キトロロ さん プロフィール

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キトロロさん: キトロロギストXの記録
ハンドル名キトロロ さん
ブログタイトルキトロロギストXの記録
ブログURLhttp://citrologist.blog94.fc2.com/
サイト紹介文一生をカンキツ研究に捧げてきた老学者の独白です
自由文キトロロギストとはシトラス(Citrus)+ロジスト(logist)の造語です。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供53回 / 365日(平均1.0回/週) - 参加 2008/09/26 14:04

キトロロ さんのブログ記事

  • アフォーラマンダリンの油胞は語る
  •   カンキツの油胞には、花の発達過程で分化する1次油胞と、その後の幼果の発達過程で分化する2次油胞があります。そして、果皮に占める油胞の面積は極めて大きく、また、よく見ると、それらの密度には果実ごとに大きな違いが認められます。例えば、普通温州では、7000個ほどの油胞があり、1?2当たりに62個の油胞密度がありました。 さらに、みかんでは、油胞密度が高いと果肉のベシクル数が多いというプラスの相関関係があり [続きを読む]
  • ミカンの油胞は語る
  •  みかんの果皮のアルベドに広く分布する油胞(oil dots)は、揮発性の精油のタンクであり、ヒトにとっては製油産業に貢献します。それでは、みかんにとっては、どのような役割を持つのでしょうか。精油の微生物や昆虫などとの関り方を考えると、果実の防護、誘因、忌避などの機能のために、表皮細胞層の直下に分化したと思われます。また、ポストハーベストの過程で、精油は揮発して、空胞になっていますので、揮発で太陽光の潜熱 [続きを読む]
  • ベルガモットの精油成分
  •  イタリア国は、長靴の形をしていますが、靴先の地方をカラブリアと言って、カンキツ栽培園のほとんどがこの地方に分布しています。中でも、メッシーナ海峡の沿岸地のレッジョ(Reggio)は、ベルガモット(Citrus bergamia)の特産地としてよく知られています。ベルガモットについては、先に紹介しました(09/07/27)が、1150年にこの地に伝来したサワーオレンジ(ダイダイ)が、17世紀半ばにレモンか何らかの品種と自然交雑して生ま [続きを読む]
  • 精油産業とカンキツ
  •  精油(essential oils)は、花や葉などにある腺という組織(みかんでは油胞と呼びます)や、一般組織の細胞に分泌される揮発性の油で、特有な芳香を発します。精油は、ごま油やオリーブオイルなどの食用油(vegetable oils)とは同じ油といっても異なり、食用油が脂肪酸とグリセロールからなる大きな分子であるのに対して、精油はテルペンやエステルの簡単な分子構造の炭水化物であり、水蒸気蒸留などで容易に取り出せます。 3000 [続きを読む]
  • 極早生温州の果実側壁膜の硬さを測る
  •  夏場のハウスミカンが終わり、露地みかんが出回る季節になりました。露地みかんは、9月下旬から10月に出荷される極早生温州、11月に出荷される早生温州、さらに、12月に出荷される普通温州、晩生温州と、それぞれ系統品種を替えながら、10月から3月中旬のマーケットを潤します。平成27年産の極早生温州について、果実の袋の側壁膜の硬さを測定し、特徴をまとめました。1.袋の側壁膜の硬度 今年のマーケットへの露地みかんの出 [続きを読む]
  • 極早生温州の栽培現況
  •  12月に成熟するウンシュウミカン(普通温州)は、これまでに高い頻度で自然突然変異の枝変わり系統を生みました。それらの中で、早生温州は、11月の早熟期の変異の系統として選ばれましたが、さらに早期の10月に成熟する極早生系統を生みました。このような普通―早生―極早生の逐次突然変異から、普通温州の林温州、杉山温州など、早生温州の宮川早生など、極早生温州の日南1号など、さらに、晩生の青島温州などの優秀な系統品 [続きを読む]
  • 食の無形文化遺産とカンキツ
  •  21世紀になって、ユネスコ(国際連合教育科学文化機構)は 世界各地に広がる食文化を、世界の無形文化遺産として登録する制度を発足させました。御存じのように、現在までに、フランス料理(2010)、地中海料理(2010)、メキシコ料理(2010)、トルコ料理(2011)、日本料理(2013)の5つが、特色ある食の無形文化遺産として登録されました。それぞれの食文化に、カンキツがどのように関わっているか、記述しました。1)食の無形文化遺 [続きを読む]
  • セザンヌの描いたカンキツ
  •  ポール・セザンヌ(1839-1906 )は、著名なフランスのポスト印象派の画家で、近代絵画の父と呼ばれています。生涯を通して、多くの果物の種類を絵画に残した画家でした。ヨーロッパで近代に描かれたカンキツの種類は、どのような品種だったのか、推定してみました。1)絵画にみられたカンキツ セザンヌの静物画の「テーブルの上のミルク差しと果物」には、りんごとともにレモンが一個置かれていました。セザンヌは、地中海沿岸の [続きを読む]
  • カンキツの果皮成長を動かす接ぎ木台木
  •  ご存知のように、カンキツは台木に接ぎ木した状態で栽培します。すべてがクローン栽培です。このことから、台木の種類で、樹の生長や果実の品質が大きく影響を受けます。どの国でも、ベストな接ぎ木種類組み合わせを求めて、接ぎ木試験がなされてきました。世界中で、同じ種類の台木が使われているわけではありません。品質向上への台木効果に期待して、とくに果皮割合をコントロールできないか、これまでの成績をもとに検討して [続きを読む]
  • みかん果皮を薄くする肥料要素
  •  ウンシュウミカンでは、外観の美しい果皮の薄い扁平な果実が、おいしいといわれています。さらに、袋(じょうのう)膜が柔らかく、ベシクル(しゃじょう)の柔らかい果肉が、高い甘さをもつとされています。 手頃な大きさ(100g位の手のひらサイズ)で、容易に果皮が剥けて、油胞からの精油で手が汚れることのないみかんは、日本人の食習慣に最も適合したカンキツでしょう。果皮の生長は、施肥によって左右されていますので [続きを読む]
  • カンキツの袋ごとほおばれる膜の硬さを知る
  •  カンキツを袋(じょうのう;segments)ごと食べれるか否かは、袋の膜の硬さに左右されています。どの程度の袋膜の硬さまで食べられるかは、ヒトそれぞれと思いますが、呑み込める硬さの限界はあるものと思われます。文旦の袋膜を食べているヒトはいませんし、ハウスミカンの袋膜をむいて食べているヒトには、めったにあいません。そこで、袋膜の組織構造の種類ごとの違いを観察して、膜の硬度との関係をこれまでみてきましたので、 [続きを読む]
  • みかんの袋膜の解剖で明らかになったこと
  •  みかんを袋ごと食べると、袋膜から機能性成分をたくさん摂れ、健康増進になることを述べてきました。しかし、袋ごと食べられるようにするには、呑み込み易い果実袋膜の特性を明らかにして、さらに、そのような果実をいかにして生産するかが問題でした。これまで、袋膜の側壁膜の硬さを測定し、また、側壁膜の解剖を行いましたが、測定結果がどのようなことを明らかにしたのかまとめてみました。1)側壁膜の厚さは硬度と比例しな [続きを読む]
  • アルシンボルドの絵画にみる果物たち
  •   アルチンボルド、G. (-1593年没)は、天才レオナルド・ダ・ビンチ(-1519年没)を生んだイタリアミラノ出身の画家で、果実、野菜、花、魚、本などで、イメージ肖像画を描いたことで知られた有名な画家です。国立西洋美術館でアルチンボルド展がありましたので、16世紀にどのような生鮮物が描かれたのか見学しました。1)アルチンボルドの生涯 36歳の時、ハプスブルグ家の宮廷画家として雇われ、ローマ皇帝のマクシミリアン2 [続きを読む]
  • みかんの10年後の収量予想
  •  果樹の中で、みかんほど収穫量の変遷した品目はないでしょう。昭和47年ごろまでに370万トン程度まで増産したのち急激な減少をみせ、今日まで(40年後)に80万トン程度まで低下してきました。みかんの生産不振のために、日本の果実全体の生産量が伸び悩んでいます。国民食のみかんが、これからどうなるのか、10年先を見据えた収量予測を試みました。1)傾向線による10年後の推定収量 農林水産統計のデータを、平成元年以降の [続きを読む]
  • カンキツ消費の最近の傾向は
  •  世界中が、アメリカ人並みの暮らしで食生活するようになると、地球の食糧がもたないだろうと言われています。FAOの統計によりますと、このことはすでにあらわれており、食糧の需給事情が国々で、とくに、先進国と後進国の間で大きく乖離してきました。これからは、食糧をめぐり大変な時代になることが予想されています。 先進国の日本では、食糧自給率40%を切っている現在、自由貿易の保証を世界的に取り付け、食糧の安全保 [続きを読む]
  • オーストラリア産のアフォーラの側壁膜の硬度
  •  偶発実生として発見されたモロッコ生まれのアフォーラマンダリンは、マーコットとクレメンチンの自然交雑品種とみられています。モロッコでは1000ヘクタールほどに栽培されている模様ですが、イタリアはじめ地中海沿岸地で人気のあるマンダリン(皮の剥き易い)です。 カリフォルニアでは、1993年レリーズされて以来生産が伸びていて、日本にW.マーコットの商品名で輸出しています。豪州では2000年以来栽培が活発となり、8月か [続きを読む]
  • 果物をたくさん食べていますか
  •  世界有数の長寿国になった日本は、世界的に果物の消費の少ない民族とみられています。実際、FAOSTATの2013年のデータでは、一人当たりの1日の果物消費量は、世界平均が213gに対して、日本人は145gとなっていました。アメリカ人の平均が286gでしたので、私たちの果物消費がいかに少ないか伺えます。 今では、生活習慣病にとっての果物の効用を疑う人は少ないものと思われますが、もっとたくさん果物を食べて、健康な毎日を送りた [続きを読む]
  • デイジ―マンダリンの果実側壁膜の硬さを測る
  •  デイジ―マンダリンは、カリフォルニアの苗木屋さんが、フォーチュン(クレメンチン×オーランド、1964レリーズ)とフレモントマンダリイン(クレメンチン×ポンカン、1964レリーズ)を交配して育成したもので、1986年から苗木の販売が始まりました。30年を経て、7月16日にオーストラリア産の果実が購入できましたので、早速、袋膜の硬度と品質調査をいたしました。1.袋の側壁膜の硬度 デイジーの側壁膜の硬度は、平均値で2.97 [続きを読む]
  • 橘のあった邪馬台国の生態は
  •  魏志倭人伝は、古代日本を伝えた貴重な一史料です。西暦280−297年ごろに、中国西晋の人、陳寿が、中国歴史書『三国志』に書きとめたものです。僅かに2000余文字ですが、文字の無かった日本としては、当時の日本の地理、地勢、政情、生活様式などを、興味深くうかがい知ることができます。当時、倭には、卑弥呼という女王の率いる邪馬台国があり、この国を魏の使節団(帯方郡の役人か)が訪ねた時の、見聞録風の記述となっていま [続きを読む]
  • ミネオラ果実の袋側壁膜の硬さを測る
  •   ミネオラは、1911年にダンカングレープフルーツにダンシータンゼリンを交配して育成したフロリダ生まれの品種です。米国では有望な品種として、これまで普及、栽培されてきました。ウンシュウミカンより多くの熱量を必要としますので、日本では栽培されていません。輸入ミネオラを80円で購入しました。さっそく、果実袋の隔壁膜の硬度を測定してみました。1)側壁膜の硬度 果実の側壁膜の硬度は、平均で2.81kg/cm2ありました [続きを読む]
  • みかんの神様とお菓子の神様の小話
  •  日本には神様がたくさんあられます。そして、神々を祭る神社は、現在でも8万1255社以上あるとされています(文化庁、2016)。日本で最も多い神社は八幡神社だそうで、応神天皇がその祭神となっておられます。ところで、みかんの神様とお菓子の神様が、同一人物の田道間守命(たじまもりのみこと)であることをご存知でしょうか。 田道間守命については、以前ブログ (橘とゆかりの神社、仏閣; 11/10/18)で紹介しましたように [続きを読む]
  • インペリアルマンダリン果実の側壁膜の硬さを測る
  •  オーストラリアのシドニーで生まれたインペリアルマンダリン(偶発実生として1890年に誕生)は、1956年にクイーンスランドに移されてから、ここが一大産地になりました。ウンシュウミカン似のこの品種は、地中海マンダリンとウイロ―リーフマンダリンの交雑品種とみられていますが、6月23日に輸入果実が手に入りましたので、果実の分析を試みました。1)側壁膜の硬度 果実の側壁膜の硬度は、平均で2.83kg/cm2ありました。6 [続きを読む]
  • 日本柑橘に蜜柑が仲間入りする日
  •  「日本の柑橘の歴史は、実は伝搬の歴史でした」、これはカンキツ学の泰斗田中長三郎さんの言葉です。 日本に自生していたカンキツは、タチバナだけで、他のすべてがヒトの手で導入されました。そして、「有橘不知以為滋味」と「魏志倭人伝」(西暦280-290)が伝えていましたように、西暦200年頃の邪馬台国の人々は、中国人の言う橘のおいしさを知らなかったわけで、文字をもたなかった時代には、有史以前に導入されたカラタチ [続きを読む]
  • 清見果実の側壁膜の硬さを測る
  •   デコポン(清見×ポンカン)の母親の清見を6月1日に購入しました。愛媛県で貯蔵した果実でしたが、貯蔵臭は強くありませんでした。さっそく、デコポンと同様に、果実側壁膜の硬度を測定し、解剖して特徴を調べてみました。1)側壁膜の硬度の差異  清見の果実側壁膜の硬度は、1.2?/cm2から4.4?の範囲にあり、平均値は2.5?でした。デコポンのそれ(2?)より高いものでした。袋ごと食べるには難がありました。果肉が極端に柔 [続きを読む]
  • みかん果実の袋膜のリモノイド量
  •  みかんを食べるときに、袋ごとほおばると、膜からどのような栄養素がどの程度余計にとれるか調べてきました。さきの記事では、袋膜(じょうのう膜)のフラボノイド、ペクチン、ビタミンC、クマリン類について述べましたので、ここではリモノイドについて紹介します。 リモノイドはトリテルペン化合物で、現在38種類が分離同定されています。そしてどういうわけか、この物質群を生合成する植物はミカン科とセンダン科に限られ [続きを読む]