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  • 節目

    私がこれまで出会った人たちは本当に素敵な人ばかりで、私は彼らを誇りに思う。

  • 「約束の地」で

    頻繁に通っているわけではないが、気に入って行く喫茶店がもうひとつある。そこはいつも静かで、薄暗く、緩やかに時間が流れている。 カウンターの右端、店の一番奥で昨日図書館で借りたカフカを読み始めてしばらく経った頃、常連らしき中年の男性がやって

  • 濡れる足下、乾く髪

      「6月は、スウェーデンの人たちが待ち望んでいた、短い夏の始まり。」 という言葉が、ラジオから聞こえてきたのはつい最近のこと。でも、気がつけばもう7月が終わろうとしている。季節はぼやぼやしているとあっという間に過ぎ去ってしまう。

  • 境目のない、心地よい夜。

      そういえば去年の今頃にも同じようなことを思っていた。正確に言えば去年の一週間前の火曜日、4月10日のことだけれど、こうやって遡って“日付”を確認してみてたところであまり意味のないことのような気がする。それでも、いやだからか、

  • 遅い朝ごはん、早めの昼食。

      台所、ガスコンロのあたりから銀色の音がする。 冷蔵庫のわずかな振動で/壁にかけられた/昨日買った タマゴスライサーが放つ音だった。

  • 温室の写真

      棚の奥に追いやられた写真や、ノートの切れ端にかかれた言葉。あるいは古本屋にある、かつては誰かのものであり今は誰のものでもない写真、喫茶店の壁や校舎のかたすみに刻まれた言葉。 撮られたことも書かれたことも、主人にすっかり忘れ去ら

  • 追記

      海外から手紙を貰うのは初めてのことで、12月28日のイタリアから手紙がやってきたことにしみじみ驚く。彼女から郵便物が届くのはこれで3回目、とても幸福な気持ちになる。やるべきことが終わったらゆっくり返事を書こう。 おじさんの歌声

  • 夜にとどいて、朝にはじまる

      午後八時、イタリアから絵葉書が届く。 午後十一時、おじさんの歌声。 午前六時、雪かきの音。

  • タイムスリップ、トラベルワープ

    明け方に聞いた声は思い出せないまま遠のくばかりで ここ数日の夢は掴みきれないまま、 ぼんやりとした感覚だけが残っている。 実感を伴わない感触は、反復しないとすぐに忘れてしまう。 「立ち止まっているから、風の音ばかり気になるんだよ」

  • 「待っているのは、欲深くて惨めだ」

      書いて、話して、発信してください。 と、安全な場所で待っていても何も“起こらない” 最近考えること 1、書かれた言葉と話された言葉 2、指向性 3、覚悟

  • もうすぐそこに

     「風がきもちいい夜だから」と 母に手を引かれて小さな女の子が 夏のはじまりを歌ったので 今年は素敵な夏休みになりそうです。

  • 昨日の夕方、今日の深夜。

    「そういうことをのばなしにしていたヤマモトシュウジにいちばんせきにんがある。」と、窓の外の人は見えない誰かに話しており、「ファッキングモンタナビッチ。」と、自転車に乗った人がこれまた見えない誰かと話している。私は道に迷って、いくつかの公園を

  • 夜にケーキ。

    なかなか減らないレモンのマーマーレードでパウンドケーキを作る。甘すぎず、美味しい。そして簡単で、覚えやすい。なんとなく、夜に食べるのが向いているケーキだなと思う。ちょうど今日みたいな夜に。 最近書き留めて置きたい瞬間がたくさんあって、でも

  • 誰かが夢の中で語るには、

      バナナを運ぶためだけに造られた船というものがあって、そこでは純粋にバナナの匂いしかしないそうだ。熟れたバナナの匂いや、青いバナナの匂い。 バナナ船が寄港する町では、船が停泊するあいだ、町中が甘い香りで満たされる。(もちろん船が

  • 父からのメール

    境目のない、心地よいよる。メールが届く。 父の書く文章はいつもとても素敵だ。 決まって最初と最後に名前を書いてくれる。例えばこんなふうに。 ◯◯ ◯◯◯様 本文二行 ◯◯ ◯◯(父) 必要最低限のことだけで言葉を飾らない。穏やかだ、と思う

  • 家具の音楽

    新しいまちは、日が落ちると林檎の甘い香りが漂う。 そして、何かを落としてしまった小さな男の子がにこりと走り去っていくのだ。 いいところに越してきたなと思う。この部屋もとても好きだ。

  • 五色の沼とダリ

      小さい頃に、家族で旅行したことを思い出す。あまり旅行をする家ではなかったので(といっても世の中の家族がどれくらい旅行をするものなのかしらないけど)記憶に残っている。 とりわけ印象に残っているのは福島に行ったときのこと。その旅行

  • 恥ずかしながら

    誰が読んでいるのか分からないけど、読んでくれている人は私にとって大切な人たちだと思うので。 懐かしくなってしまう前に会いましょう。 それでもきっと、今までより会う機会が減ってしまうでしょうから。 今日卒業する人も、もう卒業してしまった人も

  • ベットの上で窓に向かって座る女の人の絵

    どこで見たかも誰の作品だったかも思い出せない。思い出そうとして、記憶をたどればたどるほどあやふやになっていく。(そもそも絵だったのか、座っていたのか立っていたのか、私はほんとうにそれを見たんだろうか?全く確信が持てない。) でも水色とオレ

  • ここ1週間で学んだこと

    1、雨の日は喫茶店に行けばよい。2、ペンを常備すること。(紙は常に準備されているが書くものがなければどうしようもない)3、私たちは迂闊に眠ってはならない。(たとえそこが管理された公園の中であっても)

  • マヨネーズのなぞ

      電車の中で本を読む人を見ていて、“本を読んでいる姿”というのははたから見ると不思議なものだ思った。かくいう私も左手に本を持っていたけれど。 文章を書くのが苦手だ、と思う。緊張してぺらぺら話したり、急いで適当に言葉を書いたときの

  • 「ビートルズを語るならリバプールに行って体感しろ」

      酔いどれじいさんはなにかにつけて体感しろと言い続けた。そして帰り際におばさんにクソジジイといわれ、お兄さんに二度と来るんじゃねえと吐き捨てられる。 彼の話はほとんどがつまらないものばかりだったけれど、「TGVの一号車両で別世界

  • 深夜便で、

      加山雄三の声が届く頃、チェックの赤いシャツを着たおじさんが中華鍋を振っている。やけにモードな髪型のおばさんは12個の卵をボールに移し替えてお皿を準備し、出来上がりを待っている。 ラーメンはちゃんと500円分の美味しさで、私は“

  • はてさて。

      「人がほんとじゃないなら、何がほんとなの、と、しおんに訊いてみたことがあります。しおんはあっさり微笑んで、物語よ、とこたえました。物語があるだけなの。それがぐるぐるまわっていてね、人なんて、それを運んでいるだけなのよ。」ー『夕

  • すべては距離の問題で、

      時間と、記憶と、社会学と、感覚と、言葉と。(私はいつも距離を測りかねている。) 距離について考えることがどれほど有用なのかは分からないけれど、近づいたり離れたりする“それ”について考えざるを得ないなと思う。言葉にできそうにもな

  • 終わりのない物語

      「素敵な名前ですね。」そういってくれたのはあなたで二人目です、美容師のお兄さん。 着陸できない無数の飛行機が、真昼の上空を飛んでいる。それらは形を変えて、ほかのもの、すべてに変わる。けれどもなんの前触れもなく静かに変わってし

  • 「映画館は僕らの大学」

      いつかの火曜日、渋谷にて。椅子と身体がくっついてしまうくらいに映画を観た日。(でも本当はくっつくというよりはむしろ離れていく感じがした。たいていそうだ。) 映画館に向かう途中の道で先輩が私にいった言葉。彼は端的に人の心をとらえ

  • 細い手首をてにいれたら、

      伸ばしていた髪をきって、それからどこかへいこう。 お財布が入るだけの小さなポシェットをもって、どこかにいこう。 出来るだけ身軽に。かるく、かるくなって。 ちょうどその日がはれていたら最高だな。 要は太ったということです。冬

  • 最後まで書けない夢の話。

      金曜の昼下がり図書館でみた夢の話。教訓めいた少女の物語。 本を開くと緑色の澄んだ湖がみえる。その中では風が絶えず穏やかに吹いていて、少女の髪がなびくように赤と青が走り去る。 本を開く彼の名前はオッパラというらしい。 学生たち

  • 究極のカレーと長いようで短い一日。

      友達にマレーシアのお土産を貰った。とてもいい香りのする黄色い蝋燭。 たいていの物は今じゃどこでも手に入るけど、彼が/彼女が私の知らない土地で、それを手に取り持ちかえって来てくれたことがとてもうれしい。(袋にはなぜか吉祥寺のお店

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