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乱読!ドクショ突撃隊♪ブログ。 http://randokudt.blog116.fc2.com/

歴史・ミステリ・SF・純文学・マンガ・雑学と、面白そうな本は手当たり次第読書。

乱読の末、乱文乱筆でお届けします。

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2007/11/21

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  • 二ノ宮知子 「のだめカンタービレ」 の読書感想。

    ※2004年07月の感想です。二ノ宮知子 「のだめカンタービレ」 第1~9巻 講談社【 マンガ 】あんまりにも面白いので、マンガですけど今日のネタはこれ。私はつくづく関西人でして、お笑いというかギャグというかオモロイもんが大好き。ドラマは観なくとも、「水10」と「はねるのとびら」は欠かさず堪能しております。ドラマだって、「真珠夫人」みたいな悲喜劇は観てる。 AB型人間特有の、趣味趣向に分裂気味な面がありま...

  • 山田風太郎 「怪異投込寺」 の読書感想。

    山田風太郎 「怪異投込寺」 集英社文庫江戸時代を舞台にした妖艶・怪異もの5編を収録。「踏絵の軍師」歴史の「その後」が好きな人には、竹中半兵衛の子孫がどうなったかは気になるところ。半兵衛死後、七歳になる喜平治が勢州長島六万石を秀吉から賜るが、小牧長久手の戦いで秀吉に反抗。一挙に百五十石の捨扶持状態になる。しかし、その後関が原の戦いで盛り返し、豊後府内二万石の大名となる。本編の主人公はその子、采女...

  • 中島らも 「今夜、すべてのバーで」 の読書感想。

    中島らも 「今夜、すべてのバーで」 講談社文庫最近いろんなジャンルに挑戦したい気力に溢れてまして、本書もそんな一環。一言でいうとアル中闘病記、なんですが、それだけで終わって無いので吉川英治文学新人賞受賞作。いきなり、入院しようとするところから始まるんですが、おいおいナゼ主人公はアル中に成り果てたのかが分かってきます。アル中について、主人公もしくは著者は相当丹念に調べています。ただ丹に酔っ払いおや...

  • 山田風太郎 「戦中派不戦日記」 の読書感想。

    このメルマガを始めてから2冊目の風太郎、終戦年の1945年一年間の日記そのもの。 日記執筆当時の著者は二十代の医学生なのですが、現代の学生がここまでの文章や思考ができるだろうか。というより、三十代の私自身もこんな文章は書けません・・・...

  • 滝口康彦 「権謀の裏」 の読書感想。

    滝口康彦 「権謀の裏」 新潮文庫 鎌倉期の「曾我兄弟」より幕末期の「桜田門外の雪」まで時代背景を分散させた短編10編。「曾我兄弟」は歌舞伎などでネームは有名だが、細かい所までは内容を知らなかった。鎌倉初期の、幕府創設後の粛清期の題材は少ないので目新しい話だった。梶原や三浦・安達など幕府創設の功臣が北条家の陰謀によって、次々に葬られてゆく様は、徳川幕府初期の外様藩改易と類似していて面白い。著者の...

  • 神谷次郎 「悪のお家騒動学」 の読書感想。

    神谷次郎 「悪のお家騒動学」 経済界敵討ちと並んで好きな歴史ネタ「お家騒動」。ほんま私は他人の不幸が好きなのでございます。本書は昭和58年刊行と、これまた早稲田の古書街で漁り見つけた廃刊本。全26藩のお家騒動を取り上げ、資料的価値もある本書ですが、「お家」=「会社」と見立てて、現代のサラリーマン社会を鑑みる姿勢はつまらなかった。武家社会の話なんだから、強引に現代社会に当て嵌めなくてもいいよ。戦...

  • 山本文緒 「恋愛中毒」 の読書感想。

    山本文緒 「恋愛中毒」 角川文庫ズバリ!お薦め。グイグイ読み、ぐいぐい引き込まれ、嗚呼っと驚き、うーんと終わりました。吉川英治文学新人賞受賞作ですが、どこが新人賞なんじゃ?という文の上手さ。構成が秀逸で、冒頭の語り部がいつの間にか消え、最後は脇役になっている妙味。ネタバレを避けつつ概略を述べるのは難しいですが、題名の「中毒」がキーワード。400ページ程の本書だが、最後の50ページくらいまで主人公...

  • 南條範夫 「隠密くずれ 剣鬼放浪」 の読書感想。

    南條範夫 「隠密くずれ 剣鬼放浪」 光文社文庫「隠密くずれ」シリーズ第2巻です。公儀隠密をずらかった幻の三蔵と夢の五介2人組みの珍道中。本編では2人は西国に足を伸ばし、大阪を振り出しに鳥取、津山、岡山、福山、岩国、広島、松江、高松といった塩梅で、中国~四国篇だ。内容と云ったら陳腐なエンタメですが、軽妙な軽口とご都合主義で統一されており、南條先生も楽しんで書いておられる。著者は本格モノも多数書...

  • 宮部みゆき 「魔術はささやく」 の読書感想。

    宮部みゆき 「魔術はささやく」 新潮文庫早くも宮部本第2冊目です。本書は第二回日本推理サスペンス大賞(89年)受賞作品。前回は宮部本でも時代小説だったが、今回は主流の現代サスペンスもの。不幸な生い立ちながらしっかりと生活している男子高校生が主人公。青春小説に陥りそうな設定だが、全くノン・ノン・ノン。父は公金横領の上愛人と失踪、母は生活苦に喘ぎながら病死する。心優しい伯母夫婦に引き取られるが、義理の...

  • 池宮彰一郎 「義、我を美しく」 の読書感想。

    池宮彰一郎 「義、我を美しく」 新潮文庫山田風太郎の雑文集でも感じた事ですが、博学で引き出しの多い人は何を書いても面白い。著者は映画の脚本家で数々の作品を手がけてきた人ですが、69歳にして作家デヴュー。しかもそれが映画にもなった「四十七人の刺客」。ご高齢の方と接していて多数の方が語られるのは「年を取ると何事にも億劫になるよ」。それだけに著者のヴァイタリティーに恐れ入りますし、我々も負けてられん...

  • 林董一(ハヤシ トウイチ) 「将軍の座」 の読書感想。

    林董一(ハヤシ トウイチ) 「将軍の座」 講談社文庫早稲田の古書街で偶然見つけた1988年刊行の古本です。私は下司な野郎でして、江戸時代の「お家騒動」ネタが大好きです。(あ、あぁ~、告白してしまった)本書は徳川総本家である公方と、尾紀水のいわゆる御三家の権力抗争を検証した史書。小説形態でなく、学術的な考察がなされてましたが、何せ大好きなネタですから、大変楽しく読めました。私は本籍が紀州で、生まれ育ちが京都...

  • 池波正太郎 「鬼平犯科帖1」 の読書感想。

    池波正太郎 「鬼平犯科帖1」 文春文庫どうしたことか、池波正太郎はほとんど読んでいない。読んでない作家ばかりやん、などと心無い言葉で突っ込まないで下さい。そのかわり、藤沢周平や白石一郎、司馬遼太郎、吉川英治などは結構、読んでるんですから。人生は短く、とにかく時間がいくらあっても足りない。特にこういう優れた長大なシリーズものに出会った時は。さいとうたかおプロによる劇画では、本書に親しんでました。...

  • 筒井康隆 「にぎやかな未来」 の読書感想。

    筒井康隆 「にぎやかな未来」 角川文庫学生時代、「文学部唯野教授」に鮮烈な感動を抱いた割には、それ切りだった。先日フと懐かしく思い、なんか読むかなと数冊買ったうちの1冊が本書。今となっては著者の初期作品集になるようだが、面白くなかった。SF未来世界をドタバタ調で、少し風刺を織り込んで書かれている。近作、特に唯野教授以降の作品を読もうと思いました。...

  • 宮部みゆき 「幻色江戸ごよみ」 の読書感想。

    宮部みゆき 「幻色江戸ごよみ」 新潮文庫クラシックと同じで、読書も嗜好性が偏ってます。高校時代はSFと純文学と歴史ものを均等に読むように自ら課していたんですが、大学時代は音楽書ばっかり読んでいた。作曲理論とか対位法から音楽家の史伝ものまで、ほとんどが音楽書でした。社会人になってからは、歴史ものオンリーの黄金時代。しかし、最近ようやく目覚めてきまして、歴史もの以外もぽつぽつ買い出しています。この...

  • 平岩弓枝 「江戸の子守唄」 の読書感想。

    平岩弓枝 「江戸の子守唄」 文春文庫「お宿かわせみ2」です。正直、つまらんかった。かわせみシリーズは現在文庫版では第28巻。それだけ面白く、多くのファンに支えられているからこそ、長寿シリーズになっているのだろうとは分かっているのだが。しかし連載当初の品質は不安定だったようで、玉石混交の第2巻だと感じた。いろいろな事件を通して江戸の風情や地所を取り入れた作品が連なる。「王子の滝」が出てくるそんな...

  • 東直己 「逆襲」 の読書感想。

    東直己(あずま・なおみ) 「逆襲」 光文社文庫愛読している「日刊」メルマガに「なんでも読書」という書評メルマガがある。同じ読書好きから見ても、日刊で書評メルマガを発行し続けるというのは偉業だ。真に凄いのはその読書内容であり、ミステリ・歴史・文学とジャンルは縦横無尽。書評は本を愛する人の眼差しを持ちつつ、時には辛辣。辛口コメントも時には炸裂し、何でもかんでも褒め称えるものではない。私は歴史ものが...

  • 南條範夫 「飢えて死ね!」 の読書感想。

    南條範夫 「飢えて死ね!」 新人物往来社著者八十歳代の短編集。私の大好きな文明開化モノです。古くは源平合戦より、近代は幕末維新を読み尽くしてくると、どうして明治時代以降は作品が少ないんだろう、と素朴な疑問が生じてくる。例えば忠臣蔵の吉良上野介、例えば戦国期の明智光秀や石田三成。こういった人々をどんなに赤裸々に悪人として描いても、名誉毀損を訴える人は少ない。しかし明治・大正期の華族や政治家のスキ...

  • 海音寺潮五郎 「茶道太閤記」 の読書感想。

    海音寺潮五郎 「茶道太閤記」 文春文庫 ひつさぐる わが得道具の 一つ太刀 今、この時ぞ 天に抛(なげう)つ 人生七十力囲希 (じんせいななじゅうりきいき) 咄々吾這宝剣 (とつとつわがこのほうけん) 祖仏共殺 (そぶつともにころす) 私の三大作家のひとり、潮五郎です。上記は千利休の辞世で、短歌に興味の無い私にもググッとくる詩なので紹介してみました。現在も表千...

  • 井上ひさし 「十二人の手紙」 の読書感想。

    井上ひさし 「十二人の手紙」 中公文庫数年前に、何かの雑誌で誰かが大絶賛していたので買っといたのが本書。全編お手紙形式という特異な構成なので、こんにちまで敬遠してました。そういえば、これ読んでなかったなぁ、という正直な反省のもと読み始めたんですけど、こりゃ大絶賛の折り紙おらなきゃなんない程の大ケッサク。私はメールが好きで、毎日数本の長文メールを認(したた)めているんですが、考えてみれば此れは手...

  • 白石一郎 「おんな舟」 の読書感想。

    白石一郎 「おんな舟」 講談社文庫題名でヘンな事を考えた人、いませんか?黒田藩江戸総目付の十時半睡というお爺ちゃんが主人公ですので、あしからず。「十時半睡事件帖」シリーズ第6巻で、文庫本としては最新作。単行本としては、講談社より第7巻「東海道をゆく」が出てます。オモシロそー。総目付といっても、ご隠居に毛が生えた様なもんなのだが、味のあるお裁きで捕り物帖というより人情モノといえる。作者は福岡の人...

  • 南條範夫 「孤高の剣鬼」 の読書感想。

    南條範夫 「孤高の剣鬼」 徳間文庫南條氏は世界で一番好きな作家だが、作品の出来不出来があるのが残念。本書は戦国初期から明治までの8人の剣士の短編集だが、作品の質が凸凹。塚原卜伝、香月勝之進、松倉左次郎、伊藤一刀斎、戸田清玄、沖田総司、山岡鉄舟、欅三十郎の8名。卜伝は2編に登場するので、全9編の中・短編集。卜伝、一刀斎、総司、鉄舟は有名ですが、他の4人についての物語は始めて。本書が不出来だと申し...

  • 平岩弓枝 「御宿かわせみ」 の読書感想。

    平岩弓枝 「御宿かわせみ」 文春文庫読切連作8篇、宿の女将るいとその恋人神林東吾の身辺で起こる出来事。相当有名ですが、意気込んで読んじゃダメ。第一篇「初春の客」が期待はずれでも、そのままだらだら読みつづけること。最後まで読めば、きっと第2巻が読みたくなる。そんな大長編の始まりに相応しい第1巻、てとこでしょうか。今から30年前に書かれた作品ですが、少しも色褪せてないのが時代小説の怖いところ。これ...

  • 池宮彰一郎 「その日の吉良上野介」 の読書感想。

    池宮彰一郎 「その日の吉良上野介」 新潮文庫面白そうなタイトルじゃないですか!池宮氏の本は初めてだったんだけど、題名に引かれて読みました。忠臣蔵ものは山ほどあれど、本書も新しい角度から光を当てた興味深い出来となっている。お恥ずかしい話ですが、私、池宮氏の著作は本書が始めて。今頃どうして?と云われても返す刀もありません。読んでみて思ったことは、早々に他の著作も読みたいっ、内蔵助や安兵衛は各書で語...

  • 南條範夫 「隠密くずれ 剣光一閃」 の読書感想。

    南條範夫 「隠密くずれ 剣光一閃」 光文社文庫いよいよ登場です、南條範夫。私がもっとも敬愛してやまない作家です。ワタクシ、南條範夫を捜し求めて幾年月。今じゃすっかりコレクターです。新刊本は残念ながらほとんど出ないため、もっぱら古本屋&ブックオフ巡りです。どの店に入ってもまずは「な」行を探すクセになってます。バカみたいね。南條氏の作品は大きく3系統に分類できます。「残酷もの」「本格歴史もの」「チ...

  • 綱淵謙錠 「人物列伝幕末維新史」 の読書感想。

    綱淵謙錠 「人物列伝幕末維新史」 講談社文庫列伝モノが好きです。一人あたり50ページ程に纏められていると、読む方もラクだし、より多くの人物の事象が知り得て面白いのである。本書は「水野忠邦」「栗本鋤雲」「勝海舟」「大久保利通」「坂本竜馬」「福沢諭吉」の計6人。うち水野・海舟・竜馬については多くの書物があるし、大久保は単独では人気が無いが、西郷や薩摩を語る上では外し様が無い。残るは「鋤雲」と「一万...

  • 山田風太郎 「死言状」 の読書感想。

    山田風太郎 「死言状」 角川文庫歴史小説を週1冊ペースでゆっくり読んでます。当たりハズレもあるので、面白かった本だけ紹介したいと思ってます。いや、つまらんかったら腹が立つので書きなぐるかも。私は南條範夫と海音寺潮五郎の作品コレクターなんですが、この両人ばかりを読んでいては、他の宝物を知らずに過ぎますので、いろいろ手に取ってます。そんな中、最近、山田風太郎を読み出してます。今まで、彼の作品はなん...

  • 井沢元彦 「忠臣蔵 元禄十五年の反逆」 の読書感想。

    井沢元彦 「忠臣蔵 元禄十五年の反逆」 新潮文庫赤穂事件(史実)と忠臣蔵(台本)を区別して考察すると、こんなにも新発見が出てくるという非常にユニークで意欲的な快作。面白すぎる。劇団座付き作家を主人公に、赤穂事件や忠臣蔵を研究する3人組が討議研究してゆく形式で話は進む。主人公である劇作家がナゼか狙われていて、彼が誰に襲われ続けているのか?というミステリーを無理矢理絡ませているのが、全くもって失敗...

  • 池上金男(池宮彰一郎) 「幻の関東軍解体計画」 の読書感想。

    池上金男(池宮彰一郎) 「幻の関東軍解体計画」 祥伝社ノンノベル池上金男ってどんな作家だ?と思い読み始めたが、これが重厚で本格派だった。本書は三十年以上も前の新書サイズ・ノベルズだったので、今この作家はどうしてるんだろう?早世してしまったのか?とウィキで調べてみると、池宮彰一郎の本名だったんですね。池宮彰一郎とペンネームを使うまでの、貴重な本名著作だったわけです。更に池宮のウィキを読み進めると、類...

  • 古川愛哲 「九代将軍は女だった!」 の読書感想。

    古川愛哲 「九代将軍は女だった!」 講談社+アルファ新書非常に、ショッキングな題名である。それゆえに、こういった眉唾本は手にさへ取らない、という人もいるだろう。一方、私はこういった本は大好物。新説異論は無茶な論拠もあるが、得てし一聴に値する話も多い。書名「九代将軍は女だった!」もまさにそうで、徳川幕府第9代将軍家重は、謎の多い将軍である。ちょっと歴史が好きな人なら思い出すだろうし、「徳川家重」を画像...

  • 宮脇俊三 「時刻表2万キロ」 の読書感想。

    宮脇俊三 「時刻表2万キロ」 河出文庫私は鉄ヲタじゃないんだけど、古本屋めぐりの友として鉄道を愛用しています。最近は「北海道&東日本パス」を活用し、栃木・福島・宮城・山形・岩手とブックオフや萬葉堂書店(仙台)を巡回してきました。すべて普通列車です。萬葉堂書店は、ウワサに違わぬ凄い蔵書量(十万冊)で、海音寺や南條の掘り出し古書が、ゴロゴロ入手できました。1階と地階の2フロアですが、1階の本棚を数えた...

  • 安部龍太郎 「戦国の山城をゆく」 の読書感想。

    安部龍太郎 「戦国の山城をゆく」 集英社新書2013年下期、安部龍太郎が直木賞を受賞しました。自分の好きな作家が受賞すると、よしよし、とこちらまで嬉しくなってきます。私のツートップは南條範夫と海音寺潮五郎。そのどちらも1956年と1936年に直木賞を受賞しています。そのほか、今年2014年やっと受賞できた黒川博行、2004年には奥田英朗が早々に受賞しています。2002年乙川優三郎、1994年大沢在昌、1973年藤沢周平、1972年綱...

  • 福原直樹 「黒いスイス」 の読書感想。

    福原直樹 「黒いスイス」 新潮新書欧州はユーロで経済統合されているが、そのユーロに加盟してないのがイギリスとスイス。特にイギリスではスコットランド独立が住民投票にまで発展して大騒ぎになりましたが、スイスも決して一枚岩でない。そもそもスイスといえば、ガチガチのスイスなのだろうか?ドイツ・フランス・イタリアに挟まれた交通の要衝であり、アルプス山脈を抱く山国の難所。北東ではドイツ・オーストリアから交易を...

  • 眉村卓 「幻影の構成」 の読書感想。

    眉村卓 「幻影の構成」 ハルキ文庫1966年書かれた著者の初期作品。名著の誉れ高く、ハヤカワ文庫、角川文庫に収録後、1999年ハルキ文庫より再収録・再刊された本書を読んだ。舞台は未来都市、イミジェクスという小箱からイヤフォンで聞くことで、市民は安心感を得られる替わりに情報操作をされている。1966年に既にこうしたものが書かれていたことが面白い。イミジェクスは様々な楽しい音楽や購買意欲をそそるCMが流れ、人々は...

  • 嵐山光三郎 「日本一周ローカル線温泉旅」 の読書感想。

    嵐山光三郎 「日本一周ローカル線温泉旅」 講談社現代新書ここんとこ有意義な読書が続いていたのですが、本書は久々に詰まらない読書。書名「日本一周ローカル線温泉旅」は素晴らしく私に喰い込んできたので、同著「ローカル線おいしい旅」と併せて買ってしまったのですが、まずは嵐山氏が自分に合う作家か確かめてからにすべきだった。全体的には椎名誠風な文体。これは昭和軽薄体と言われています。旅を大きな流れで捕らえず、...

  • R・D・ヘア 「診断名サイコパス」 の読書感想。

    R・D・ヘア 「診断名サイコパス」 ハヤカワ文庫学問や研究は日々進行・変転しています。今の今ではAだと言われることも、新発見によってBとなることもシバシバ。「A、実はBでした!」は大袈裟でも、A2型やAB型が並存するパターンが解るとか、ある一定の操作を加えれば一時的にBとなるケースがあるとか、いろいろ新事実が判明してゆきます。身長の高い人や低い人、指が長かったりずんぐりしてたり、駆けっこが早かった...

  • 北原尚彦 「古本買いまくり漫遊記」 の読書感想。

    北原尚彦 「古本買いまくり漫遊記」 本の雑誌社2001~2008年にかけて書かれ、2009年初版の本。現在2014年は初版から、たったの5年しか経っていませんが、本書で登場した古本屋の、いくつもが閉店しています。本離れ・読書離れ、スマホ人気に出版不況。古書古本は、ネット検索で買った方が簡単で手っ取り早い。しかし、本屋や古本屋で自分が想像もしていなかったような書名を見つけた時の興奮。こんなことについて書いてある本が...

  • 東直己 「疾走」上下 の読書感想。

    東直己 「疾走」上下 ハルキ文庫夏旅で読んだ、もう一冊。こちらは大正解の面白いアクション・ミステリーだった。あずまファンなら大好きな、榊原健三シリーズ第3弾。「フリージア」「残光」と続く、元殺し屋。今は山奥で木彫り人形を作って、自給自足の隠遁生活。この主人公榊原さんは、五十代の高倉健を想定したような孤独なナイスガイ。殺人マシーンでそのアクション・シーンは鳥肌モノ。若き日の榊原さんは、組のヒット・マ...

  • 大沢在昌 「新宿鮫5」 の読書感想。

    大沢在昌 「新宿鮫5」 光文社文庫本書の正式書名は「炎蛹」。フラメウス・プーパと読む。新宿鮫シリーズ第5巻まで読んできて、一番面白かったのは第2巻だった。今回の第5巻は夏旅のお供として、長距離移動中も退屈しないよう新宿鮫と東直己を選んだのだが、本書は今一歩。て言うか、過去5巻中もっとも読み切るのに苦労した。ミステリとしては上の下かもしれないが、それまでの鮫4作と比較すると、期待値未満となった。南米...

  • 南條範夫 「侍八方やぶれ」上下 の読書感想。

    南條範夫 「侍八方やぶれ」上下 徳間文庫江戸時代初期、長崎奉行に就任した竹中采女正重義(豊後府内藩二代目)。かの有名な竹中半兵衛重治の一族に当たり、采女正重義の曽祖父重道まで遡れば、半兵衛と繋がる。幕府のキリスト教禁令を受け、長崎奉行としてキリシタン摘発に邁進した。しかし、その徹底ぶりはキリシタンに対する残虐な拷問だけでは飽き足らず、町の美しい娘や人妻にまで毒牙が及び、怨嗟の声は幕府にまで届いてし...

  • 檜山良昭 「ケネディを撃った男たち」 の読書感想。

    檜山良昭 「ケネディを撃った男たち」 東京書籍ケネディ暗殺究明本と云えば、国内なら落合信彦「2039年の真実」から読むべきかもしれないが、檜山良昭ファンの全書完読作戦の一書として本書を読んだ。アメリカ大統領が公然とパレード中に射殺され、その衝撃映像は今でもTVで使われる。今観ても衝撃的だが、当時はもうそりゃ凄かったんでしょうな。著者は事件当時大学生だったそうで、下宿のおばさんが「ケネディが死んだ」と叫...

  • 高島俊男 「お言葉ですが・・・4」 の読書感想。

    高島俊男 「お言葉ですが・・・4」 文春文庫週刊文春にて、1998年8月から翌99年9月にかけて連載された。本の題名は「広辞苑の神話」ですが、「お言葉ですが・・・」シリーズ第4巻なので、上記のように記載しております。高島先生の舌鋒もだいぶ和らぎ、週刊誌の連載というものを判り始めています。押したり引いたり、連載初期のようにブッタ斬って押し倒して粉々にしようとばかりせず、のんびりした回も交えています。ただし、中...

  • 司馬遼太郎 「燃えよ剣」(上下) の読書感想。

    司馬遼太郎 「燃えよ剣」(上下) 新潮文庫中学生の頃、柴錬の「御家人斬九郎」を読んで厨二病になった頃を思い出した。本書「燃えよ剣」は、まさに中学生の必読書で、子供の頃に、こういった本を読むと人生が変わると思う。柔軟な脳味噌を持つ中学生には、「竜馬がゆく」のような開国前進派からみた幕末維新史を読む方が尊ばれるが、敢えてその時代、時代の流れに逆行した男たちを読んでこそ、維新を考えさせる力がつくと感じ...

  • 黒川博行 「絵が殺した」 の読書感想。

    黒川博行 「絵が殺した」 創元社推理文庫祝!直木賞♪(※2014年に書いた話です。)ようやく受賞してくれました。応援してきた作家が評価されると、我がことのように誇らしいです。文春文庫の「文福茶釜」が気に入って黒川を読み進めている。本書は、創元推理文庫の第6巻。今回は京都が舞台で、日本画家が殺された。数年前、岸壁から落下して死んで行方不明になっていた日本画家が、なぜか竹藪から竹の子に押し出されて、白骨化死...

  • 中川右介 「カラヤン帝王の世紀」 の読書感想。

    中川右介 「カラヤン帝王の世紀」 宝島新書クラシック指揮者、帝王カラヤン。20世紀のレコード&CD勃興とメディア戦略にうまく乗り、そのルックスと商才、そしてなんと言っても認めざるを得ない音響美。芸術とビジネスを見事にドッキングし過ぎたことが、彼の芸術的評価を屈折させているが、百年後、そこそこの評価を得られていると私は思う。ちなみに、現在残されている数多くのレコードやCD。古い演奏やアナログ録音だとど...

  • 藤沢周平 「獄医立花登手控え」全4巻 の読書感想。

    藤沢周平 「獄医立花登手控え」全4巻 講談社文庫物語設定は江戸中期、蘭学が盛んになりだした頃。小伝馬町牢屋敷の獄医(牢医者)を叔父の代わりに務め始める青年が主人公。叔父は田舎で天才と謳われたが、今じゃ町医者の飲んだくれで、人使いの荒い妻と放埓な娘がいる。そんな町医者一家に居候してきた青年だが、ただ飯は喰わせないと、牢医者として泊り込みさせられたり、代診したり、庭掃除から薪割りまで大忙し。ブツブツ言...

  • 鈴木伸元 「加害者家族」 の読書感想。

    鈴木伸元 「加害者家族」 幻冬舎新書題名から想像できるとおりの内容。犯人の家族は、さぞかし肩身が狭い人生になるんだろうな、と想像するわけだが、これでもか・これでもかと延々と悲惨な人生のオンパレード。ワケあって罪を犯した犯人はもとより、別人格である妻や子供たちまで迫害の人生が待っている。さもありなんと考えるのか、酷すぎると思うのか。悪いことをしちゃいけないよ、された人の気持ちを考えてと言うよりも、悪...

  • 中嶋繁雄 「戦国の雄と末裔たち」 の読書感想。

    中嶋繁雄 「戦国の雄と末裔たち」 平凡社新書「日本の名家100」「大名の日本地図」で知られる中嶋繁雄。私はこの作家が好きで、「閨閥の日本史」「明治の事件史」「名君・暗君江戸のお殿様」をHPにて感想アップしています。大名や名家、血筋や閨閥なんかに着目しています。よく思うんですよね。織田信長とか武田信玄は凄かったけど、ほんとに彼らのDNAを引き継いでいる人間はいるのだろうか?江戸期の大名家は不思議な発想で、...

  • 杉本章子 「残映」 の読書感想。

    杉本章子 「残映」 文春文庫徳川幕府、最後の南町奉行、佐久間鐇五郎。明治維新後、彼が辿った生き様を描きたかったのだろう。しかし、捕り物帖を絡ませざるを得なかったのが辛いところで、少々、違和感を感じた。この佐久間鐇五郎は、南町奉行まで勤めた人物なのだから、新政府でも望めば、それなりの役職は得られただろう。しかし幕府瓦解を期に、以前より興味のあった指物師に転向してしまう。高級旗本から一介の職人へ。しか...

  • 出久根達郎 「佃島ふたり書房」 の読書感想。

    出久根達郎 「佃島ふたり書房」 講談社文庫第108回、直木賞受賞作品。いやあ、これはよく書けた立派な作品。久し振りに満足のゆく「小説」というものを読んだ読後感。著者は、有名な古本屋さん。そんな人が、古本屋小僧から独立する経緯の小説を書いているわけだから、てっきり半自伝的小説かと思い込んで読み始めてしまった。戦前の東京、古本屋の小僧二人が主人公。性格の違う二人が、一つの事件から仲良くなり、一緒に古本屋...

  • 角田光代 「空中庭園」 の読書感想。

    角田光代 「空中庭園」 文春文庫一見幸せそうに見える家族。実はそれぞれに悩みや隠し事があり、それを覆い被せて家族ごっこをしている、というよくあるパターン。読み進めると「なぁんだ」と思う反面、「他の家族はどうなの?」と読み続けたくなるストーリー。一章ごとに、娘、父親、母親、おばあちゃん、家庭教師、息子と主人公が変わる仕組。各人の日常は隠し事だらけ。家に帰れば、明るく馬鹿で純朴な役割を演じる。何でも話...

  • 副田護 「翔ける旭日旗」 の読書感想。

    副田護 「翔ける旭日旗」 コアラブックス(童夢舎新書)安定した筆力、信頼できる想像力、共感できる想定論。副田護の本は「太平洋戦争49の謎」「オーストラリア本土作戦」と来て、本書で3冊目ですが、全く気に入りました。現在、副田護の本を収集しており、8割方完了しております。私には悪い癖があり、数冊読んで気に入って、且つその著者があまり有名でないと、将来収集するのが苦労すると予想してしまい、全作品収集してし...

  • 清水潔 「桶川ストーカー殺人事件」 の読書感想。

    清水潔 「桶川ストーカー殺人事件」 新潮文庫現実は、小説より奇なり。まさにこの言葉を地で行くようなルポルタージュ。アマゾン評価が圧倒的だったので、前々から読んでみたかった。カメラマン上がりの、写真週刊誌「FOCUS」の記者、清水潔。彼の慌しい記者人生の、一事件から本書は始まる。ペットのハムスターに餌をやったり、せっかくの休日が事件取材でフイになったり、そんな彼の日常の一コマから物語のように始まる。そう...

  • 瀬田季茂 「科学捜査の事件簿」 の読書感想。

    瀬田季茂 「科学捜査の事件簿」 中公新書堅苦しい文章ではあるが、内容が面白い!2001年初版のため、最近話題となったDNA鑑定のミスなどは網羅されていない。20世紀までの科学捜査についてなら、概略が解って良書。アマゾン感想は唯一1つで、しかも星2つ。この感想には首を傾げる。「指紋鑑定」「銃器鑑定」「「筆跡鑑定」「死体復元」「DNA型鑑定」「毒物鑑定」といった鑑定手法と、なぜ、その鑑定法が確立されていったの...

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