raycat さん プロフィール

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raycatさん: 週刊「歴史とロック」
ハンドル名raycat さん
ブログタイトル週刊「歴史とロック」
ブログURLhttp://rock-and-history.blog.jp/
サイト紹介文劇団theatre project BRIDGEの演出家が書く歴史とロックのブログ。たまに本やランニングのことも書きます。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供51回 / 365日(平均1.0回/週) - 参加 2009/02/12 10:50

raycat さんのブログ記事

  • The Pains Of Being Pure At Heart 『The Echo Of Pleasure』
  • ペインズは今も変わらず「そこ」にいた NYブルックリン出身のバンド、The Pains Of Being Pure At Heartを初めて聴いたときの衝撃は今でもはっきりと覚えています。2009年にリリースされたセルフタイトルの1stアルバムでした。 最初はYouTubeでした。曲は確か<Young Adult Friction>だった気がします。いや、<Contender>か<Come Saturday>だったかもしれない。いずれにせよ、聴いた瞬間に僕にははっきりと分かりました。こ [続きを読む]
  • Luby Sparks 『Luby Sparks』
  • 「ペインズ」という名の夢の続き 当初は、昨年の秋に出ると言われていた1stアルバムですが、2度ほどの発売延期を経て、ようやくこの1月にリリースされました。東京出身の5ピース、Luby Sparks。2016年に、現役の大学生男女5人で結成されたバンドで、僕にとってはフルアルバムのリリースをもっとも心待ちにしていたアーティストの一組でした。 最初に聴いたのは、確かSoundCloudにアップされた<Hateful Summer>だったと思います [続きを読む]
  • 2018年3月の3冊 〜「音楽史」あれこれ〜
  •  2018年はなんだか読書がはかどりません。あれこれ手を出してはちびちび読んでいるのですが、なぜか1冊読み終えられない。読書にスランプってものはあるんだろうか。そんな中で比較的読めているのは音楽関連の本、中でも「音楽史」に関する本でした。 年明けあたりからちびちび読んでた『アメリカ音楽史 ミンストレル・ショウ、ブルースからヒップホップまで』は、頭がクラクラするくらい面白い本でした。 アメリカの商業音楽の [続きを読む]
  • JINTANA & Emeralds 『Destiny』
  • 心にいつも「横浜」を スティールギタリストのJINTANAが、シンガーの一十三十一(ひとみとい)やギタリストのKashiffらとともに結成した6人組のドリームチーム的グループ、JINTANA&Emeralds。2014年にリリースされた彼らの1stアルバム『Destiny』は、ミュージックマガジンの2014年歌謡曲/J-POP部門で1位を獲得したばかりか、同誌の選ぶ2010年代の邦楽ベストアルバム部門でも7位を獲得するなど、非常に評価の高い作品です。「ネオ [続きを読む]
  • CRX 『New Skin』
  • バンドとの間に緊張感を孕んだソロワーク メンバーのソロ活動が盛んなストロークスの中で、ただ一人ソロを行ってなかったニック・ヴァレンシ(Gt.)が、ついに自身のバンドを組んでデビューをしました。それがCRXの『New Skin』。 まず(やっぱりというべきか)ギターの音がとてもいいです。エッジの利いたシャープな音なんだけど、ニックのクセのあるフレージングが中和していて、攻撃的というよりも、むしろまろやかな感じ。< [続きを読む]
  • ハラフロムヘル 『みのほど』
  • ナンセンスから神話まで 2011年に千葉で結成された5ピース、ハラフロムヘル。名前からしてなかなか強烈ですが、サウンドの方も名前に負けず相当に個性的です。16年末にリリースされたフルアルバム『みのほど』は、ファーストアルバムに相応しく、彼らのキャラクターがこれでもかと詰め込まれた名刺代わりの1枚です。 このアルバムについて語るために、話を3つのポイントに分けて進めます。歌詞、メロディ、そして紅一点のボーカ [続きを読む]
  • Emitt Rhodes 『エミット・ローズの限りない世界』
  • 「ポールの双子」が閉じた世界で育んだ音 1967年、一人の青年が地元カリフォルニアの仲間と共に、Merry-Go-Roundという名のバンドでレコードデビューを果たします。彼はバンドでボーカル、ギター、そして作曲を担当しました。当時まだ10代だったにもかかわらず、楽曲はバングルズやフェアポート・インベンションにカバーされ、彼の名は優れた作曲家の一人として知られるようになります。 その後ほどなくしてバンドは解散。すると [続きを読む]
  • 『Rock And Roll Music』 Chuck Berry etc.
  • 「ありそうでなかった」という盲点を突いたビートルズ・アイテム ちょっと変わったビートルズ関連アイテム。タイトルは「Rock And Roll Music」、アーティスト名にも「Chuck Berry」とあるので、一見するとビートルズとは何の関係もないアルバムに見えますが、実はこれ、ビートルズが演奏してきた「カバー曲」の、そのオリジナル版だけを集めた企画アルバムなのです。2013年の11月に発売されました。 まず「オリジナル版を集めた [続きを読む]
  • CHAI 『PINK』
  • 「ガールズバンド」という括りはもう古い 揃いのピンクのステージ衣装をまとった強烈なビジュアル(90年代育ちにはオ○ム真理教を彷彿としてしまうのでよけいに強烈)、歌とラップを自由自在に行き来するフリーダムなマナとカナのボーカル、「どこの腕利きおっさんミュージシャンだよ?」と突っ込みたくなるような、ユウキとユナの2人によるエッジ利きまくりのグルーヴ(これは本当にすごい)。 このバンドは一つひとつのキャラ [続きを読む]
  • DYGL 『Say Goodbye To Memory Den』
  • あえて今の時代に「ギターロック」を選ぶ痛快さ 先週に続いて今週も2017年の良かったアルバム(17年が終わってから紹介するのも間の抜けた話なのですが)。DYGLの1stアルバム『Say Goodbye To Memory Den』です。 DYGLと書いて「デイグロー」と読みます。メンバーは4人。日本のバンドです。 が、僕は最初、海外のバンドだと勘違いしました。元スーパーカーのナカコー(中村弘二)が以前、「最初の1音だけで日本のアーティストか [続きを読む]
  • Flyte 『The Loved Ones』
  • オシャレをしない「普段着」の新世代「ノームコア」という言葉を知っていますか?元々はファッションから生まれた言葉で、「normal」を意味する“ノーム”に、「hardcore」などで使われる“コア”をくっつけた、「究極の普通」「筋金入りの普通」などと訳される造語です。 ノームコアファッションのアイコンとされるのがスティーブ・ジョブズで、彼はいつでも黒のセーターにジーンズ、白いスニーカーという超普通なスタイルを崩し [続きを読む]
  • The Cranberries 『Bury The Hatchet』
  • さようなら、僕の「17年前の記憶」 アイルランドの4人組、クランベリーズが1999年にリリースしたアルバム『Bury The Hatchet』のなかに<You And Me>という曲があります。以前このブログで、劇団での「選曲」の話を書いたことがありますが、僕が劇団で初めてオリジナルの戯曲を書いた作品で、物語のクライマックスで流したのが、この<You And Me>でした。今からもう17年近くも前になります。 初めて自分の手で物語を書いて、 [続きを読む]
  • 映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』
  • 「捨て去るべき過去」と「捨ててはいけない過去」『スター・ウォーズ』シリーズの最新作、『エピソード8/最後のジェダイ』を見てきました。公開から1か月経ったので、ネタバレありで感想を書いてみます。 今回の作品は前作エピソード7以上に賛否両論みたいですね。僕の職場にも熱狂的なファンのおじさんがいるのですが、彼は猛烈な否定論者でした。その根拠は、劇中の「過去を葬れ」という台詞に端的に表れているように、このエピ [続きを読む]
  • 2017年12月の3冊 〜謎の一族「豊島氏」を追って〜
  • ※中野区松が丘2丁目に立つ江古田原沼袋古戦場碑 秩父に河越(川越)、葛西に渋谷、江戸に河崎(川崎)…。かつての武蔵国である東京・埼玉・神奈川北部には、現在地名として残っている名前を苗字とした一族があちこちにいました。なので、謎の一族「豊島氏」を最初に知ったときも、豊島区という名前の由来になった一族、つまりは現在の池袋のあたりを治めていた小領主なのだろうと想像していました。 ところが、それからしばら [続きを読む]
  • Spotifyを1年使ってあれこれ思うこと
  •  去年の新年1回目の記事は、Spotifyの日本版ローンチを機に、それまで忌避していた定額制音楽配信ストリーミングサービスに手を出してみた…という内容でした。2016.1.5の記事:ついに「ストリーミング配信」に手を出したあれからちょうど1年。今回はSpotifyを実際に1年間使い続けてみて感じたことをいくつか書いてみたいと思います。アーティストを「手軽に深堀り」できるのは便利 Spotifyを使っていて僕が一番便利だなあと思う [続きを読む]
  • Chuck Berry 『Chuck』
  • 「納豆とご飯とみそ汁」さえあればいい 大林宣彦監督の映画『青春デンデケデケデケ』(1992年)のラストで、林泰文演じる主人公のちっくんが、文化祭のステージで最後に演奏する曲をこう紹介します。世界のロックのなかで、1つだけ挙げてみぃ言われたら…。それではみなさん、感謝の気持ちを込めて精一杯歌います。<ジョニー・B・グッド>。 14、5歳の頃だったと思います。この映画のこのセリフで、僕は人生で初めて「チャック [続きを読む]
  • 2017年大河ドラマ『おんな城主 直虎』<Reprise>
  • 全てが地味なはずの「マイナー大河」が大河ドラマの未来を拓いた 今年の大河ドラマ『おんな城主 直虎』が終わりました。放映開始直後の記事で僕は「過去の大河ドラマとは別物なんだと分からせてくれた(でも僕は「過去の大河」の方が好きだけど)」という、極めて消極的で個人的な評価をしました。しかし、1年間の放送を見終えた今、僕はこの当初の評価を全力で撤回します。『直虎』という作品は、僕が思ってたよりもはるかに素晴 [続きを読む]
  • Sia 『Everyday Is Christmas』
  • 現代のオリジナルクリスマスソングは「クラシックナンバー」たりうるか 今年買ったクリスマスアルバムは3枚。 1枚目はエルヴィス・プレスリーの『Christmas With Elvis And The Royal Philharmonic Orchestra』。タイトルの通り、エルヴィスがクリスマススタンダードを歌い、そのバックをロンドンのロイヤルフィルが務めたアルバムです。 実際に両者が共演したわけではなく、エルヴィスが50年代に作ったクリスマスアルバムのボ [続きを読む]
  • Fazerdaze 『Morningside』
  • 「一人きり」であることがパーティーよりも親密さを生むこともある ニュージーランドのウェリントンで、ヨーロッパ系の父とインドネシア人の母のもとに生まれたアメリア・マーレイは、14歳のときに両親が離婚したことをきっかけに音楽にのめりこむようになりました。そして19歳のとき、それまで活動していたバンドが解散したのを機に宅録を開始。「Fazerdaze」という名前でソロ活動を始めました。 17年6月にリリースされた『Morn [続きを読む]
  • Hi-STANDARD 『The Gift』
  • 「裏切ったやつら」にもう一度会いたくなった 少し前の話ですが、Ken Yokoyamaがアルバム『Sentimental Trash』をリリースした頃(15年)、横山健のメディア露出が急激に増えました。かつては「TVに出たら魂を売ったと思ってくれていい」とまで言っていた彼が、『ミュージック・ステーション』をはじめ、地上波の音楽番組に顔を見せました。 その背景には、「ロックがこのまま廃れてしまうのを、ただ黙って見ていていいのか」と [続きを読む]
  • 銀杏BOYZ日本武道館公演「日本の銀杏好きの集まり」
  • 「そこにいるマイ・フレンド」は僕自身のことでした アンコールが終わって客席の電気が着くと、僕の席の近くにいた女の子が「こんなに泣くと思わなかった」と呟きました。一緒にライブを見てた妻も「これまでで一番泣いたライブだった」と言いました。そして僕にとっても、初めてポール・マッカートニーを生で見た2013年の東京ドーム公演を超えて、過去一番泣いたライブになりました。 銀杏BOYZの武道館公演「日本の銀杏好きの集 [続きを読む]
  • HAPPY 『Stone Free』
  • 成長や進化なんていう能天気な言葉は使いたくない 京都出身の5人組、HAPPYの1stフルアルバム『Hello』は、僕にとっては100点満点といっていいアルバムでした。リリース時にこのブログでもがっつりと書きましたが、「この人たちは僕のために曲を書いてるんじゃないか?」と感じるくらいに、全ての音がピタッとハマりました。その快感といってもいい感覚は、3年経った今聴き直してみても変わりません。 そうなのです、もう3年も前 [続きを読む]
  • Christopher Owens 『A New Testament』
  • 源流をたどって再発見した「白人アメリカンポップス」の血 米インディーロックバンド、Girlsが2009年に1st『Album』をリリースしたとき、かなり話題になったし実際に何度か試聴したのですが、そのときはいまいち僕には響きませんでした。09年というと、ちょうどペインズと同期になるわけですが、ある意味「ど」がつくほどシンプルなペインズに比べて、屈折して陰影のあるGirlsには食指が動かなかったのかもしれません。 とにかく [続きを読む]
  • The Crotches 『Ein Ahot La Mifsaot』
  • 「ミサイルの下で書いた曲」はどこまでもポップだった イスラエルの3ピース、The Crotches。出身はイスラエルだけど活動拠点は欧米、というパターンではなく、所属するGarzen Recordsもテルアビブのレーベルですし、Facebook見てると、実際現地で頻繁にイベントやったりライブしたりしてるので、正真正銘、イスラエルで活動中のバンドです。「イスラエルにバンドがいる」ということ自体が正直驚きでした、でも、さらに驚いたのは [続きを読む]