ヒデヨシ・アタゴオル さん プロフィール

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ヒデヨシ・アタゴオルさん: ヒデヨシ映画日記
ハンドル名ヒデヨシ・アタゴオル さん
ブログタイトルヒデヨシ映画日記
ブログURLhttp://hideyosi719.blog84.fc2.com/
サイト紹介文好きな映画には偏りがあります。静かな夜の映画とか、世界の果てで彷徨うような映画が好きです。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供56回 / 365日(平均1.1回/週) - 参加 2009/08/30 21:54

ヒデヨシ・アタゴオル さんのブログ記事

  • 「コンビニ人間」村田紗耶香 (文春文庫)
  • 第155回芥川賞を受賞した話題作が文庫化されたので、やっと読んだ。短いので簡単に読めてしまう。タイトルから連想されるほど、突飛なSF的な話ではない。どこにでもある、誰にでもある感覚を、やや誇張して書いた程度だ。「ある役割」を演じているという意味では、誰もが同じであり、彼女の場合は、その「役割」が「コンビニ店員」以外に演じられなくなったというだけだ。そう、人生において、誰もが何かを演じてる。「本当の自 [続きを読む]
  • 「寝ても覚めても」柴崎友香 (河出文庫)
  • 映画に続いて原作を読んでみた。柴崎友香は、以前に読んでことがあったのだが、なんという作品だったか忘れてしまった。とても視覚的・映像的な作家であるのは覚えている。映画が面白かったので、久しぶりに柴崎友香を読んでみた。やはり視覚的・映像的作家だ。今回何よりもその文体の抑制された感じがなんとも好感が持てた。省略の技法、余白。くどくど心理描写や物語が書かれていないのだ。すっと時間が飛んで、すっと展開されて [続きを読む]
  • 「顔たち、ところどころ」アニエス・ヴァルダ、JR
  • (C)Agnes Varda-JR-Cine-Tamaris, Social Animals 2016「ヌーヴェル・ヴァーグの祖母」と呼ばれる88歳を迎えたアニエス・ヴァルダ。元気でチャーミングなおばぁちゃんだ。写真家でもあり、映画監督でもある彼女と34歳の若きアーティスト、JRのロードムービー・アート・ドキュメンタリー。おばぁちゃんと孫ぐらい歳の違う二人が旅をしながら、フランスの田舎町の人々を巻き込んでいくところが面白い。観ていて楽しくなる素敵なド [続きを読む]
  • 東浩紀の「観光客の哲学と公共空間」という講演を聴く
  • 先日、東浩紀の「観光客の哲学と公共空間」という札幌市内の地下歩行空間で行われた無料講演を聴きに行った。東浩紀はゲンロンウェブサイトなどを運営している批評家であり、『ゲンロン0―観光客の哲学』という著書も出し、この本で第71回毎日出版文化賞も受賞している。 東浩紀によると、観光客とは村人(共同体の内)でも、旅人(外)でもない存在であり、観光の時代を迎えている現代にあって、政治思想も社会思想も観光について [続きを読む]
  • 「PASSION」濵口竜介
  • 『寝ても覚めても』の濵口竜介監督が、2008年に東京藝術大学大学院の修了制作として撮った作品。この監督は、「人間の面倒くささ」を徹底して描いている作家なのだと思った。『寝ても覚めても』でも、男女関係が「迷い」とともに複雑化する物語だったが、この『PASSION』もまた、一組の婚約したカップルが、その報告を友人たちに告げた夜から、大きな「迷いと混乱」が始まり、男女のカップルが過去と現在で入り乱れる話だ。 [続きを読む]
  • 「寝ても覚めても」濵口竜介
  • (C)2018「寝ても覚めても」製作委員会/COMME DES CINEMAS二人の男の間を揺れ動く一人の女。この映画もある意味で三角関係の映画だ。濵口竜介という監督は、どこか不穏な空気を描くのがうまい。恋愛映画なのだけれど、ホラー的要素もある。この映画で、麦(東出昌大)が再び朝子(唐田えりか)の前に現れる場面は、ホラーのようだった。これは現実なのか、幻なのか。スターになったはずの麦が、扉を開けると目の前にいて、朝子は混 [続きを読む]
  • 「きみの鳥はうたえる」三宅唱
  • (C)HAKODATE CINEMA IRIS函館出身の作家、芥川賞候補になりながらも41歳で亡くなった佐藤泰志の小説をこれまで3作映画化してきて、これが4作目となる。『海炭市叙景』、『そこのみて光り輝く』、『オーバーフェンス』。そして今回の『きみの鳥はうたえる』(ビールズの"AndYour Bird Can Sing”からのタイトル)。いずれも製作に函館のミニシアター「シネマアイリス」の菅原和博氏が関わっており、函館を舞台にしたみずみずしい [続きを読む]
  • 「菊とギロチン」瀬々敬久
  • (C)2018「菊とギロチン」合同製作舎『ヘブンズ・ストーリー』が4時間38分の長尺だったが、この映画も3時間9分と長い。この長さに瀬々敬久の本気度がうかがえる。『アントキノイノチ』、『64‐ロクヨン‐』、『8年越しの花嫁 奇跡の実話』などメジャーな娯楽映画を撮れる監督だが、瀬々敬久の真骨頂はこっちのマイナーな映画にある。物語の見やすさや俳優のキャラクーよりも、人間をじっくりと掘り下げて描写することに重きをお [続きを読む]
  • 「密使と番人」三宅唱
  • 函館を舞台にした佐藤泰志の同名小説を、柄本佑、染谷将太、石橋静河で青春映画に仕立て上げた新作『きみの鳥はうたえる』が楽しみな三宅唱監督が、時代劇専門チャンネルと日本映画専門チャンネルが製作したオリジナルドラマ。一部、テレビ放送に先行して東京・渋谷ユーロスペースで2週間限定レイトショー上映されたらしい。日本映画専門チャンネルで視聴。物語はシンプル。森の中で逃げる者と追う者たちのサスペンス。台詞は極端 [続きを読む]
  • 「未来のミライ」細田守
  • 「おおかみこどもの雨の雪」「バケモノの子」など家族や子供の成長物語を中心に描いてきた細田守監督の最新作「未来のミライ」もまた、同じように家族と子供の冒険&成長物語だ。ただ、今回はこれまでにも増して、いたって平凡で意外性もない物語で、家族の歴史が連綿とつながっている時空が提示されるだけで、冒険物語としても面白みに欠ける。主役のクンちゃんの声優もハマっているとはいいがたく、これと言って見るべきものがな [続きを読む]
  • 「カメラを止めるな」上田慎一郎
  • (C)ENBUゼミナール話題になっている若い映画監督の日本映画を観た。小さな劇場は満員。立ち見での鑑賞になった。SNSなどで話題沸騰のため、普段来ないような若い人がいっぱい来ていた。「ワンカットでゾンビ映画を撮る映画」ということぐらいしか予備知識がなかったので、前半のゾンビ映画を観て、「なんだこんなもんか。たいしたことなかったな」と帰ろうとしたら、そこからこの映画の真骨頂が始まった。映画製作現場を舞台に [続きを読む]
  • ユリイカ「蓮實重彦」平成29年10月臨時増刊号を読んで(青土社)
  • 1970年代に思春期を迎えた映画好きな者たちにとって、蓮實重彦の映画批評を読んだ者と読んでいない者たちの差は大きい。それだけ蓮實重彦の映画批評は鮮烈であったし、虜になる魅力的なものであった。彼の批評を読んで、その影響を免れる者は少ない。当時、映画好き・シネフィルたちは、ほとんどすべて蓮實重彦の文章の囚われ人であったのではないだろうか。蓮實重彦以前と蓮實重以降が確実に存在している。私もまたその一人であっ [続きを読む]
  • 「正しい日 間違えた日」ホン・サンス
  • (C)2015 Jeonwonsa Film Co. All Rights Reserved.ホン・サンス4作品日本公開上映というなかで、『クレアのカメラ』とこの『正しい日 間違えた日』しか観られなかった。『それから』と『夜の浜辺でひとり』は残念ながら、別の機会になる。特に最新作『それから』が観たかった。残念・・・。ホン・サンスの反復性とズームイン&アウト、パンなどのワンカットで会話劇を撮ろうとする映像表現の抑制については、『クレアのカメラ』の [続きを読む]
  • 「クレアのカメラ」ホン・サンス
  • 韓国のエリック・ロメールことホン・サンス。過剰な熱量から苦手になることが多い韓国映画の中にあって、唯一大好きなホン・サンスのとぼけた味わいの映画。まさにエリック・ロメール的な恋の寓話的な物語。映像は奇妙なズーム・イン、ズーム・バックが多用され、二人の会話はカットバックが省略され、ズームとパンを使い、横から撮り続ける。予算が少ないから、時間も節約してカットを割らないという事情もあるのだろうが、三脚固 [続きを読む]
  • 「脳はなぜ「心」を作ったのか」前野隆司(ちくま文庫)
  • サブタイトルに「「私」の謎を解く受動意識仮説」とある。これまで最大の謎とされてきた「心」のあり方について、著者は、心が実に単純なメカニズムでできていて、ロボットに心を作ることすらできると言い切る。前野隆司は、「ロボットの心の作り方(受動意識仮設に基づく基本概念の提案」という論文も学会誌に発表しているロボット工学をはじめ、幸福学、感動学、イノベーション教育、システムデザインなどの研究者だ。書かれてい [続きを読む]
  • 「モリのいる場所」沖田修一
  • (C)2018「モリのいる場所」製作委員会伝説の画家・熊谷守一夫妻の姿を映画化。熊谷守一氏は晩年、池袋の自宅の庭でほとんどの時間を過ごし、外に出ることはなかったという。庭は熊谷氏の小宇宙であり、日々地面に寝転がり、空を眺め、植物のなかでちいさな虫たちや鳥や水辺の魚や猫などの生き物たちとともに過ごした。1977年97歳で亡くなった異才の画家であり、書も多数残した芸術家である。映画が終わってから、ネットで熊谷 [続きを読む]
  • 「万引き家族」是枝裕和
  • (C)2018フジテレビジョン ギャガ AOI Pro.やっと観ることができました。カンヌ・パルムドール受賞作、是枝裕和監督の「万引き家族」。是枝監督の原点「誰も知らない」に帰ったようなタッチで、これまでずっと描き続けてきた血のつながらない共同体としての「家族」がテーマであり、是枝監督の集大成ともいえる作品だ。札幌でもつい先日、98歳の一人暮らしの母親の遺体を約1年5カ月にわたりアパートの部屋に放置し、母の年金 [続きを読む]
  • 「高い城の男」フィリップ・K・ディック
  • 第二次世界大戦で勝ったのは、アメリカやイギリス連合国ではなく、ドイツや日本だったら・・・というアイディアで描かれたSF小説。アメリカがナチスドイツと日本の分断国家となり、日本支配下のサンフランシスコが舞台。易経の「卦」が行動原理の重要な役割を果たし、東洋の神秘的な日本観が描かれていたりするところが、ちょっと変な感じ。美術商やユダヤ人工芸職人、田上という日本人官僚、アメリカ人女性などそれそれの登場人物 [続きを読む]
  • 「歓待」深田晃司
  • 新作「海を駆ける」が公開間近で気になる深田晃司監督だが、「淵に立つ」という家族崩壊の恐怖を描いた傑作の元となるような映画をだいぶ前に撮っていた。「淵に立つ」では浅野忠信の怪演が際立っていたが、この作品も同じように家庭に不気味な侵入者がやってくる映画で、流れ者のような謎の男を演じる古舘寛治が素晴らしい。最近、テレビドラマでもバイプレイヤーとして活躍中のヒゲ男だ。下町の印刷工場が舞台。若い妻(杉野希妃 [続きを読む]