キトロロ さん プロフィール

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キトロロさん: キトロロギストXの記録
ハンドル名キトロロ さん
ブログタイトルキトロロギストXの記録
ブログURLhttp://citrologist.blog94.fc2.com/
サイト紹介文一生をカンキツ研究に捧げてきた老学者の独白です
自由文キトロロギストとはシトラス(Citrus)+ロジスト(logist)の造語です。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供52回 / 365日(平均1.0回/週) - 参加 2008/09/26 14:04

キトロロ さんのブログ記事

  • 最近の果物の消費状況をみる
  •  長寿国日本の食生活に、世界の関心が集まっています。ところで、食生活の中で、果物の位置づけはどうなっているでしょう。生鮮な果実の消費状況を、最近の統計に基づいて改めて調べてみました。(1) 果実消費量   農水省の果実需給のデータによりますと、日本人の年間の一人当たりの果実消費量は、1970年以降、35?から45?の間にあり、安定してきているように見受けられました。しかし、テレビなどでは、日本人は生果を食 [続きを読む]
  • カンキツ果実フラボノイドのエリオシトリン
  •  エリオシトリンは、レモン果皮から単離された抗酸化成分です。フラボノールの一成分で、ルチノサイドの配糖体の構造C27H32O15をしています。レモンやライムに多いものとされてきましたが、HPLC分析機器の発達で、カンキツに広く分布していることが明らかになりました。カンキツの分類や鑑定にどの程度貢献するか、データをまとめてみました。1) エリオシトリンの含有量 果実の生鮮重100g当たりの、エリオシトリンの含有量を [続きを読む]
  • カンキツ果実フラボノイドのポンシリン
  •   ポンシリンC28H34O14は、カラタチから抽出されたフラボノイドの一成分です。フラボノイド―グリコサイドでイソサクラネチンの7−O- ネオへスペリドシドの構造をしています。カンキツ属では、カラタチ亜属だけにみられるものと思われましたが、高速液体クロマトグラフィーの発達で、カンキツ亜属にも分布していることが明らかになりました。カンキツ果実のポンシリン情報を紹介します。1)ポンシリンの含有量 果実の新鮮重100 [続きを読む]
  • カンキツ果実フラボノイドの化学分類
  •   高等植物の生成するフラボノイドは、C6-C3-C6の化学構造をした物質で、カンキツ果実に高濃度含まれています。フラボノイドには4000種類以上の成分が知られていますが、カンキツにはこれまでに30程度の成分が検出されました。そして、成分は、化学構造の類似性から、フラボン類、フラバノン類、アントシアニジン類などに類分され、カンキツの種類でそれらの構成が相違していました。そこで、フラボノイドの含有量が、形態学的に [続きを読む]
  • ハウスみかんと輸入みかんの相違
  •  初夏のマーケットでは、ハウスみかんとオーストラリアからの輸入みかんとの競合がみられました。自由貿易が今までにないくらい活発に推進されようとしている時代には、どの産業でも国際競争力をさらに高める必要があるでしょう。そのためには、生産物の商品としての差別化できる特徴を、はっきりと認識しておく必要がありそうです。 青果としてのハウスみかんと輸入みかんとの違いを、列挙してみました。1) 流通上の問題 み [続きを読む]
  • みかん果実の果盤の解剖
  •  果実は果柄(果梗)とともに結実します。両者の間には、通称ヘタと呼ばれる果盤があります。果盤は花の時の花托とガク片と花盤の合体したものです。カンキツ以外の果実には、ヘタに花盤はありません。みかんのヘタの組織分化がどのようになっているか、解剖しました。そして、花盤の分化の意義について、考察しました。1) 果実からヘタへ、そして果柄への維管束連絡 果実の維管束走行については、先に説明しましたように(ブ [続きを読む]
  • みかん花の花盤の解剖
  •  みかんの花の特徴の一つに、花盤(floral disk)の存在があります。一般の植物が、花托の上に子房を置いているのに対して、みかんでは、花托の上に円盤状の花盤を置き、さらにその上に、子房を分化しているのです。このような花盤をもつ植物は、1500種もあるミカン科(Rutaceae)に多く、そのほかオーストラリア産のヤマモガシ科のグラビシアなども持っているようですが、植物としてはとても珍しい組織です。 みかんの花盤は、 [続きを読む]
  • グレープフルーツの周縁キメラ品種の育成
  •  フロリダ州で最も発展してきたグレープフルーツは、西インド諸島のバルバドス島から1823年にフロリダに導入されました。そして、1832年にはダンカンDunkanという品種が生まれました。バルバドス島では、1750年ごろに、ブンタンとスイートオレンジの自然の交雑で誕生したとしています。 グレープフルーツは高い熱量と多湿を好み、フロリダが適地となっています。日本には、南アフリカ産がフロリダ産と時季をすみ分けて輸入されて [続きを読む]
  • 接木キメラ性はこのようにして証明されました
  •  接ぎ木は、Aの種類の根際の茎に、Bの種類の穂木を接着して、個体(grafted trees; scion/rootstock)を形成します。A器官とB器官がよりあって生きています。カンキツのほとんどの場面で、接ぎ木植物を養成してクローン栽培さています。 接木キメラは、Aの種類の組織と、Bの種類の組織が混在した状態の個体(graft chimera,;A species + B species)です。キメラの状態から、A組織とB組織が断片状に混ざり合った区分キメラと、A [続きを読む]
  • 接木キメラ性はこのようにして証明されました
  •  接ぎ木は、Aの種類の根際の茎に、Bの種類の穂木を接着して、個体(grafted trees; scion/rootstock)を形成します。A器官とB器官がよりあって生きています。カンキツのほとんどの場面で、接ぎ木植物を養成してクローン栽培さています。 接木キメラは、Aの種類の組織と、Bの種類の組織が混在した状態の個体(graft chimera,;A species + B species)です。キメラの状態から、A組織とB組織が断片状に混ざり合った区分キメラと、A [続きを読む]
  • 前期ハウスみかんの油胞は語る
  •  外国旅行者が、街にあふれるようになり、日本の食べ物にますます関心が高まっています。デパートでは、見た目の美しい果物に驚くとともに、彼らにとって高い値段にもかかわらず、購入しているお客さんの多さに注目しています。 前期ハウスみかんにも、人だかりしていました。前期ハウスみかんとは、4月下旬から6月までマーケットにお目見えするみかんで、小さいけれども袋ごと食せる特徴をもっています。この季節外れのみかんの [続きを読む]
  • オーストラリア産のサツママンダリンの油胞は語る
  •  オーストラリア産のサツママンダリン(温州みかん――単にマンダリンと書いて売られていました)が6月6日に1果80円(L大)で売られていましたので、早速果実の分析を試みました。不思議なことに、これまでのような輸送臭がすくなく、ジュース量も充分で糖度も11―-12度あり食べやすい果実でした。見た目はネックがあり立派とは言えませんでしたが-――。1) 油胞数 果実の赤道面の1cm2に含まれる油胞の数、つまり油胞密度を測 [続きを読む]
  • 植物の胚葉性と人為周縁キメラの育成
  •  高等生物は、1個の受精細胞が分裂を繰り返し、組織や器官を分化して一定のパターンで個体となる不可逆的成長をみせます。そして、とくに動物の分化の初期段階では、受精細胞が分裂塊として増殖すると、外部から外胚葉、中胚葉、内胚葉という3区分の層的構造がみられるようになり、外胚葉からは皮膚や神経系が分化し、中胚葉からは筋肉や骨格が分化し、内胚葉からは腸などが分化する胚葉性を示すことが知られています。  しかし [続きを読む]
  • カラマンダリンの油胞は語る
  •  カラ(Kara)は、1915年にカリフォルニア大学のフロストさんが尾張温州にキングマンダリンを交配して選抜したマンダリンです。1935年にカラマダリンの名でレリーズされました。日本には、翌年1936年に種子が送付され、珠心胚実生として繁殖されました。スペインでは、1960年代後半に晩生のマンダリンとして広がりましたが、酸味が強くて市場性を失いました。日本とオーストラリアでは市場性をみせている品種です。温暖な土地で栽 [続きを読む]
  • みかん果実の解剖
  •  「果実はたね(胚--種)を養育するために進化した器官である」と、昆虫記のファーブル先生は述べています。そのために、葉の変態した心皮carpelを、1枚使う場合や数枚使う場合など種類により心皮の数は異なりますが、たね種を保養するように子房が形成されていると論考されました。みかんの果実をたくさん観察していますと、へたのガク片が葉に先祖戻りしている果実に出くわしますので、葉の心皮への変態説は信じられそうです。 [続きを読む]
  • セミノール果実の油胞は語る
  •  セミノールは、アメリカ農務省が世界に先駆けて開始したカンキツ交雑育種(1897年開始)の選抜品種です。1911年にダンカングレープフルーツ×ダンシータンゼリンの組み合わせで(タンゼロ;オーランドやミネオラと姉妹)選抜され、1931年に新品種としてレリーズされました。わが国には、1954年に種子で導入されました。 セミノールの栽培は、100年近く経た今日もはやフロリダにはありません。日本では、和歌山や三重などから初 [続きを読む]
  • みかんの花の解剖
  •  花は、植物の器官の中で、種類を見分けるのに最も頼りになる器官でしょう。リンネ(Linne, C.H.,1753.Species Plantarum )の植物二十四綱分類体系をみても、おしべやめしべの数や配列の違いが、分類の基本となりました。ところで、いろいろな内外の専門書や教科書をみますと、みかんの花については、不正確な記載に触れることが多いので、改めてみかんの花の特徴を記述してみました。(1) みかん花の組織の配列 みかんの花は [続きを読む]
  • 甘夏果実の油胞は語る
  •  甘夏は、1950年にレリーズされたナツダイダイの枝変わり突然変異品種で、低酸味と早生性で優れていますので人気があり、マーケットに最も多く出回ります。大分県津久見市の川野豊さん宅の生まれですが、熊本県、愛媛県、鹿児島県などが主な産地となっていて、4万トン程度が出荷されています。庭園木として優れていて東京でもみられ、実際の結実量は出荷量よりはるかに多いものと思われます。 甘夏の果皮の油胞と他の形質との相 [続きを読む]
  • カンキツ果実の維管束組織の品種間差異
  •  以前のブログ記事(18/01/23:カンキツ果実の維管束の組織学)で、カンキツ果実への養水分の通り道となっている①維管束の種類、②維管束の木部、篩部の配置、③各部の細胞の種類について、紹介しました。今回は、維管束組織が、ブンタンなどの大きな果実から、キンカンのような小さな果実まで種類の間で、どのような果実の維管束の違いをみせているか比較してみました。1) 維管束サークル直径の相違カンキツ果実は、成 [続きを読む]
  • レモン果実の油胞は語る
  •  レモンは酸っぱい果物の代表です。世界では1800万トンの生産を上げて、今なお増産中の果実です。日本はアメリカレモンのお得意さんで、毎年5万トンほど輸入しています。輸入先のアメリカでは、ほとんどがカリフォルニアで栽培され、南部沿岸地のヴェンチュラ地方が特産地となっています。加州特産のユーレカレモンは、果皮が平滑で、果皮色につやがある高品質の品種ですが、酸味の最大の緑果を早採りして出荷しています。色付け [続きを読む]
  • 果樹の茎頂の成長点の解剖
  •  植物の茎葉頂(shoot apex)には、分裂組織の成長点(生長点、growing point、apical meristem)があります。円錐形をした分裂組織は、外部から内部に向けて層状の細胞配列の構造をしています。古くから、この分裂組織が、どのようにして花や果実の器官を形成するのか、層状構造の役割とともに検討されてきました。 成長点の解説をふりかえりますと、戦後アメリカから齎された大量のバックナンバーとともに、アメリカ植物学雑誌 [続きを読む]
  • キンカン果実の油胞は語る
  • 最近のキンカンは、宮崎、鹿児島を中心に3600トン超の生産量を安定してあげています。ほとんどが酸味の少ない寧波金柑で、この品種は1826年に中国から導入された品種です。寧波金柑については、高い栽培技術で生産されたおいしい「たまたま」が、2月―-4月頃に、店頭に並んでいますので、お馴染みのことと思います。 キンカンの果皮の油胞をみて、果肉のどのようなことが言えるのか、検討してみました。1) 油胞密度油胞は1平方 [続きを読む]
  • カンキツの接木キメラのはなし
  •  キメラとは、頭がライオン、体がヒツジ、尻尾が竜という空想上の怪物ですが、植物界にはこのようなとんでもない奇形が現れています。ウインクラー(Winkler,H.,1907)が、はじめて2つ以上の種類から、個体ができている状態をキメラ植物と呼んで以来、植物界では多くの例が報告されました。中でも、イタリアで重要な作物であったシトロンに、1644年にサワーオレンジを接ぎ木して発生した奇妙な果実は、ビザリア(Bizzarria)と呼 [続きを読む]
  • デコポン果実の油胞は語る
  •  国民的人気のあるデコポン(不知火)が、生産量5万トン近くまで伸びてきました。値段が1果150円から2000円を超えるくらいまで大きな開きがあり、品質的にも大きな違いがみられるようになりました。単価の異なる果実が得られましたので、これまで確かめてきた「油胞の分化数はベシクルの分化数と相関している」という仮説を、検討することにしました。(1)油胞数  果実の赤道面の1cm2に含まれる油胞の数、つまり油胞密度を測 [続きを読む]
  • カンキツ果実の袋数を比較すると
  •   カンキツの果肉は,数個の袋(じょうのう:segment)で成り立っています。袋には維管束がなく、周りの維管束から養水分を受けて成長します。1個の袋は、腹側維管束、背側維管束、隔膜維管束の3大幹線の維管束と接していますので、袋数が増えると維管束数が多くなると思われます。 そして、袋数は、カンキツの種類によって大きく異なり、また、種類ごとに袋数の変異がみられます。カンキツの花は5を基本数としていますが、袋数 [続きを読む]