春風 さん プロフィール

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春風さん: 夢人島をめざして
ハンドル名春風 さん
ブログタイトル夢人島をめざして
ブログURLhttps://blogs.yahoo.co.jp/kenkouhoushi0524
サイト紹介文旅行や詩や小説そして旅行記や写真などがはいっているおもちゃ箱のような世界になれたらいいなぁ。
自由文それ じゃ ま いいか 気楽に
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供184回 / 365日(平均3.5回/週) - 参加 2007/10/12 20:47

春風 さんのブログ記事

  • 水彩画のような恋 19
  • 「ジョンってジョンレノンか?」純は、ギターを弾くのを止めて水塚を見た。純と水塚の間に緊張感が走り、二人のただならぬ気配を察した臼田もドラムから立ち上がった。「どうしたんだよ」臼田が、ステックを高らかに宙に放り投げ純と水塚を見た。「ジョンレノンが射殺されたらしんだ」水塚が信じられないという顔をして言った。「射殺?」純も射殺という言葉に驚いた。1980年秋ジョンレノンは、5年ぶりに音楽活動を再開するた [続きを読む]
  • 水彩画のような恋 18
  • 早春の陽射しの中の噂 高校3年の12月が木枯らしと一緒に訪れた。純と水塚は、幾つかの恋とその終焉を繰り返し、水塚は相変わらず綾の事を想い続けていた。純達3人組は、古川の男子校に入学し、綾は女子校に入学した。純は、水泳部と文芸部と映画研究会を掛け持ちし、水塚は美術部に所属し、臼田は柔道部に入部した。中学時代あたりまでは同じような価値観で行動パターンが似ていた3人だったが、高校3年にもなると3人の世 [続きを読む]
  • 水彩画のような恋 17
  • 綾が、ジョンレノンを好きだと風の噂で聞いていたし、綾が付き合っている高校生がジョンレノンに似ていたので3人はジョンレノンから目を背けたのである。綾と一緒にいた高校生は長髪で銀縁の丸メガネをかけどこか大人びて見えた。映画を見終わって映画館を出ると西の空は赤く染まり金木犀の甘い香りが漂っていた。3つの影は無言で“LIVE”に向かっていた。テーブルにはソーダ水が3つ。店には、BEATLESの“恋に落ち [続きを読む]
  • 分校のちっちゃな物語 〜四季折々の中で〜 4
  • ある日の朝、分校の教室の戸に「挑戦状」と書かれた紙切れが挟まっていました。いつも朝早く学校に来る健太郎が紙切れをとにらめっこしていましたが、何を書いているのか全く読めませんでした。そこへ勝一が眼鏡をタオルで拭きながら教室に入ってきました。「勝ちゃん、何だかこんな紙切れが戸に挟まっていましたよ」健太郎が、勝一を見上げて言いました。「どれどれ…………」勝一は、眼鏡をかけ直して紙切れを見ました。「げ、挑 [続きを読む]
  • 水彩画のような恋 16
  • “俺も綾ちゃんに恋したらしい………”純も初めて異性を意識して恋に落ちたという初めての胸の高まりを感じて戸惑っていた。そして水塚もきっと綾に好意を持っているかもしれないと確信するようになっていた。3人とも皮肉なことに一人の女性を好きになったのだった。水塚は確かに人気はあるのだが、3人とも恋に不器用でどうしたらいいのか判らなかったので綾が好きなBEATLESの音楽にのめりこんでいくしか術はなかったの [続きを読む]
  • 分校のちっちゃな物語 〜四季折々の中で〜 3
  • そして放課後草太は、分校の子供達を学校の裏にある大銀杏の木の下に集めました。「今日から転校生と絶交するど。いいが、この規律を破ったものは、仲間外れにすっと、いいが?」草太は、下級生を前にしてそう宣言しました。「なんで絶好すんだ?」正が、鼻水でてかてかになった紺の毛糸のセータの袖で鼻水を拭きながら草太を見ました。「どうも俺はあいつが気にくわん。どこかかっこつけの様な気がする。とにかくあの転校生とは絶 [続きを読む]
  • 早春の詩
  • 3月初めの頃、どこか心が浮きだってしまう。たぶん小学校3,4年生の友人の誕生日が立て続けにあったかもしれない。3月2日がかんぴょう、3月4日がほおずきの誕生日だったことは今でも忘れられないのは、印象が強かったからかも知れない。雪が少しの残る中、陽射しは春。梅の木に寒さに凍えながら桃色の花が咲いている、早春の原風景なのかも。 そして忘れられない想い出が、大学2年生になろうとしていた早春。大塚のア [続きを読む]
  • 水彩画のような恋 15
  • 純と臼田は、学校を終えると水塚の酒蔵に行った。酒蔵は、東京の大学に行った水塚の兄の部屋だった。ギターにベースにドラムがあり、何より立派なステレオとBEATLESのレコードが置いてあった。11月の文化祭に向けて純達は本気でバンド活動に夢中になっていた。ギターは純、ベースは水塚、ドラムは臼田が担当した。そしてグループ名は、「死んでれら」とした。1970年代、“チューリップ”“グレープ”“かぐや姫”“ [続きを読む]
  • 分校のちっちゃな物語 〜四季折々の中で〜 2
  • 春の穏やかな朝の陽射しが木造の小さな教室を照らします。朝の会が始まりを知らせる鐘が鳴りました。校庭で遊んでいた子供達が急いで教室に戻ってきました。「おはようございます」香先生が、にこにこと笑みを浮かべて席についている子供達を見渡します。子供達は、落ち着きを失ってざわめいていました。子供達の目は、香先生の隣に立っている紺のブレザーに赤い蝶ネクタイをした半ズボン姿の少年に釘付けになっていました。分校 [続きを読む]
  • 早春の月灯り
  •   先日、誰も居なくなった実家に久しぶりに帰ったら、茶色に変色した段ボール箱がありました。開けてみたら大学時代のアルバムに書きためていた短編小説とあらすじだけを書き殴ったノート数冊。書いていたことさえすっかり忘れていた物語の断片。大学時代、夢がたくさんあったのに、どのくらい形になったのだろうか。3月半ば、ふと立ち止まって少しでも夢を形にしようと心に決めました。夢人島は、まだまだ遠いけれど、オールを [続きを読む]
  • 水彩画のような恋 14
  • 「BEATLES?なんだそりゃ?」臼田は、BEATLESという単語が何を意味しているか判らず水塚を見た。中学生になると女子生徒は、洋楽を聴くようになる。小学校までは、歌謡曲に夢中になりアイドルにきゃーきゃー騒いでいたのがまるで嘘の様に大人びる。その点男子生徒は、相変わらず歌謡曲に夢中になっている場合が多い。「BEATLES?」純もキャンデーズのジャケットから目を離し聞き慣れない言葉を口にした。 無言で3 [続きを読む]
  • 分校のちっちゃな物語〜四季折々の中で〜 1
  • 春 花山村は、山に囲まれ村の真ん中には小川が流れ、小さな分校が田圃の向こう側にありました。分校の周りを櫻の木がぐるりと包んでいます。この分校には、小学校2年生の太ちょの健太郎、4年生の背の高い正、5年生の眼鏡の勝一そしてこの分校のがき大将の6年生の草太が通っていました。もう一人洋子という小学5年生の女の子がいましたが、病気でずっと学校を休んでいました。 担任の先生は、橘香先生と言い、この春都会の [続きを読む]
  • 水彩画のような恋 13
  • 「いや、ここが重要なんだ。転校生がどんな音楽を聴くのか知る必要がある。恋の必勝法は相手の事を知ることだ」「なるほど、水塚もたまには良いことを言うな。レコード屋に行こう!!」臼田は妙に感心して言った。視線は、真っ直ぐに解き放れた矢のように勢いよく綾が入っていったレコード屋に向かっていった。水塚は、純と臼田の3人の中で女子生徒には1番人気があった。甘いマスクとハードル走の時の格好良さは、純も臼田も一 [続きを読む]
  • 水彩画のような恋 12
  •  純と水塚と臼田は、3人で昇降口を出た。土曜の午後の陽射しが、青春時代の1つの遺物である部室を照らし、野球部のユニフォーム、真っ白なテニスウェア、そしてサッカー部のユニフォームを着た後輩達が部活動に励んでいた。かつて自分たちも濃紺に黄色のストライプのジャージを着て校庭を走っていたのがまるで昨日の様に思えた。過ぎ去った時間というのは輝いて見えるものかもしれないと純は思った。古川中学校の校舎は、木造校 [続きを読む]
  • 水彩画のような恋 11
  • 純と水塚と臼田は、3人で昇降口を出た。土曜の午後の陽射しが、青春時代の1つの遺物である部室を照らし、野球部のユニフォーム、真っ白なテニスウェア、そしてサッカー部のユニフォームを着た後輩達が部活動に励んでいた。かつて自分たちも濃紺に黄色のストライプのジャージを着て校庭を走っていたのがまるで昨日の様に思えた。過ぎ去った時間というのは輝いて見えるものかもしれないと純は思った。古川中学校の校舎は、木造 [続きを読む]
  • 水彩画のような恋 10
  • 「音楽だよ。ギターが弾けてそんでもって作詞作曲なんかできたら臼田だってもてるかもしれないじゃないか」「そんなもんか?」純は、呆れた表情で水塚を見た。「そんなもんだよ。同じ陸上部員として俺たちは臼田の恋を助ける必要があると思わないか?」「そんなもんか?」「そんなんもんだ。それが友情というものだ」水塚はの言っていることがめちゃくちゃだったが真剣そのものだった。 しばらくして純は、水塚の言っている事も [続きを読む]
  • 水彩画のような恋 9
  • 「笹倉綾です。よろしくお願いします。」綾が緊張した口調で俯きがちに言った。その時秋の風が一葉の黄色く色づいた銀杏の葉と一緒に教室に入り込んできた。「橘、バンドを創らないか?」校舎裏の側溝掃除が終わりかけたとき水塚が箒をギター代わりにして弾くまねをして純を見た。「突然だな。どうしたんだよ」純は、驚いた表情で水塚を見た。「ここだけの話だけどさ臼田が転校生に恋したらしいんだ。もてるにはどうしたらいいか。 [続きを読む]
  • 水彩画のような恋 8
  • 第二章  思い出の断章 Ⅰソーダ水の中のBEATLES 1977年 9月のとある晴れた土曜日。土曜日の午後という時間は、日曜日とは違った意味で心が解放される日だった。午前中の授業が終わった後の開放感は言葉で表現できないものだった。カレンダーでは、土曜日が青色で日曜日は赤色で記されていた。土曜日の午後は、晴れていて陽射しが暖かく射し込み、時間がいつもとは違ってゆったり流れる、そんなイメージを純は抱 [続きを読む]
  • 雪灯りの中での思い出 エピローグ
  • 「もう二度とこんなばかげた事はするな。おまえらも、春から5年生なんだから!!」修一達は、ランドセルを背負い守先生に礼をしてとぼとぼと体育館をでた。もう5時を過ぎていてあたりは暗かった。校庭の雪が月明りで蒼白く浮かんでいた。修一達は無言で家路にむかったが、いつもと違った道を通った。無意識に洋子ちゃんの家の前を通っていたのだった。どうしてこの日洋子ちゃんの家の前を通ったかはわからなかった。たぶんみん [続きを読む]
  • 水彩画のような恋 7
  • 「まいったな」 ずっと無言だった水塚が、“喪中”の張り紙を見て吐き捨てるように言った。純と臼田の関係は中学時代からだが、水塚と臼田の関係はもっと古く小学校低学年に遡るので“くやしさ”“無念さ”“哀しみ”はもしかすると純以上に深いのかも知れなかった。  臼田の家の玄関に入ると線香の煙が居間から漂ってきた。「失礼します」純と水塚が、低い声で同時に言うと年老いた臼田の母親が、居間から出てきた。「橘さんと [続きを読む]
  • 雪灯りの中の思い出 5
  • 「大丈夫だよ、カンピョウは気が小さいなぁ」楽天的なチャボが笑いながらカンピョウを見た。それから4人はバケツに雪をいれてせっせと体育館に雪をしいた。そして跳び箱を起きマットを上から載せてジャンプ台を完成させた。「一番、朴沢健、飛びます」ほうずきが自分でアナウンスして、跳び箱の上から飛んだ。赤いミニスキ−が宙に舞った。そしてスキ−を忘れたチャボがぞうきんに足を載せジャンプした。「たまや−ん」洋子ち [続きを読む]
  • 水彩画のような恋 6
  • 暗闇が新幹線のヘッドライトで明るくなり、かものはしの様な車両がゆっくりプラットフォームに入ってきた。ドア近くに二人は壁にもたれて立ち、水塚が買ってきた缶珈琲の蓋を開け車窓の景色をぼんやりと見ていた。車窓の風景は、懐かしい風景に戻っていく。もう戻れない過去という落ち葉に埋もれた時間に帰っていく。整理されないアルバムに貼られた写真の様に臼田と過ごした時間の断片が舞っていた。 懐かしい古川の駅を振り返 [続きを読む]
  • 雪灯りの思い出 4
  • 「今日、寂しいニュ−スがあります。三浦洋子さんが転校する事になりました。洋子さんは、仙台の小学校でこれからもがんばると思います。洋子さん、最後にみんなに挨拶をお願いします」クラス中がざわついた。そして洋子ちゃんが席を立つと水を打ったように静かになった。洋子ちゃんは髪が長く、目がくりっとしていて、4の5で一番かわいいと修一は思っていた。修一は、時間がと待ったかの様に口をポカンとあけていた。「長い間、 [続きを読む]
  • 水彩画のような恋 5
  • 「臼田が亡くなった………」                           「何?良く聞き取れなかった。臼田がどうしたって?」                「臼田が………亡くなった」                         [続きを読む]
  • 雪灯りの中の思い出 3
  • かんぴょうが心配そうな顔をした。「大丈夫だよ、めったに見回りにこないから…。それにしてもカンピョウは心配症だな」ほおずきはカンピョウを見て笑った。「まぁ、見付かったらビンタだろうな」カンピョウはビンタを怖がっているようであった。「修ちゃんはどうなんだ?マンガ本ばかりでなく少しは考えろよ」ほうずきが、マンガ本に熱中している修一にス−パ−ボ−ルをぶつけた。「いてぇな、思ったんだけど跳び箱のてっぺん [続きを読む]