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Waltz https://rots-lullaby.jugem.jp/

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2008/03/31

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  • フレーバー

    おしろいで顔を塗り潰さなければならないので、約束の時刻よりはちょっと遅れて来てください。告げられた人間よりも、告げた青年のほうが陰鬱な声を出していたのが不思議だった……、「はあ、それにしても、まったく、どうして、僕の顔ってこんなに醜いの、」

  • ブランコ乗りの供述

    遺影の写真、赤い鼻なんかつけちゃって。でもちょっと馬鹿っぽくみえるよ、あんなに聡明な子だったのに。普通の写真はなかったのかな?せめて鼻が赤くないヤツ。でも可愛いからいいか、馬鹿みたいだけど、可愛い。そう思わない?ぼくはあの子と同じサーカスの

  • 額に名前

    あたし以外の全員、しかも本人も含めて、みんながみんな名前を忘れてしまった。なんの名前って、彼、彼の名前。ありえない、馬鹿だ。なので今後二度と忘れないよう、大きな白い布に油性ペンで彼の名前を書き殴り、そのおでこに釘でガツンと留めつけてやろう、

  • 惨劇世界

    死んでみせたり、殺してみせたりするのが私たち。与えられた脚本にそって、たまにアドリブを交えながら、毎日日替わりで惨劇を演じた。ハッピーバースデイ、アクトレス一昨日が、金銭トラブルからの刺殺事件、めった刺し。昨日が、自爆テロ、爆弾を積んだ車で

  • 注射針から滴り落ちた安楽世界*

    この存在は忘れてはならない世界の禁忌と似ているね、いつしかいたるところに深い傷跡を残してしまっている。「少し眠ろうね」わかっていてそれでも、抵抗して振り回した手が貴女のやわらかな頬を掻いた。貴女が静かに笑う、ぼくが泣いて叫ぶ。(待って、まだ

  • ジャックをランタンが乱す

    僕のジャックがいなくなるこれはとても大変なことだ、彼が僕のとなりにいないということは、つまりは僕にまたも冷ややかな朝が来るということだからだ僕には僕自身の世界があるが、ジャックにとっての世界はつまるところ僕の世界だ。ジャックにはいつだって居

  • Mom*

    健全であり健在であるアタシを病室に閉じ込めるのは、その病室の主である女だ女の混沌の人生の中に産み落とされたアタシだった喧騒の中、女はアタシを愛し、アタシは女を愛したが、その後アタシはとある青年に深い深い恋をしたアタシは女を忘れた、青年だけを

  • 草食動物

    手紙を書くから読まずに食べてそれから僕に手紙を書いて僕はそれを読まずに食べて君に再び手紙を書くね だけどもそれは読まずに食べてそれから僕に手紙を書いて僕はそれを読まずに食べて君に再び手紙を書くねだけどもそれは読まずに食べてそれから僕に手紙を

  • 未来回帰

    僕は夜行列車に乗り、住み慣れた街から脱出する。車窓の外を流れる街灯がきらきらしている。僕は右手で黒い石を握り締めていた。僕が寝台車にやってきたとき、枕のとなりにそっと置かれていたものだ。誰かの忘れ物なんだろうけど、僕はこの晴れた夜空のかけら

  • 手向け

    貴方を花にして飾れたらいいと思った花瓶の中で、その花弁を揺らし可憐に咲いていてほしいと思ったでもだめね、やっぱり貴方は枯れるもの私を花にして飾れたらいいと思った棺の中で、その亡骸を包んで一緒に燃え尽きたいと思ったでもだめね、やっぱり貴方はい

  • アルバム

    ボクが両手にいつも抱えているのが写真立てだそれは木の枠に入ったガラスの板だ陽に透かして、風景写真人を捉えて、人物写真ボクがそれに夢中になっていることは先生にも、母にも、誰にも内緒だボクが両手にいつも抱えているのが写真立てだそれは木の枠に入っ

  • 僕たち私たちの自習

    先生は失踪中代わりの先生も行方不明灰色の教室に生徒が15人男の子が12人女の子が3人部屋の隅から喘ぎ声、安っぽい教卓の前から歌、低俗窓側の机から電子音、耳障り無機質なチャイムで扉が開くまで、あと37分

  • 博愛は消火器*

    嫌いなものはないと彼は笑うがその彼を奪い合い、争う私たちのことはどうだろう?彼の博愛精神で、結局私たちは鎮火されてしまうのだしかし私たちは、彼の唯一が欲しいのだ、それだけ自分以外の何物にも愛を向けてはいけない、彼には鎖を巻いてやりたい!そう

  • 手渡す狂気

    きのうのことだのっぺりとうすら青い手には似合わない、きらきらしたナイフだったのきなみ、ドアは閉じられていた、ぼくたちは二人きりだったきりさいて…、君は小さく諭すように、それでいて咎めるように低い声で唱えるみらいえいごう、君がこんな顔をするこ

  • あなた

    僕たちが仰いだあなたはいつだって、僕たちの手の届かないところにある私たちが土の上で蠢いている、その遥か彼方にあなたはいる僕たちは恨めしい、全てのものから解放されたあなた私たちは愛おしい、なおも輝き続けるあなた夏のセミたちが昇華する、それは僕

  • カレンダー

    あなたの言葉通りであれば、あなたは3ヶ月後にもう一度私の前に現れる。***先の日のカレンダーに、大きく丸をつけようと思いました。しかし、3ヶ月後の何日なのかがわからないので、とりあえず3ヵ月後の1日から31日まで、31個、しるしをつける。赤

  • CHOCOLATE MINT

    鮮やかグリーンにチョコチップ私の中から、チョコチップだけが消えていくのがとても憂鬱だ包帯でがんじがらめになって、機嫌がすこぶる悪い君指先はナースコールのボタンを弄んでいる転がったサッカーボールを追いかけて、階段から落ちてしまった君空しいのか

  • ナツ

    暖かな名前を冠するその女の子は、自分をぎゅっと抱きしめてずっとずっと震えていた「ナツ」女の子は寝台の上、うわごとのように繰り返した寒い、寒い「もう8月になったね」女の子はボクを見遣るボクは彼女蝋細工のような頬に手を添えた、震えていた「今日こ

  • 瞳逸らしてからのロマンス*

    しかし私は憧れている。歯の浮くようなセリフ、全てを奪うようなハグ、甘くとろけるようなキス。私はそれらに恋焦がれて、そして目を逸らす。実はすぐそばにそれらがあるのだなんて、信じたくはないじゃない。こんなにも胸が心が躍るのに。私以外の誰もがいと

  • 花束とラストキス

    あなたからのキスが欲しかった誕生日、両手いっぱい、赤い赤い薔薇の花束唇を寄せた、棘が触れて、痛いあなたからのキスが欲しかった待ち合わせ、人がいっぱい、赤い赤い海唇を寄せた、唇が触れて、冷たい

  • 喉が裂けるまで生きる*

    生まれたばかりの僕は、日に当たったこともなく、泥に塗れたこともなく、そうして真っ白であった肉付きの良い短い腕を小さく振ったり、ふくふくした頬を持ち上げたり眼を細めたり、「あー」だか「だー」だかととにかく何らかの音を発したりすれば、それだけで

  • 雨は昨日を刺す、わたしは傘を差す、きみは星を指す*

    今日は見るもの全部、黒みんながみんな馬鹿みたいに、同じ黒い服を着て(わたしもだけど)夜だから辺り真っ暗だし雨降ってるから曇って空は真っ黒差してる傘も全員、黒いのなんというか、じとじとしてるこの雰囲気だって、色で表すなら絶対に黒黒、黒、黒!わ

  • つぼみをかみきってしまう

    青色、黄色、桃色、橙色葉っぱはみんな緑色、枯れてなければね開ききった花には、どうも興味がもてない大輪の傍らで佇む、小さいあの子が好きなのきれいに咲いた赤色のアネモネを突き付けられた日真一文字に結んだ唇、同じく堅く握り締めた手の中の花愛想も知

  • 致死量の日々*

    こんなにも満たされるのに、溢れるのに相も変わらず欲しいのは、望めば手に入ってしまう簡単さこんなにも鮮やかなのに、甘いのに相も変わらず欲しいのは、どんどん熟れていく危うさこんなにも注がれるのに、いっぱいなのに相も変わらず欲しいのは、他に向いて

  • アンティークルーム

    色褪せた部屋に私はいる色褪せたソファに私は座っている色褪せたテレビに、ただ見入っている色褪せたモノクロのブラウン管色褪せた小さなテレビをうつすその中にも、また色褪せていくように思えた、自分が色褪せてしまうことに怖気がした色褪せたロウソクを掴

  • 完璧すぎた彼の人生に色添えを!*

    「完璧な人間なんてどこにもいやしないの。そもそもこの世に完璧なんてありはしない。自分が完璧だと言っている奴とか、完璧だと言われているモノが、もしもあったらそれはやっぱり完璧ではないのよ。」私の言葉を、彼は静かに聞いていた。彼は優しいのだ。つ

  • 屋根のないガス室

    喜ぶべきことだろうかこれは薄汚い壁の穴からしゅうしゅうと音がしている神経系に作用する毒煙が吹き出ているのだそのせいで多少めまいはするが、死にはしないなんせ、ほとんどが消えていく喜ぶべきことだろうかこれは罰せられるべくして罰せられる僕ら罰する

  • 丸かった理由

    世界が丸くなくなったとニュースキャスターは顔を赤くして叫んだテレビ画面には、なるほど、海水が滝みたいに何処かへ落ちていっている、そこからすっぱり世界は見えない世界の端、彼女はうきうきした、あの向こうには何がある?落ちた海水はどこへゆく?もし

  • 手が届く

    小さなわたし、大きなおへや壁の染みに手が届く灰色の壁の黒い染み、ちょっと汚い一番上の葉っぱに手が届く部屋の隅の観葉植物、もうすぐ枯れる貴方の肩に手が届く背伸びをするとヒゲに触れた、優しい顔になった貴方の眼鏡に手が届く背伸びしなくてもヒゲに触

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