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ブルックリンタイム/Brooklyn Time http://brooklyntime.net/

ブルックリン不動産のスペシャリストがお届けするブルックリンライフとニューヨーク不動産徹底ガイド。

テツオ
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2007/12/23

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  • 売買・賃貸・金利・マインド:現在のNYC不動産マーケット

    気がつけば2023年となり、チャイニーズニューイヤー(今年は1/22でした)も終わり落ち着いた日が続いているニューヨークです。 久しぶりのポストになります。昨年は金利の上昇などにもかかわらずお陰様で非常に忙しい年となり、多くのクライアントのお手伝いをさせていただくことが出来ました。また、私自身の仕事の多くは以前のクライアントの方々からのご紹介であり、大変感謝いたしております。本年もベストなサービスとネットワークで、NYCにおける不動産の売却と購入をお手伝いさせていただきたいと思いますのでよろしくお願い致します。 1月が終わってしまう前に、現在のニューヨークのマーケットについてアップ–デートをしたいと思います。 まず気になるモーゲージ(住宅ローン)金利についてですが、この3ヶ月間の推移は以下の通り緩やかに下がってきており、引き続きこの傾向が続くと言われています。このためこれまで金利が高いことを理由に真ホーム購入に踏み切れなかったバイヤーが、また少しずつ物件購入に向けて動き出しているような状態です。   <直近3ヶ月のモーゲージ金利の推移(出典:Zillow)>   またチャートでもわかるとおり、30年固定金利ローンより変動金利ローン(ここでは7-year ARM)がかなり低いため、マイホームの購入時に変動金利ローンを使用する方が増えています。変動金利ローンは例えば、7-year ARM(あるいは7/1 ARM)の場合、最初の7年間は固定金利となり、その後にローン金利が変動しはじめます。 そのため基本的には固定金利である最初の7年間のどこかで、固定金利ローンにリファイナンスをおこなうのが一般的です。7年間が短すぎだという場合には10年間固定の10/1 ARMというローンもありますし、逆に投資目的などで4年後に売却が決まっている・・・というような場合には5/1 ARMという固定金利期間が短いローンもあり、用途に合わせた利用が可能です。 さてそれでは実際のマーケットはどのような動きを見せているのでしょうか。マクロの経済動向が不動産のマーケットに反映されるまでには3-6ヶ月かかると言われるため新年がはじまったばかりの現時点では確認に限界がありますが、いくつか変化の見える指標をチェックしてみたいと思います。   ① ニューデベロップメントの値下げ可能率 一般的にN

  • ニューヨーク不動産はパンデミックのダメージからほぼ回復。

    米国の独立記念日(Independence Day)が過ぎて、いよいよ夏本番となったニューヨークです。 ワクチン接種による感染率の低下が急速に進み、NYCでは1回以上のワクチン接種を行った成人が約70%となったことで、生活面においてはほぼ全ての活動がCOVID前の状況に戻っています。もちろん引き続きマスクの着用やディスタンシングなどによる注意は必要ですが、ピーク時と較べると明らかに人々の生活に活気と笑顔が戻ってきた感があります。 前回のポストからあっという間に7月となりましたが、この間、ニューヨークの不動産マーケットは強いリカバリーを見せており、弊社も2007年以来のセールスレコードを記録する状況となりました。 本年第二四半期(4-6月)の数字について、床面積辺りの価格を見てみると以下のような結果となりました。 エリア 物件タイプ 床面積辺り価格 $/SqFt 2021年(2020比・2019比) 2020年 2019年 マンハッタン コンドミニアム $1,323(-1%・-3%) $1,330  $1,365 コープ $959(-1%・-4%) $969 $1,000 新築 $1,953(-5%・-9%) $2,065 $2,151 ブルックリン コンドミニアム $995(+10%・+1%) $905 $985 コープ $527(-32%・−5%) $780 $557 新築 $1,058(+1%・-5%) $1,048 $1,114 パンデミックの真っ只中であった2020年と、パンデミック前である2019年の同期比を見てみると、確実に物件価格がパンデミック前の水準に戻りつつある事がわかります。特にブルックリンのコンドミニアムマーケットについては、より広いスペースやアウトドアスペースなどを求める購入が加速し、既にパンデミック前の価格水準と同等以上の数字となっています。 私自身の直近の販売物件を見ても、最初のオープンハウスでオファーが入り成約となった物件や9件のオファーが入り価格がアスキングプライスよりかなり上がった物件、また購入についてもいくつもの物件で複数入札によるオークションの状況をこの数ヶ月で経験してお

  • ブルックリンとクイーンズのFairWayを買ったFood Bazaar。

    久しぶりにブルックリンローカルな話題です。 料理が半ば趣味の私にとって、食材の買い出しは毎日の欠かせない日課であり楽しみでもあります。ブルックリンにはニューヨーク最大の日本食&食材のマーケットプレイスであるジャパンビレッジが自宅のすぐ近所にオープンしたこともあり、外せない場所ではありますが、実は和食を作ることは少ないこともあり、メインで使用する買い出しスポットは、Whole Foods Market、Costco、そしてレッドフックのFairway Market でした。 しかし、Fairway Market がChapter 11(再建型の倒産手続き)をファイルしたことで、これまで14店あったニューヨークの店舗は、わずか5店舗となり、ブルックリンとクイーンズの店舗はともに、ブルックリンをベースとしているスーパーマーケットFood Bazaar を運営している、Food Bazaar SupermarketであるBogopa Service Corpに売約されてしまいました。 Food Bazaarに店名を変えたばかりの頃、早速足を運んでみたのですが、これまでFairway Market で扱っていたようなちょっとユニークな商品や質の高い商品は大きくカットされており、非常にがっかりした次第です。 その後すっかり行かなくなっていたのですが、やはり料理が趣味の友人から「Food Bazaarは韓国系らしく、モツが売ってたから買った」という話を聞き(彼はアメリカ人なのですが、日本食通です)、もしかしたらよくなってきているのだろうか・・・と、少し気にはなっていました。 ということで、2週間ほど前になりますが、あらためてFood Bazaarでの買い出しに挑戦してきました。 なにしろ仕事で毎日のようにマンハッタンに運転していく身としては、バッテリーパークトンネル(Hugh L. Carey Tunnelに名前が変わりましたが・・・)からブルックリンに戻ってくるとき、広い駐車場のついたレッドフックのロケーションは非常によりやすいという事もあります。 結果からご報告すると「期待大」でした。 これまでFairway Market の居抜きの状態で運営していた店舗を、いよいよ根本的に変えていく予定らしく、店内は写真にもあるように、新しい冷凍・冷蔵什器が多数おかれており、新装準備中の状

  • いま売れているマンハッタンのニューデベロップメント。

    ニューデベロップメントの売れ行きがスローだということについて何件かお問い合わせをいただいたこともあり、今回は現在実際に売れているニューデベロップメントについてお話ししたいと思います。 ニューデベロップメントには大きく分けて、ニュービルディングとコンバージョン(既に建っているビルディングを新しいコンドミニアムに完全改築したタイプ)の2種類がありますが、基本的にどちらの場合も建設をはじめる前から売り出しは始まります。 このため、コンドミニアムが売れた日(支払いの精算と所有権の引き渡しが行われ物件ステータスがSOLDになった日)というのは、契約書にサインが行われ成約となった日(いわば、実質的な購入日)からはかなり経っており、1年どころか2年近く経っているということもよくあり、一般のリセール物件とは全く異なる動きをします。 ですので、「いま何が売れているのか?」を知るためには、いま「売れた物件」ではなく、いま「成約になった物件」の動きを見る必要があるわけです。 ということで、前置きが長くなりましたが、昨年の第四四半期から現在(2021年2月8日)までの間に成約となったニューデベロップメントについて調べてみました。 最も高額な物件トップ3 直近の高額物件販売でトップに躍り出たのは、Robert A.M. Stern デザインによるYorkville(ヨークヴィル:アッパーイーストの東側エリア)のコンドミニアム20 East End Aveのペントハウスとなりました。床面積6,050SF(5ベッドルーム、5.5バスルーム)ではありますが、35Mというのは$5,785/SFのウルトラ・ラグジュアリー物件となります。ユニット内には4カ所のバルコニーがつき、そのうちの一つはバスルーム専用のアウトドアスペースというゴージャスな物件です。 2位はトライベッカの開発である70 Vestry Stで、6ベッドルーム、7.5バスルームとなる11階のユニット、28.5Mのアスキングは$5,696/SFというやはりウルトラ・ラグジュアリー物件となります。 そして3位は、ユニオンスクエアパーク近くの開発である37 E 12th Stで、価格は$19,950,000のペントハウス。4ベッドル−ム、4.5バスルームであり、サイズは6,325SF。シンプルでモダンなインテリアで1,188SFのプレイベートルーフト

  • クイーンズの不動産マーケットの現状。

    一般的にニューヨークの不動産マーケットは、1月と2月が最もスローなシーズンとなります。今年は比較的暖かい物の、それでも体感気温がマイナス15℃前後になる日もあるこの時期は、やはりオープンハウスへの訪問者も少なくなります。また、昨日今日とスノーストームの影響で、ニューヨークは18インチ(約45cm)の雪が降りました(上の写真はうちのフロントヤードにおいてあるゴミ箱に積もった雪です)。 しかし、実は今年は1月の序盤から色々と動きがあり、1月後半に入った現在、例年になく様々な不動産案件のご相談を受けている状況です。 さて、前回のポストで、ニューヨーク不動産のマーケット動向として、主にマンハッタンとブルックリンの動きについて書きましたが、つい先日クイーンズの2020年第四四半期のマーケットリポートが上がってきましたので、今回は現在のクイーンズにおける不動産の速報をお知らせしたいと思います。 まず、クイーンズのマーケットは、コンドミニアム、コープ、タウンハウスなどの一軒家(マルチファミリーハウスを含む)という3種類のマーケットがあるわけですが、最も多く取引されるのは、タウンハウスなどの一軒やでありマーケット全体の62%を占めます。次がコープの25%、そしてコンドミニアムが13%と、マンハッタンやブルックリンとは異なった物件取引構成となっています。 その上で昨年対比をベースに数字を見てみると、床面積辺りの価格は、コンドがマイナス13%、コープがマイナス3%の下落、これにたいして一軒家は2%の価格上昇となりました。ただし、一見すると大きく価格が下がったかのように見えるコンドですが、実は価格帯ごとに詳細を見ると、350K以下の物件は3%の価格上昇、また350-500Kの価格帯については9%の価格上昇となっており、価格の下落は500K以上の物件のみで起こっていることがわかります。 また売買価格の中央値(Median Price)は、コンドのみが$685,000でマイナス2%の下落となったのに対して、コープは2%の上昇で$320,000 、一軒家は7%の上昇で$760,000となっています。 マーケット構成とニーズがマンハッタンやブルックリンとことなるクイーンズのマーケットは、アストリアやLICなど、マンハッタン、ブルックリン近郊のエリアでは開発が行われているものの、賃貸居住率よりも持ち家率が圧倒

  • 謹賀新年:現在のニューヨーク不動産マーケット。

    新年明けましておめでとうございます。 2021年も難しい状況が続くことが予想されますが、皆様の一層のご健康を心よりお祈り申し上げます。また、本年も何卒よろしくお願いいたします。 さて、昨年の5月のポスト以来となります。ご存じの通りCOVIDへの対応は一進一退の状況が続いておりますが、米国ではワクチンの接種がスタートし、一般国民への接種は初夏頃が予想されております。 昨年は大統領選も行われ、未来への変化と混沌が交錯しているような状況の米国ですが、5月以降現在に至るまでのニューヨークの不動産マーケットでは大きく3つの傾向が顕著になっています。 全く動かないレンタルマーケット 現在NYC全体でテナントを募集している空き室は、3万5千以上という空前の数字になっています。このうちの約2万室がマンハッタンとなっており、レンタルマーケットは完全に供給過多の状態です。 このためレンタル物件にテナントをつけるためにはこれまでのマーケットレントと比べ2割以上低い価格をつけ、さらに不動産仲介手数料はランドロード(大家)が全て支払うという状態になっています。 もちろんこのような状況を逆手にとり、同じレントでより広い物件を借りたり、クイーンズからマンハッタンへの引っ越しを行う人々も多少はいるものの、二桁台となっている失業率があらわすように経済面における不安感は非常に強く、多くの人々が引っ越しを控えている状態にあり、現在のレンタルマーケットでは、レントを下げてもテナントがつかないという状況が続いています。 滞納賃料に対する政府援助や各種バウチャーによる賃料援助がNYCの賃貸マーケットでどの程度機能するかは疑わしく、経済力のあるテナントにとって非常に魅力的なマーケットになっている反面、ランドロードとにとっては厳しい状況が続いているのが現在のNYCのレンタルマーケットです。 私自身もCOVIDに入ってから何人ものランドロードの方に依頼され、テナント探しをお手伝いをしましたが、全て成約となったものの、どの物件もこれまでより賃料をかなり下げての成約となっています。 ラグジュアリーマーケット レンタルマーケット同様、ラグジュアリーマーケット(ニューデベロップメントを中心とした高額のコンドミニアム)も鈍い動きとなっています。 まずマンハッタンですが、物件価格4M以上のラグジュアリー物件を見た場合、

  • コロナウイルスと戦っている今現在のニューヨークの不動産マーケット。

    ニューヨークでは、コロナウイルスのための自宅待機措置がスタートして約2ヶ月が過ぎました。 ニューヨーク市内のコロナウイルスの状況は、全ての指標で下降線をたどっているものの未だ厳しい状況が続いています。 しかし、9/11の時にも感じたことですが、危機的状況になったときのニューヨーク市、あるいはニューヨーク市民の動きには感心させられることや学ぶべきことが多く、市民の多くは、協力し合いながらこの難局を乗り切ろうという雰囲気を感じます。 また、多くの人々が、この新しく生まれた時間を使って「自宅でできることや自宅でやれることの可能性」について知恵を絞っており、例えば、クッキングやクラフト、インテリアやガーデニング、あるいは新しいスキルや知識を身につけるためのオンラインラーニングなどをソーシャルメディアなどでよく見かけます。 私の勤務するコーコラングループでも、オフィスは完全にクローズですが、毎日ランチタイムにオンラインミーティングがあり、またオンライン上でのトレーニングクラスや様々なイベントが毎日のように行われています。 不動産マーケットについては、まず不動産業自体が、政府や自治体から営業を許可されたEssenntial Workではないため、対人接触を伴う全ての活動が禁じられています。 このため、自宅待機措置以前に成約となっていた物件については、ビデオ会議システムなどを通し継続していますが、対人接触を伴う新しい販売活動については法的に禁止されている状態です。 中にはビデオツアーを使って物件を見せることを前提に、自宅待機措置以降にリスティングされた新しい物件もありますが、ビデオで見ただけで物件の購入を決定するというのは稀です。 メディアなどでオンラインだけで購入したという購入者の話を取り上げ、まるでそれが新しい流れのように書いているようなものも見かけますが、不動産会社とメディアが協力してつくっている記事であり、実際にはほとんどありません。 ビジネス活動の再開については、まだ見通しは立っておらず、早期の再開を進めようとしている連邦政府と、それに反対している知事との間での綱引きが続いている状況ですが、ニューヨーク州では、エリアによりビジネスの再開を行うことを決定し、7つの基準を満たしているエリアから徐々に経済活動が再開されつつあります。 残念ながらニューヨーク市が再開

  • ニューヨークで初めてのマイホームを購入する。 (4) タウンハウスという選択肢

    賃貸アパートで暮らしている状態かからニューヨークでのマイホームの購入を検討する場合、コンドミニアムやコープは、共にアパートという居住形態でるため、もっとも自然でわかりやすい選択肢であると言えます。 しかし、例えば以下のような項目が、マイホーム購入の重要な要素である場合、マルチファミリー・タウンハウス(以下タウンハウス)の購入は現実的な選択肢の一つになり得ます。 庭がほしい 2ベッドルーム以上に住みたい 高額な管理費やタックスが気になる ボード(コープやコンドの管理組合)が煩わしい 家を空けている間、自由に貸し出したい リノベーションを存分に楽しみたい ペットを自由に飼いたい もちろん、タウンハウスの購入をマンハッタンで実現するには相当の資金力が必要となりますので、多くの場合、ブルックリンやクイーンズが最も実現可能性がエリアということになり、その場合、具体的には、予算として1.5M前後(場合によっては1M前後)を考えている場合、最終的に購入するかしないかに関わらず、タウンハウスの購入も選択肢の一つとして検討してみることをおすすめします。 その際には、タウンハウスとコンド(あるいはコープ)の購入について、物件としての特徴やメリットデメリットをしっかりと把握するだけではなく、全く異なるお金の流れや将来の物件運用の可能性についても理解することが大切であり、実際、マイホームのご購入をご検討されている方とのミーティングでは、予算的にタウンハウス購入の可能性を検討可能な場合、私自身の個人的な経験談も踏まえて、これらのことをご説明させていただいています。そして、多くの方が、単にアパートを買うか一軒家を買うかという違いだけではない両者の違いを知り、驚かれます。 様々な条件を考慮する必要はありますが、タウンハウスというものも選択肢として一度考えてみることは、中長期的なライフプランを考える上でもおすすめです。

  • ニューヨークで初めてのマイホームを購入する。 (3) コープの再評価

    先週は記録的な暖かさの日が続き、このまま冬が終わるのではないかとさえ思いましたが、今週はまた朝晩しっかりと冷え込んでいるニューヨークです。 現在のニューヨーク不動産のマーケットについて前回お話ししましたが、現在の足踏み傾向にあるニューヨークの不動産マーケットですが、やはり高価格であることには変わりなく、また今後大きく下がっていくということも考えづらいことから、購入者による購入物件の再定義が進んでいっていることを感じます。 その筆頭が「コープの見直し」です。 マイホーム購入にあたっては、自然にコンド(コンドミニアム)と考え、コープについては検討していなかったという話が多かった中、コープの可能性について積極的に考え、見直し、マイホーム、特に最初のマイホームとしてコープを購入したいという話が多く聞かれるようになってきました。 その理由はいくつかありますが、やはりなんと言っても、コープとコンドの価格差です。例えば、昨年第四四半期の数字で比べてみると、1sfあたりの価格は以下のような開きがあります。 コープ vs コンドでは約30-50%の開きが、またマンハッタンのニューデベロップメントに至っては、コープの約倍の価格となっていることがわかります。 昔と異なり、ニューデベロップメントを購入して10年たったら2倍、3倍になる・・・などという楽観的な状況ではない現在のニューヨークの不動産マーケットでは、いくらビルディング自体のアメニティが充実しており、今時のモダンなデザインであるとはいっても、このような高額なコンドミニアムを最初のマイホームとして購入する必要があるのか?と考えるのは当然といえます。 このことは、特にコストの高い土地買収を行ったニューデベロップメントに対して売れ残り傾向が強くあらわれると共に、他の選択肢、つまり中古コンドマーケットとコープに対する見直し熱が高まる結果を招いています。 また、コープ自体の変化もこの傾向を手助けしています。 モダンなデザインや最新のアメニティを装備するコンドミニアムに対抗する形で、リノベーションやアメニティの充実を行うコープが増えてきています。 コープの多くは80年代半ばにレンタルビルディングからコープにコンバートされており、もともとそのようなアメニティは持ち合わせていなかった訳ですが、ルーフデッキやジム、バイクル

  • ニューヨークで初めてのマイホームを購入する。 (2) マーケットの状況

    冷え込む日が続き雪の予報も出始めているニューヨーク、街もいよいよ年末という雰囲気になってきました。 さて、前回に引き続き、ここ数年で大きく変化した不動産マーケットやニューヨークにおける生活環境・価値観を前提とした、マイホーム購入についてのお話ですが、コープの話を書く前に、今回は現在のニューヨークの不動産マーケットについてお話ししたいと思います。 まず、現在のニューヨークの不動産マーケットは、全体としてはバイヤーズマーケットにやや傾いた状態になっています。 もちろん不動産マーケットというのは、具体的なエリアや物件タイプ、あるいは物件サイズなどのセグメントによって、大きくマーケットの様子が異なるため、これはざっくりとしたマーケット全体の雰囲気ということになりますが、昨年比較的動きのあった2018年と比べてマーケットがさらにスローダウンしている状況であり、その傾向はまだ当分続くものと予想されています。 特にニューデベロップメントは、2018年と比べ、多くのプロジェクトが苦戦を強いられており、2018年と今年のデータを比べると、物件販売までの日数が一気に長くなっていると共に、価格交渉に対する余地が今年に入りさらに広がっていることがわかります。特に高額物件についてはその傾向が顕著であるため購入についてはじっくり考えたいところです。 これに対してリセールマーケットは少し様子が異なります。というのも、ニューデベロップメントはデベロッパーが利益のために販売するのに対し、リセール物件は個人的な理由や感情が販売に大きく影響するためです。 リセール物件のマーケット全体を見てみると、売却が完了するまでの時間は以前よりかかっているものの、販売価格の中央値は昨年よりも若干上がっており、今年に入って大きく下がったニューデベロップメントとは袂を分かつ動きをしています。 ただ、リセールについても、例えば価格交渉についてのデータを見ると、コンドミニアムの場合、Last Asking PriceとSales Priceの差が、マンハッタンで4%、ブルックリンで2%、クイーンズで5%という状況であり、この数字は何れも昨年より約1%程度交渉幅が増えたことを表しています。 但し、エリアに関してはマンハッタン、ブルックリン、クイーンズという大きなくくりで見た場合と、それぞれの細かいエリア(neighborhoo

  • ニューヨークで初めてのマイホームを購入する。 (1) 変化した環境

    このブログに記事を書き始めてかれこれ9年ほど経ちますが、当時とくらべニューヨークの不動産マーケットは大きく様変わりをしました。 特にここ数年の変化は大きく、それは単に不動産価格の変動ということだけにとどまらず、購入者・居住者の意識やライフスタイル、金融環境、競争環境、エリア開発環境など、ニューヨークの不動産マーケットに内包されるおおよそ全ての要素がシフトしているように感じます。 そこで、今回から数回にわたり、あらためて現在のニューヨークの不動産マーケットを前提に、「ニューヨークで初めてのマイホーム購入」、ということについて広く考えてみたいと思います。 マイホームを購入することの意味 ニューヨークにある程度長期的に滞在する、あるいはニューヨークに移住する場合、マイホームを購入することには以下のような面で大きな意味があります。 生活に安心と安定をもたらす レンタルリスクからの脱却ができる コミュニティーへの帰属感が生まれる 資産形成上のメリットがある それぞれの項目についての詳細は、以前に書いた記事、「買うこと」のメリットというページをお読みいただければと思いますが、現在の不動産マーケットにおいては、これに加えて、「生活を守るために購入する」という側面が非常に強くあるように感じます。 これは、上の項目で言えば、1,2,4 を合わせた意味合いともいえますが、例えば医療費や学費、訴訟などのトラブルに対する費用など、ニューヨークに限らず米国では日常生活における経済的リスクが高くなっている傾向にあります。 このような一家の屋台骨を揺らすようなリスクに直面した場合、自宅がマイホームであるか賃貸であるかにより、状況や選択肢は大きく変わってくることになります。その意味において、家庭を守るための城壁を持つ意味で、マイホームの購入をされる例が増えています。 何を購入するのか? ニューヨークで実際にマイホームを購入する場合の選択肢は多くの場合、①コープ、②コンドミニアム、③タウンハウス/一軒家ということになります。 もしどのタイプの物件でも購入可能なのであれば、コンドミニアム、あるいはタウンハウス/一軒家を購入することが、購入後の自由度・選択肢という意味で、コープを購入するよりも利があることは確かであり、実際、できればコープは避けたいという話も耳にし

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