ソーラ さん プロフィール

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ソーラさん: 短いが身近というお話
ハンドル名ソーラ さん
ブログタイトル短いが身近というお話
ブログURLhttp://blog.livedoor.jp/hitori1214/
サイト紹介文「新しい俳句」を中心に読書記録や映画感想、エッセイなど、新しい、面白い、珍しいがキーワード。
自由文幅広いけれど薄い。我が身そのままのブログ。細く、長くでよろしく。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供17回 / 365日(平均0.3回/週) - 参加 2007/03/23 04:12

ソーラ さんのブログ記事

  • きむらけんじ「あしたも世間はややこしい」
  •  でたらめの唄で草抜く余生 なりたい人にもなれず天道虫にもなれず 蛸揉んで妻の秘密を吐かせている俳句&写真&ミニエッセイで構成されるこの著の中から適当に俳句を選んでみた。上の2句には写真とミニエッセイが付いている。3番目の俳句にはそれがない。実はこの著書、ほぼ5年前に上梓された「きょうも世間はややこしい」のいわば続編である。では、中身は同じようなものなのか?じっくり読むと大きな違いを感じる。最初に挙 [続きを読む]
  • 京都嵯峨野誕生物語
  • 歴史、地理が好きな人にはたまらないだろう。京都嵐山、嵯峨野が好きな人にはたまらないだろう。つまり京都嵯峨野を歴史的に、地理的に一望する一冊。門外漢のワタシはびっくりというかすごい!としか言えなかった。京都嵯峨野に旧石器時代、弥生時代があったとは!嵯峨野に古墳群があるなんて!天竜寺や妙心寺、竜安寺は知っているけれど嵐山城跡がいまもあるという。角倉了以が保津川を掘削し、渡月橋が現在の位置に架けられたと [続きを読む]
  • 京都新聞から
  • 京都新聞に絵本「はいくのどうぶつえん」が紹介されている。と知人から掲載誌の切り抜きが送られてきた。この記事の書き手は小生の生意気な俳句観まで理解してくれている。すごく嬉しい!素晴らしい!俳句は「書く」ことと同じくらい「読む」ことを大切にしたい。 [続きを読む]
  • きむらけんじ「きょうも世間はややこしい」
  •  口に泡ためて理屈のわからぬ人だ 働かな食えぬと猫に言ふ 黒々りっぱな手帳で仕事はあるかこんなペーソスあふれる自由な俳句に風刺の効いたエッセイを添え写真までも付けて上梓した自由律句集「きょうも世間はややこしい」。筆者のとりわけ推しの句は次の2句。  刺しても刺しても死なない夢であった  どうしたものか隣の柿に手がとどく 達成できそうでできない、どこか焦燥感に満ちた作品に魅力を覚えていた。5年近く前に [続きを読む]
  • はいくのどうぶつえん
  • 俳句をネタにした絵本である。俳句の解釈をそのままに絵物語にしたのではない。ライターたちが俳句からイメージした世界を物語にして、それをイラストレーターが絵にしたのである。俳句は解釈する文芸ではないと思うから俳句は読む人がイメージを勝手に広げる文芸と思うから、この絵本が出来たのである。そんな理屈からか、幼児には難しい絵本になった。そこで工夫がある。1枚の絵にこっそり動物が隠されている。たとえば、このよ [続きを読む]
  • 桐野夏生「天使に見捨てられた夜」新装版
  • いまから20年ほど前、この作品を読んで桐野夏生のファンとなった。それからコミック作品は別にしてかたっぱしからこの人の作品を読んだ。たぶん、すべての作品を読んできた(と思う)。この前作「顔に降りかかる雨」で江戸川乱歩賞を受賞。本格作家デビューしたわけだが「コミック出身」ということで差別的なことを受けたと、何かのエッセイにあったように思う。電子書籍化にも消極的だった時代もあった。今回新装版が出て、電子書 [続きを読む]
  • 真山仁「オペレーションZ」
  • 近頃、微妙に住みにくくなっているのではと感覚的に思う。社会保障が軽んじられるとか憲法の改正が直前の課題になりつつあるとか賃金が実質的にあがらないとか北朝鮮が・・・というようなマスコミやネットで呷られる政治的なこと以外に日本の価値が下がっている気がする。たとえば、GDPは世界で3位ではあるが2位の中国と比べると2倍以上の差が生まれている。株が上がっているというけれど2010年は1ドル87円強だったことを思い出しそ [続きを読む]
  • 飯島晴子句集(花神コレクション)
  •  寒晴やあはれ舞妓の背の高き しかるべく煮えて独りの牡丹鍋句集をとり上げ、ああだこうだというのはなかなか難しい。17文字の1句ですべてを知るなんてとてもできない。かといって、句集全体にスポットをあてても焦点はたぶんぼやける。多くの評論家は作者の人生というか生き方、考え方の情報を集め作品を評価してしまうことになる。しかし、それは作品を正当に理解したことになはらない。飯島晴子は切れ味のいい評論がとても気 [続きを読む]
  • 福田若之「自生地」
  • 年末からこの句集を読んでいる。1991年生まれの著者。いまこのくらいの歳の若い俳句人が次々と出てきている。何世代と呼んだらいいのだろうか。  瓶のある路地すこしだけあたたかい  紙の空からの加速に百舌に顔  いない姉は金魚に唄わない死なない  最初の数十ページを読んで気になった句を意味なく並べてみた。一句目はたぶん、愚生がいままで読んできたように読んだらいいのだろう。二句目、三句目はそうではない読み方 [続きを読む]
  • 大井恒行の日々彼是
  • 大井恒行のブログはいつも頼りなる。(http://ooikomon.blogspot.jp/)新年早々、松下カロを調べたくなってそのブログを検索した。2016年1月5日に松下カロの著書「女神たち新馬たち少女たち」が紹介してあった。評論の紹介・解説の他坪内稔典論に付記されているという河馬の句の列挙がとても気になった。孫引きになるが、そこだけアップする。 みんなして春の河馬まで行きましょう     『猫の木』 秋の夜はひじき煮なさい河 [続きを読む]
  • 鉄砲百合の射程距離
  • 衝撃的であった。どのジャンルの書物かとも考えた。俳句と写真のコラボである。だったら「写俳」?そんな生やさしいものではない。俳句と、というより言葉と写真が、というより画像が誌面で戦っている。読者はその戦いをただ、見つめるしかない。ほんの一端がこれ。著作の諸々を思い画像をぼかしながら一部を切り取った。(よくない!と知りつつ それでも伝えたくて。)今年、いちばん興奮した著作である。 [続きを読む]
  • 桐野夏生「夜の谷を行く」
  • 最後の2ページ。連合赤軍「あさま山荘事件」。その総括から逃げたひとりの女性。服役後、静かに、人知れず生きている。しかし、主犯のひとり永田洋子の死により「事件」が女性の生活を動かす。この小説は最後に淡々と、しかし、大胆に秘密を暴露する。最後の数ページのためにこの本を読み、読者は新たな理解をする。50年ほど前のことである。「反安保」の運動は燎原の火のように日本を包んでいった。その中心を担ったのは「全学連 [続きを読む]
  • 真山仁「標的」
  • 『売国』につづく冨永検事シリーズ第2弾!なのだそうだ。日本初の女性総理大臣の誕生を思わせる風潮の中に不穏な動き。高齢化社会の福祉の目玉、サ高住、いわゆるサービス付き高齢者向け住宅をめぐり、政権への道が右往左往する。次の総理の呼び声高い越村みやび厚労大臣。若さと美貌と「福祉」で国民的人気。越村みやびのパートナー的存在が楽田恭平。現在の品質のよくない「サ高住」をなんとか高品質に転換したいみやびに対して [続きを読む]
  • 長澤あかね訳「スタートアップ・バブル」
  • 52歳で「ニューズウィーク」をクビになり求めた新天地が新興のIT企業。そこでの出来事を克明に記し、スタートアップ企業とは?と語ろうとする作者。いわば、ドキュメンタリー問題作?!といえば、納得するかもしれないが実はジャーナリスト風がいっこうに断ち切れない、プライドのみが高いおじさんの鼻持ちならぬ愚痴の物語である。 非常に楽しく、小説を読むように読み始めたのであるがページが進むにつれてこれは何 [続きを読む]
  • 長澤あかね訳「キリング・アンド・ダイング」
  • この本を手にとって装丁の素晴らしさ、本としての格調、とりわけ表紙絵の美しさに唸ってしまった。「アメリカン・グラフィック・ノヴェル」と呼ぶらしい。表紙を開けるとアメリカンコミックのタッチ。しかし、豪華な装丁を確かにする紙質、それを彩るカラー・・・によって、ひと味違うアートの世界のように映る。物語は6つ。たとえば、植木をアートとして売ろうとする男の話。有名ポルノ女優にそっくりの顔の女の子の話・・・。「 [続きを読む]
  • 坪内稔典「文学のある日」
  • 「夏目漱石から又吉直樹まで」「文学はつまみ食いすればよい。・・・」と帯にある。「つまみ食い」の意味は読んでみるとすぐ判る。難しい文学紹介するのではなく著者がちょこっとちょこっとエッセイの中で、文学のあれこれを語る。まさに「つまみ食い」のように。結論づけたらよくないけれど誰にも小説や詩などに忘れられない部分がある。文学作品のそんな肝心の部分を著者が軽く、自分なりの解説をしたり自作の俳句とともに紹介し [続きを読む]
  • 原田マハ「本日は、お日柄もよく」
  • 3月も書いてない!と友人に叱られて。そういえば、このブログは大事にしていたのにと思いつつ、早速に?書いてみることにした。 と、最近読んで、再デビューにふさわしい軽い本をと思うけれど、これが思いつかない。ふと、近く、公式の席で挨拶をしなければならないおもったら、この本のことが気になり始めた。というわけで。普通のOLがひそかに思いを寄せていた 幼なじみの結婚式に出る。とても退屈なスピーチを聞きながらとんで [続きを読む]
  • 長澤あかね訳「忘れんぼさんへのマナー」
  • 93歳の母がいる。先日、3ヶ月ぶりにお見舞いに行った。ちょうど1年前のお正月に玄関先で転んで骨折。手術をし、リハビリ中にエコノミー症候群で再入院。いまはまたリハビリ施設に入っている。この1年の間に変わったことは体力がなくなっとこと。それにわずかながら、認知症が進んだこと。わずかながらというのは、高齢になると進行がかなり遅くなるらしい。症状としては、同じことをとにかく繰り返し言うこと。今回は「いつ来たの [続きを読む]
  • 原田マハ「暗幕のゲルニカ」
  • おお、カッコいい!!原田マハお得意の美術展もの。何度も何度も表紙の絵を眺め、ときにはピカソの画集を取り出して読み進んだ。簡単な構成の読みやすい小説であったが、そんなこんなに夢中になり、読了までひと月くらいかかったように思う。読後も4,5日その浮遊感の中にいた。 ピカソの問題作「ベルニカ」の誕生を巡るノンフィクッションをも思わせる物語が大きなひとつのテーマ。ナチス・ドイツがスペインのゲルニカを無差別攻 [続きを読む]
  • 桐野夏生「猿の見る夢」
  • これまでの桐野夏生作品とは様相が異なる。まず犯罪がない。男が主役。ややユーモラス、とてもペーソスな辛い物語。そんな桐野作品は記憶にない。定年間近になると誰もが考える将来への不安。男の読者なら、その辛さにきっとどこかで共感するはず。 大手銀行員である薄井正明は銀行エリートたちは決して出向しないアパレル会社に出向、その取締役。その会社、運良くヒット作を生み出し、上場。そこで薄井はなんとか生き残りをと願 [続きを読む]
  • 「硝子の太陽R」「硝子の太陽N」誉田哲也
  • どっちがどっち?読む前に、読んだ後にどちらがどっちなのか迷ってしまう。装丁がこれだけ似ているのにほとんどつながりのないドラマの展開。つながっているのは登場人物が数名。事件の捜査の中でつながっているよと主張するように情報交換などを見せてくれる。出版社は中公論新社と光文社。装丁以外にページ数もほぼ同じ。ひとつは刑事「姫川玲子」のシリーズ。もうひとつは「ジウ」の流れ。どっちがどっちだった?企画モノもここま [続きを読む]
  • 桐野夏生「バラカ」
  • 久しぶりに書く。前回の投稿から2ヶ月経っている。多くの本が記憶から遠ざかりつつある。こういう時は強烈な印象だった一冊から。とてもとても複雑な展開の一冊。章ごとに主役が変わっていく。底流には「バカラ」という少女の「生」がかかっているのだけれど。そして、これから起こるかも知れない社会的な問題、課題がそれぞれの展開の中で提議される。たとえば、・働く女性の問題それは結婚しない女性、子供は欲しいという女性・ [続きを読む]
  • 黒川博行「悪菓」
  • 久しぶりになりふり構わない小説を読みたいと選んだのが黒川博行 。前にも書いたかも知れないがたまに行く小さなバーで氏をよくお見かけした。失礼ながら風貌とはまったく縁遠い靜かな、紳士的なお酒の飲み方であった。この小説「悪菓」が直木賞候補になったとき氏はそのバーで受賞の知らせを待っていた。いまかいまかと待つ報道陣の群れ。しかし、時が経つに連れ、ひとり減り、二人減り。最後にひとり残った氏は「ここの勘定は誰 [続きを読む]
  • 綿矢りさ「ウォーク・イン・クローゼット」
  • 「いなか、の、すとーかー」と「ウォーク・イン・クローゼット」の二本立て。(この言い方、昔の映画みたいで気に入っている)タイトルから違和感がある。電子書籍で読むから「いいか」って感じで、読み始めた。電子書籍と紙の本の読み方はあきらかに違う。電子書籍だといくぶん読み流す。紙の本の時と比べると慎重さにやや欠ける、気分。だからといって、ちゃんと読んでいるつもり(なのだ)。 二本立てのうち「いなか・の・ [続きを読む]
  • 桜木 紫乃「ワン・モア」
  • 北海道の暗い(寒い)土地を背景に犯罪めいた作品ではないかと想像できる幕開きの一章。それが桜木の真骨頂だから。しかし、想像とは異なり、テンポがいい。暗い(暗そうな)大地での展開ではあるがなぜか前向きになっていく小説である。安楽死に関わって大病院から小さな島の診療所へ左遷された女医美和。その島で出会った元日本代表候補の水泳選手だった漁師との不倫。それは島中の誰もが知るところとなる。評判の悪い美和のとこ [続きを読む]