Writer さん プロフィール

  •  
Writerさん: きみの靴の中の砂
ハンドル名Writer さん
ブログタイトルきみの靴の中の砂
ブログURLhttp://air.ap.teacup.com/writer/
サイト紹介文『それは言わない約束』のようなもの。
自由文Writer / Blogger
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供133回 / 365日(平均2.6回/週) - 参加 2009/09/13 08:00

Writer さんのブログ記事

  • ぼくが父親ではないかと散々疑われたのも...
  • [画像] 夏も八月生まれなのに体質的に暑いのはさっぱりで、秋も深まり、フリースの上着が着られる頃になると俄に元気が出て来るのには我ながら苦笑します。 ところで、旧友から聞いた話では、きみのあのひとり娘が今週末にお嫁に行くとか。 よかったですね。 女親ひとりで育てられるものかと、他人事ながら気を揉んだ昔がついこないだのようです。ぼくが父親ではないかと散々疑われたのも、今では良い思い出になりました。The [続きを読む]
  • 掌が包むその秋色
  • [画像] ほんの数週間前、 南の島で白砂をすくったきみの手は、 今、公園の落ち葉を載せる。 雛鳥を温めるように掌が包むその秋色は、 きみの提案で持ち帰られることとなった。 黒い漆塗りの丸盆に 栗のイガと共にひとつに盛り、 しばらくの間、眺めていたいというのだが...。The Ventures / Over The Mountain and Across the Sea  [続きを読む]
  • まだ終わらない夏
  • [画像] 十月に入ると、めずらしくこんな暑い日でも、週日のビーチはさすがに顔見知りのロコばかりになった。                              *  午前六時、葉山のファミレスのモータープール。 判で押したように集まる波乗り仲間達は、それぞれに目で波の高さを測る。 待ちきれず、何も飲まずにボードを乗せた中古軽トラックのエンジンをかける大学生もいれば、なぁに、時間はたっぷりあるんだ [続きを読む]
  • アディオス・ムチャーチョス!
  • [画像] 午前八時半。 東京・羽田空港、第2旅客ターミナル。「正直言って、独身とは言え、五十になって転勤はホント厳しいですよ」と彼。 離陸も迫った時間だったので、セキュリティゲート前は混雑が始まっていた。 家族がいて一緒の転勤なら、気分もまた違っただろう。「福岡じゃ遠隔地のうちには入らないよ。普通に週末に帰って来られるじゃないか」と私。「そうですね。でも寂しいですよ」と言って彼は小さく笑った。    [続きを読む]
  • 海を着ているみたい
  • [画像] ご無沙汰しています。 去年の暮れ、ふたりで忘年会をしたとき、またすぐに新年会もしようと約束しましたよね。でも、あのあと急に忙しくなって ----- 働くとなると十八時からというのはご存知ですよね ----- 晩餐会をする状況ではなくなってしまいました。 決して約束を忘れたわけじゃないんです。 最近、やっと余裕ができて、週に一日、二日なら、夜の時間も戻ってきました。 遅くなりましたが暑気払いでもしませんか [続きを読む]
  • およそ20マイル
  • [画像] ぼくときみを隔てている距離はおよそ20マイル。 それは、見上げる空ならば、もはや成層圏。 それでもぼくは、今すぐきみに逢いたい。Satin Doll & Mai - K / Please Let Me Wonder  [続きを読む]
  • 『あの島影行』から
  • [画像] 月刊漫画『ガロ』通算第125号は、昭和四十九年(1973)一月、神田神保町の青林堂から発行された。その四十五頁にぼくがいまだにその印象を引きずる鈴木翁二の『あの島影行』が掲載されている。               * 造船所構内の坂を、一気に登ってしまえば あとはらくだった 防波堤がゆるいカーブでいつまでも続いている 戻りの爽快さを思い出して 頬はひとりでに笑ってしまう それでなくても、 光は湾 [続きを読む]
  • 巴里から東に150km
  • [画像]「シャンパーニュ地方って美味しいシャンペンができるのに、どうして美味しい白ワインの話を聞かないのかしら」とイチ子。続けて、「だってシャンペンが発泡する前って白ワインでしょ?」「そりゃあ、その前の段階の白ワインが美味しければ、そのままマーケットに出すんだろうけど、シャンパーニュって実は美味しいワインができるような風土じゃないらしいよ。それで、手間をかけて発泡させてみたら、奇跡的に上手いこと化け [続きを読む]
  • トーストしてカリカリのパンの耳
  • [画像] BLT(いかにもアメリカ人らしいネーミング)もどきのサンドウィッチとチキンスープが今日のランチ ----- 作るに多少手を焼くメニューだ。かじると、トーストしたパンの耳のクズが、パラパラとテーブルに散らばる。 さて、食べながら読んだ古雑誌の映画欄に、パトリス・ルコントの『暮れ逢い』が載っていた。原作は、シュテファン・ツヴァイクだという。 ツヴァイクは、東京オリンピックの頃、みすず書房から全集も出ていた [続きを読む]
  • 足は細いがウエストは否(ノン)
  • [画像] 小学校の頃からソバカスの多い子だった。 中学に上がる頃には、それは色白のせいだと信じていた。 高校生になって、半袖の下に見える腕の産毛が夏の光線を金色に反射するのに気付いた。その頃、髪も脱色されて見えたのは、部活が水泳で、プールの塩素がそうさせているものと思い込んでいた。 大学に入って、彼女から自分はロシア人の血が四分の一入っていると聞かされた。おじいさんが帝政崩壊時に日本に渡ってきたのだ [続きを読む]
  • この夏
  • [画像] 夏季増発ダイヤによるシーズン最後の貨客船が桟橋を離れると、港は晩夏の残光と潮騒にまみれた巨大な寂しさが腰を据えた。 時折、岬の反対側、旧海軍航空隊飛行場の辺りから、白い大きなヘリコプターが離発着するのが見える。 学校は来週の月曜から...。 この夏、水口イチ子とは頻繁に逢った。 いつまでも、ずっと一緒にいたいと思いはじめていた。Human Nature / Baby, I Need Your Loving  [続きを読む]
  • 霞んではっきり見えない
  • [画像] 夏の湖畔の賑わいは遙かに遠ざかり、まるで別世界のよう。 湖水はすでに、秋の終わりを思わせるほど冷たい。 向こう岸、伊太利亜大使館の夏別荘あたりは、きょうは霞んではっきり見えない。The Tetrads / Tell Me Why  [続きを読む]
  • 『解りにくく』説明するならば
  • [画像] それは、魅力的だが形になりくいもの。 さらに『解りにくく』説明するならば、 貝柱のすり身入り『高級出汁巻き卵』のようなものだということだ。                            *** その夜、きみは「かかとが痛い」としか言わなかった。Captain & Tennille / Love will keep us together  [続きを読む]
  • 夏の蜃気楼
  • [画像] 北陸金沢から随分長い時間をバスに揺られたのを覚えている。 岬を回ってたどり着いたのは辺境のランプの宿。それも、遅い午後のことだ。 話し声より、岩に砕ける日本海が騒がしい。                            *** 彼女は、ぼくと同じ、東京から来たという女子大生数人のグループの中にいた。 家も学校も吉祥寺だと告げたその人は、夜更けて、部屋のランプの芯をうっかり油壺に落とし [続きを読む]
  • あの夏がやって来る
  • [画像] 十六、七の頃に何度か読み返した覚えのある Evan Hunter の "Last Summer" を書棚の隅に見つけた。 多少の躊躇があったが、手に取って頁を繰れば、中程に挟み込まれた一枚の写真。                              * 思い出の向こうから、あの夏がやって来る。 どんな話をしてたっけ...。 今となっては、ぼく達を繋ぐのは、この色褪せた写真だけ。Jack Gold Sound / Summer Symphony  [続きを読む]
  • 港に夏の喧騒と太陽が充満していた
  • [画像] 『港に夏の喧騒と太陽が充満していた』 "La Mort Heureuse" を久し振りに読む。 この中編、1930年代末には成立していたとされているので、著者二十五歳頃の作品である。年齢にしては豊富な語彙に加え、ほとんど完成目前のスタイルは、早くも異彩を放つ。 文才的には思想家と言うよりは作家だろう。ただ、同時代に生きたというだけのことで天才サルトルと比較されるのは、わたしにはそれほど興味深い話ではない。The Wal [続きを読む]
  • 同じ潮騒が聞こえているかもしれない
  • [画像] 古い東京タワーが見える都会のど真ん中。 ホテルのバーの酒瓶が並ぶ棚の端にバニラのリキュール『ガリアーノ』の首の長い瓶を見つけたのだろう、真っ黒に日焼けした妙齢の女性が『ハーヴェイ・ウォールバンガー』を注文している。 突然、ぼくの耳にノース・ショアの激しく砕け落ちる波の音が聞こえてきた ----- もしかしたら、あの人の耳にも同じ潮騒が聞こえているかもしれない。Irma Thomas / Time Is On My Side  [続きを読む]
  • ドライ・フルーツが自転車のカゴにいっぱい
  • [画像] 夏の昼下がり。 明るい陽射しの中を驟雨が来る。                              * 腰越の叔母から電話で、先月庭で収穫した無花果が干しあがったから取りにいらっしゃいと連絡があった。 うちではそのまま食べるだけじゃなく、ジャムに作ったりもする。                              * プラスチック・バッグのドライ・フルーツが自転車のカゴにいっぱい [続きを読む]