raycat さん プロフィール

  •  
raycatさん: 週刊「歴史とロック」
ハンドル名raycat さん
ブログタイトル週刊「歴史とロック」
ブログURLhttp://rock-and-history.blog.jp/
サイト紹介文劇団theatre project BRIDGEの演出家が書く歴史とロックのブログ。たまに本やランニングのことも書きます。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供49回 / 365日(平均0.9回/週) - 参加 2009/02/12 10:50

raycat さんのブログ記事

  • HAPPY 『Stone Free』
  • 成長や進化なんていう能天気な言葉は使いたくない 京都出身の5人組、HAPPYの1stフルアルバム『Hello』は、僕にとっては100点満点といっていいアルバムでした。リリース時にこのブログでもがっつりと書きましたが、「この人たちは僕のために曲を書いてるんじゃないか?」と感じるくらいに、全ての音がピタッとハマりました。その快感といってもいい感覚は、3年経った今聴き直してみても変わりません。 そうなのです、もう3年も前 [続きを読む]
  • Christopher Owens 『A New Testament』
  • 源流をたどって再発見した「白人アメリカンポップス」の血 米インディーロックバンド、Girlsが2009年に1st『Album』をリリースしたとき、かなり話題になったし実際に何度か試聴したのですが、そのときはいまいち僕には響きませんでした。09年というと、ちょうどペインズと同期になるわけですが、ある意味「ど」がつくほどシンプルなペインズに比べて、屈折して陰影のあるGirlsには食指が動かなかったのかもしれません。 とにかく [続きを読む]
  • The Crotches 『Ein Ahot La Mifsaot』
  • 「ミサイルの下で書いた曲」はどこまでもポップだった イスラエルの3ピース、The Crotches。出身はイスラエルだけど活動拠点は欧米、というパターンではなく、所属するGarzen Recordsもテルアビブのレーベルですし、Facebook見てると、実際現地で頻繁にイベントやったりライブしたりしてるので、正真正銘、イスラエルで活動中のバンドです。「イスラエルにバンドがいる」ということ自体が正直驚きでした、でも、さらに驚いたのは [続きを読む]
  • The Courtneys 『II』
  • 「技術じゃねえ。ハートだ」はやっぱり真実です カナダのバンクーバー出身の3ピースガールズバンド、コートニーズ。2013年にリリースされた1stアルバム『The Courtneys』は、地元の小さなレーベルでの扱いだったにもかかわらず人気を呼び、アメリカの有名インディーレーベルBurger Recordsをはじめ、世界各国のレーベルが彼女たちの音源をアイテム化しました。 15年にはニュージーランドの老舗レーベル、Flying Nunと契約し、現 [続きを読む]
  • Satellite Young 『Satellite Young』
  • 90年代生まれによる「80年代」の再発見 日本の3人組ポップユニット、Satellite Young。彼らが今年5月にリリースしたセルフタイトルの1stアルバムが、めちゃくちゃ面白いです。 いい!でも感動した!でもなく「面白い」と表現したのはなぜなのか。その理由は、彼らの音源を聴いてもらえば一発で理解してもらえるはずです。  キッパリハッキリしたメロディに、気恥ずかしくなるくらいにギラギラしたビート。この匂いは…そう、80 [続きを読む]
  • Car10 『Car10』
  • 大きくなった彼らの背中を僕は呆然と見送るだけ 大滝詠一の長年の盟友である音楽家・井上鑑は、初めて『A Long Vacation』のデモを聴いたとき、「曲が“上等”になったな」と感じたそうです。今年6月にリリースされたCar10(カーテン)の新作アルバムを聴いて、僕の頭にパッと浮かんだのも、まさに「上等」という言葉でした。3枚目にして初めてバンド名をタイトルに冠したこの作品は、セルフタイトルに相応しい彼らの最高傑作だと [続きを読む]
  • 2017年9月の3冊 〜日本史の「難所」、関東中世史に足を踏み入れてみる〜
  •  日本史を一つの広大な森だとして、その森をあちこち探検してみると、蔦や草が絡み合ったり足元がぬかるんでいたりして、相当な準備をしないと深く分け入れない「難所」があります。その一つが、関東の中世史です。 15世紀中ごろから16世紀終わりまでの戦国史だけに絞ったとしても、あまりの登場人物の多さと関係の複雑さに音を上げるはずです。『真田丸』を見ていた人は、前半の北条、上杉、徳川の間で繰り広げられる細かい話に [続きを読む]
  • 映画『キングコング:髑髏島の巨神』
  • 怪獣映画はやっぱり「楽しく」なくちゃはじまらない 子供が生まれると自分だけの可処分時間がほぼゼロになりますが、僕の場合、モロに影響を受けたのが映画を見る時間でした。音楽や読書は隙間時間でなんとかやりくりできますが、2〜3時間まとめて時間を作らなきゃいけない映画は、ほぼ不可能。ということで『この世界の片隅に』も『ラ・ラ・ランド』も『ベイビー・ドライバー』も、話題になってる作品はことごとく見れてません。 [続きを読む]
  • Hazel English 『Just Give In / Never Going Home』
  • ポップソングでありながら「讃美歌」の響きをもつ声 「English」という苗字が本名なのか芸名なのかハッキリしないのですが、Hazel English自身はイギリス人ではありません。出身はオーストラリアのシドニーで、現在はアメリカのオークランドを活動拠点にしています。  彼女の出身がオーストラリアであることは、かなり意外でした。だって、オーストラリアのアーティストというと、ジャンルにかかわらずアクが強いイメージがあった [続きを読む]
  • ザ・クロマニヨンズ 『ACE ROCKER』
  • 「大好きなものがあると人生は楽しくなる」ということ 活動してきた全てのバンドのアルバムを持ってるし、本や雑誌のインタビューも大事にとってあるし、自分で作った芝居でも何度も曲を流したし、多分、日本のアーティストで一番多く歌を知ってるのも彼らだと思います。 にもかかわらず、これまで一度も彼らのことをブログで取り上げなかったのは、受けた影響の大きさを、とてもじゃないけど言葉に言い表せられないと思ったから [続きを読む]
  • 2017年8月の3冊 〜岡っ引きと渡世人と座頭市〜
  • タカとユージの生きる場所は「捕物帳」の中しか残ってないんじゃないか 7月に東郷隆作品を読んでいたら止まらなくなって、結局8月も引き続き彼の作品に手を出してました。 ただ、7月に読んでいたのは歴史小説だったのに対し、8月に読んだのは時代小説。同じジャンルと思われがちですが、過去に実在した人物を主人公にして、史実に基づいた物語を描いている作品が歴史小説で、歴史上の一時代を舞台にしているものの登場人物も物語 [続きを読む]
  • Tashaki Miyaki 『The Dream』
  • 「ドリームポップ」の本当の意味を初めて知ったのかもしれない「タシャキ・ミヤキ」ってずいぶん変わった響きのバンド名だけど、何語なんだろう?と思っていたら、なんと日本語でした。映画監督の「三池崇史」の言い間違いをそのままバンド名にしたそうです。 このエピソードからも想像がつく通り、バンドのメンバーは相当なシネフィル揃いで、中でもボーカル&ドラムのペイジ・スタークは、音楽を始める前からモデル・女優として [続きを読む]
  • The Trash Can Sinatras 『Cake』
  • The SmithsとThe Stone Rosesその「隙間」「トラッシュキャン・シナトラズ」というバンド名だけを聞くと、いかにもひねくれ者っぽい風変わりな音楽を鳴らしそうですが、実際には情緒あふれるメロディと粒だったギターを特徴とした、とても繊細で優しい印象を与えるバンドです。イギリスのバンドですが、ロンドンやマンチェスター、グラスゴーといった都会ではなく、スコットランドの沿岸部の町、アーヴァインという出身地の風土が [続きを読む]
  • Manic Sheep 『Brooklyn』
  • 「轟音ギターノイズ」はむしろ優しい タイのYellow Fungについて書いたときに、「母国語で歌うアジアのバンド」という話をしましたが、昨年の暮れに新しい出会いがありました。台湾出身のManic Sheepです。 何度かメンバーチェンジをしてるそうですが、現在は男性2人女性2人の男女混成4ピース。2012年にセルフタイトルの1stアルバムをリリースし、今年1月に2ndアルバム『Brooklyn』をリリースしました。僕の場合は彼女たちを知っ [続きを読む]
  • 2017年7月の3冊 〜2人の薩摩藩士のサーガ〜
  • 『九重の雲 闘将 桐野利秋』「嫌がる西郷隆盛を無理やり担いで暴発した狂犬の親玉」というイメージがあるかと思えば、「いやいや、単なる過激主義者とは違う合理的思考の持ち主で彼もまた下の者に担がれただけの犠牲者だった」という意見もあり、毀誉褒貶激しい人物である桐野利秋。 本書はその桐野を主人公にしているだけあって、基本的には彼を肯定的に描いてはいるのですが、一面的ではありません。たとえば「人斬り」と呼ばれ [続きを読む]
  • Charly Bliss 『Guppy』
  • 目新しくはないけど「こういうの」が聴きたかった  最初に聴いた1曲が2016年のシングル<Turd>と<Ruby>のどちらだったのか、実は思い出せないのですが、1コーラス目だけを聴いただけで「これはヤバい。大好きになる」と確信したことははっきりと覚えています。 NYブルックリン出身の4ピース、Charly Bliss。14年に自主制作EP『Soft Serve』を発表して以来、2枚のシングルに1枚のライブEPと、コンスタントに音源をリリースし、 [続きを読む]
  • 『Sgt. Pepper's』の新旧ミックスを全曲聴き比べてみた 〜A面編〜
  • 音がクリアで聴き取りやすいVS 聴き取りやすけりゃいいってもんじゃない  ビートルズの『Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band』のリリースから、今年でちょうど50年ということで、アニバーサリー・エディションが発売されました。  同時期にレコーディングされていた<Penny Lane>などを含む、多数の未公開テイクの収録も話題になりましたが、目玉はなんといってもステレオ音源のリミックスです。過去に『Let It Be Naked… [続きを読む]
  • 2017年6月の3冊 〜川と地形づくし〜
  • 『川はどうしてできるのか』藤岡換太郎  6月は暗渠の記事を書いたこともあり、川のことをやたらと考えていたので、川や地形関連の本ばかり読んでました。 まず読んだのが、講談社ブルーバックスの『川はどうしてできるのか』。「山」編、「海」編に続く「どうしてできるのか」シリーズの第3弾です。ナイル川がなんであんなに長いかっていうと、総延長7000kmに及ぶアフリカ大地溝帯に沿って流れてるからだとか、川は海に注いで終 [続きを読む]
  • 都内の暗渠を「ロックバンド」に例えて紹介してみる
  •  先週に続いて川・暗渠の話です。(先週の記事:「川」こそアナーキーだ) 誰にも読まれていないのをいいことに、どんどん書きます。  暗渠イスト(暗渠ファンのこと)のバイブル『川の地図辞典』を開くと、かつては東京の街のいたるところを、まるで毛細血管のように無数の川が流れていたことがわかります。上水道や細かい用水路なども含めれば、23区だけでも100本以上の川(水路)が流れていたんじゃないでしょうか。そのほと [続きを読む]
  • 「川」こそアナーキーだ
  • この「素晴らしい風景」は俺にしか見えないんだぜ ランニングを始めて間もないころに直面したのが、「どこを走るか」という問題でした。 最初は近所の大きな公園を走っていたのですが、何度も走っていると、次第に飽きてきてしまいました。それに、だんだん走る距離が伸びてくると、同じコースをグルグル回ることになり、まるで学校の校庭でやらされる持久走のようで、うんざりしてきたのです。 仕方なく、近所の大きな国道や幹線 [続きを読む]
  • Theピーズ30周年日本武道館
  • 武道館らしくないバンドのもっとも「武道館らしい」ライブ この数年、「ベテランバンドの初武道館」がすっかり恒例化しました。怒髪天(2014年、結成30年目)、フラワーカンパニーズ(15年、結成26年)、そしてつい先日のコレクターズ(17年、結成30年)。※思えば09年のピロウズ(09年、結成20年)がその嚆矢だった気がしますそしてつい先日、過去のどのバンドよりも武道館らしくないバンド、ある意味「真打」が、あの八角形の屋 [続きを読む]
  • Beverly 『The Blue Swell』
  • 「軽くなった」は褒め言葉である元Vivian Girlsのフランキー・ローズとPains Of Being Pure At Heartのキーボード、ドリュー・シトロン。この2人が組んだギターロックデュオ、Beverlyを最初に知ったのは、確か彼女たちが1stアルバムを出す前だったと思うので、もう2年以上前になるはずです。重たい轟音ギターによる、靄のかかった深い森のような陰鬱さと、その森に差し込む朝日のように荘厳な、フランキーとドリューのコーラス。一 [続きを読む]
  • 『騎士団長殺し』村上春樹(新潮社)
  • 「68点や43点の人生」だってそんなに悪くはないはずだ発売前に予約して買っていたのですが、一度読み始めたら止まらなくなるだろうからと、読み始めるタイミングを計っていたら、実際に手に取るまでに2か月以上かかってしまいました。でも、やはり予想通り読み始めたら止まらなかったです。文句なしに面白かった。今回はいつにも増して、映像が頭に浮かんでくる作品だったように思います。雨田具彦の家のリビングやアトリエの様子 [続きを読む]