くまのすけ さん プロフィール

  •  
くまのすけさん: 恋とか、愛とか、その他もろもろ・・・・・・
ハンドル名くまのすけ さん
ブログタイトル恋とか、愛とか、その他もろもろ・・・・・・
ブログURLhttp://loveetc.seesaa.net/
サイト紹介文くまのすけの小説ブログ (短編長編いろいろ書く予定だよ。)
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供46回 / 365日(平均0.9回/週) - 参加 2009/09/07 17:33

くまのすけ さんのブログ記事

  • 二人乗り
  • こないだの夏の大会に負けて部活から三年生が抜けた。すでに新チームが始動していて、頑張れば一年生の俺にだってレギュラーをとれるチャンスがあるかもしれない。そのためにも練習から気合いをいれてのぞまなくちゃ。――よし、今日もがんばるぞ!そう心に決めて、俺は朝の下り坂を自転車で駆け下り、駅へ向かっての平坦な道を全力でこぎ始めた。「石原」呼び止められた気がしてブレーキをかけた。誰だろうとキョロキョロしている [続きを読む]
  • 夏祭り
  • 我が一族に脈々と受け継がれているお祭り好きの遺伝子。次世代にもしっかり受け継がれているようだ。というのも、甥の陽樹が夏休みの自由研究で選んだのが、市内のお祭りの研究だった。陽樹もあれでなかなか策士。そんな名目を盾にされちゃあ、大人たちを巻き込んでお祭り巡りせざるをえない。けど、そんな陽樹の両親たち、つまり私の姉やその旦那の陽一郎さんは共働きで毎日陽樹に付きそうってわけにはいかない。そこで保護者役を [続きを読む]
  • 体育館裏の告白
  • いよいよ明日は引っ越しをするという前日の終業式の日、放課後、私は体育館の裏に呼び出された。初めて会ってから二年以上。正直、やっとかよって気分。いつまで待たせるのよ、まったくもう。というわけで、いそいそとやってきた体育館裏。直射日光が容赦なく照り付ける校舎横の小道を足早に渡って、植え込みがつくる木陰伝いに待ち合わせ場所にたどり着いた。「待った? 今日も暑いね。四十度ぐらいあるんじゃない?」「あ、いや [続きを読む]
  • 告発
  • 私は勤め先を告発することにしました。昔から多角化経営がなされており、各業務が細分化され、専門化されていた勤め先、私が配属されたのはアパレル部門でした。その中でも、私が担当しているのは、社内着用用の服飾類の作製。つまりユニフォームなどの製作を私が一手に引き受けているのです。毎日毎日、各所が必要とする服を、織機を使って生地から織り上げ、ミシンや手縫いで丁寧に仕立て上げて各所に配布するのが私の仕事なので [続きを読む]
  • 臭い仲
  • 校内放送で名前を呼ばれるのはとても心臓に悪い。クラス中の注目の的になったし、職員室へ向かう途中でも俺を知っているヤツらが『なに悪いことした?』なんて面白がってやがった。けど、実際、俺、なにかしたっけ? 身に覚えないのだが……「失礼します」職員室に顔を出すと、何人かの先生が俺の方をチラリと見て、すぐに興味を失い、自分たちの仕事に戻った。その視線には俺のことを非難している様子は感じられない。職員室の奥 [続きを読む]
  • 録り溜めたドラマ
  • 折角のバイトが入ってない日曜日なのに、雨に降られた。晴れていれば街に遊びに行くつもりだったけど、こんな日は家で録り溜めたドラマでもみることにするわ。だって、わざわざ外に出て濡れたくもないものね。というわけで、テーブルの上に紅茶を用意して、部屋のテレビの前に陣取って、クッションを抱えて画面に見入る。正直、今年の春ドラマ、放送前から全然期待してなかったし、実際さほど面白くもない。だから、リアルタイムの [続きを読む]
  • 雨に降られて
  • 夏の大会に向けた部活のミーティングが終わるころには、外は雨が降っていた。「やべ、俺、今日は傘持ってきてないよ」「俺も。朝晴れてたし」俺も俺もと大半の部員が傘を持ってきていない。「コンビニまで走るか?」そう大石が提案した途端、ピカッ、ゴロゴロ――稲光がきらめき、雨脚が強くなる。「大会前に風邪ひくわけにはいかねぇな」結局、部員たち全員、雨が弱くなるまで部室で待機することに決めたみたい。「そういえば、俺 [続きを読む]
  • ムカデ競走
  • 今年の体育祭、私のクラスは断トツのビリ。おかしいな。みんな頑張ってたんだけどな。「ま、優勝の可能性もないわけだし、プレッシャーなんて感じずに気楽に楽しもう!」「「「おおー!」」」というわけで、私が出場することになっているムカデ競走が始まった。各クラスから八人ずつ選ばれた選手たちが両足をヒモでつなぎ、隊列を組む。スタート地点に並んだ。そして、スタートの合図のピストルの音。パン。「せーのっ!」「「「イ [続きを読む]
  • 先頭の特権
  • 朝食時、つけっぱなしになっているテレビから数時間前に入ったばかりの最新ニュースが流れ出てきた。ヨーロッパのどこかの国であった表彰式のニュース。世界的に権威がある工業デザインの国際賞で日本人が最優秀賞を受賞したという。「あれから十五年も経つのか」十五年分の年齢を重ねた顔が、思い出の中と同じ笑顔でテレビ画面から笑いかけていた。コーヒーの入ったマグカップを持つ手がとまった。そして、あっという間に懐かしい [続きを読む]
  • よりすこし知るために
  • 「ほら、お父さんもゴロゴロしてないで、掃除ぐらい手伝ってよ」「別にいいだろ、一日や二日掃除なんてしなくても死にやしない。第一、連休中だろ」「また、そんなこと言って」今日も両親はリビングでいつもの掛け合いをしている。ソファーの上でグダーとくつろいでいる父、掃除機を引っ張りながら家中をめぐる母。連休中でなくたって年がら年中いつでも見られる光景だ。「本当、男の人ってしょうがないんだから」母はあきらめのこ [続きを読む]
  • 猫になりたい
  • 校門脇の桜も散り、気温もだんだんと暖かくなってきて、四月も下旬に入ると、教室の中もどこか浮ついた雰囲気が漂う。もうすぐゴールデンウィークだ。「あー、私、ネコになりたい」「ネコ?」隣の席で、サチが上半身を投げ出すように伸ばしながら愚痴ってる。「だってさ、あの子たちって、連休中の真ん中にわざわざ学校来なくてもいいし、連休明けに中間試験なんてないし。いつも家の周りをウロウロしてて、屋根の上なんかで日向ぼ [続きを読む]
  • きっかけ
  • 先週婚約したばかりの叔父が我が家に遊びに来た。もちろん、婚約者と一緒。私たち家族にお披露目に来たのだ。実の兄にあたるお父さんはすごく喜び、お母さんも終始ニコニコとうれしそう。もちろん、私も笑顔ですごしていた。お父さんとは年が離れていて、ほとんどお兄ちゃんみたいな感覚で接してきた叔父さんがもうすぐ結婚かぁ 相手はどんな人なんだろう?家族みんなで楚々としておとなしそうな相手の人をジロジロ眺めたりしてた [続きを読む]
  • 桜並木
  • 今度の学校、校門前の道路が桜の並木道だ。今朝も四月の穏やかな陽気の中で登校していると、淡い桃色の花びらがふわりと舞って私の視界を横切って行った。顔を上げると、道の両側の桜の木は、数日前に比べて茶色が濃くなり、ところどころに葉の緑が顔をのぞかせはじめている。桜の季節も終わりが近い。桜が華やかで美しいとしても、それは二週間ぐらいしかつづかない。花が咲いて、散ってしまうまでの期間。その後の葉桜はとても地 [続きを読む]
  • TOKYOオリンピアン募集!
  •  すでに桜が満開となった四月一日ですが、いまだに二月に開催されたピョンチャン冬季五輪、先月の冬季パラリンピックでの日本人選手の活躍や、世界のトップアスリートたちの目をみはるパフォーマンスに興奮冷めやりません。また、六月に始まるサッカーワールドカップ・ロシア大会、いよいよ来年に迫った日本で開催されるラグビーワールドカップなど、今後とも目を離せない注目のスポーツ大会が目白押しにあり、再来年の東京オリン [続きを読む]
  • かわいい子
  • 四月になると新入部員の勧誘が始まる。さすがに今のごちゃごちゃした部室はないだろってので、授業が終わってから部室の片づけをしてた。部員総出の片づけ。意外と早く終わったのは、さくらが普段から整理整頓を心がけてくれていたからかな。さくらに感謝だ。というわけで、部室の片づけが終わって、さくらと一緒に汚れないように荷物を置きっぱなしにしてた教室のドア前まで戻ってきた。――俺、遠山さんがいいな。いつも気が利い [続きを読む]
  • 春の陽気に誘われて
  • たった半月前までは、休みの日にはコタツにこもって一歩も外へ出なかったものだ。たった半月前なのに・・・・・・今、俺は玄関でスニーカーに足を通し、ドアをあけた。まだすこし冷たいが、それでもずっと暖かくなった空気が俺を包み込む。もうすっかり春だ。朝から部屋でずっといじっていたスマホを充電している間に、散歩に出ることにした。窓の外には、まぶしいぐらいの青空が広がっている。ポカポカと暖かい陽気。家の前の通り [続きを読む]
  • ホワイトデーのプレゼント
  • 朝、自分の席についてすぐに、先に来ていた隣の河野が声をかけてきた。「こないだはありがとうな」そう言って手渡してきたのはクッキーの包み。そう、今日は三月十四日、ホワイトデーだ。河野はニコニコしながら自分の席へ戻っていく。私も同じようにニコニコし、手を振りながら見送っていたら、なんだか強い視線を頬に感じるのだけど。反対側の席のしーちゃんが私のことをジッと見つめてる。それも真っ青な顔して。「なんて顔して [続きを読む]
  • 卒業式の日
  • 三年生が卒業する日。俺たち在校生は全員卒業式に出席し、送辞を贈る。それから、式が終わると、一度教室に戻り、そこで解散になる。後は、各自自由。そのまままっすぐ帰宅する人間もいるし、部活へ顔を出す人も。もちろん、それぞれに仲の良かった先輩たちを見つけては、個別にお別れの挨拶を交わす生徒たちもいる。そして、中には、ずっと想いを寄せていた先輩を呼び出して告白する者も。そう、今、俺の隣で思いつめたような顔を [続きを読む]
  • いつまでもひな祭り
  • あれは去年の今頃だった。東京の叔母が我が家にいた。ちょうど翌日に中学の同窓会があるとかでこっちに戻って来ていたのだ。叔母が生まれ育ったこの家は父が継ぎ、そのときは三年前に亡くなった祖母の嫁入り道具の立派な雛人形を私と叔母で居間に飾っていた。「無駄に豪華よね。ただの農家だったのに」叔母は自分の背丈と変わらないほどの大きさの雛壇を見回して、ため息をついていた。「おばあちゃんのお父さんが頑張ったんだって [続きを読む]
  • 女子キ
  • 今日二月十四日は、もちろんバレンタインデーだ。朝の通学路でも、教室の中に入ってからも、女子も男子もそわそわしていて落ち着かない。もちろん、私も……なんてことはないか。いつもの朝のようにとてとてと華ちゃんが私に近寄ってきて『はい、チョコレート』なんてくれるのへ、お返し。手の中のかわいいラッピングを眺めながらお互いに笑みを交わした。近くの席の男子たちが、なんか複雑そうな顔なのが、ちょっとおもしろい。で [続きを読む]
  • ごりやく
  • 去年の年末に比べて、日が暮れるのがずい分遅くなった。俺は向かいの山並みに沈んでいく夕日を眺めながら、白い息を吐き出す。「さむっ」一つ震えて、気合を入れ直し、これから上る先を見上げた。夕日に照らされているとはいえ、そんなのは気休め程度にしかならない。寒いものは寒い。それでも、体を動かすことで少しは暖かくなることを期待しながら、二段飛ばしで長い石段を上りはじめた。石段を登りつめた先には鳥居がある。そこ [続きを読む]
  • 鬼の名前
  • 朝、教室のドアを開けると、「福は内、鬼は外!」今年もそう叫びながら、俺に豆をぶつけてくる女子がいた。「はぁ〜」九鬼なんていう名字を持って生まれた人間にとっては、毎年この時期になると必ず経験することではあるけども。でも、今回、俺に豆を投げつけてきたのって・・・・・・「お前も鬼塚じゃねぇかよっ!」床に落ちた豆を拾って投げ返してやった。「はぁ〜 やっぱ、もっとかわいい名字で生まれたかったな」授業開始前の [続きを読む]
  • 南岸低気圧
  • 先週から天気予報が予想していた通りに、今朝目が覚めて寝室のカーテンを開いたら、外は一面真っ白だった。滅多に雪なんて積もらない太平洋側。東北に住んでいるいとこたちに言ったら笑われそうだけど、たった数センチ積もっただけだというのに、交通機関は乱れに乱れて大混乱。いつもよりも早めに出なくちゃ。はぁ〜というわけで、いつもよりも三十分早めに家を出て、定刻よりも一時間遅れらしい電車に乗り、学校の最寄り駅へ。着 [続きを読む]
  • 白い塊
  • 先日の成人式で中学時代の友人と再会し、また一緒に遊びに出かけるようになった妹が、我が家にその子を連れてきた。子供のときにも何度か我が家に来たことがある子だけど、正直、おとなしめで純朴な感じの地味な印象でしかなかった。でも、今日来たその子は、すっかり垢抜けておしゃれになっていて、昔から活発で生意気な妹の方がすっかりくすんでしまっている。時の流れというのは、恐ろしいものだ。「お兄さん、またお邪魔してい [続きを読む]
  • しょうもない
  • 「ケンくん、これおかあさんから」教室の入口から細くて澄んだ声が聞こえてきた。さほど大きな声というわけでもないのに、ざわざわした教室の中でさえよく通る。だからだろうか、教室中が一瞬で静まりかえり、一度その声の主に視線が集まり、それから、呼びかけられた側の私の前の席の黒田を往復して、そして、また元の話題に戻っていく。その黒田はのっそりと立ち上がり、そそくさと戸口へ移動していった。「ああ、わざわざ届けに [続きを読む]