やぶからねこ さん プロフィール

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やぶからねこさん: 猫の額
ハンドル名やぶからねこ さん
ブログタイトル猫の額
ブログURLhttp://neconohitai.blog71.fc2.com/
サイト紹介文現実逃避的読書記録
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供25回 / 365日(平均0.5回/週) - 参加 2008/09/24 09:26

やぶからねこ さんのブログ記事

  • 戦国24時 さいごの刻 : 木下昌輝
  • 『戦国24時 さいごの刻』 木下昌輝 豊臣秀頼、伊達輝宗、今川義元、山本勘助、足利義輝、徳川家康・・・六人の男たちの死の直前の24時間〜「さいごの刻」を奇想を織り交ぜて描く。 刻まれる時の緊迫感、周知の歴史の一場面によりダークな色合いを加える作者の奇想を味わうだけでも充分なのだが、「最期の24時間」しか描かれていないことで、妄想力豊かな読者には事ここに至るまでのドラマをあれこれと思い描く楽しみもある [続きを読む]
  • 存在しない小説 : いとうせいこう編
  • 『存在しない小説』 いとうせいこう編 「『存在しない小説』っつったって、実際ここに印刷されて存在してるし、今わたしそれを読んでるし・・・」と思ったのだけど、まさに「そういうこと」を云々する作品だったようだ。 目次には、どうも怪しい作者とどうも怪しい翻訳者の名前が記された作品が並ぶ。それぞれの作品の後には「編者解説」が付され、つい今まで読み、味わっていた小説の「存在」を問うてくる。 そういえば、いと [続きを読む]
  • 関ヶ原
  • 『関ヶ原』 監督:原田 眞人 とにかく平岳大さんの島左近がカッコ良すぎた。渋すぎた。美しすぎた。 この映画の何が見たかったかって、「岳大さんの島左近っ!」だったので、期待どおりの素敵っぷりに大満足。胸いっぱい。 ・・・で、島左近はおいといて映画としてどうだったかというと・・・・・・一人一人の俳優の演技はいいし、関ヶ原で激突する武将たちの人物像もいろいろと作りこまれているんだけど、その人物たちが集ま [続きを読む]
  • 大江戸国芳よしづくし : 崗田屋愉一
  • 『大江戸国芳よしづくし』 崗田屋愉一  武者絵で名を馳せる浮世絵師・歌川国芳。その国芳の若かりし頃〜兄弟子たちの下でその腕をもてあまし気味に暮らす鬱屈した日々と、やがて迎えるブレイク前夜まで。 国芳の支援者・プロデューサーとして長く友情を結ぶことになる遠州屋佐吉との邂逅。同時代のヒーロー七代目團十郎や鼠小僧次郎吉が絡んだ切ない人情話の中に、江戸の人々の思いをとりこんで次第に生き生きと力強く花開いて [続きを読む]
  • 生きるとは、自分の物語をつくること : 河合隼雄・小川洋子
  • 『生きるとは、自分の物語をつくること』 河合隼雄・小川洋子 「人が生きている」ことの周辺にあるもの、そこで起こることについて、臨床心理学者・河合隼雄氏と作家・小川洋子氏が語りあう。 「物語」というものを意識しながら交わされる対話。臨床心理の仕事の現場や小説を書くという行為の中に身をおかれているお二人の間には、対話の中でおそらく互いにスパークするように瞬時に何事かが了解される瞬間が幾度かあったのだろ [続きを読む]
  • ゆるりと江戸へ−遠眼鏡戯場観察 : 大原雄
  • 『ゆるりと江戸へ−遠眼鏡戯場観察』 大原雄 タイトルが良かった。 『「歌舞伎の幾何学の勧め」−ひと味違う歌舞伎の見方』という口上で始まる本書。歌舞伎役者・中村時枝が舞台裏や楽屋から描いた役者絵を見たことで得た「違う場所から観れば違うものが見えるはず」という気付きをもとに、著者流の「幾何学」を使った歌舞伎「観察」指南書といったところを目指しているようだが・・・。 「幾何学」というほど大層なものではな [続きを読む]
  • 愛の国 : 中山可穂
  • 『愛の国』 中山可穂 舞台の上でだけ息をする美しい生き物・王寺ミチル。美しいもの、愛するもの、恋しいものを前にした彼女はあまりにも純粋で切実で激しくて、その激しすぎる情熱で自らの身も心も生きる力さえもぼろぼろに焼き尽くしてしまう。 『猫背の王子』では、そうやって美しく激しく燃え尽きていくミチルの姿が描かれ、続く『天使の骨』で彼女は漂白の旅の末、運命の女に出会い、自らのあるべき場所へ戻ってゆく力を得 [続きを読む]
  • 天才と名人 中村勘三郎と坂東三津五郎 : 長谷部浩
  • 『天才と名人 中村勘三郎と坂東三津五郎』 長谷部浩 劇評家として、また友人として十八代目勘三郎さん、十代目三津五郎さんと親交のあった著者が、お二人の遺した足跡、言葉、思い出を噛みしめるように語る。お二人を喪った著者の哀しみ、惜しむ気持ちがしみじみと胸に迫る。 勘三郎さん、三津五郎さんの姿が目の前に蘇ってくるような文章を目で追いながら、頭の中には、ほんの少ししか観ることはできなかったけれども、忘れが [続きを読む]
  • 風の如く 久坂玄瑞篇 : 富樫倫太郎
  • 『風の如く 久坂玄瑞篇』 富樫倫太郎 先日読んだ『風の如く 高杉晋作篇』の前にあたる作品。松陰の処刑後から蛤御門の変まで。「久坂篇」とはなっているが、前半はむしろ高杉晋作の言動の方が目立つし、久坂の目線、主観でストーリーがすすむわけではなく、シリーズを通して配された風倉平九郎という人物の目を通して語られる群像劇という趣。 登場人物たちの心情にあまり踏み込まず、作者の解釈や思い入れをたっぷりと織り込 [続きを読む]
  • 厭な小説 : 京極夏彦
  • 『厭な小説』 京極夏彦 京極さんが「厭な小説」と言うからには本当に厭なモノなんだろうと思った。ならば、わざわざ「厭な」とことわってあるものを、読まなきゃいけないだろうか? さらには、京極さんが「厭な」と言ってるモノを受けとめる気力、体力が私にあるんだろうか? そんなわけでずっと読むのをためらってきたのだが、京極さんの書くものだから「厭」だけではないだろう、と意を決して読んでみた。 はたして・・・厭 [続きを読む]
  • 天下一の軽口男 : 木下昌輝
  • 『天下一の軽口男』 木下昌輝 これ、芝居で見たいなぁ〜。 大坂難波村の漬物屋次男坊・彦八の笑いにかけた人生。 手習い小屋を追い出されてばかりだが、村の子供相手の滑稽芝居では大人気をとり「難波村一の御伽衆」を自称していた少年時代。若くして江戸に出て踏み出した笑話の芸人としての第一歩と味わった大きな挫折。失意を抱いて舞い戻った大坂で、世間の人にもまれ支えられ、様々な縁を得て名人と呼ばれるまでになった日 [続きを読む]
  • ちくま日本文学7 江戸川乱歩
  • 『ちくま日本文学7 江戸川乱歩』 「火星の運河」という奇妙な小説があることを見聞きしたことがあったのだが未読であったので読んでみた。(が、もしかしたら以前読んだことがあったのかもしれない。)思わせぶりな書き出しと、ラストの視界を覆い尽くしていく女の顔というのは、目眩のするような歪んだ乱歩世界の香り充分なのだが、作品自体としてはちょっと拍子抜けだったか・・・。てっきり乱歩の妄想世界がついに宇宙にまで [続きを読む]
  • 星を継ぐもの : ジェイムズ・P・ホーガン
  • 『星を継ぐもの』 ジェイムズ・P・ホーガン 人類の目の前に現れた巨大な謎を科学的な手法、思考で解明していく理知的なストーリーでありながら、読み終えての全体的な印象は「夢見るような物語」だった。 月面で発見された宇宙服を身に着けた死体。どの月面基地にも該当者のいない正体不明の死体は「チャーリー」と名付けられ調査が開始されるが、そこから導き出されたのは「チャーリー」の死亡時期が5万年前であるという驚愕 [続きを読む]
  • 虎よ、虎よ! : アルフレッド・ベスター
  • 『虎よ、虎よ!』 アルフレッド・ベスター 遭難した宇宙船の残骸にただ一人残され6か月の漂流生活を生き延びた男は、自分が見棄てられたと知ったとき、恐るべき復讐鬼となって地球に舞い戻る。 人類がジョウントと呼ばれるテレポーテーション能力を身につけ、内惑星連合と外衛星同盟が抗争をくりひろげる宇宙を舞台に、「不死身かっ?!」といいいたくなるような超人的な力と執念を滾らせた主人公・フォイルが、軍諜報部や大財 [続きを読む]
  • 風の如く 高杉晋作篇 : 富樫倫太郎
  • 『風の如く 高杉晋作篇』 富樫倫太郎 梅の花が香るとやはり高杉晋作の面影がちらつく。「久しぶりに高杉晋作モノを読もうか」と思っていたところにちょうど目についたこの小説、読んでみたのだが・・・。 あくまでもこれまで読んだことのある作品の中での話なのだけど、こと高杉晋作に関しては小説よりも評伝などを読む方がよほど面白いというのはどういう訳だろう。 高杉晋作という複雑奇妙な人物をじっくり見つめ描き出した [続きを読む]
  • 天地明察 : 冲方丁
  • 『天地明察』 冲方丁 気持ちの良いものを読んだ。 この世に遍く満ちる神気。驚きと感動と畏敬の念をもって世界に相対する若者の清新な姿。自らの情熱と才能の全てをもって天地に触れる幸福。 算術と星に魅せられた煌めく才能を持つ若者・渋川春海。城の碁打ち=安井算哲としての自分に飽き足らず、真の己の発露の場を願う春海が戦うことになる生涯をかけた大勝負。 「改暦」という国の一大事業によせて、玄妙なる天地の運行、 [続きを読む]
  • 戦闘妖精・雪風(改) : 神林長平
  • 『戦闘妖精・雪風(改)』 : 神林長平 森博嗣の『スカイ・クロラ』シリーズを読んだときに、なんだかセットのようにそのタイトルを目にすることが多かった『戦闘妖精・雪風』。気になっていた作品をやっと読むことができた。 本当に「敵」なのかどうかすら定かでない正体の曖昧な「敵」と闘うため戦闘機と一体になって飛ぶものたちの物語・・・という点は確かに『スカイ・クロラ』シリーズと共通しているけれども、理解される [続きを読む]
  • 忠臣蔵 もう一つの歴史感覚 : 渡辺保
  • 『忠臣蔵 もう一つの歴史感覚』 渡辺保「忠臣蔵」はなぜこれほどうけるのか。「忠臣蔵」をつくったのは本当はだれなのか。  歴史的事実と人々の幻想が綯交ぜになって生まれた「忠臣蔵」という物語そのものを狂言回し的な位置に配して、そこに関わった人々の姿、生き様、そこで起こった出来事をたどり、その深層を見つめる。 武家社会での出来事に「金」と「恋」という市井の感覚を持ち込んで忠臣蔵の基となる芝居を作劇した吾 [続きを読む]
  • 有頂天家族 二代目の帰朝 : 森見登美彦
  • 『有頂天家族 二代目の帰朝』 森見登美彦「我が子が鍋に落ちそうだっていうのに、どうして父上は笑ってるんです?」「我々は狸だ。笑うべきでないときなどない」「狸というのは健気なものだね」 天狗と狸と人間の三つ巴でぐるぐる回る浮世の物語『有頂天家族』第二弾。 落魄の老天狗・赤玉先生こと如意ヶ嶽薬師坊の二代目が突如欧州から帰国した。かつて三日三晩にわたり天地をどよもす大喧嘩をやってのけた父子の再会に京都の [続きを読む]
  • オーケンの散歩マン旅マン : 大槻ケンヂ
  • 『オーケンの散歩マン旅マン』 大槻ケンヂ 大槻ケンヂの古いエッセイ、再読。 このところ日々のホントに小さな小さな小さな・・・ストレスの蓄積で心がささくれだってる自覚があったので、何か優しいものを摂取したかったのだ。 オーケンが色々と大変だった時期に書かれたエッセイが多いようで、全編に漂うローな感じが、あまり好調とはいえない今の私には心地良い。 バンドのツアーでいろんな街に行く。何もかもが嫌になって [続きを読む]
  • 雷の季節の終わりに : 恒川光太郎
  • 『雷の季節の終わりに』 恒川光太郎 恒川光太郎の描く世界に触れると、いつもどこか傷つけられたような気持ちになる。だが、その傷は必ずしも不快なものではなくて、むしろ切なく懐かしい。 この世の地図からは隠された地「穏(オン)」 〜 春夏秋冬の他にもう一つ、雷の季節を持つ世界。雷の季節に起こる不思議は魔物の仕業。公然と語られることはない「穏」の闇。風の魔物「風わいわい」憑きの少年・賢也にふりかかる数奇な [続きを読む]
  • 青蛙堂鬼談 : 岡本綺堂
  • 『青蛙堂鬼談 - 岡本綺堂読物集二』 岡本綺堂 「青蛙堂主人」を名乗る好事家に招かれた男女が一つずつ怪談を語るという体裁で十二のお話しを収めた『青蛙堂鬼談』と、附録として「梟娘の話」「小夜の中山夜啼石」の二篇。 タイトルは「鬼談」となっているが「奇談」とも「綺談」とも呼べそうな、不可思議で怖ろしい、とともにどこか風雅の香りのする怪談集。 往来の多い渡し場のある利根川の岸に立つ座頭(「利根の渡」)。夏 [続きを読む]
  • マインド・クァンチャ - The Mind Quencher : 森博嗣
  • 『マインド・クァンチャ - The Mind Quencher』 森博嗣 物語が始まった時、ゼンは「自分が何者であるかを知らない若者」だった。絶え間なく思考することで自分という存在を、自分が存在する世界を量り、都へ向かう旅の途中で人と出会い交わって世の中の仕組みや様々にからまる人の思惑というものを知り、幾多の強敵と刀を交え、その軌跡のひとつひとつを身体に刻み・・・ ゼンの行く道筋は螺旋を描くように一周し、彼はまた「自 [続きを読む]