やぶからねこ さん プロフィール

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やぶからねこさん: 猫の額
ハンドル名やぶからねこ さん
ブログタイトル猫の額
ブログURLhttp://neconohitai.blog71.fc2.com/
サイト紹介文現実逃避的読書記録
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供26回 / 365日(平均0.5回/週) - 参加 2008/09/24 09:26

やぶからねこ さんのブログ記事

  • 酔ひもせず 〜 其角と一蝶 : 田牧大和
  • 『酔ひもせず 〜 其角と一蝶』 田牧大和 屏風に描かれた子犬が動くのを見た遊女が次々と姿を消す・・・。 吉原で一、二を争う妓楼「大黒屋」で起こる遊女消失の謎を、蕉門一の俳諧師・其角とその友である暁雲こと絵師・多賀朝湖〜後の英一蝶のコンビが解き明かすミステリー仕立ての時代もの・・・ということだけども・・・。ぐいぐいと引き込まれるほどの筋ではなく、吃驚仰天の展開があるわけでなく、謎解きが鮮やか!なわけ [続きを読む]
  • 関ヶ原 : 司馬遼太郎
  • 『関ヶ原』 司馬遼太郎 昨年、岡田准一の三成、役所広司の家康で映画化された『関ヶ原』。その宣伝文句に『正義vs.野望』と大書されていたのだけど、映画を観たあとも、「関ヶ原の戦いって『正義』と『野望』の対決なんて単純に割り切れるのか?」って喉に小骨が刺さったような心地がしていたもので、原作ではどう描かれているのか確認しなくては! と思っていたのだ。 読み始めた動機が↑のようなことだったので、純粋に小説 [続きを読む]
  • 春琴抄 : 谷崎潤一郎
  • 『春琴抄』 谷崎潤一郎 大阪の旧い商家に生まれ九歳で盲目となった少女〜類稀れな音曲の才と優艶な容姿に恵まれ、誇り高く、またその驕慢さは時に嗜虐的ですらあった春琴と、幼少の頃よりその生涯を通じて春琴に僕のように付き添った佐助。 肉体の交わりを持ち、子までなした仲でありながら、主従あるいは師弟の別で厳しく間を隔てて暮らす二人。あるとき、 春琴の容貌が何者かによって傷つけられる事件が起こると、佐助は変わ [続きを読む]
  • ヒトごろし : 京極夏彦
  • 『ヒトごろし』 京極夏彦 幼き日、煌めく刀に切り裂かれ鮮やかな血柱を噴き上げる女の姿を見て以来、己が許されることのない大罪である「ヒトごろし」を欲して止まない人外のものであることを知った歳三。 ものがたる言葉は、起きている現実と歳三の胸の内を、目の前の出来事と記憶の中の光景を、ゆるゆると往還する。 異形の土方の魅力満載。鬼の副長・土方歳三を「ヒトごろし」という人外のモノとしてとらえ再構築された「新 [続きを読む]
  • 誰よりも美しい妻 : 井上荒野
  • 『誰よりも美しい妻』 井上荒野 先日読んだ書評集『熱い読書 冷たい読書』の中で気になった作品の一つなんだけど・・・ひとくちで感想を言うのが難しい。 ヴァイオリニストの安海惣介とその美しい妻・園子を中心に、息子の深、惣介の前妻や愛人たち、惣介の友人で園子に想いを寄せる広渡、深が恋をしているクラスメイトの岩崎みくとその家族・・・つながっては離れ、離れてはからまるそれぞれの想いや関係性がモザイク模様のよ [続きを読む]
  • 泣き虫弱虫諸葛孔明 第伍部 : 酒見賢一
  • 『泣き虫弱虫諸葛孔明 第伍部』 酒見賢一 曹操・劉備・関羽・張飛・周瑜・夏侯淵・夏侯惇・・・錚々たる英雄、猛将たちが逝き、後に残された孔明。託されたのは蜀の国と劉備の子〜暗愚とも評される皇帝・劉禅。 孔明を信頼し昔と同じ爽やかな笑顔を見せるのは老年にさしかかった趙雲将軍だけであり、どこかぎくしゃくとした宮廷の人間関係の中、劉禅を抱え、蜀の国を切り盛りすべく独り奮闘する孔明。 人材に恵まれているとは [続きを読む]
  • 小川洋子の陶酔短篇箱 : 小川洋子編著
  • 『小川洋子の陶酔短篇箱』 小川洋子編著 人にはその人にしか見えぬそれぞれの世界がある。 世界とは、 ノートに書いたばかりの文字が吸取紙に吸い取られる瞬間の形態を想像し、石油を喰うという微生物の名『プシュウドモナス・デスモリチカ』を呪文のように唱えつつ「俺は早く土星に行かなくちゃ」と思う青年の頭の中であったり(「牧神の春」中井英夫)、 『ひとつひとつはただ意味なく狂奔しているように見えるけれど、誰が [続きを読む]
  • 我等、同じ船に乗り 心に残る物語―日本文学秀作選 : 桐野夏生編
  • 『我等、同じ船に乗り 心に残る物語―日本文学秀作選』 桐野夏生編 アンソロジーを読む場合は、自分の好みに合うテーマに沿って編まれたものや、好きな作家が編んだものを選ぶことがほとんどなのだけど、作品を読んだことのない桐野夏生氏の編んだものを今回手に取ったのは、どこか共犯関係を感じさせるタイトル〜『我等、同じ船に乗り』〜が気になったから。 アンソロジーを読む楽しみは、これまで触れる機会のなかった、そし [続きを読む]
  • 人形たちの夜 : 中井英夫
  • 『人形たちの夜』 中井英夫 ひとくちに情念といっても近頃のものはどこか作り物っぽくプラスチックな肌触りがするのだが、いまでは様々な事情で目や耳にすることのなくなった言葉をふんだんに用いて語られる昭和の情念はまるで土か泥でも胃の中に詰め込んだかのようにズ〜ンと重くこたえる。 ・・・というような感想を書きかけていたのだけど・・・。最後まで読み通してみるとこれはただ情念のみで語られた物語ではなく、冴えた [続きを読む]
  • バンドネオンの豹 : 高橋克彦
  • 『バンドネオンの豹』 高橋克彦 1980年代・・・当時は月に何冊かの音楽雑誌を読んでいて、あがた森魚氏の名前も『バンドネオンの豹』というアルバムタイトルもそれらの雑誌で目にしたのだった。 そのロマン溢れる世界への憧れとノスタルジーを掻きたてるタイトルに誘われてライブを聴きに出かけた。情けないことに、その時聴いた音楽のことは殆ど忘れてしまったのだけど、何度か足を運んだライブ会場の居心地の良さは今でもほん [続きを読む]
  • 熱い読書 冷たい読書 : 辻原登
  • 『熱い読書 冷たい読書』 辻原登 書評集というよりも、質の良い美食エッセイを読んでいるような感覚だった。古今東西の珍味、佳肴、中には口にするには確かな知識と細心の注意が必要と思われる危なげなものまで・・・。 その一皿(一冊)をいつ、どこで、どのように味わったのか。その舌触り、喉ごし、味わいは・・・。その匂い、温度、色合い、形状はどのようだったのか。ときにはそのレシピを明かしたり、その料理を育んだ風 [続きを読む]
  • 壺中の回廊 : 松井今朝子
  • 『壺中の回廊』 松井今朝子 昭和五年三月、『仮名手本忠臣蔵』を上演中の木挽座で人気、実力ともに兼ね備えた花形役者が殺害された。折から木挽座には「掌中の珠を砕く」との脅迫状が届いており・・・。 これまで読んだ松井今朝子の小説の中には、陰惨な事件、無惨でやるせない現実の中でも強かに、あるいは健気に、またあるいは美しく生きる人たちの姿があったのだが・・・本作の読後感は少し重苦しいものになった。事件の様相 [続きを読む]
  • 大盗禅師 : 司馬遼太郎
  • 『大盗禅師』 司馬遼太郎 いや! 何だか奇天烈な小説だった(驚) 奇天烈といってもただ奇妙なだけじゃなくて、徳川政権がまだ盤石なものになっていない江戸初期を舞台にしたわくわくする冒険譚でもあるから面白くズンズン読み進められるんだけど、読みながら頭の中には「?」と「!」が増殖していくんである。 物語最初から怪事にまきこまれる浦安仙八という兵法使いの若者が主人公であろうと思い読み進めていると、「やがて [続きを読む]
  • ペルシャの幻術師 : 司馬遼太郎
  • 『ペルシャの幻術師』 司馬遼太郎 平原を駆け、砂漠を踏破しアジアを席巻する剽悍な蒙古の軍勢。幻術を操る怪人。時間を遡行し、アジアから西域へとつながる道をたどり遥かな歴史を幻視する目。様々な煩悩と想念渦巻く呪術合戦。その異能を武器にして戦国の世を渡る忍者。 東南・中央アジア、西域、平安や戦国の日本を舞台に、土と血の臭いのする逞しくおおらかな生命力と、その濃厚な生命力を源とする不思議な幻想味を感じさせ [続きを読む]
  • 仮名手本忠臣蔵を読む : 服部幸雄 編
  • 『仮名手本忠臣蔵を読む (歴史と古典)』 服部幸雄 編 籠城か、殉死か、仇討か・・・。殿中での刃傷事件により主君は切腹、お家は断絶。今後の出方を決めるべく城内で開かれる評定の場でのドラマは、急進派の面々となかなか本心を明かさない大石内蔵助、また別の思惑を抱くものたちの駆け引きがスリリングな「忠臣蔵」序盤の名場面だが・・・ 城開け渡しのドラマは「忠臣蔵」の世界でオリジナルに発生したものではなく、幕府に [続きを読む]
  • 江戸川柳で読む忠臣蔵 : 阿部達二
  • 『江戸川柳で読む忠臣蔵』 阿部達二 十二月、「忠臣蔵」の季節でございます。 「忠臣蔵」ものの決定版といえる『仮名手本忠臣蔵』各段ごとに概容と名場面を解説しつつ、それぞれの場面をよみこんだ江戸川柳を紹介するという形式は、『仮名手本〜』を通しできちんと観たことがない私にはわかりやすい親切設計。さらに、史実としての「赤穂事件」や『仮名手本〜』がその世界を借りた『太平記』の記述への言及、「赤穂事件」「忠臣 [続きを読む]
  • アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風 : 神林長平
  • 『アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風』 神林長平 正体不明の敵・ジャムの大規模な攻撃により文字通りの「混沌」と化した世界。その中にあって人間は・・・。 登場人物たちの一人称による哲学的思考の記述が大半を占める。混沌の中から自らの世界を掬い上げる言葉。自分と世界を回復するための戦い。 困難で苛酷な戦いなんだけど、その戦いの中、戦闘機・雪風に手を引かれて人として生きていく術を身につけていく深井零大尉 [続きを読む]
  • グッドラック−戦闘妖精・雪風 : 神林長平
  • 『グッドラック−戦闘妖精・雪風』 神林長平 ある日突然、地球に侵攻してきた正体不明の敵・ジャム。その意図はおろか実体の有無さえ不確かな敵を相手に異星の戦場で戦う地球防衛の実戦組織・FAFの中にあって、戦場の情報収集を任務とする深井零は、仲間を見殺しにしても情報を持ち帰るという使命を負い、愛機・雪風とともに戦場を飛ぶ。 他の人間に関しては無関心を貫き、戦闘機である雪風との全き一体感の中に自分の居場所 [続きを読む]
  • 謎の物語 : 紀田順一郎編
  • 『謎の物語』 紀田順一郎編 結末が語られる前にプツリと断ち切られる物語。何故? 何が? 不条理、不可思議、不可解・・・様々な謎を含んだ物語。 物語の中で起こるべき「もっとも怖ろしい出来事」「想像を絶する災難」、「断ち切られた物語の結末」「謎の答え」をそれぞれの読者の心の中に求めるスタイルの物語群。しっかりとその効果を計算して書かれたと思しき緊迫感溢れるものから、作者が自らの着想に振り回されたまま放 [続きを読む]
  • 戦国24時 さいごの刻 : 木下昌輝
  • 『戦国24時 さいごの刻』 木下昌輝 豊臣秀頼、伊達輝宗、今川義元、山本勘助、足利義輝、徳川家康・・・六人の男たちの死の直前の24時間〜「さいごの刻」を奇想を織り交ぜて描く。 刻まれる時の緊迫感、周知の歴史の一場面によりダークな色合いを加える作者の奇想を味わうだけでも充分なのだが、「最期の24時間」しか描かれていないことで、妄想力豊かな読者には事ここに至るまでのドラマをあれこれと思い描く楽しみもある [続きを読む]
  • 存在しない小説 : いとうせいこう編
  • 『存在しない小説』 いとうせいこう編 「『存在しない小説』っつったって、実際ここに印刷されて存在してるし、今わたしそれを読んでるし・・・」と思ったのだけど、まさに「そういうこと」を云々する作品だったようだ。 目次には、どうも怪しい作者とどうも怪しい翻訳者の名前が記された作品が並ぶ。それぞれの作品の後には「編者解説」が付され、つい今まで読み、味わっていた小説の「存在」を問うてくる。 そういえば、いと [続きを読む]
  • 関ヶ原
  • 『関ヶ原』 監督:原田 眞人 とにかく平岳大さんの島左近がカッコ良すぎた。渋すぎた。美しすぎた。 この映画の何が見たかったかって、「岳大さんの島左近っ!」だったので、期待どおりの素敵っぷりに大満足。胸いっぱい。 ・・・で、島左近はおいといて映画としてどうだったかというと・・・・・・一人一人の俳優の演技はいいし、関ヶ原で激突する武将たちの人物像もいろいろと作りこまれているんだけど、その人物たちが集ま [続きを読む]
  • 大江戸国芳よしづくし : 崗田屋愉一
  • 『大江戸国芳よしづくし』 崗田屋愉一  武者絵で名を馳せる浮世絵師・歌川国芳。その国芳の若かりし頃〜兄弟子たちの下でその腕をもてあまし気味に暮らす鬱屈した日々と、やがて迎えるブレイク前夜まで。 国芳の支援者・プロデューサーとして長く友情を結ぶことになる遠州屋佐吉との邂逅。同時代のヒーロー七代目團十郎や鼠小僧次郎吉が絡んだ切ない人情話の中に、江戸の人々の思いをとりこんで次第に生き生きと力強く花開いて [続きを読む]
  • 生きるとは、自分の物語をつくること : 河合隼雄・小川洋子
  • 『生きるとは、自分の物語をつくること』 河合隼雄・小川洋子 「人が生きている」ことの周辺にあるもの、そこで起こることについて、臨床心理学者・河合隼雄氏と作家・小川洋子氏が語りあう。 「物語」というものを意識しながら交わされる対話。臨床心理の仕事の現場や小説を書くという行為の中に身をおかれているお二人の間には、対話の中でおそらく互いにスパークするように瞬時に何事かが了解される瞬間が幾度かあったのだろ [続きを読む]