いちたすには さん プロフィール

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いちたすにはさん: 米米米 こどもべやのうさぎ 米米米
ハンドル名いちたすには さん
ブログタイトル米米米 こどもべやのうさぎ 米米米
ブログURLhttp://blog.goo.ne.jp/usagiusagiusagiusagi/
サイト紹介文ストーカーに苦しみながらも明るく前向きな女の子のお話です。一緒に考え悩み笑っていただければ幸いです。
自由文褒めると気を好くして図に乗るタイプなので
お叱りのレスはご遠慮願います。
社交辞令・お世辞・甘言は大好物です。
甘やかして太らせてからお召し上がり下さい。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供237回 / 196日(平均8.5回/週) - 参加 2009/04/15 04:26

いちたすには さんのブログ記事

  • ■鉄の匂い235■
  • 夜が更けるまでこのパチモン倉庫で過ごした。居留守を使った以上、人の出があっては不味い。黒人は、もともと用がなかったのかそれとも『僕』に気遣ってくれたのか、夜まで外出を控えてくれた。静かに湯を沸かし、カップ麺も食べさせてくれた。血塗れの服も処分... [続きを読む]
  • ■鉄の匂い234■
  • 何処をどう逃げたのか。気が付くと『僕』はボロアパート群の敷地に入り込んでいた。築50年は経っているであろう木造板葺きセメント瓦の長屋アパート。樋は歪み、板壁は腐り、割れた瓦が落ちている。全てが錆び、全てが苔むしていた。湿った土で人が歩いた形跡... [続きを読む]
  • ■鉄の匂い233■
  • 部屋を借りるとか、ホテルに泊まるとか、そういう発想はなかった。名前を書いたらナンバーにバレるんじゃないか不安だったから。着替えや身の回り品は常に全部持ち歩き、コインシャワーとコインランドリーで入浴洗濯を済ませ、極力社会との接触を断った。それで上... [続きを読む]
  • ■鉄の匂い232■
  • 話が逸れてしまった。それだけ『僕』が用心深く、いや、神経過敏になっているという表れなのだろう。潜むも逃げるも、まず雰囲気を知らねばと思い、駅から競艇場行のバスに乗り込む。地味な色合いのファッションに身を包んだおっさん達が、これから始まる他人の勝... [続きを読む]
  • ■鉄の匂い231■
  • 前科があると就職は難しい。それは職によるだろう。古物商や金融業などの警察とツーカーの業種でなければ、テレビで放映された事件でもない限り黙っていれば分からない。前科は既決犯罪者台帳という犯歴カードには記されるが、履歴書に前科を書かなくても詐称には... [続きを読む]
  • ■鉄の匂い230■
  • 園子の遺体は、埋めずにソファに寝かせたままで出た。一応、中腹まで下って詰んだ花を供えたが。何故、埋葬しなかったのか。空腹でその体力がなかったからではない。これまでに殺してきた者と同じ扱いにはしたくなかったから。身寄りのない園子は、遺体が発見さ... [続きを読む]
  • ■鉄の匂い229■
  • 横になったままの何回目かの夜。外から何かの呼吸が聞こえた。何かが雑草を掻き分けて家の周りを歩き回っている。枯れ枝を踏む音からその何かは人間だと分かった。アンモニア臭が漂ってくる。どうやら浮浪者が雨露凌げる軒下を捜して迷い込んできたらしい。3... [続きを読む]
  • ■鉄の匂い228■
  • 死んだ園子を日が暮れるまで見ていた。暗くなって見えなくなったから、朝からずっと見ていたまんまだったことに気付いたのだが。その日はそのままソファの下に寝た。翌朝、日が昇ってもソファの下に寝たままでいた。もう起き上がるのも億劫だった。園子を失い支... [続きを読む]
  • ■鉄の匂い227■
  • 湯船の縁に脚を取られて湯船に倒れ込む園子。「みっつめは、みっつめは、これが一番の望みで、これだけは叶えて欲しかった。 みっつめの私のお願いは、最後の時を貴方の傍で迎えたい…」園子の目は潤んでいたが口元には笑みが浮かんでいた。「幸せのまま逝ける。... [続きを読む]
  • ■鉄の匂い226■
  • いや。 それは嘘だった。『僕』は最初から園子を玩具として手に入れようとしていた。使い込み過ぎて壊れたミッシャーという玩具の代わりに。途中、自分の都合で園子を人として見た期間もあったが、人として見た期間があるということ自体が、『僕』の腐った性根の... [続きを読む]
  • ■鉄の匂い225■
  • どんなにしらばくれても殺意を隠すことはできない。男の劣情に敏感な園子は『僕』の卑しい計画にも勘付いた。こうなったら処分は急いだ方がいい。逃げられでもしたら面倒だから。しかし園子は『僕』の傍を離れなかった。空腹でふらふらしながらも、洗濯や掃除な... [続きを読む]
  • ■鉄の匂い224■
  • 一月ほど経ち、ついに金が底をついた。もうパンを買う金もない。沢の水を飲んで空腹を紛らわしたが、それも限界が近い。働くか盗むかしないと生き長らえることはもう出来ない。働くには園子を此処に置いて行かなければならない。まさかこの電気も無い廃屋で内職... [続きを読む]
  • ■鉄の匂い223■
  • 朝の買い物を園子ひとりに行かせる。夕方の風呂も帰りのコンビニも。昼間も昼寝をしてる振りや散歩に出かけた振りをして園子を廃屋にひとりにしておく。その間、後を付けたり様子を伺ったりして潔白を確認する。しかし計画は初日の朝から頓挫した。園子はひとり... [続きを読む]
  • ■鉄の匂い221■
  • 座ったままで碌に寝れなかった疲れと、行く宛の無い行軍への悲観、怨言は言わないが身体が悲鳴をあげる園子の空腹。店員が1人しか居ないファミレスに入った。モーニングを2人分頼み、付いてくるドリンクバーで温かいミルクを汲んで園子に飲ませる。園子は一言も... [続きを読む]
  • ■鉄の匂い220■
  • 更に電車を乗り継ぎ、線路は単線になり駅は無人改札になった。人気(ひとけ)の無い暗い駅をいくつか過ぎると、電車は進行方向が真っ暗な終点に着いた。駅前のバス停の運行表は、一時間に2本程度しかバスが来ないことを示していて、最後のバスは出た後だった。街灯... [続きを読む]
  • ■鉄の匂い219■
  • 当然の報いというか既に予言されていたことが現実となり、自業自得で追い込まれている『僕』に奇跡が起こった。屠られようとしていた食用動物が牧畜家の気紛れでペットになるくらいの霊異だ。まず、ミッシャーが生きて働いていたことに驚いた。ミッシャーは、身体... [続きを読む]
  • ■鉄の匂い218■
  • 気が付くと『僕』はカップ麺の前に正座していた。カップ麺はメーカー推奨の待ち時間を大幅に超過し、蓋を持ち上げる勢いで伸びている。侍税理士は、税務の観察眼でここが近々ガサ入れを食らうことを予想していた。立場上言えないその貴重な情報を閉鎖と濁して『僕... [続きを読む]
  • ■鉄の匂い217■
  • ハモン・デ・イベリコ・ベジョータというのが美味しいらしい。イベリコ半島で作られるドングリだけを食べさせた黒豚の生ハムで、牛肉と見紛う程に濃赤色の肉に繊細なサシが特徴。じゃあ牛肉でいいじゃんってツッコミはなしで。普通にスーパーで売ってる生ハムでさ... [続きを読む]
  • ■鉄の匂い216■
  • ナンバーが来るのは、今週末だという通達が。部屋の掃除や住人への対応などの面倒なことが一通り片付いてから。法的にも追及されない高みの見物。高収入が見込めなくなったこの脱法滞在者住宅は、暫くは通常のマンションとして賃貸。後始末など、扱き使えるだけ... [続きを読む]
  • ■鉄の匂い215■
  • 警察や近隣の目を気にしながらの撤退。しかも逮捕や逃走で人手は足りない。飯食う暇や休む間も惜しんで動き回った。その間、ナンバーは一度も顔を出さなかった。又貸しの又貸しで、知らない間に不法就労者の巣窟にされていましたという体のナンバー。『僕』と接... [続きを読む]
  • ■鉄の匂い214■
  • 取り決めておいた緊急時の手筈に追われ、園子の安否を確認する暇がない。損害を最小限に食い止める為には、園子を優先する訳にはいかないからだ。まだ薄暗い中、繁華街から少し外れた古いマンションは、静寂に包まれた騒動で混乱していた。建物の周りや共用廊下や... [続きを読む]
  • ■鉄の匂い213■
  • しかし世の中は思う様にはいかないもので、願うとそれは終わりの時が来てしまう。半分目を瞑って夢を見る様なこの生活が、長く続くはずがなかった。弱い者からの搾取で成り立っていた贅沢な暮らし。虐げられた者は逃走するし逃げ果せた者は密告もする。警察から... [続きを読む]
  • ■鉄の匂い212■
  • そう考えるとやっぱり自首は無理という結論に辿り着く。これまでの犯罪を全て懺悔すれば少年院は免れない。その間の園子の面倒は誰が見るのか。園子は以前の生活に戻るだろう。他に生活の術を知らないから。『僕』以外の男を頼り、『僕』ではない男に抱かれるだ... [続きを読む]
  • ■鉄の匂い211■
  • お母さんは、どんなに時間に追われていても走ってくる橋元くんを笑顔で待ち受け抱きしめた。前にも書いたが、橋元くんの家は決して裕福ではない。生活水準は最下層で貧乏は極め付けだ。だから橋元くんは親も子も清潔ではなく、特に親は油塗れで仕事をしているので... [続きを読む]