office_kmoto さん プロフィール

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office_kmotoさん: 私の引き出し
ハンドル名office_kmoto さん
ブログタイトル私の引き出し
ブログURLhttp://kmoto.exblog.jp/
サイト紹介文残夢整理
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供135回 / 365日(平均2.6回/週) - 参加 2007/02/01 11:29

office_kmoto さんのブログ記事

  • 半村 良 著 『雨やどり』 『たそがれ酒場』
  •  こういう人情ものが好きだ。先の『断裁処分』に描かれる、読者に受ければいいんだろう、というような本の制作現場を読んでしまうと、“何か違うんだよなあ”という気持ちにこの本はなる。 物語は新宿歌舞伎町のバー「ルヰ」オーナーでバーテンダーの仙田をめぐるバーの男と女の話である。仙田は同業者からも信頼が厚く、顔も広い。だから様々な話が仙田の元に持ち込まれる。話自体はどうってことないのだけれど、仙田の... [続きを読む]
  • 藤脇 邦夫 著 『断裁処分』
  •  この本は最初ルポかノンフィクションかと思っていた。ところがこの本は出版業界を描いたビジネス小説だった。 話はまず、中堅取次の「細洋社」の自主廃業を業界新聞サイトで知った主人公が「またか」と思うところから始まる。先だってやはり取次の「桃田」が経営破綻して半年も経っていないと思う。 最初なんとはなしに読んでいたが、後から「細洋社」は太洋社のことで、「桃田」は栗田のこととわかる。このように... [続きを読む]
  • 吉行 淳之介 著 『原色の街・驟雨 』(改版)
  •  娼婦がいる町には物語がある。玉の井には永井荷風の『墨東綺譚』、洲崎には芝木好子の『洲崎パラダイス』、そして鳩の街にはこの吉行淳之介の「原色の街」である。 この本は「原色の街」「驟雨」「薔薇販売人」「夏の休暇」「漂う部屋」の五篇の短篇が収録されている。そしてここではやはり「原色の街」と「驟雨」を取り上げる。「原色の街」では、女と男が変わっていく街がそこにあった。 「空襲でみんななく... [続きを読む]
  • 野口 富士男 著 『私のなかの東京』
  •  この本は川本三郎さんの本に度々出て来る。どんな本なのか知りたくて読んでみた。昭和初期のころ交友のあった文豪たちの交遊録であり、文学散歩である。 東京ほど広い都会もないが、東京の人間ほど東京を知らぬ者もすくないのではなかろうか。ぼくらが知っているような気になっている東京とは東京のきわめて一小部分の、そのまたほんの一小部分にしか過ぎない。たまたまぼくらはなんらかの機会をあたえられて幾つか... [続きを読む]
  • 平成29年11月日録(下旬)
  • 11月16日 木曜日 晴れ。 羽田で人と待ち合わせ、3時間ほど空港内の喫茶店で話をする。11月20日 月曜日 曇り。 常盤 新平さんの『旅する気分』(東京書籍1992/11発売)をやっと読み終える。常盤さんの紀行文である。常盤さんの紀行文を読むのは初めてである。 この本は贅沢な日本各地への温泉地紀行と、ニューヨークを中心とする旅とシチリアの旅の話が載る。 読むのに時... [続きを読む]
  • 重兼 芳子 著 『やまあいの煙』
  •  たまたま読んでいた図書館で借りた古い本の裏に出版社の広告があった。そこには当時話題になっていた本が紹介され、簡単な話の内容も書かれていた。それを読んで面白そうだな、と思い図書館で借りてみた。 ここのところ紀行文やノンフィクション、エッセイといったものばかり読んでいるものだから、小説が読みたいな、と思っていたのだ。 「やまあいの煙」は火葬場に勤める主人公が、介護施設に勤める女性に恋... [続きを読む]
  • 北尾 トロ 著 『欠歯生活―歯医者嫌いのインプラント放浪記』
  •  トロさんの歯の状態が悪いこと、そしてインプラントで苦労してきた話は、以前トロさんがやっていた古本屋のブログを読んで知っていた。 この本の話に入る前に、懐かしくなって書きたくなったことがある。初めてブログを始めた頃の話だ。 私がブログを始めたのは、勤めていた本屋のホームページの管理者となった時だった。内容は本屋の紹介、新刊、話題の本の紹介といったありふれたものだった。ただ現場からホ... [続きを読む]
  • 岡崎 柾男 著 『洲崎遊廓物語 (新装版)』
  •  昭和31年まであった遊郭に興味があって、数冊その頃の遊郭の話を読んできた。興味があるのはそこのある生臭い人間の匂いとでも言おうか、したたかに生きる男と女が垣間見られるからである。いずれ、これまで読んできたかつての玉の井、鳩の街、そして今回読んでみた洲崎を歩いて見たいな、とも思っている。私が見たいのはかつてあったその片鱗を、残っているなら見てみたい、と思っているのである。その点吉原は今も現役... [続きを読む]
  • 平成29年11月日録(上旬)
  • 11月1日 水曜日 晴れ。 常盤新平さんの『酒場の風景』を読む。11月2日 木曜日 晴れ。 整形外科に首の牽引へ行く。 午後より孫の写真をプリントアウトし、アルバムを整理する。デジタル時代にアルバムを整理するのは時代遅れかも知れないけれど、やはり写真はいい。 今はパソコンでトリミングも簡単にできる。昔は暗室に籠もって、引き伸ばし機からピントを合わせ、あれこれやっていたのが... [続きを読む]
  • 川本 三郎 著 『パン屋の一ダース』
  •  「パン屋の一ダース」とは英語で“Baker's Dozen”のことで、一ダースより一つ多いこと、つまり13個のことだ。語源は諸説あるらしく、昔パン屋が一ダースといってうっかり11個しかパンを売らなくて、1個誤魔化したとして罰せられた。ならば1個多くして間違って1個少なめに売っても1ダースだから問題ない。そこから生まれた言葉らしい。要は“おまけ”である。 ということでこのコラムは一回の掲... [続きを読む]
  • 平成29年10月日録(下旬)
  • 10月17日 火曜日 雨のち曇り。 胃カメラ検査。何だか検査をする度におかしなところが検査表に記載されてくる。10月18日 水曜日 晴のち曇り。 久しぶりに太陽を見る。なんでも東京では4日連続日照時間0時間だったそうだ。そしてまた明日から天気が崩れるという。 というわけで貴重な晴れ間を使って蒲団を干し、庭と玄関先の掃除。その後部屋の掃除もする。扇風機も掃除をしてしまい... [続きを読む]
  • 安住 孝史 著 『東京 夜の町角』
  •  画文集である。 しかし安住さんの描くこの鉛筆画はすごい。こんなに細かく描くには相当の根気が必要だったんじゃないかと思った。 僕は、一本の鉛筆にこだわって絵を描き続けて来ている。絵には色彩はほどこさない。黒鉛筆一本やりの細密描写に徹している。絵の値打ちは画材によるものではなく、一枚の画面に対する「おもい」の深さなのだと思っているからだ。何処にでも転がっている、誰もが使ったことのある簡... [続きを読む]
  • 川本 三郎 著 『シングル・デイズ』
  •  この本は「シングル」という言葉をキーワードにして、「シングル」が今の日本のあちこちにその傾向が見られることを語る。 ここでいう「シングル」とは、 この場合のシングルとは、単身者というより「個人」である。価値の中心を国家や社会や家族に置く人間ではなく、自分自身に置く人間のことである。平たくいえば、“自分を大事にする人間”のことである。「自己尊重」といいかえてもいいかもしれない。 ... [続きを読む]
  • 神吉 拓郎 著 『 私生活』
  •  神吉さんのこの本は以前から読んでみたいと思っていたのだが、この本が単行本で発売されたのが83年というから、もう34年経っていることを知って驚いている。この当時本屋の店員だったから、もちろんこの本のことはよく知っている。直木賞受賞の短篇集である。 17篇の短篇から成るが、いずれも普通の人の私生活に意外な側面を持ち合わせていることあり、普段とその意外な側面にギャップがあるところに、驚きとして... [続きを読む]
  • 川本 三郎 著 『花の水やり』
  •  私が川本さんのエッセイが好きなのは、嗜好は案外自分に似ているんじゃないか、と思うところにある。だから言っていることがよくわかり、「そうなんだよなあ」と思うことが多い。好みが似ているというのは親近感が持てる。 たとえば、 週に一、二度、銀座に出て、映画の試写を見る。試写はたいてい一時に始まる。そこで映画が始まる前に、銀座で軽く昼食をとることになる。 銀座で昼食、といっておべつにご大... [続きを読む]
  • 平成29年10月日録(上旬)
  • 10月1日 日曜日 晴のち曇り。 岡崎武志さんの『蔵書の苦しみ』を読む。10月2日 月曜日 曇り。 辻山良雄さんの『本屋、はじめました―新刊書店Title開業の記録』を読む。10月3日 火曜日 曇り。 父親が明日手術のため、今日から入院する。そのために付き添う。 午後3時過ぎ、置いてきているお犬様(トイプードル)の散歩のため、自転車で実家に行く。 帰... [続きを読む]
  • 南木 佳士 著 『エチオピアからの手紙』
  •  南木さんのファンになってから、一度読んでもまた読み返したくなり、今度はこの本のを手にした。奥付の発行年月日を見ると1986年となっており、南木さんが芥川賞を受賞したのが1989年だから、その前の作品ということになる。 「破水」「重い陽光」「活火山」「木の家」「エチオピアからの手紙」の5篇からなる短編集だ。 相変わらず人の「死」と向き合う医師がそこに描かれ、考えさせられる。 死ん... [続きを読む]
  • ビート たけし 著 『アナログ』
  •  水島悟は大手ゼネコンが筆頭株主の設計会社の一部門のデザイン研究所に勤務する。喫茶店の内装、ホテルのフロア、ショッピングモールのデザインを手がけている。 悟の悪友である高木と山下からいつものように飲みに行こうとお誘いがかかる。待ち合わせの時間より早めになってしまったので、悟はピアノという喫茶店に入り時間をつぶすことにした。 所在なげに辺りを見渡すと、テーブル水の入ったグラスとインテリア... [続きを読む]
  • 芝木 好子著 『芝木好子作品集』第一巻
  •  芝木さん本を読みたいと思ったのは川本三郎の影響である。川本さんはよく芝木さんの作品を取り上げる。好きな作家とも言っていた。 川本さんの本の場合、芝木さんの作品の話より、そこに描かれるかつてあった下町の風景描写に重点が置かれるが、その風景がどう話と関連してくるのか知りたくなり、読んでみたくなった。 それで結構夢中になって読んでしまった。 この第一巻は、女三代記の「湯葉」「隅田川」「丸の... [続きを読む]
  • 平成29年9月日録(下旬)
  • 9月16日 土曜日 曇りのち雨。 結局昨日は疲れてしまい、ドラマは見なかった。録画しておき、今朝見た。ドラマ自体は陳腐で、おしまいは切れが悪い。まあこの手のドラマはこんなもんだろうと思う。 ただ定年を四日後に控えた刑事が私物をダンボールに詰めながら、残りの四日を自由に過ごしていいと上司に言われても、することがない、という辺りは身に覚えがあった。 私も退職日が決まってから身のまわり... [続きを読む]
  • 川本 三郎 著 『旅先でビール』 『ちょっとそこまで』
  •  今回の川本さんの本は2冊とも紀行文だ。紀行文と書くと大袈裟になってしまうが、川本さんの場合、書名にもあるように、「ちょっとそこまで」と身近な土地に、あるいは同じ東京でも下町とか、そうした近場に求める。それがいい。というのも大袈裟な旅というのはどうしても構えてしまうところがあって、ときにそれがしまいに鬱陶しくなってくるときがある。ところが近場というか、都内なら、ちょっと散歩気分で出かけられる... [続きを読む]
  • 森 まゆみ 著 『子規の音』
  •  久しぶりに森さん本を読む。森さんが住んでいる谷根千に多くの文豪たちが暮らした。その中で森さんはこれまで森鴎外(『鴎外の坂』)、夏目漱石(『千駄木の漱石』)について書いてきた。そして今回正岡子規となる。 「はじめに」次のようにある。 私はこれまでも、自分の生まれ育った、谷中、根津、千駄木、本郷、上野、その土地にまつわる明治の文豪ついて書いてきた。最後に子規を書きたいと思ったのは、この... [続きを読む]
  • 川本 三郎 著 『青いお皿の特別料理』
  •  あれっ? この人物さっきの主人公じゃないか。そうか、高校の同じクラブだったのか。さらにいつも行く美容院の担当者だったり、花屋の店員だったりする。さらに彼氏の新しい就職先、前の話の主人公のところだったり、彼女の再就職先がこの人のところだったり、17篇の短編の登場人物が何らかの形でつながっている。これは面白い。それでそれらの短編の登場人物がどこの話の誰につながっているのか、簡単な相関関... [続きを読む]