アイナット さん プロフィール

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アイナットさん: 読書記録(乱歩の世界)
ハンドル名アイナット さん
ブログタイトル読書記録(乱歩の世界)
ブログURLhttp://ramponosekai.blog54.fc2.com/
サイト紹介文推理小説を中心に読書記録を残していきます。
自由文乱歩の世界(http://inat.cool.ne.jp/rampo/)管理人による読書記録
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供19回 / 365日(平均0.4回/週) - 参加 2009/06/04 18:32

アイナット さんのブログ記事

  • 春期限定いちごタルト事件/米澤穂信/創元推理文庫
  • 長時間電車移動するので手持ち無沙汰防止のために買ったのだが、表紙の示すように恐ろしくライトミステリだった。その分読みやすさは尋常ではなくすらすらと読み終わるのだった。「羊の着ぐるみ」「For your eyes only」「おいしいココアの作り方」「はらふくるるわざ」「孤狼の心」を収録した連作短編となっており、連作短編たるゆえんは表題作の事件となっているのだから長編としても成り立っている。主人公は新しく高校生になっ [続きを読む]
  • 屍人荘の殺人/今村昌弘/東京創元社
  • 第27回鮎川哲也賞受賞作で2017本格ミステリベスト10などで一位という興味を惹起させる帯につられて、ももクロ有安杏果やインパルス板倉などが登壇した富士見市PR大使イベントを観覧するために、たまたま立ち寄っていた富士見市のららぽーと富士見で手に取った一冊。ネタバレ無しでこの小説を語るのは至難の業だ。しかし物語の根幹をなすところもあまり言うのももったいない。ゆえに煮え切らない表現で絶賛することになるが、とにか [続きを読む]
  • 鮎川哲也探偵小説選/鮎川哲也/論創社
  • 大学の時に鮎川哲也ファンになってから待ち望んでいた「白樺荘事件」を遂に読めるということで歓喜の一冊。(鮎哲が亡くなるまでは完成を待っていたのは言うまでもないが、今となっては読めるだけで歓喜だ)しかも60年近くの長らく出版されてなかった「白の恐怖」も読めるのだからたまらない。そもそも「白の恐怖」も初めて読むので感慨深かった。「白の恐怖」は莫大な遺産相続を巡った真冬の山荘物。一癖も二癖もある途上人物達。 [続きを読む]
  • 幻坂/有栖川有栖/角川文庫
  • お馴染み作家であり、2017年度大阪ほんま本大賞受賞作ということで書店で目立つ位置に積まれていたので、手に取った一冊。大阪で住んでいながら大坂と呼ばれていたことも良く存じていながら大阪の坂というのをほとんど意識したことが無かったので興味深かったのもある。天王寺七坂を題材にした怪奇。連作短編集でそれぞれ味わいが全く異なるのが凄みを感じさせる。実在する天王寺七坂の「清水坂」「愛染坂」「源聖寺坂」「口縄坂」 [続きを読む]
  • シャーロック・ホームズ対伊藤博文/松岡圭祐/講談社文庫
  • 司法の独立を守ったことで歴史的意義が大きい有名な大津事件に、まさかホームズが挑む展開に。もっと巫山戯た内容かと思いきや、伊藤博文との出会いから伊藤の作中の活躍も含めて、ホームズが非常に歴史に溶け込んだ活躍を魅せてくれるのだから素晴らしい。こんな大津事件にはじまって、こんな深い陰謀を思い浮かぶところが凄まじい。ホームズを知る歴史ファンにとってはとんでもない宝物のような長編ミステリー! [続きを読む]
  • 湖底のまつり/泡坂妻夫/創元推理文庫
  • 40年前の作品とは信じがたいレベル。田舎へ旅立った香島紀子は苦痛を味わった精神と肉体を癒やす目的だった。そこで川の増水に遭い、命からがら助けてもらった相手、救出主の埴田晃二と愛し合う関係にまで発展する。ところが翌朝になると埴田晃二は消え去り、しかも数ヶ月も前に死亡していることが判明する。そこから物語は、この官能的で夢のような謎を残したまま、舞台だけはそのままに過去から現在へ続いていくのだが、その進め [続きを読む]
  • 春から夏、やがて冬/文春文庫/歌野晶午
  • スーパーの保安をしていた主人公の平田は万引き女の末永ますみの年齢が死んだ娘と同じことから、つい警察へ突き出さずにあっさり返してしまった。平田の人生と末永ますみ、二人の幸福とは言いがたい人生が交錯したことより、不思議な結末へ導かれていく。本格ミステリ作家の歌野作品として読むと、非常に物足りない。文庫本の裏表紙には究極の結末とあるが、どうにもさすがに納得しかねるものが残る。確かに究極には違いないのだろ [続きを読む]
  • 奇面館の殺人(上)(下)/綾辻行人/講談社文庫
  • 綾辻の熱烈ファンというわけではないから、分厚い暗黒館をスルーしたため、10年ぶりくらいに読んだかもしれない館シリーズ。それでも本格ミステリファンにとっては期待と安心のシリーズであり、15年〜20年近く前に読んだ初期の館シリーズと比しても遜色ないどころか、その奇抜な設定にあっても、明快なまでにオーソドックスな本格なところは嬉しい作品だったと言える。奇面館の主人は自分も含めて顔の表情に恐怖する人間。それでい [続きを読む]
  • ダブルミステリ/芦辺拓/東京創元社
  • 2つのタイトルを持つ作品が表と裏に配置。複数のプロットが平行して展開していく作品は数多いが、このように明確に作品タイトルをわけたものが表裏に配置され、そしてだからこそのトリック効果を生み出しているとは恐るべき作品本格ミステリの新境地を切り開いているといっても過言ではない。表は「月琴亭の殺人」という表題であり、お馴染みの森江春策が冒頭から登場するオーソドックスとも言える孤立した館もの。不思議な手紙に [続きを読む]
  • 楽譜と旅する男/芦辺拓/光文社
  • 楽譜を巡る短編集。その楽譜と旅する男の神秘的な設定、そしてそれまでの事件を踏まえた上での最後の事件での談話が楽しい。収録作品は物悲しい「曽祖叔母オパールの物語」、天高い「ザルツブルクの自動風琴」、幻想の高みへ「城塞の亡霊」、現実の戦慄「三重十字の旗のもとに」、白昼の夢「西太后のためのオペラ」、ラストに相応しい心地よさ「悲喜劇ならばディオラマ座」。神秘と幻想、そして悲しさも混ざる現実、これらが作品ご [続きを読む]
  • 蟇屋敷の殺人/甲賀三郎/河出文庫
  • 胴体が首が日本刀でスパッと切り離した死体が東京のど真ん中で発見されるという冒頭。しかもその死体と思わしき熊丸猛が別に生きているというのだがら既に奇々怪々なのだ。その熊丸の屋敷が蟇屋敷であり、多数の蟇が邸内に飼われているという異常な屋敷となっている。主人公の探偵小説家は、かつての教え子の娘が蟇屋敷で秘書をしたこともあり、事件に深く関わろうとするが...という展開。東京横浜大阪と舞台は幅広く、主人公たち [続きを読む]
  • 明智小五郎事件簿Ⅰ/江戸川乱歩/集英社文庫
  • 久々に乱歩を再読したくなり、懐かしの平山雄一氏の年代記付きだったので、本シリーズを新規購入。やはり江戸川乱歩を読むと、凄みも小説としての読みやすさも群を抜いていると思わずにはいられない。収録作は「D坂の殺人事件」「幽霊」「黒手組」「心理試験」「屋根裏の散歩者」。特に「心理試験」「屋根裏の散歩者」の完成度は改めて読んでも圧倒的だ。本シリーズは時代の流れを読めるので、その点も楽しい。 [続きを読む]
  • 獏鸚/海野十三/創元推理文庫
  • 日下三蔵編の「名探偵帆村荘六の事件簿」作品集。収録作品は「麻雀殺人事件」/「省線電車の射撃手」/「ネオン横丁殺人事件」/「振動魔」/「爬虫館事件」/「赤外線男」/「点眼器殺人事件」/「俘囚」/「人間灰」/「獏鸚」底本となった21世紀初頭のちくま文庫版も読了しているため、約15年ぶりの再読になる。その時の感想記事はこちらに残しているバリエーションに富んでいるが、やはりこの作者のものはSFや怪奇要素が強い作 [続きを読む]
  • 幽霊塔/江戸川乱歩、カラー口絵宮崎駿/岩波書店
  • 幽霊塔はもう5回目くらいだとは思うが、この本はカバーだけではない。冒頭16ページにも及ぶとても細かいカラー漫画。それが宮崎駿と幽霊塔との出会い、そしてその元になった黒岩涙香版、さらには原作「灰色の女」に至るまで。「カリオストロの城」を作る切っ掛けとなった「幽霊塔」というばかりではない。それは宮崎駿の原点とも言える貴重な漫画となっているのだ。そして幽霊塔の冒頭の出会いの絵コンテまで。さて、肝心の幽霊塔 [続きを読む]
  • Dの殺人事件、まことに恐ろしきは/歌野晶午/角川書店
  • 江戸川乱歩の小説を現在風にオマージュした歌野晶午の短編集ということなのだろう。どうにも味付けがおかしな方向へ行ってる点も気になる作品があるが、いくつかは上手くいっている。「椅子? 人間!」は乱歩「人間椅子」に対する歌野の回答。人間椅子の活用という意味ではオマージュ度は高いが、「人間椅子」に対してはオマージュ度はとても低いと言える。恨みつらみの結果、女流作家に仕掛けたおそるべき罠。これは結末は見せる [続きを読む]
  • 甲賀三郎探偵小説選Ⅱ/甲賀三郎/論創社
  • デビュー作から、気早の惣太シリーズも全て収録し、戦時中の作品で甲賀最後の連載長編と目される「朔風」も収録するなど甲賀の本流というよりは異色作に偏り風味ではあるがバラエティに飛んだラインナップとなっているのが甲賀三郎探偵小説選Ⅱだ。冒頭に収録はデビュー作でもある「真珠塔の秘密」「カナリヤの秘密」は甲賀が生み出した最初の名探偵、橋本敏の作品集となっている。ホームズ式のフォーマットを踏襲したかのような作 [続きを読む]
  • 小酒井不木探偵小説選/小酒井不木/論創社
  • 少年科学探偵の塚原俊夫くんシリーズを集成した一冊だ。不木のイメージとは程遠い本格探偵小説志向の作品群であり、少年ものとは思えないクオリティとなっている。それというのもあまりにも名探偵の塚原俊夫くんなのだが、科学探偵というだけに、紫外線で真偽を見極めたり、埃から証拠を得たり、倒叙探偵小説的な作品もあったり、トリックを交えつつも論理的な展開がとても少年ものとは思えない出来栄えなのだ。その俊夫くんを筆頭 [続きを読む]
  • 葛山二郎探偵小説選/論創社
  • 名作「赤いペンキを買った女」「影に聴く瞳」「霧の夜道」「骨」など葛山二郎が世に出した全ての作品を集成した1冊。大正十二年に『新趣味』で「噂と真相」で懸賞デビュー後、昭和二年に改めて『新青年』から「股から覗く」で再デビューを果たしている。本書はほぼ昭和初期の作品を中心に戦後の数作まで収録したラインナップとなっている。シリーズキャラクターは半分以上の作品に登場する花堂弁護士。個人的にもっとも気に入った [続きを読む]
  • 金田一耕助、パノラマ島へ行く/芦辺拓/角川文庫
  • 表題作と「明智小五郎、獄門島へ行く」の二つの中編を収録した作品集。安心して楽しんで読める芦辺拓版の明智小五郎と金田一耕助ものだ。パノラマ島は言わずとしれた「パノラマ島奇談」であり、その後日談のような体となっており、パノラマ島の行く末が楽しくも、物悲しくも、あの作品について考えさせられもする。明智ファン=金田一ファンでは決してないので、片方しか知らない人への配慮なのだろう。一応超有名な両作ともネタバ [続きを読む]
  • まほろ市の殺人/祥伝社文庫
  • 倉知淳、我孫子武丸、麻耶雄嵩、有栖川有栖が、春夏秋冬に同じまほろ市を舞台にした中編を書いた作品集。倉知淳は春「無節操な殺人」、マンションのベランダから突き落とした筈の見知らぬ他人は消え去っていた。という怪奇事件、そしてバラバラ殺人事件。凄惨な事件とは裏腹に何ともライトな雰囲気で進むある意味ホラーな作品だ。まぁ軽い我孫子武丸は夏「夏に散る花」 処女作のみ一応書店に並んだ程度の作家に届いたファンレター [続きを読む]
  • 星籠の海/島田荘司/講談社文庫
  • 1993年舞台の割には世紀末くらいを彷彿させてしまう携帯電話が出てきたり、唐突な原発批判だとかナンセンスな挿入文には少しの違和感。ともあれ、同じ島に死体が多数流れてくるという導入部は素晴らしく、そこから瀬戸内海を、福山を、駆ける御手洗潔と石岡和己のコンビは読んでいて楽しい物がある。瀬戸内海を巡る話で、村上水軍、そして阿部正弘の再評価に繋がるところも歴史好きとしても楽しい。フィクションの星籠の謎も想像が [続きを読む]
  • 横溝正史探偵小説選Ⅴ/横溝正史/論創社
  • ちょっと一般人に勧めるにはあまりにもマニアックにすぎる作品集。まぁそういう数ある横溝作品の中でもいまだに日の目を見ていなかった作品を発掘して載せているのだから必然といえる。冒頭作「探偵小僧」は圧倒的なスピーディさで事件が次から次へと起こる三津木俊助と御子柴進もので、びゃくろう仮面との対決となっている。本書にも収録されているように、この展開の速さを自然に受け入れられるのが挿絵であり、実に効果的だ。そ [続きを読む]
  • あぶない叔父さん/麻耶雄嵩/新潮社
  • まさにタイトルどおり、やばすぎる叔父さんなのが、もはや笑うところ。トリックもバカバカしいものが目立つ。危ないまでのシュールなお笑い探偵小説と言える。短編集であり収録作は以下の通り・失くした御守・転校生と放火魔・最後の海・旧友・あかずの扉・藁をも掴む主人公は高校生の優斗なのだが、この主人公も相当やばい。エゴイストというよりは優柔不断、行動力があるのかないのかわからんが、二股やろーなのだ。彼女ともどう [続きを読む]
  • 奇談蒐集家/太田忠司/創元推理文庫
  • 自分自身が体験した奇談を話してくれる客人を募集している不思議な新聞広告。高額報酬ありだが審査あり。その奇談を募集しているのは恵美酒というちょびひげ紳士と氷坂なる助手なのだが。現実のものとも思えない不思議な話を、現実の生々しい事件に昇華させるところが見事。収録作は「自分の影に刺された男」(子供時分から自分の影に怯える男が語った影に襲われた話)「古道具屋の姫君」(鏡に映った幽霊とのロマンス)「不器用な [続きを読む]