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薄暮の微笑み https://white.ap.teacup.com/boyslove/

R18BL・ML小説と人形劇のブログサイトです。 俺様攻めx健気受け多め。

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ひぐれ
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2007/04/20

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  • 方舟34

    『方舟34話』 天正十年六月二十一日(旧暦六月二日)京本能寺。燃えるように紅い夕焼け空を、信長は本堂の縁側から、ぼんやり眺めていた。 真っ赤な太陽が、西の空へ沈んでいく。紅か…

  • 方舟33

    『方舟33話』 光秀が安土で文を受け取っている頃、煕子はまさに京へ到着したところだった。日暮れ時の京は忙しく、家路を急ぐ町人達で大路は混雑している。 人の熱気の凄まじさに加え…

  • 方舟32

    『方舟32話』 「まさか、このような場所へ閉じ込められるとは……」 神々しいまでに美しい黄金の障壁画を見つめ、光秀は深い溜息をついた。安土城天守、最上層。孔門十哲や太公望など、…

  • 方舟31

    『方舟31話』 (いったい俺は、なにをしているのだ……) 安土城天守、黄金の茶室。降り続く雨が、欄干を濡らしている。雨に濡れるのも気にせず、信長は外へと続く柱へ背を預け、端近か…

  • 方舟30

    『方舟30話』 妻煕子が京で近衛前久と対峙している頃、光秀は安土で、もどかしい時をすごしていた。 近衛前久・斎藤利三・長宗我部元親らの企みについて、仔細を記した文を坂本の煕子…

  • 方舟29

    『方舟29』 煕子と別れた景久は、その足で福知山を目指した。此度の件を左馬介へ伝え協力を仰ぐためである。利三へ探りを入れるには、友である左馬介の助けが必要だ。左馬介が相手なら、…

  • 方舟38

    『方舟38話』 「こ、ここは……?」 どれだけの距離を走ったことだろう。けして平らかではない、高低差のある長い通路を抜けた先、暗闇の中に突如現れた石段を上りきると、御堂の床板へ…

  • 方舟28

    『方舟28』 迷いの晴れた景久の動きは早かった。適当な理由をつけて黒井城へ逗留し、景久は忍びが再び利三と接触するのを待った。ジリジリと焦りながら待つことしばらく、景久はついにそ…

  • 方舟27

    『方舟27』 前久が親心を熱くする一方、息子の景久の方はと言うと——天正十年皐月中頃、京近衛邸から坂本、明智光秀のもとへ戻った景久は、人知れず悩んでいた。 父の命で明智家へ修…

  • 方舟26

    『方舟26』 天正十年正月、新年の祝いに訪れた近隣大名・臣下達に、信長は安土城に新設した行幸の御間を披露した。行幸の御間は帝を安土城へ迎えるべく建てられたもので、懸造りの大きな…

  • 方舟25

    『方舟25』 天正九年睦月——正月気分も抜けきらぬうちから、明智は大忙しだった。京で行われる一大軍事行事、御馬揃えの惣奉行に光秀が任ぜられたからだ。 京の公家衆はもちろん正親…

  • 方舟24

    『方舟24』 小男に連れられた利三は、琵琶湖の湖岸にひっそりと建つ寂れた小屋の前まで来ていた。漁師小屋と思しき粗末な小屋は、周囲を松の木に囲まれ、案内されなければ辿り着くことは…

  • 方舟23

    『方舟23』 さて、それから間を置かず長月某日、藤孝と光秀はそろって安土を訪れていた。信長の下知とは果たしてなんだったのか? 光秀達の懸念は、よい意味で裏切られることになった。…

  • 方舟22

    『方舟22』 さて、それから間もなく残暑厳しい葉月の末。秀貞の一件も落着し、信長は安土で改めて近衛前久と対面していた。 待ちに待った報せが、ようやく信長のもとへもたらされた。 …

  • 方舟21

    『方舟21』 丹波・丹後平定を祝う宴は城を挙げての大饗宴となり、空が白み始める頃まで続いた。宴の主役、明智光秀と長岡藤孝は時の人としてもてはやされ、多くの賛辞を受けた。 宴の…

  • 方舟20

    『方舟20』 積年の悲願であった丹波・丹後平定。その復命のため、光秀ら明智の一行は安土城を訪れていた。本来であれば黒井城落城後すぐにも、主君信長へ報告すべきところであったが、病…

  • 方舟19

    『方舟19』 琵琶湖の水鏡が夕映えの橙色から宵闇の群青色へと変わる頃、信長は安土城天主最上層にて、忍びからの報告を受けていた。 「波多野氏の一件で、明智軍内は混乱しております。…

  • 方舟18

    『方舟18』 その日のうちに信長は行動を起こした。もとより気持ちが固まらなかっただけで、光秀を見舞う仕度はとうにできていた。 各地より取り寄せた甘味や果物、病床の慰みにと珍し…

  • 方舟17

    『方舟17』 兵糧も底をつき、主を失った八上城は降伏した。波多野氏の滅亡に恐れをなした丹波の国人衆は、次々織田へ投降した。八月へ入り、明智軍と抗戦していた黒井城も下った。 明…

  • 方舟16

    『方舟16』 信長の懸念を他所に、亀山城はと言うと——坂本から到着した人質を見て、光秀は形の良い瞳を大きく見開いていた。 「は、母上……!」 煌びやかな装飾が施された板輿の御簾…

  • 方舟15

    『方舟15』 天正七年五月、光秀ら明智軍は八上城の支城氷上城を下した。丹波を統べる要、八上城波多野氏へと迫る道筋を確保したのである。 若葉薫る亀山城は、すでに戦勝の雰囲気に包…

  • 方舟14

    『方舟14』 (義景様の血を引く——まるで義景様そのもののような) 高かった日は、山際へ沈み込もうとしている。満開の桜も夕焼け色に染まっている。夕暮れ時の穏やかな光景に視線をそ…

  • 方舟13

    『方舟13』 利三を伴い訪れた書院には、すでに藤孝と左馬介の姿があった。勇ましい枝振りの松を描いた上段の間へ光秀が姿を見せると、襖のそばに控えていた伝五が、入れ替わりに外へ出て…

  • 方舟12

    『方舟12』 安土を出立した光秀一行が亀山へ帰り着いたのは、卯月も下旬にさしかかった頃だった。光秀達の身を案じた明智家臣団は、亀山城の外まで迎えに出ていた。街道の彼方に光秀達の…

  • 方舟11

    『方舟11』 (時間がないこの時に、いったい私はなにをしているのでしょう) 邸の者達の制止の声を振り切って、光秀は安土城目指し駆け出した。供の者も連れず、己の身一つで駆けて行く…

  • 方舟10

    『方舟10』 緑濃い苔の敷布の上を、白糸のような小川が流れる明智邸北東の庭園。この庭を望む一室へ、光秀は利三と共に足を向けた。 開け放たれた障子戸から、爽やかな春風が抜けて行…

  • 方舟9

    『方舟9』 「ええい、クソ! 何故こうなるのだっ……!」 光秀達の去った茶室、一人になった信長はガンと柱へ拳を打ちつけ、苦々しく吐き捨てた。拳がジンと痛む。けれどそれよりも胸が…

  • 方舟8

    『方舟8』 残雪もすっかり溶け、桜の蕾がちらほらと開き始めた卯月のはじめ、光秀は斎藤利三を伴い安土城を訪れていた。 摂津からの援軍路が断たれ、播磨で窮地へ陥る秀吉軍を救うため…

  • 方舟7

    『方舟7』 天正七年弥生、安土城天主。梅の水墨画が描かれた書院で、主の訪れを今か今かと待つ稲葉一鉄は、出された茶にも手をつけず、膝の上で組んだ手を、落ち着かない様子で幾度も組…

  • 方舟6

    『方舟6』 小雪の舞う坂本城、本丸御殿大広間。明智の皆の祝福の中心に、倫子と左馬介がいる。紆余曲折あって、ようやく結ばれた二人。一度は荒木へ嫁ぎ断ち切れたかと思った運命の赤い…

  • 方舟5

    光秀公記終幕『方舟5』信長x光秀恋物語 やがて訪れた大晦日、弥平次は利三と共に光秀の供をして坂本へ戻っていた。坂本で夫の留守を預かっていた煕子は、そろって顔を見せた倫子と光…

  • 純恋カルテ1

    [画像] 「ども、ベランダの耐震補強工事に伺いました」 額にタオルを巻きつけたその男がニッと笑うと、八重歯が大きな口から覗いた。肩につくかつかないかと言った長さのくせのある茶色…

  • 純恋カルテ2

    『純恋カルテ2』 「しかしなに者なんだ、あいつ——南雲海は」 注射箋を書き終えて、ボールペンをカルテの上に転がす。 昨日の失礼極まりない男の幸せそうな笑顔が、頭を離れない。な…

  • 純恋カルテ3

    『純恋カルテ3』 それからの数日間は、目の回る速さですぎて行った。 病院にいると、一日経つのがあっと言う間だ。通常の病棟業務に加え、外来診療とオペが隔日で交互に入り、夜は夜で…

  • 純恋カルテ4

    『純恋カルテ4』 「お疲れ様でした」 「お疲れ」 午後七時すぎ、日勤の医師達が医局を出て行く。 一人残った僕は、パソコンの前に座って明日の検査情報を確認していた。まだ五月だと言…

  • 純恋カルテ5

    『純恋カルテ5』 「お客さん、大丈夫ですか?」 「大丈夫だ。もうここで結構」 タクシーの運転手に代金を支払う。運転手が釣銭を漁るのを待ちもせずに、僕は車を降りた。 なんだか全て…

  • 純恋カルテ6

    『純恋カルテ6』 「どうした?」 海の手を取り、寝室のドアを押す。ベッドに腰かけ、灯りをつける。サイドランプの間接光が、硬い表情をした海のシルエットを、淡く浮かび上がらせる。 …

  • 純恋カルテ7

    『純恋カルテ7』 「うっ……ん?」 カーテンの隙間から差し込む陽光が頬にあたる。まだ眠いのに、うっとおしい。 「ん?」 眠い目を擦りながらブランケットから手を出してベッド脇のサ…

  • 純恋カルテ8

    『純恋カルテ8』 「と言うわけで、明日患者様の入院後すぐに肝生検を予定しています。栄養状態や異常行動の有無には、特に注意して下さい」 肝硬変に関する資料をナース達に手渡し、僕は…

  • 純恋カルテ9

    『純恋カルテ9』 「あれは高三の夏だった。大きな台風が来て、家の屋根が吹き飛んじゃってさ。修理に来てくれた棟梁は大丈夫かってくらいのじいさんで。高校出るとみんな都会へ出て行くか…

  • 純恋カルテ10

    『純恋カルテ10』 午後の診療を終え診察室を後にした僕は、白衣のポケットに入れた三色ボールペンをカチカチさせながら、二階への階段を上がっていた。 なんでもいいからなにかしてい…

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