白い花が黄色になって ひらひら落ちると夏になる。 トワン兄ちゃんが遊んでた頃は ボクまだ生まれてなかったんだよ。
この木はミルキーウェイというんだよ。 いつも空を向いて咲くからかな? いっぱい並んでいるからだな。 これからだんだん白くなる。 夜になってもよく見える。 ヤマボウシの花。
ここはいいな。 緑がいっぱいだし 風も吹いてるし すごく広いし あゝ 早くおわんないかな。 まだかいてるよ ぼくのママ。
トワン、アマリリスが咲いたよ! ひでこさんがくれた花だよ。 やさしい人だった。 激しく強く美しい人だった。 こんど白い花が咲くアマリリスを手に入れよう。 ひでこさんがくれるはずだったんだけど その前に向こうに行っちゃったから。 ...
トワンがいなくなってから 初めて雪が降った。 4月に降るなんて。 びっくりした。
パパ、ママ! またかえって来たよ。 ずっと川を歩いて行ったんだ。 森の中の小さな川だよ。 良い匂いがしていた。 夜は月が明るくて 星がいっぱいだった。 山の上から皆が見えた。 これからもずっと一緒だよ。
この次の朝 トワンが死ぬとは 思ってもいなかった。 もう少しだけいて欲しかった。 じっと見つめてなかなか寝ようとしない夜。 朝になったらいつもの寝床できれいに横になっていて。 14年間一度も病気にならずに野山を駆け回り 仕事も生活も遠くに旅し...
山の影が伸びて来た。 もうすぐ冬だ。 あったかい太陽とも しばらくお別れだ。 川の向こうに行けば そこはいつもポカポカなんだ。
草はお腹にいいんだよ。 ウシみたいだって? あゝスッキリした。
川がキラキラ光っている。 太陽がずっと向こうで ボクを見ている。
種をまいたんだよ。 毎日水やっているんだ。 大きくなったら畑に植える。 ママがね。
カルガモくんたち こっちを見ているけど 知らんぷりしていよう。
これがケーキかあ。 食べたことないんだよ。 クリームのとこだけでいいよ。 イチゴは君にあげるからさ。
また来たよ! またあの猿だよ! リンゴ食べに来たんだよ。 よっぽど美味しかったんだね。
虫が鳴いているね。 草からバッタがぴょんと出た。
栗があっちこっちに落ちている。 猿がかじったあともある。 イノシシも栗が大好きなんだよ。 拾って帰ろう。
彼岸花が咲いたよ。 ピンと立ってる。 ツヤツヤの赤だ。 明日はもっと咲くよ。
ポトポトポトポト いっぱい落ちた。 ジャムにするんだ。 パンに塗って食べるんだ。 ボクじゃないよ。 ボクはバターだけが好き。
クルミころころ ぽっちゃんこ♪ 雨ふるかな? 水がゆれている
黒い石ばっかり 高く積んで 人の子は 遊ぶ。
また猿が来たけど大丈夫。 ネットの中でぶ〜らぶら♩
みんな緑だ。 夏の色だ。 赤が少し出て来た。
必ずまた来るよ。 で、きっとビックリするよ。 とうとう猿に勝ったね。 ママ!
こんど猿に会ったら言ってやるんだ。 これからもっと甘くなるんだから まだ採っちゃダメだよって。
誰か来たかな? 手紙ないかな? 暑いからだな。 ニオイがないよ。
いつもの色だ。 ザーザー鳴っている。 水の音だ。
みんな水の中だよ! 岩はてっぺんしか見えないし 草はそよそよ泳いでるし パパはボクを放さない。
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