに苦労する(01)

  • 追悼Hさん

    ある日、Hさんが亡くなったとのメールが、K氏から届く。ショックのあまり、返信をする気もわかない。享年は70代半ばか。典型的な全共闘オヤジであった。某セクトに所属し、内ゲバ事件に引っかかってムショ務めもされた経験をお持ちであった。そしてHさんは、小生が相手をしてもらった碁打ちのなかで、一番強い人であった。神奈川県の代表レベルとは、自称だったのか他称だったのかは、いまさら確認のしようもないけれど、若いころはそのくらいの実力があったにちがいない。何年前のことだったか、久しぶりに囲碁の大会に出たことがあったらしい。そうしたら「いやあ、初戦で小学生に負けちゃったよ」と、後日笑いながら話されていたことを思いだす。プロを目指しているのかは知らないが、囲碁なり将棋なりの滅茶苦茶強い天才的なガキンチョはめずらしい存在ではない。H...追悼Hさん

  • 心を入れ替えたい

    ボッケ~としていた日々を過ごしていたら、今年も4月に入っていた。気がつけば、今年も1/4が終わっていたということである。その間なにをしていたのかと振り返れば、なんと、なにもしていなかった!あまりにも強烈な事実に向き合うと、恐怖に慄くしかない。よくぞまあ、こんな調子でも会社が存続していたものだ。ミラクルとしか表現のしようがない。しかし、年度も変わったことだし、心持を入れ替えなければならないだろう。そこで繰り返しになってしまうけれど、ボッケ~とした日々を過ごすということは、来るべき行き詰まりの恐怖に目をつぶり続けるということである。それがわかっているだけに、先ほど「慄くしかない」と記すことになった。しかし人間というものは、わかりきっている不都合な情報からは目を背けてしまう存在なのだ。そういう現実逃避の心情をオストリ...心を入れ替えたい

  • 江戸川橋へ(01)

    ウダウダした気分で作業が捗らず、朝から晩までボケーッと過ごしているある日、朝食を摂っていると妻が「あんた、どこか行きたいところある?」と唐突にたずねてきた。「花見して酒飲んで、テンションあげたい」「なに言ってるの、密じゃない」「コロナなんて関係あるかいな」。そこで、こいつはそもそもなにを語りたいのだろうかといぶかしむと、「実は~」と妻が切り出した。要は、コロナのおかげで2020年度の会社の福利厚生をまったく利用していない、そのためポイントだけはたまっているけれど、それが3月末で消滅してしまう、したがって、ちょっと贅沢なことをしたいなる、箆棒にプチブル的なご相談を遊ばされているようである。相手が妻でなくどこかのきれいなネーチャンだったら、鼻の下を伸ばして「ほな、二人でどこか鄙びた温泉にでも行こうか」と下卑た薄笑い...江戸川橋へ(01)

  • みずほトラブルを機に考える

    みずほ銀行のシステム障害が泥沼化していて、大変だ。休眠口座を顧客の同意なく電子化しちゃおうとしたところに、そもそもの原因があるとなると同情する気は薄れてしまうものの、しかしつぶれてしまっても困る。ここはしっかり復旧してもらいたいものである。2年前だったかに、システム統合が完璧に終了しましたなんて盛大に発表したはずなのに、銀行幹部は頭を抱えていることだろう。朝日新聞の記事によれば、統合ばかりに集中してしまいメンテナンスがおろそかになってしまった、なんていう幹部の発言があった。「ほんまかいな。ようやく統合されたシステムに、いまだ根本的な欠陥があっただけじゃないの?」と、性格の悪い小生は思ってしまう。みずほ銀行の前身は、第一勧業と富士銀行と日本興業銀行である。それが、ヘイゾーの大合併命令によって一緒になることになった...みずほトラブルを機に考える

  • タバコを吸っていたら

    ある土曜日、都内某所山谷にて、某作業を行うことになっていた。しかし、集合時間前にその現場に行ってみたら、大トラブル発生で作業どころではない。なにしにここまでわざわざ来たんだよという気分ではあるけれど、そのトラブルの大元が解決されないことにはどうしようもないのだ。とにかく、やるべきことを果たすべく、関係各位には奮闘してもらうしかない。しかし、その場で小生にできることは限られている。運よくというべきか、2時間半もかけてYさんが車でその場に来ておられた。Yさんにしてみれば、運悪くということだろう。その車をフル活用し、結局は難局をやりすごすということになるのだけれども、そこですったもんだした挙句、やっていることがなにもかもチグハグだなあと感じることになる。それはしょうがない。そしてそのチグハグの結果、何百通かの角3封筒...タバコを吸っていたら

  • ブクロの長尾

    酒に酔ってフラフラ帰宅の途につく。池袋で地下鉄を降り立教通りを歩いていると、向かいから自転車で進んできたオッサンと突然口論になった。なんのことはない。オッサンの進路に小生がふらついてしまったというのが原因のようだ。年格好は小生より少し上くらいの年齢だろうか。つまり、60にはなっていないくらいの感じだ。それにしても、そんなつまらんことで、本気で腹を立てているとは、なんちゅうバカなんだろうと呆れてしまう。「危ないから気をつけろよ」のひと言ですむ話だろう。しかし、売られたケンカは買わねばならない。「おまえがおれの進路を妨害しただろ」という主旨のことをきつい口調で小生にのたまうので、「そんなちっちゃなことで、ギャーギャー騒ぐな、バカたれ!」と穏やかに述べておく。するとそのオッサン「だったら、警官呼んでやる」げな。こいつ...ブクロの長尾

  • 入試問題

    気がつけば、もう3月。すでに梅の花は散り始めていた。ボーッとしていただけなのに、時間の流れが速すぎる。雨の日、久しぶりに地下鉄で会社に向かった。本郷3丁目駅で降り、エスカレーターでチンタラ上っていく。下りのエスカレーターに乗っていた小太りのおばちゃん、急いでいるのか、少し早足でエスカレーターを進んでいく。その姿を見てなんだか危なっかしいなあと感じた。すると、ドスンと音がしたので振り返ると、案の定、出口のところですべってコケちゃっている。大丈夫だったのかいな。しかし、そういう恥ずかしいことをしでかしちゃったときは、無視してもらいたいものだろう。以前、マタンゴにもらった自転車で御徒町に向かっていた。その自転車、長期間乗り回していたため、ずいぶんとくたびれてしまっていた。すると末広町で、パアーンと音が鳴り、タイヤが見...入試問題

  • 渋谷へ(02)

    最近、認知障害を起こすことが多くなってきた。具体的には記憶の混乱である。「あるファクスがなかなか来ないなあ。催促した方がいいのかなあ」なんてぼんやり考えていると、目の前にそのファクスがあったりする。しかし、いつ届いたのかは覚えていない。年のせいか、更年期障害なのか、それとも酒の呑みすぎか、原因はよくわからないものの困ったものである。そもそも、帰宅時は酔っ払っているので、帰宅途中のことはよく覚えていない。こんな調子ではブタ箱にまた放り込まれてしまう。毎日のようにブラックアウトを繰り返しているのだから、脳細胞が壊死するのも無理はない。そのうち、肝臓も壊しちゃうのだろうか。さて、とある休日の10時ころ。買いものに行こうと妻に伝えると、体調が悪いとかなんとかグズりやがる。面倒くさいなあとひとりでスーパーに出かけ、妻に頼...渋谷へ(02)

  • 渋谷へ(01)

    某日、某映画の試写会で渋谷某所へと出かける。コロナ以来、渋谷へ出かけるのは本当に久しぶりだ。お茶の水から中央線で新宿に出、そこで山手線に乗り換えようとしたとき「渋谷のハチ公口ってどっち側だったけなあ」と瞬間悩む。進行方向に向かって先頭側だったのか、後尾だったのかに迷ったわけだ。長い長い山手線のホーム。乗車位置を間違えると、延々と人ごみを抜けなければならなくなる。ようやく最後尾だったことを思い出した。そして某映画館へ。その試写会場入り口でT氏と遭遇。「ぼくのこと覚えている?」というようなことを言われるが、しばらく会っていなかったとはいえ忘れるわけがない。妙な質問をするなあと疑問に感じるものの、小生のただの聞きちがいかもしれない。会場の席に着いたら、たいして待つこともなく試写会スタート。小生の立場からすると、この映...渋谷へ(01)

  • 777

    カレーを作るために会社に行っているのか、という腑抜けた日々が続いている。現在作っている新刊の索引拾いを終わらせないといけないのに、その作業がまったく進んでいない。そこにR社某誌の制作請負の仕事が入っている。以前ならば、追い込まれると集中力が上がったように思うのだけれども(勝手な思い込みかもしれないが)、ここのところは意欲が減退するばかりだ。いよいよ更年期なのか、それともコロナ鬱のせいか。ある朝、池袋に歩いていく途中、カレーの具材にソイミートを入れたらどうだろうかと思いつく。しかし、通勤途中でソイミートを置いていそうなお店となると、ラクーアの成城石井くらいなものだろうか。しかも、そのラクーア店は開店前だ。どうしようかなあと考え、山手線で御徒町の吉池にまずは立ち寄ってみようと思い至る。あとで思えば、サンシャインの成...777

  • カレー作り05

    13:00ころには来ると言っていたばばさま、なかなか姿を現さない。待っていても仕方がないから、仕事を始めることにした。まずは某所に請求書を送らないといけない。なんとも律儀な取引先で、数百円の売上でも請求書を要求するところである。しかも振込手数料は弊社負担であるし、郵送料84円を考えれば、数百円の請求書なんて送りたくもない。そのため、千円以上の売上がたまれば請求書を送ることにしてもらった。そして今月の売上が3000円弱。これからは、1万円以上たまったらにしてもらおうかな。郵便局に行ってその請求書を出してもどってくれば、ばばさまがお見えであった。早速カレーを温めなおし、食べてもらう。そのばばさま、どうでもいいようなツッコミは入れるが、心を許している相手をヘンに慮るタイプではない。つまり、まずければまずいとハッキリい...カレー作り05

  • カレー作り04

    池袋に向かって歩いていくと、あるお寺の門前に植えられている河津桜が一輪だけ花を咲かせている。今年は暖冬なのだろうか。あまり寒さを感じないうちに、もう春の訪れを予兆させている。来月になれば、寒さが一層厳しくなるのかな。これまでのところ、東京にはたいした雪も降っていない。それにしても、もう月末だ。1/12があっという間に終わってしまう。今年の忘年会の企画をそろそろ考えなければならない段階だ。池袋駅を通過すれば、月末というのにずいぶんと人の少ないことよ。こんなことで、日本の労働者階級の職は守られるのだろうか。リモートなんてものが常態化すれば、明らかになるのは営業部門の無駄さ加減である。となれば、営業は縮小傾向に陥ることだろう。一方で、サラリーマンにおける営業職の割合は、かなり高いはずだ(正確な統計数字を知らない)。し...カレー作り04

  • カレー作り03

    インド「風」カレーを作る要領はなんとなく覚えたものの、味付けやコストの問題が残っているところまでは記した。その、初めてインド「風」を作ってみた日の夕方、酒を呑みつつ事務所内でボケーっとしていたら20:00を回っている。そろそろ帰ろうかと着替え始めたら、腹部に異変が生じる。以下、尾篭な話となる。突然便意をもよおし、会社のトイレに座り込めば、固めの便がブリブリ出てきやがる。といって、スッキリするわけでもなく、便意がまったく止まらない。しかも、お腹をこわしたときの排便ともちがう感覚だ。酔っ払っての帰宅途中、魔が差して締めの博多ラーメンなんて食してしまうと、翌朝お腹がひどいことになってしまう、とは何回も述べてきた。当然ながら、そのときはひどい下痢状態に陥っている。ところがそういうのではまったくなく、先述のごとく固めの便...カレー作り03

  • カレー作り02

    玉ねぎをフライパンに放り込んでから買ってきたばかりの木ベラで時おりかきまぜてみるものの、超弱火にしておいたせいか油もひかなかったのに焦げ付きもなく20分が経過した。もう少し茶色になったほうがいいのかなあと思わなくもないが、とにかく買ってきたばかりのスパイスをぶち込みたくてウズウズしてしまうおのれを抑えられない。試作品1号にトライ&エラーはつきものと割り切り、次の工程に進むことにした。ところで、工程と行程との表記が最近混乱している気がしている。行程のほうはロードマップの和訳なんだろうけれど、それらは戦略(strategy)と戦術(tactics)のちがいに近いものがある。工程が戦術で、行程が戦略という意味である。そこで思い出せば以前に、新入社員の発言の戦略と戦術のちがいをあげつらうというのがイビりのトレンドだった...カレー作り02

  • カレー作り01

    冬ウツかコロナウツか、それとも毎度おなじみの金欠ウツか、原因はよくわからないものの、例によってなんにもやりたくない病に陥ってしまった。毎度会社には来るんだけれど、ボーッとしていたら一日が終わっている。こんなんではまったく先に進まないし困ったなあ、なんて考えてしまうのは無理からぬところだろう。そこでふと、テンションのあがるものを食べたらどうだろうかと思い当たる。毎日のように昼飯は味噌汁蕎麦を作っているが、たまにはカレーでも作ったらどうかというわけだ。カレーといっても、日本のカレーライスの方ではなく、インド風(この「風」には強調の傍点が付されている、とお考えくだされ)のものを指す。そこでF社に電話。銀座のNレストランからカレーの作り方の直伝を受けたといわれる(?)T氏に話を聞いてみた。「インド風のカレーを作るのに、...カレー作り01

  • 政治的ニヒリズム

    本日、朝食を食べながら7:00のNHKニュースを眺めていたら、腰が抜けそうになった。なんと、トップニュースがコロナ情報なのだ。前日の通常国会開始にあたり、スガが施政方針演説を行ったはずである。当然ながら、そこでコロナ対策及び関連する景気浮揚策を政府としてはどのように取り組むかを話した(のだと思う)。準国営放送の朝のニュースでそれがトップではなく、7:13ころから1、2分の扱いでしかなかった。ご飯を噛み噛みしつつ、これはどういうことなのかと考えてしまうのも無理からぬことだろう。そこで、想定その1、スガの話があまりに内容に乏しく、準国営放送ですらもニュースバリューがないと判断した。想定その2、内容の貧しさを露呈させてしまうとスガの支持率がまた下がってしまうから、スガをかばうためにあえて低い扱いにした。想定その3、ス...政治的ニヒリズム

  • 早稲田へ2021

    正月の3日目、外は快晴である。囲碁の番組を観終えると散歩に出かけたくなった。「どこか行く?」と妻にたずねたら、「どこかってどこ?」と質される。ウーム、なにも考えていなかった。「おまえのいないところなら、どこでもよか」と答えようかとも考えるけれども、正月から夫婦喧嘩を始めてもつまらない。とはいえ、近くの神社には、1日目、2日目に行ってしまっている。どうしようかなあとしばらく考え、「早稲田の穴八幡」と答えてみた。どうせゴネるだろうと思っていたら、「久しぶりだねぇ、行ってみよう」と意外にも好反応である。そんなわけで、早稲田まで歩いていくことになった。例によって目白を抜けて高田馬場に出る。馬場のゴチャゴチャした駅前商店街を進んでいくと、ウニの専門店なんてのがあり、痛風丼なんて案内が出ている。なんともうまそうな響きではな...早稲田へ2021

  • 早稲田へ2020

    昨年年末のある日曜日、早稲田までひとりで散歩してみることにした。なぜ早稲田かといえば、若いころ勤めていたTという出版社が早稲田にあったからである。その跡地を眺め、初心忘れるべからずという気分にひたろうかと考えたのだ。目白駅を越えて学習院の脇の坂を山手線沿いに右折して高田馬場に出てみる。これまで馬場まで歩いていくときは、聖母坂通りなるところを下っていき、西武新宿線の下落合駅前で新目白通りを左折していたけれど、どちらが近いのだろうか。それにしても、以前は馬場まで歩いていくなんてずいぶんと遠く感じたものなのに、最近では当たり前の距離のように覚える。馬場駅前のゴチャゴチャした商店街を抜け、早稲田通りに出てから左折し早稲田方面へ。インド大使館を通り越すと、意外に学生が多かった。「コロナなんだからガキは家にすっこんでろ」と...早稲田へ2020

  • 風塵社的年末年始2020-2021

    毎年、年の初めは似たようなことを記しているのかもしれない。この大晦日も、近くの寺のお焚き上げに出かけることにした。もちろん、目的は振舞い酒を飲むためである。コ◎キのようなやっちゃと思われるかもしれないが、そんなことは気にしない。ただ酒ほどうまいものはないからだ。仏教だろうが神道だろうが、そもそもの信仰心がうすいし、法事なんて面倒くさいだけである。兄も似たようなタイプなので実父の弔い方なんて本当におそまつなものであったけれども、おかげで兄弟ゲンカになることもなかった。そのうち母も死ぬだろうけど、弔い方なんてどうでもいいといまから思っている。大晦日の23時過ぎにひとりで家をノコノコ出かけ、某寺へと向かった。ところが寺に着いてみると、コロナの影響で例年とちがい、人影がほとんどない。檀家の方と思うが、おじさん二人が賽銭...風塵社的年末年始2020-2021

  • 風塵社的恭賀新年2021

    明けましておめでとうございます。本年もご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。さて、旧年に勃発したコロナ騒動はいつ収束するのか、その目処すら立っておりません。考えてもわからないことは、考えるだけ無駄。それよりも、目の前の業務に集中していきたいと思っているところです。本年がみなさまにとって明るい一年となることをお祈り申し上げます。(風塵社・腹巻)風塵社的恭賀新年2021

  • 風塵社的2020総括

    2020年の風塵社最終営業日、飛行機に乗り遅れそうになりあわてふためく、という夢を見て飛び起きる。最後の最後の日に、なんでそんな夢を見るのだろうか。なんらかの切迫感を抱えたままなのかもしれないし、また、その切迫感を喪失したらボケちゃうのかもしれない。人間、生活にある程度の緊張は必要ではあるけれど、それはあくまでもある程度であり、度が過ぎるとストレスが精神にダメージを与えてしまう。小生の場合、すでにPTSD状態にあるのだろうか。それにしても、お金に悩まない年末年始を迎えることができた。十数年ぶりのことだろう。毎年毎年、年末の資金繰りは銀行営業の最終日まで厳しい勝負となっていた。それで結局、年末に払える分だけはなんとか支払い、残債には年明けの入金を充てることでしのいできたわけである。そのやり方だと、お次に1月、2月...風塵社的2020総括

  • 風塵社的忘年会2020

    某日、コロナなんて関係なく、弊社忘年会を予定していた。ところがその前日の夕刻、「遅れますが行きます。よろしく」なるメールが、あるばばさまから届く。あれぇ~、なんのこっちゃ?と考えていて、もしかして忘年会の日を間違えているのではないかと思い当たった。すぐにばばさまのスマホに電話したもののつながらない。地下鉄にでも乗っているのだろうか。「もしかして勘違いしていませんか。忘年会は明日ですよ」というメールだけは入れておいたけれど、それから10分もしないうちにばばさまが現れた。宴会の用意などなにもなく、雑然とした社内に小生一人酒を飲んでいる姿を見て、「パーティはどうしたの?」とばばさまがたずねてくる。「やっぱ、メール行き違いになっちゃいましたか。忘年会、明日ですよ」と伝えると、「エーッ!」だって。こっちがエーッだよという...風塵社的忘年会2020

  • ババへ

    某日、某社の忘年会のような集まりがあり、Sさんに久しぶりにお会いした。もう2年ほど前になるのだろうか、Sさんの事務所にうかがったらたまたま囲碁の話となり、どの程度の棋力なのかを互いに自己申告してみたら、だいたい同じくらいの腕ではなかろうかという結論。そこで「近々、ぜひ打ちましょう」ということに当然なったのだけれども、その機会を失ってしまい現在に至っている。その日の会が終わってからSさんにあいさつすると、「以前、碁を打とうといってから日にちばかり経ってしまったので、いま、予定を決めませんか」とSさんに言われる。「場所はSさんの事務所でいいですか。うちの事務所にも碁盤くらいはありますよ」と述べると、「私の事務所でいいですよ。やっぱり、土曜の午後とかがいいでしょ?」「そうですね。その時間帯なら、いまのところ12月某日...ババへ

  • おのれとはなにか?

    11年前、弊社が居候していたある出版社(以下A社とする)が不渡りを出してしまった。A社は事業継承する新たな法人を立ち上げ復活を目論むものの、1年後にあえなく頓挫する。あえて言ってしまえば、再建者にその能力もなければ覚悟もなかったのだから、どうしようもなかったのである。そして、勝手につぶれるてくれるのならばそれでかまわなかったのだけれども、その復活しようとする過程において弊社の力を借りなければどうしようもなく、当方も深手を負うこととなった。そうなる10年ほど前のこと、弊社は倒産の危機に瀕していた。理由は単純で、弊社の創業者の能力があまりに低かったからである。業務面での能力の低さはさておき、そもそもの事業心が甘ったれていただけであった。事業心という言葉はここでの造語かもしれないが、起業するまでの資金面の努力もなけれ...おのれとはなにか?

  • 女の口説き方

    某日、歩いて帰るかと会社を出ようとしたら、名古屋の甥っ子からケータイに電話がかかってくる。なにかの用件があるわけでもなく、年に一回くらいはおじさんの声を聞きたいのだろう。こいつは現在大学生で、卒業後は理学療法士を目指している。おじさんとちがって、まともな道を歩んでもらいたいものだ。「コロナで学校に行ってるのか?」とたずねたら、「ぼくたち実習が多いから、行かないとどうしようもないんだ」。その実習の相手をさせられる人にしてみれば、なんとも不幸な話だ。それとも、学生の実習段階では、患者の相手なんてさせてもらえないのかな。「だからおまえ、いつまでもラグビーやらサッカーなんてしてないで、合気道とかの古武道系やってみろよ」「前もその話をしていたけど、それってどうして?」「介護の現場とかで、古武道の動きを覚えていると楽に相手...女の口説き方

  • 焼ジャケ定食

    某日、千代田区某合同庁舎へ某用件でお昼時に出向くことにする。お茶の水からワテラスを抜けて白○社の前に出て、外堀通りを江戸城方面に向かって歩いていく。そしてお堀の前で左折。途中腹が減ってきたものの、その用件だけ終わらせて昼飯にしようと決意した。そして用件は、当初危惧していたほどひどいことにはならず、穏やかに終わりそうな感じになってきたので一安心。それにしても、こういうの(どういうの?)って時効があることを初めて知った。なにごとも経験してみないとわからないものである。安堵のため息が出たところで、古びたエレベーターに乗ってから「それじゃあ、ゴローさんごっこでもしようかなぁ」と考えつつ機内のフロアマップを眺めていたら、地階に食堂があるようだ。ここの職員向けのものだろうから、低価格であることは疑いえない。初めて来たところ...焼ジャケ定食

  • 里芋をいただく

    某日、某氏から収穫した里芋が送られてきた。小生一人宛ではなく、お仲間で分けてくれという趣旨である。ありがたくいただくことにしたものの、結局は小生が大部分を引き取ることになった。某氏には感謝である。その某氏曰く「今年は天候のおかげで成長があまりよくなかった」と。確かに小粒ではあるが、それで味が落ちるわけではない。家に帰ってから数個の皮をむき、翌日から里芋三昧生活に突入することになった。ところで、里芋は皮をむくのが面倒である。一度チンしたものを、水の中でツルンと中身を押し出せば、さほど面倒もなく皮をむくことはできる。ただし、これにはひとつ難点があり、皮をむいた段階で熱の通ったものになってしまうことだ。煮っころがしのようにゆっくり火を通したい料理を作るときには、あまり向いていない。そんなわけで風呂上りに、いくつかを包...里芋をいただく

  • 歯医者へ

    ある作業がまったく進捗しない。頭を抱えている。別の作業が入ってきてそちらに追われてしまったということもあるのだけれど、あまりに作業が進まないと、こちらの心の問題かと疑念が生じてしまう。それとは別のある人にアポを取ろうとしている件も、先方からいまだ連絡なし。どうしたものかいな。某日ある飲み会があり出席すると、帰り道に某氏と一緒になる。そこで近々囲碁を打ちましょうと話が進み、スケジュールまで決めてしまった。詰碁を解いてレベルアップしなければ、そのかたに失礼というものだろう。そんな折、久しぶりに歯医者へ出かける。2年ほど前だろうか。左上の詰め物が取れたりなど歯の不具合があちこちに出てきたので、1年弱ほどある歯科医院に通うことにした。ようやく一通りの施術が終わり、ヤレヤレと解放されることになったものの、2、3カ月もした...歯医者へ

  • 高菜ラーメン

    某日、ほろ酔いながらも歩いて帰宅することにする。たびたび記しているが、ここ数年夜は、酒は毎日飲むけれど、あまり食べないようにしている。口寂しくなったらタバコを吸ってごまかすか、空腹を耐え難いと思えばとなりのコンビニでするめを買ってきてひたすら噛みつづける。そうするうちに空腹も収まり、翌朝「腹が減ったなあ」と非常に健康的な状態で目が覚めることになる。その喫煙飲酒健康法のおかげで体調はすこぶるよろしい、と思う。ところが年に数回、困ったことに帰宅途中、無性にラーメンが食べたくなるときがある。深夜にラーメンなど食せば、翌朝、腹が重くて気持ち悪いだけとなることはわかりきっている。最悪の場合、酔いと相俟って店を出てからゲロゲロしかねない。しかし、小生は心の弱い人間であり、克己心などという言葉からは縁遠い存在だ。ラーメン食い...高菜ラーメン

  • そばがゆ

    ある日、蕎麦粥なるものを作ってみたくなった。小生、おのれのことを信州人などとしばしば自慢げに記すことが多いのだけれども、よくよく考えてみたら、蕎麦の実を目にしたことも手にしたこともないような気がしてきた。もしかしてそうした経験があったのかもしれないが、いま現在ではまったく思い出せない。そもそも、生家の近くに蕎麦を栽培している農家もなかったし、小生の家でももちろん蕎麦を作っていたわけでもないのだから、おそらく、蕎麦の実を手にしたことはないだろう。「これが蕎麦の実だよ」と教えられたことはたとえあったにしても、覚えの悪いガキだったから失念していてもしょうがない。したがって、蕎麦っ食いなんてどんなに自慢げに語ったとしても、しょせん、粉となった蕎麦を食べていただけである。そうではなく、そもそもの、粉となる以前の蕎麦の実の...そばがゆ

  • 日本人首狩族説

    某日新橋某所へと出かける。木枯しというほどではないにせよ、冷たい風が強く吹きつける。その日の朝は、ジョギングで会社に向かおうかと思ったけれど、寒さに尻込みしてしまい、結局歩いて向かうことになった。根性ないなあと反省するしかない。「明日こそはジョギングで出勤することにしよう」と歩きながら決意を固めるものの、さて、どうなることやら。そもそも、暑ければ暑いで走る気にならないし、寒くなれば首を縮めてしまう。人間なんてそんなものであると達観してしまうのも、ひとつの手である。克己なるものを自明視する、くだらない自己啓発にトライするだけ無駄なのだ。しかしジョギングをしていないと、その習慣を失いそうで怖いところもある。新橋に往復する電車のなかで久しぶりに本を読む。このところ、バッグに放り込んでいる本をまったく手にしていない。こ...日本人首狩族説

  • 宙ぶらりん

    あるかたに某インタビューの申し込みをしている。その件OKとの返事は一応いただいているのだけれども、そのかたは現在、大変多忙な状況に陥っているようだ。そもそも、地球上のどこにいるのかすらもわからない。とはいえ、こちらにしても予定が立たないことには動きようもないから困ってしまう。そのかたが本業に忙殺されているところ迷惑千万だろうなあとは思いつつも、「インタビューの件、日時場所はいかがいたしましょうか」なるメールを入れておくことにした。そのうち返事があることを願っておこう。定例で請け負っている月刊「救援」紙12月号の日程について、QC某氏から電話がある。ちょうど、その印刷をお願いしているY印刷Y氏が来社されて、雑談をしているところであった。そこでY氏に「いつまでに入稿すれば、先方の希望する納品日に間に合わせられる?」...宙ぶらりん

  • 『劇場版鬼滅の刃 無限列車編』を観にいく(ネタバレおそらくなし)

    11月に突入した。今年も残るところわずか。しかもそのうえ、年越しの目処がなんとかついているところがうれしい。例年になく、心の荒み度の低い年末年始となりそうだ。問題はその好機をいかに活かすかであり、いい結果を引き寄せるべく某作業を進めているものの、それがなかなか捗らないので苦しんでいる。しかしここは、泥臭く奮闘努力するしかない。そんなおり、『劇場版鬼滅の刃無限列車編』を観てきた。実は小生、いささかアニオタの傾向がある。何歳くらいだったかなんて覚えていないが、ある日「アニメなんて、こんなガキっぽいもん観てられるかよ」と悟りを開いてしまった。それでもマンガは好きだった。当時、マンガ原作のアニメが多数派で、マンガ表現に比べればアニメ表現があまりに大げさなことにうんざりし、飽きちゃったのではなかったかと想像する。そのため...『劇場版鬼滅の刃無限列車編』を観にいく(ネタバレおそらくなし)

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