やぶからねこ さん プロフィール

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やぶからねこさん: 猫の額
ハンドル名やぶからねこ さん
ブログタイトル猫の額
ブログURLhttp://neconohitai.blog71.fc2.com/
サイト紹介文現実逃避的読書記録
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供26回 / 365日(平均0.5回/週) - 参加 2008/09/24 09:26

やぶからねこ さんのブログ記事

  • UNDER THE SILVER LAKE
  • 『UNDER THE SILVER LAKE』  監督:David Robert Mitchell恋に落ちた美女の突然の失踪。オタク青年サムは、暗号解読、都市伝説、サブリミナルなどの知識を活かし、光溢れる街、LA<シルバーレイク>の闇に近づいていく――――ようこそ、謎と陰謀に満ちた街へ。  消えた美女の姿を追って、街に溢れるメッセージ、映像、音楽に隠された意味を探るサム。この街には一部の人間しか知らない秘密がある・・・。  何してるンだよ、 [続きを読む]
  • スティグマータ : 近藤史恵
  • 『スティグマータ』 近藤史恵 サイクルロードレースの世界を舞台にした『サクリファイス』シリーズ4作目。 僕〜白石誓(チカ)がヨーロッパに渡って5年。ロードレーサーとして成熟度を増し、強さのようなものを感じさせるようになったチカの姿が見られる。と同時に、『エデン』で初めてツール・ド・フランスを走っていた頃には、苛酷な苦しみの中でも憧れや喜び、高揚感でキラキラと眩く輝いていたチカの景色に、うっすらと夕 [続きを読む]
  • 科学するブッダ 犀の角たち : 佐々木閑
  • 『科学するブッダ 犀の角たち』 佐々木閑 科学と仏教学の両方を修めた著者が、科学と仏教それぞれが究めようとする世界と、その関連性、親和性を説く。 第一章〜三章で物理学、進化論、数学が進んできた道とこの先の展望に触れ、第四章で絶対的な超越者の存在を想定せず、自己の努力のみで真理に到ることを目標とする仏教〜その成立と特徴、科学との親近性を語る。第五章では時代が進むにつれ多様化し広まっていった大乗仏教に [続きを読む]
  • 髑髏検校 : 横溝正史
  • 『髑髏検校』 横溝正史 この横溝正史の手による和製ドラキュラ小説、歌舞伎化を想定して書かれたか、ないしは歌舞伎の舞台を頭の中に描きながら書かれたか・・・。まるで読む歌舞伎といった趣の伝奇時代モノ。 歌舞伎座で花形役者の競演を観ているような気分でとってもワクワク、夢のひと時を過ごしました。 文化八年正月、房州で揚がった鯨の腹から瓶詰の書物が現れる発端から、長崎留学中の蘭学生・鬼頭朱之助が西海の孤島で [続きを読む]
  • きみに贈る本
  • 『きみに贈る本』 ここ数年でとみに感じるようになったんだけど、面白い本を探して読むための気力、体力の衰えがひどい。何より、当たりを引き当てる勘がすっかり鈍っている。と、いうわけで一旦、人のオススメに頼ってみようと思って。 中村文則、佐川光晴、山崎ナオコーラ、窪三澄、朝井リョウ、円城塔。6人の作家がそれぞれ10冊の本を紹介。1作品あたり38文字×30行ほどの短い紹介文に、ご自身の人生の中に何らかの跡を [続きを読む]
  • 本読みの獣道 : 田中真澄
  • 『本読みの獣道』 田中眞澄 寺田寅彦の随筆集『懐手して宇宙見物』や『太宰治 滑稽小説集』がとても良かった「大人の本棚」シリーズ。 広大な書物の森の道なき道に分け入って、時には生い茂る木々の枝葉に身体を傷つけ、ぬかるむ道に足を滑らしながらもワイルドに突き進むワクワクな読書エッセイが楽しめるかと思ったのだが・・・。 家に買い揃えられた子供向けの文学全集に始まり、年齢に応じて読むべき書物に恵まれて、また [続きを読む]
  • U(ウー) : 皆川博子
  • 『U』 皆川博子 1915年ドイツ。帝国海軍内で秘かに進行する作戦。イギリス軍に鹵獲されたUボート・U13を、機密保持のため、監視の目をかいくぐり自沈させる。本国ではこの危険な任務に志願した水兵ハンス・シャイデマンを救出すべくU19を派遣することが決定された。シャイデマンを見知る者としてこの救出作戦に加わり、U19に乗り込む王立図書館司書ヨハン・フリードホフ。作戦遂行のため、U19は数々の困難が待つ敵地へと向かう。 [続きを読む]
  • パンク侍、斬られて候
  • 『パンク侍、斬られて候』 監督:石井岳龍 感想は? と言われれば、「浅野忠信が、何か・・・・・・・凄かった・・」で、それ以上の感想っていうと、町田康の小説を読んだ時の感想を繰り返すことになる。 宮藤官九郎のエンターテイメントでありながら薄ら気持ちの悪い脚本、饒舌なナレーション、豪華俳優のアクの強い扮装、演技が渾然となった渦巻き状態。小説が醸していた可笑しさと怖さ、バカバカしさと禍々しさが表裏一体の [続きを読む]
  • 酔ひもせず 〜 其角と一蝶 : 田牧大和
  • 『酔ひもせず 〜 其角と一蝶』 田牧大和 屏風に描かれた子犬が動くのを見た遊女が次々と姿を消す・・・。 吉原で一、二を争う妓楼「大黒屋」で起こる遊女消失の謎を、蕉門一の俳諧師・其角とその友である暁雲こと絵師・多賀朝湖〜後の英一蝶のコンビが解き明かすミステリー仕立ての時代もの・・・ということだけども・・・。ぐいぐいと引き込まれるほどの筋ではなく、吃驚仰天の展開があるわけでなく、謎解きが鮮やか!なわけ [続きを読む]
  • 関ヶ原 : 司馬遼太郎
  • 『関ヶ原』 司馬遼太郎 昨年、岡田准一の三成、役所広司の家康で映画化された『関ヶ原』。その宣伝文句に『正義vs.野望』と大書されていたのだけど、映画を観たあとも、「関ヶ原の戦いって『正義』と『野望』の対決なんて単純に割り切れるのか?」って喉に小骨が刺さったような心地がしていたもので、原作ではどう描かれているのか確認しなくては! と思っていたのだ。 読み始めた動機が↑のようなことだったので、純粋に小説 [続きを読む]
  • 春琴抄 : 谷崎潤一郎
  • 『春琴抄』 谷崎潤一郎 大阪の旧い商家に生まれ九歳で盲目となった少女〜類稀れな音曲の才と優艶な容姿に恵まれ、誇り高く、またその驕慢さは時に嗜虐的ですらあった春琴と、幼少の頃よりその生涯を通じて春琴に僕のように付き添った佐助。 肉体の交わりを持ち、子までなした仲でありながら、主従あるいは師弟の別で厳しく間を隔てて暮らす二人。あるとき、 春琴の容貌が何者かによって傷つけられる事件が起こると、佐助は変わ [続きを読む]
  • ヒトごろし : 京極夏彦
  • 『ヒトごろし』 京極夏彦 幼き日、煌めく刀に切り裂かれ鮮やかな血柱を噴き上げる女の姿を見て以来、己が許されることのない大罪である「ヒトごろし」を欲して止まない人外のものであることを知った歳三。 ものがたる言葉は、起きている現実と歳三の胸の内を、目の前の出来事と記憶の中の光景を、ゆるゆると往還する。 異形の土方の魅力満載。鬼の副長・土方歳三を「ヒトごろし」という人外のモノとしてとらえ再構築された「新 [続きを読む]
  • 誰よりも美しい妻 : 井上荒野
  • 『誰よりも美しい妻』 井上荒野 先日読んだ書評集『熱い読書 冷たい読書』の中で気になった作品の一つなんだけど・・・ひとくちで感想を言うのが難しい。 ヴァイオリニストの安海惣介とその美しい妻・園子を中心に、息子の深、惣介の前妻や愛人たち、惣介の友人で園子に想いを寄せる広渡、深が恋をしているクラスメイトの岩崎みくとその家族・・・つながっては離れ、離れてはからまるそれぞれの想いや関係性がモザイク模様のよ [続きを読む]
  • 泣き虫弱虫諸葛孔明 第伍部 : 酒見賢一
  • 『泣き虫弱虫諸葛孔明 第伍部』 酒見賢一 曹操・劉備・関羽・張飛・周瑜・夏侯淵・夏侯惇・・・錚々たる英雄、猛将たちが逝き、後に残された孔明。託されたのは蜀の国と劉備の子〜暗愚とも評される皇帝・劉禅。 孔明を信頼し昔と同じ爽やかな笑顔を見せるのは老年にさしかかった趙雲将軍だけであり、どこかぎくしゃくとした宮廷の人間関係の中、劉禅を抱え、蜀の国を切り盛りすべく独り奮闘する孔明。 人材に恵まれているとは [続きを読む]
  • 小川洋子の陶酔短篇箱 : 小川洋子編著
  • 『小川洋子の陶酔短篇箱』 小川洋子編著 人にはその人にしか見えぬそれぞれの世界がある。 世界とは、 ノートに書いたばかりの文字が吸取紙に吸い取られる瞬間の形態を想像し、石油を喰うという微生物の名『プシュウドモナス・デスモリチカ』を呪文のように唱えつつ「俺は早く土星に行かなくちゃ」と思う青年の頭の中であったり(「牧神の春」中井英夫)、 『ひとつひとつはただ意味なく狂奔しているように見えるけれど、誰が [続きを読む]
  • 我等、同じ船に乗り 心に残る物語―日本文学秀作選 : 桐野夏生編
  • 『我等、同じ船に乗り 心に残る物語―日本文学秀作選』 桐野夏生編 アンソロジーを読む場合は、自分の好みに合うテーマに沿って編まれたものや、好きな作家が編んだものを選ぶことがほとんどなのだけど、作品を読んだことのない桐野夏生氏の編んだものを今回手に取ったのは、どこか共犯関係を感じさせるタイトル〜『我等、同じ船に乗り』〜が気になったから。 アンソロジーを読む楽しみは、これまで触れる機会のなかった、そし [続きを読む]
  • 人形たちの夜 : 中井英夫
  • 『人形たちの夜』 中井英夫 ひとくちに情念といっても近頃のものはどこか作り物っぽくプラスチックな肌触りがするのだが、いまでは様々な事情で目や耳にすることのなくなった言葉をふんだんに用いて語られる昭和の情念はまるで土か泥でも胃の中に詰め込んだかのようにズ〜ンと重くこたえる。 ・・・というような感想を書きかけていたのだけど・・・。最後まで読み通してみるとこれはただ情念のみで語られた物語ではなく、冴えた [続きを読む]
  • バンドネオンの豹 : 高橋克彦
  • 『バンドネオンの豹』 高橋克彦 1980年代・・・当時は月に何冊かの音楽雑誌を読んでいて、あがた森魚氏の名前も『バンドネオンの豹』というアルバムタイトルもそれらの雑誌で目にしたのだった。 そのロマン溢れる世界への憧れとノスタルジーを掻きたてるタイトルに誘われてライブを聴きに出かけた。情けないことに、その時聴いた音楽のことは殆ど忘れてしまったのだけど、何度か足を運んだライブ会場の居心地の良さは今でもほん [続きを読む]
  • 熱い読書 冷たい読書 : 辻原登
  • 『熱い読書 冷たい読書』 辻原登 書評集というよりも、質の良い美食エッセイを読んでいるような感覚だった。古今東西の珍味、佳肴、中には口にするには確かな知識と細心の注意が必要と思われる危なげなものまで・・・。 その一皿(一冊)をいつ、どこで、どのように味わったのか。その舌触り、喉ごし、味わいは・・・。その匂い、温度、色合い、形状はどのようだったのか。ときにはそのレシピを明かしたり、その料理を育んだ風 [続きを読む]
  • 壺中の回廊 : 松井今朝子
  • 『壺中の回廊』 松井今朝子 昭和五年三月、『仮名手本忠臣蔵』を上演中の木挽座で人気、実力ともに兼ね備えた花形役者が殺害された。折から木挽座には「掌中の珠を砕く」との脅迫状が届いており・・・。 これまで読んだ松井今朝子の小説の中には、陰惨な事件、無惨でやるせない現実の中でも強かに、あるいは健気に、またあるいは美しく生きる人たちの姿があったのだが・・・本作の読後感は少し重苦しいものになった。事件の様相 [続きを読む]
  • 大盗禅師 : 司馬遼太郎
  • 『大盗禅師』 司馬遼太郎 いや! 何だか奇天烈な小説だった(驚) 奇天烈といってもただ奇妙なだけじゃなくて、徳川政権がまだ盤石なものになっていない江戸初期を舞台にしたわくわくする冒険譚でもあるから面白くズンズン読み進められるんだけど、読みながら頭の中には「?」と「!」が増殖していくんである。 物語最初から怪事にまきこまれる浦安仙八という兵法使いの若者が主人公であろうと思い読み進めていると、「やがて [続きを読む]
  • ペルシャの幻術師 : 司馬遼太郎
  • 『ペルシャの幻術師』 司馬遼太郎 平原を駆け、砂漠を踏破しアジアを席巻する剽悍な蒙古の軍勢。幻術を操る怪人。時間を遡行し、アジアから西域へとつながる道をたどり遥かな歴史を幻視する目。様々な煩悩と想念渦巻く呪術合戦。その異能を武器にして戦国の世を渡る忍者。 東南・中央アジア、西域、平安や戦国の日本を舞台に、土と血の臭いのする逞しくおおらかな生命力と、その濃厚な生命力を源とする不思議な幻想味を感じさせ [続きを読む]
  • 仮名手本忠臣蔵を読む : 服部幸雄 編
  • 『仮名手本忠臣蔵を読む (歴史と古典)』 服部幸雄 編 籠城か、殉死か、仇討か・・・。殿中での刃傷事件により主君は切腹、お家は断絶。今後の出方を決めるべく城内で開かれる評定の場でのドラマは、急進派の面々となかなか本心を明かさない大石内蔵助、また別の思惑を抱くものたちの駆け引きがスリリングな「忠臣蔵」序盤の名場面だが・・・ 城開け渡しのドラマは「忠臣蔵」の世界でオリジナルに発生したものではなく、幕府に [続きを読む]
  • 江戸川柳で読む忠臣蔵 : 阿部達二
  • 『江戸川柳で読む忠臣蔵』 阿部達二 十二月、「忠臣蔵」の季節でございます。 「忠臣蔵」ものの決定版といえる『仮名手本忠臣蔵』各段ごとに概容と名場面を解説しつつ、それぞれの場面をよみこんだ江戸川柳を紹介するという形式は、『仮名手本〜』を通しできちんと観たことがない私にはわかりやすい親切設計。さらに、史実としての「赤穂事件」や『仮名手本〜』がその世界を借りた『太平記』の記述への言及、「赤穂事件」「忠臣 [続きを読む]