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珈琲専門店の芳香 http://aloma-cafe.seesaa.net/

珈琲SHOP「Cafe−Aloma」 薀蓄好きのマスターは、おしゃべり好きのお客が大好き。

珈琲専門店で起こる様々な人間模様を、会話形式で切り取ることで描いていく風景。 その他ペーパードリップでの珈琲抽出講座もやってます。

銕三郎
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2008/02/15

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  • ◇嫌がらせは止めようよ

    あれからもう10年経った。町の様子も変わりここに来る常連の顔ぶれも変わった。ただ、夏のジリジリする暑さと濃密な湿気は相も変わらずだ。そんな日差しをしょって古くからのなじみが扉を押して店に顔を出した。−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−「あれっ?マスターはお休み?」「あら、いらっしゃい。坊やが独立したから…

  • 僕のミステイク

    年も明けて、アーケードのある商店街は、晴れ着姿の若い娘らが多く目立っていた。この先にある縁結びで有名な神社の帰り道だろう。破魔矢を手にして明るい笑顔で連れ立って歩いてゆく。その中を、口元を押さえ青い顔をして必死な形相で走ってくる一人の若者がいた。行き違う着飾った女性たちは、汚物でも見るように体を引き振袖の袂を引き寄せる。−−−−−−−−−−−−…

  • ◇秘密

    マスターが店を開けてから一週間ほどが過ぎた。この店の営業も通常に戻り、常連客はまた自分の場所で静かに珈琲を飲めるようになったと喜んでいた。時折、常連客の話題に上がるのがマスターの雲隠れの理由だが、マスターは黙したままだった。 今日はカウンターに年若い常連が座った。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− …

  • ◇再出発前夜

    梅雨の足音も近付いた頃。 しばらく休業が続いていたこの店の前に人影があった。 脚立をたて看板を磨き、電球を拭いて埃を払い付け直す。 シャッターを上げてガラスを拭き、室外機の上に並んだ植木鉢を新しいものに置き換えていく。 そんな様子が商店街のアーケード下からみえたのか、何人かが顔を見合せながら店の方に近づいてくる。−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「マスタ…

  • ◇待ち合わせの風景

    若葉の緑が眼に心地良い。 もうしばらくは雨空の鬱陶しさに悩まされることも無い今の季節。 日差しは強く汗ばむのだが、ビルや通りを吹き抜ける風はカラリとして、信号待ちで立ち止まった体の表面から水分を奪ってくれる。 昼下がり、休講になったのか常連の女子学生が両手いっぱいに資料を抱えてやってきた。 待ち合わせの時間でも気になるのか抱えた荷物越しに腕時計を覗き込む。 遅れていないことに満足したように微笑…

  • 皆様のおかげです3 ~書けなくなって半年~

    このたび、3月28日をもってこの「お店」も3年を経過しました。・・・

  • ◇一同心の訃報

    ポカポカと暖かい日差しの公園で不思議な花を見ました。近くに居たお年寄りのカップルに花の名を教えていただきました。『まんさく』の花だそうです。 あの年代は花鳥風月と共に過ごしていらっしゃる。うらやましい限りです。公園を散歩するにも季節の花の名ぐらい覚えておかねば恥ずかしい気がしました。 そろそろ木々が芽吹いてくる季節となりました。 ところが、相次いで著名人の訃報が届いてきます。久しく聞かなかった…

  • ◇倉庫の肥

    年の瀬も押し迫り、商店街では正月用品を売る胴間声が響き渡っている。 食品だけでなく松飾やしめ縄の屋台も出ているようだ。コート姿の奥さんがご主人たちを引き連れて買い物をしている姿が目に付く。 今年の営業は今日まで。 裏で倉庫整理のバイトをしていた若い常連客が気になるものをみつけたらしく、カウンター席に持ってきてマスターに声を掛ける。

  • ◇カード占い

    暖かな日差しはあるのだが、空気は凍てついている。 北風が乾いた落ち葉を店の前に吹き寄せてくる。 高校生の常連の妹が中学の制服を着たままカウンターの隅に座って、おいてあったトランプを手に一心に繰り返している。 その真剣な表情に興味を持ったマスターがカウンター越しに声を掛ける。

  • ◆番外編 15.農作被害

    各地に猛威を振るった台風が過ぎた。 以前から停滞していた雨雲を全て連れ去ったかのような青い空が広がっている。 通過後しばらくは強風が吹き荒れていたが、今はそれも治まったようだ。 強めの日差しではあるが確実に秋の気配をはらんだ風の匂いが心地良い。 強風にも耐えた曼珠沙華の朱が誇らしげである。 ウエイトレスがカウンター越しにマスターに質問をしているようだ。

  • ◇禁足

    空が青く透き通り、都会の空でも随分と高く感じられる。 風に乗って香ってくるのは金木犀が放つ芳香だろう。 カウンターの中で忙しそうにいつものウエートレスが洗い物を片付けている。マスターの姿はなく店の奥では若いウエイターがテーブルセットを直しているようだ。 お昼休みには不似合いな時間に感じた常連の一人がウエートレスに問いかける。

  • 長期休暇のお詫び

    随分と更新の間が開いてしまい、もう10月の声を聞いてしまいました。 お客様方にはお待たせしてしまって申し訳ありません。 少々私的な事情により、まとまって記事を書く時間をとれず、テンションも下がりきってしまっていたため、この世界からあえて足を遠のけていました。

  • ◇遠く離れて

    夏らしい気候が続いていたところに台風接近の情報が・・・。 窓辺の席で時折雨が滝のように落ちてくる空を見上げ、恨めしそうにしているお客の顔がある。足止めされてこの後の約束にでも間に合わなくなっているのだろうか。 雨の中いかにも嬉しげに女性がやってきた。遠距離恋愛中の例の彼女だった。なにかいい事があったのだろうか・・・。

  • ◇暗闇の接近遭遇

    学校が夏休みに入り若い常連の姿を見かけることが少なくなった。 太平洋高気圧が力不足なのか、梅雨が明けきらず暑くなったり涼しかったりを繰り返している。 ただ、アブラゼミの耳に障る泣き声だけは輪唱のように始まった。 暑い日が続いた昨夜、納涼と銘をうった飲み会が従業員の間で行われたらしい。

  • ◇マスターの休暇明け

    梅雨明け宣言がされたはずなのに、すっきりした青空には恵まれない日が続いている。戻り梅雨と言うのだろうか。 それでも花壇にはヨメナやネジバナが咲き、蝉の声も聞こえてくるようになった。 カウンターでは腕だけがしっかりと日焼けしたマスターが珈琲を淹れている。 やってきた常連の学生がカウンター席に座りマスターの休暇の様子を聞こうと話しかけている。

  • ◆総合編 2.メッシュと水位

    毎度お越し頂きありがとうございます。今回は総合編の第2回をお届けします。 梅雨明けの声も聞かれる今日この頃です。こんな時期の帰宅時には、軽めに淹れたアイスコーヒーを一気に流し込みたくなります。 そこで今回はアイスコーヒーの淹れ方を再確認しながら、粉のメッシュと湯面の高さについてもう一度復習してみたいと思います。

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