raycat さん プロフィール

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raycatさん: 週刊「歴史とロック」
ハンドル名raycat さん
ブログタイトル週刊「歴史とロック」
ブログURLhttp://rock-and-history.blog.jp/
サイト紹介文劇団theatre project BRIDGEの演出家が書く歴史とロックのブログ。たまに本やランニングのことも書きます。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供49回 / 365日(平均0.9回/週) - 参加 2009/02/12 10:50

raycat さんのブログ記事

  • Bob Dylan『Bringing It All Back Home』
  • 風景と音楽の組み合わせが「自分だけの映画」を生む 先月TOKYO-FMで、村上春樹が初めてラジオDJを務めた番組『村上RADIO』が放送されました。 本人も番組の冒頭で「僕の声を初めて聴く人もいるかもしれません」と言ってましたが、確かに非常にレアな機会だったと思います。僕も、彼がまとまった量の日本語を、それもカジュアルな口調で喋るのを耳にしたのは初めてでした。意外だったのは、イメージよりも声が若かったこと。あと [続きを読む]
  • 2018年8月の3冊 〜飯嶋和一は何を描こうとしているのか〜
  • 命はまるで「流れ星」のように 先月紹介した『雷電本紀』をきっかけに、作家・飯嶋和一の作品をひたすら読んでいます。とりあえずKindle化されている作品は全て読みました。一人の作家をここまでむさぼるように読んだのは、10年前の吉村昭以来かもしれません。久しぶりに「面白くて頭がおかしくなりそう」という感覚を味わいました。 なんでこんなに面白いんだろう。読んだことある人には同意してもらえると思うんだけど、飯嶋作 [続きを読む]
  • The Full Teenz 『ハローとグッバイのマーチ』
  • 「あの頃の自分の声」をハァハァせずには聞き返せない HomecomingsだったりHAPPYだったりAnd Summer ClubだったりHearsaysだったり、最近だとNum Contenaだったり、そのあたりの、つながってるんだかいないんだかよくわからない西日本のインディシーンを、ここ数年僕はよく聴いているのですが、その中で「この人たちは毛色が違うな」と感じるバンドがいます。京都の3ピース、The Full Teenzです。 彼らの楽曲を聴いてまず真っ先 [続きを読む]
  • 『雷電本紀』飯嶋和一(小学館文庫)
  • 雷電という「鏡」に名もなき人々の涙が映る 江戸時代後期に活躍した大相撲力士、雷電爲右エ門は、身長6尺5寸(197cm)、体重45貫(169kg)という当時としてはまさに巨人と呼ぶべき恵まれた身体で、1790年から1811年まで21年もの間土俵に上がりました。その間の通算成績は、254勝10敗2分14預5無勝負。勝率は実に9割6分2厘。あらゆる面において史上最強と呼ぶのに相応しい力士です。その雷電を主人公に描いた小説が、飯嶋和一の『雷 [続きを読む]
  • V.A.『Gold Collection〜Oldies Best Artist 22』
  • 「愛すべき孤独」を教えてくれた正体不明の1枚 先週、コニー・フランシスの話を書きました。彼女がもっとも人気を博したのは1950年代後半から60年代前半。今から60年近くも前になります。「60年前の音楽を聴く」というと、一般的にはどう受け取られるだろう。やっぱり「マニア」「好事家」と思われちゃうんでしょうか。確かに、ただでさえ音楽を聴く人は(30代も後半になると特に)少ないのに、その中でもあえて昔の音楽にまで手 [続きを読む]
  • Connie Francis 『Rock 'n' Roll Million Sellers/Country & Western Golden Hits』
  • 比喩ではなく事実として僕は彼女に「人生を変えられた」 コニー・フランシスのどこにそんなに惹かれるのかと聞かれたら、やはりあの「声」という答えになると思います。少女の初々しさと大人の女性の色気。その両方を併せ持ち、強く前向きな意志を感じさせると同時に、その裏にある不安や怯えもにじませる。コニーの声には、世俗性と神秘性の両方がなぜだか同居してしまう、不思議な寛容さがあります。 最初に聴いたのは、映画『 [続きを読む]
  • Alvvays『Antisocialites』
  • あなたがあなたであることで困る人は誰もいない カナダのトロント出身のバンド、Alvvaysの2ndアルバム。2017年9月のリリースなので超がつくほど今更なんですけど、いやー、あの衝撃的な1stアルバムと同じくらい、いやもしかしたらそれ以上の大名盤です。大好き。何度言っても足りないくらい大好き。 もはやこのバンドのトレードマークになった、夏の陽炎のように輪郭の淡い音像。モリー・ランキンのボーカルも変わらず瑞々しく繊 [続きを読む]
  • Liam Gallagher『As You Were』
  • 一周まわって頭をもたげた太古の「恐竜」「最初のロック体験」というものが誰にもあるのだとすれば、僕にとってのそれはオアシスの<Morning Glory>だったろうと思います。具体的に言えば、イントロのあの粘つくようなチョーキングであり、リアム・ギャラガーの死んだ魚のような瞳であり、そして彼のしゃがれた声でした。それは「髪の毛を逆立てた人が派手な照明を浴びながら大声で叫ぶもの」としか理解していなかった僕のロック [続きを読む]
  • シャネルズ『ダンス!ダンス!ダンス!』
  • 「カバーに寄せたオリジナル曲」で最後にルーツ愛をもう一度 先週に続いてシャネルズです。 前回、シャネルズとラッツ&スターの違いを「ルーツへのこだわり」と書きました。そしてルーツであるドゥーワップやR&Bへの愛が爆発した作品として、1981年の『Live At "Wisky A Go Go"』を紹介しました。ただ、もしシンプルに「シャネルズとしての最高傑作は何か」と聞かれたら、僕は82年にリリースされた6th『ダンス!ダンス!ダンス [続きを読む]
  • シャネルズ『Live At "Wisky A Go Go"』
  • 豊かな「カバー文化」がかつて日本にもあったんだ 最近どっぷりと聴いているのがシャネルズです。ご存知、鈴木雅之や田代まさし、桑野信義らを擁する、主に1980年代に活動していたグループですね。 なんで今更シャネルズなのかという理由を一言で説明するのは難しいのですが、例えば去年からゴフィン&キングをはじめとする50年代後半〜60年代初頭のソングライターたちを横断的に聴いていて、そこからリーバー&ストーラー→コー [続きを読む]
  • 2018年5月の3冊 〜ひたすらヤクザ本〜
  •  先月、中川右介の『角川映画1976-199』を読んだのがきっかけで、長い間読みたかったノンフィクション『映画の奈落 北陸代理戦争』(伊藤彰彦)を読みました。 東映が1977年に製作した『北陸代理戦争』は、『仁義なき戦い』をはじめとする実録ヤクザシリーズの中の1作で、金沢で実際に繰り広げられていたヤクザ同士の抗争を題材にした映画です。他の実録ものは既に終わった事件を題材にしていたのに対し、『北陸代理戦争』は当時 [続きを読む]
  • 映画『パシフィック・リム:アップライジング』
  • 巨大ロボット対巨大怪獣という「バカバカしさ」よ、永遠に 映画『パシフィック・リム』の続編にあたる『パシフィック・リム:アップライジング』を見てきました(第1作はもう5年も前になるのか…)。 最初に言ってしまうと「良くも悪くも“2作目”」というのが結論。空飛ぶイェーガーとかイェーガー同士の本格的戦闘シーンとか、前作になかった新たな要素はいくつかあるものの、映像も演出もストーリーも、あらゆる面で前作から [続きを読む]
  • SOLEIL『My Name Is SOLEIL』
  • ポップミュージックがまだ「14歳」だった頃 先週紹介したThe Yearningは、50〜60年代ポップスの影響を色濃く感じさせる、レトロなスピリットにあふれたグループでした。日本でもつい最近、似たコンセプトをもったグループがデビューアルバムをリリースしました。男性ベテランミュージシャン2人と14歳の現役女子中学生という異色の顔合わせによる3ピースバンド、SOLEIL(ソレイユ)です。 メンバーは、「ネオGS」と呼ばれたザ・フ [続きを読む]
  • The Yearning『From Dawn Till Dusk (2011-2014)』
  • 「音楽は魔法」という言葉をたまには信じてもいいじゃないか スペインのマドリードを拠点とするElefant Records(エレファント・レコード)は、世界中で僕がもっとも愛するレコードレーベルの一つです。そして、エレファントの所属アーティストのうち、レーベルの精神をもっとも色濃く体現している(と僕が感じる)のが、以前紹介したThe Schoolと、今回紹介するThe Yearning(ザ・ヤーニング)です。 The Yearningはイギリスの2 [続きを読む]
  • For Tracy Hyde『he(r)art』
  • 「明けない夜はない」という儚さと希望と 村上春樹の小説で一番好きなのは『羊をめぐる冒険』でも『ノルウェイの森』でもなく、実は『アフターダーク』なんですが、For Tracy Hyde(フォトハイ)の2ndアルバム『he(r)art』の印象は、この小説を初めて読んだときのそれと重なりました。 どちらも舞台は東京で、時間帯は夜。『アフターダーク』は東京の渋谷のレストランやラブホテルで起きたある一晩の出来事を、深夜から日が昇る [続きを読む]
  • 2018年4月の3冊 〜「80年代アイドル」の世界へ〜
  •  3月に読んだ『1979年の歌謡曲』『1984年の歌謡曲』からの流れで、日本の歌謡界が「J-POP」という名前で呼ばれるようになる前の時代について興味が湧いてきました。はっぴいえんどやYMOを軸とした70〜80年代のサブカル論やロック論なら何冊か読んだことがあるのですが、今回僕が興味をもったのは、ヒットチャートや賞レースといった、もっとマス向けな「芸能界」の話。 ということで、最初に手を伸ばしたのが中川右介『山口百恵 [続きを読む]
  • 映画『GODZILLA 怪獣惑星』
  • 見たことのないゴジラでありながら「これぞゴジラ」だった 昨年の11月、ゴジラを初めてアニメ化した映画『GODZILLA 怪獣惑星』が公開されました。正直、そこまで期待していなかったのですが、めちゃくちゃ面白かったです。 期待できずにいたのは、ハリウッド版『GODZILLA』、『シン・ゴジラ』と実写大作モノが続いた後だったので、「アニメ化」という切り口がスケールダウンに思えたから。でも、実際に見てみたら、アニメである [続きを読む]
  • The Pains Of Being Pure At Heart 『The Echo Of Pleasure』
  • ペインズは今も変わらず「そこ」にいた NYブルックリン出身のバンド、The Pains Of Being Pure At Heartを初めて聴いたときの衝撃は今でもはっきりと覚えています。2009年にリリースされたセルフタイトルの1stアルバムでした。 最初はYouTubeでした。曲は確か<Young Adult Friction>だった気がします。いや、<Contender>か<Come Saturday>だったかもしれない。いずれにせよ、聴いた瞬間に僕にははっきりと分かりました。こ [続きを読む]
  • Luby Sparks 『Luby Sparks』
  • 「ペインズ」という名の夢の続き 当初は、昨年の秋に出ると言われていた1stアルバムですが、2度ほどの発売延期を経て、ようやくこの1月にリリースされました。東京出身の5ピース、Luby Sparks。2016年に、現役の大学生男女5人で結成されたバンドで、僕にとってはフルアルバムのリリースをもっとも心待ちにしていたアーティストの一組でした。 最初に聴いたのは、確かSoundCloudにアップされた<Hateful Summer>だったと思います [続きを読む]
  • 2018年3月の3冊 〜「音楽史」あれこれ〜
  •  2018年はなんだか読書がはかどりません。あれこれ手を出してはちびちび読んでいるのですが、なぜか1冊読み終えられない。読書にスランプってものはあるんだろうか。そんな中で比較的読めているのは音楽関連の本、中でも「音楽史」に関する本でした。 年明けあたりからちびちび読んでた『アメリカ音楽史 ミンストレル・ショウ、ブルースからヒップホップまで』は、頭がクラクラするくらい面白い本でした。 アメリカの商業音楽の [続きを読む]
  • JINTANA & Emeralds 『Destiny』
  • 心にいつも「横浜」を スティールギタリストのJINTANAが、シンガーの一十三十一(ひとみとい)やギタリストのKashiffらとともに結成した6人組のドリームチーム的グループ、JINTANA&Emeralds。2014年にリリースされた彼らの1stアルバム『Destiny』は、ミュージックマガジンの2014年歌謡曲/J-POP部門で1位を獲得したばかりか、同誌の選ぶ2010年代の邦楽ベストアルバム部門でも7位を獲得するなど、非常に評価の高い作品です。「ネオ [続きを読む]
  • CRX 『New Skin』
  • バンドとの間に緊張感を孕んだソロワーク メンバーのソロ活動が盛んなストロークスの中で、ただ一人ソロを行ってなかったニック・ヴァレンシ(Gt.)が、ついに自身のバンドを組んでデビューをしました。それがCRXの『New Skin』。 まず(やっぱりというべきか)ギターの音がとてもいいです。エッジの利いたシャープな音なんだけど、ニックのクセのあるフレージングが中和していて、攻撃的というよりも、むしろまろやかな感じ。< [続きを読む]
  • ハラフロムヘル 『みのほど』
  • ナンセンスから神話まで 2011年に千葉で結成された5ピース、ハラフロムヘル。名前からしてなかなか強烈ですが、サウンドの方も名前に負けず相当に個性的です。16年末にリリースされたフルアルバム『みのほど』は、ファーストアルバムに相応しく、彼らのキャラクターがこれでもかと詰め込まれた名刺代わりの1枚です。 このアルバムについて語るために、話を3つのポイントに分けて進めます。歌詞、メロディ、そして紅一点のボーカ [続きを読む]
  • Emitt Rhodes 『エミット・ローズの限りない世界』
  • 「ポールの双子」が閉じた世界で育んだ音 1967年、一人の青年が地元カリフォルニアの仲間と共に、Merry-Go-Roundという名のバンドでレコードデビューを果たします。彼はバンドでボーカル、ギター、そして作曲を担当しました。当時まだ10代だったにもかかわらず、楽曲はバングルズやフェアポート・インベンションにカバーされ、彼の名は優れた作曲家の一人として知られるようになります。 その後ほどなくしてバンドは解散。すると [続きを読む]