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毎日が美びっとカルチャー https://blog.goo.ne.jp/ag-maeda

熟メン茶々丸のアート、シネマ、音楽、スポーツのカルチャー談義

1959年愛知県生。印象派から現代美術までこなすアート通にして、ローリングストーンズとマービンゲイを愛するロック&ソウルマニア。映画と音楽を愛し、ジャンル、国境を問わず鑑賞。B級グルメ通、スポーツ通。地元を愛するドラ&グランパスファン。中途半端なちょい悪オヤジを嫌い、白洲次郎を信望する頑固でお茶目なオヤジです。

chachamarupapa
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江南市
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2009/09/25

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  • 第80回ヴェネチア国際映画祭最高賞、金獅子賞受賞!『哀れなるものたち』予告編│2024年1月26日(金)公開!

    本日の映画レビューは、エマ・ストーン主演、ヨルゴス・ランティモス監督の「哀れなるものたち」です。第80回ヴェネチア国際映画祭最高賞、金獅子賞受賞した話題作は、女王陛下のお気に入りの監督と今最も旬の女優がタッグを組んだもので、原作は19世紀を舞台にしたファンタジックサスペンスといった形のものです。物語は身重の主人公の女性ベラが海に身をなげるシーンからスタート。ウイルム・デフォー演じる異色な風貌の天才外科医ゴドウイン・バクスターにより、胎児の脳を移植されたベラが外の世界に飛び出し幼児から成人へと成長していく姿を描いています。そうした体験の中心はR18指定がさすように、性体験を通して大人への階段を歩んで行くのですが19世紀の舞台だけあって当時に風俗や社会慣習を背景にしており、その結ぶ付きも得できるものでした。エ...第80回ヴェネチア国際映画祭最高賞、金獅子賞受賞!『哀れなるものたち』予告編│2024年1月26日(金)公開!

  • 杉浦非水の世界展 ヤマザキマザック美術館

    本日の美術展レビューは、ヤマザキマザック美術館で開催中の日本グラフィック界の先駆者「レトロ・モダン・おしゃれ杉浦非水の世界」展です。 杉浦非水は近代洋画の巨匠、黒田清輝がパリ万博で持ち帰った絵ハガキや資料によりアール・ヌーヴォーのデザインを知り、大正時代にヨーロッパ留学によりアール・デコのデザインに触れた日本のグラフィックデザインの先駆者ですが、一般的にはその画業は知られていないと思います。実は彼は、三越に入社後にポスターや広報誌を手掛け戦前から戦中、戦後の日本の商業デザインに深く携わっています。 今回の展覧会は、三越の前進である三越呉服店や銀座三越のポスターをはじめ、日本交通公社の機関誌やたばこパッケージや画家非水の画業を示す木版画集「非水百貨譜」など非水のデザインの軌跡をたどる展覧会となっています。 ...杉浦非水の世界展ヤマザキマザック美術館

  • ガウディとサグラダファミリア展&VRでよみがえるガウディ

    本日の美術展レビューは、名古屋市美術館で3月10日まで開催中の「ガウディとサグラダファミリア展」です。また、関連企画としてNHK名古屋放送センターで初公開のVRでよみがえるガウディーサグラダファミリアの秘密にもVR体験してきました。ガウディとサグラダファミリア展は昨年早々に鑑賞してきましたが、会場で知ったVRでよみがえるガウディを体験してからレビューしようと本日になりました。 アントニ・ガウディ、建築に興味がない人でも天才建築家の名前を知る人は多いかと思います。そして彼の死後未だ未完の建築がスペインバルセロナにある大聖堂サグラダファミリア。また、その建築に主任彫刻家として44年以上携わっている外尾悦郎さんの存在により広く日本に知られています。その大聖堂が140年以上の時を経ていよいよ完成が近づいています。...ガウディとサグラダファミリア展&VRでよみがえるガウディ

  • 映画 僕らの世界が交わるまで

    今回の映画レビューはジュリアン・ムーアとフィン・ウォルフハードが親子役で共演の「僕らの世界が交わるまで」です。話題作を次々に送り出す最も勢いのある映画スタジオA24。今回はソーシャルネットワークの俳優ジェシー・アイゼンバーグの長編初監督作品で、エマ・ストーンがプロジューサーのひとりに加わり、名優ジュリアン・ムーアとドラマシリーズ、ストレンジャー・シングスのフィン・ウォルフハードが共演と何かと話題の多い作品ですが、なぜか辛辣なレビューが多く、どんなものかと劇場鑑賞してきました。内容はYouTubeで2万人のフォロワーを持つ高校生ミュージシャン、ジギーとDV被害のシェルターを運営する母エヴリン親子のすれ違いのドタバタ劇。思春期の息子と母親のよくある難しい関係だが、この二人、実はKYの似た者親子ってところが実に...映画僕らの世界が交わるまで

  • 映画 BAD LANDS バッド・ランズ

    映画館で観れなかった作品をサブスクで観るシリーズ。今回はネットフリックスから安藤サクラ&山田涼介共演の原田眞人監督作品「バッド・ランズ」です。 今回の作品は原田眞人監督による現代アクション作品ですが、2022年に公開された岡田准一と坂口健太郎が共演した「ヘルドッグス」がとても面白かったので期待して視聴しました。物語は大阪で特殊詐欺グループに所属する安藤サクラ演じるネリと山田涼介演じる弟のジョーがある3億円の闇の金を手に入れたことから様々な組織に狙われるというシンプルな内容です。しかしながら、そのシンプルさは大阪と言う町とそこに暮らす人間たちの個性がぶつかり合ってディープな人間模様が展開されます。ネリとジョーに関わる一癖も二癖もある人間が、例えば詐欺グループの頭、高城を生瀬勝久、頭のビジネスパートナーに天童...映画BADLANDSバッド・ランズ

  • 映画 PERFECT DAYS

    本年最初の映画レビューは、ヴィム・ヴェンダース監督、役所広司主演のPERFECTDAYS-パーフェクトデイズです。今年から少し映画鑑賞のペースを緩めようと思います。僕にとって映画はライフスタイルのひとつで決してすべてではないのですが、何か追われるように新作映画を観てきましたが、65歳を迎える年を機に本当に観たいなと思う作品だけを映画館で観ようと思います。今はサブスクでも見逃していた作品をありゆったりと楽しんでいきます。そんな今の僕の気分にぴったりの作品をヴィム・ヴェンダーズ監督が届けてくれました。パーフェクトデイズの主人公・平山は、都内の公共トイレの清掃人。浅草の旧いアパートに住み隣人の掃き掃除の音で目を覚まし長年にわたり身に付いた習慣の中で日常を送ります。僕にとってはそうしたありふれたに日常が美しくおし...映画PERFECTDAYS

  • 映画 #マンホール

    映画館で観れなかった作品をDVD(改サブスク)で観るシリーズ。今回は中島裕翔主演の「#マンホール」です。今やジャニーズ問題もあってか、あまり出演がない中島裕翔君ですが、役者としての演技力はかってる私。今回はネットフリックスで視聴しました。数々の若手俳優を起用してきた熊切和嘉監督とライアーゲームやマスカレードシリーズなどエンターテーメント作品の脚本で知られる岡田道尚氏がタッグを組んだ作品です。ハッシュタグ・マンホールがこの作品の肝です。物語はエリート営業マンの川村俊介が社長令嬢との結婚式の前夜、会社のお祝い会の帰りにマンホールに落ちてしまいます。スマホのGPS機能で警察に場所を知らせるも場所が不明。月明かりの中のかすかな地上の映像を頼りにマンホール女のアカウントでSNSでの協力を仰ぎます。そしてマンホールの...映画#マンホール

  • テート美術館展 光 ― ターナー、印象派から現代へ 大阪中之島美術館

    本日の美術展レビューは大阪中之島美術館で1月14日まで開催中の「テート美術館展光―ターナー、印象派から現代へ」です。今回の展覧会は、東京での新国立美術館からの巡回展で、長沢芦雪展が同時期に開催されていることもあり去る11月23日に鑑賞しました。英国テート美術館のコレクションの中から光をテーマにして200年の美術史を巡る注目の美術展です。先ず最初に登場するのは、イギリスを代表する風景画家であり光の画家ともいわれるターナーのモーゼの十戒をテーマにした作品。大洪水の後に降り注ぐ神の光が広がる神秘的な大作です。写実的な風景画とは異なるターナーの独特な世界観が新鮮です。そして光と言えば印象派の画家のモネやシスレー、またターナーの同時代を生きた英国を代表するブレッドやコンスタブルの作品は自然界の光を忠実に描ききり清々...テート美術館展光―ターナー、印象派から現代へ大阪中之島美術館

  • 映画 首

    今回の映画レビューは、北野武監督作品の「首」です。ここのところ忙しさにかまけて、映画レビューもできずにいました。と言うか映画館に行く時間もなかったのが事実ですが、たまたま仕事でのトラブルが円満解決したので帰りに映画でも観ようと賛否両論の「首」を観ることに。北野作品はヨーロッパでは無条件に高評価で意外と日本では賛否が分かれるところ。ただ個人的には好き嫌いの単純なところではないかと思っています。今回の作品はアウトレイジシリーズの時代劇版のイメージかなと予測しながら鑑賞しましたが、ところが随所に時代劇に対するアンチテーゼ的な意味合いの強い作品でした。物語の主題は明智光秀による謀反、本能寺の変前後を描いていますが、タイトルの首にあるように次々に首が飛びます。また歴史の闇の部分である武将同士の性愛を中心に描き戦国武...映画首

  • 映画 キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン

    本日の映画レビューは、スコセッシ監督最新作でディカプリオ主演、デ・ニーロ共演の「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」です。3時間28分に及ぶ長編作品は1920年代の西部劇サスペンスで、ベストセラーノンフィクション「花殺し月の殺人インディアン連続怪死事件とFBIの誕生」を原作を基に制作されていますが当初は、事件を捜査したFBI捜査官を主人公に制作予定でしたがディカプリオの助言により主犯格の共犯者で甥のアーネストを主人公に替えて再構築された映画になったというエピソードがあります。石油発掘により巨額の富を得た先住民のオーセージ族とその利権を奪おうとするロバート・デ・ニーロ演じる主犯格のウイリアムスとレオナルド・ディカプリオ演じるアーネストを中心に犯行の過程と事件解決にいたった二人の苦悩と確執を描いた作品です。そ...映画キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン

  • 映画 月

    本日の映画レビューは、石井裕也監督、宮沢りえ主演の映画「月」です。今回の作品は、実際に起きた障がい者施設殺傷事件を基にした辺見庸の同名小説を原作に舟を編むの石井裕也監督が脚本によりもので、新聞記者で知られる河村光庸氏の突然の死により実現が難しくなりましたがようやく実現にこぎついたものです。物語は、宮沢りえが演じる元人気小説家の堂島洋子が、定職につけない夫との生活を支えるために重度障がい者施設に働き、作家志望の陽子やさとくんと呼ばれる青年と共に働く中で入所者たちへの同僚のイジメや隔離された入所者や寝たきりの入所者などとの出会いを通じて、正義とは何か使命感とは何かを問う内容となっています。と、書けばとても清々しい内容のように思いますが、見たくないものにふたをしてしまう人間の偽善的な心根を突き付けられ重苦しさだ...映画月

  • 福田美蘭展 名古屋市美術館

    今回の展覧会レビューは、名古屋市美術館で開催中の「福田美蘭展」です。一般的に日本の現代美術を語る上で思い浮かぶアーティストは誰でしょうか。今なら村上隆を筆頭に草間彌生、奈良美智などではないでしょうか。今回の展覧会の主人公である福田美蘭(ふくだみらん)は村上隆と同年代であり東京藝大時代にも重なります。僕にとって画壇での知名度は福田美蘭の方が強く今でも現代美術を平易な形で表現できる唯一無二の存在だと思っています。福田美蘭は現在60歳。東京藝大油画専攻を卒業後、画壇の芥川賞と言われる安井賞を史上最年少の26歳で受賞、具象画から古典絵画などの名画をモチーフに彼女独自の解釈で発表する作品で注目される国際的に評価の高い画家で、今回の展覧会は彼女の画業の集大成ともいえる展覧会であり、現代美術を知る上でたいへん有意義な展...福田美蘭展名古屋市美術館

  • 映画 バーナデット ママは行方不明

    本日の映画レビューは、ケイト・ブランシェット主演でリチャード・リンクレイター監督の「バーナデットママは行方不明」です。TARでの孤高の女性指揮者の演技が今も強く残るケイト・ブランシェットですが、今回の役どころは打って変わって元天才建築士で今は主婦で周囲になじめない女性を好演しています。バーナデットはIT企業に勤める夫と親友のような娘ビーとシアトルに暮らす主婦。彼女は極度の人間嫌いで娘の学校への送り迎え以外は古い城のような邸宅に引きこもっています。そんな彼女もかつては天才建築士と名をはせ仕事に意欲的に取り組んでいた。そんなある日、娘の同級生とのトラブルが重なりある事件をきっかけに突然行方不明に。彼女の向かった先はなんと南極だった。前半は彼女の人間嫌いの行動がコミカルに描かれ、やがて天才建築士として華々しい活...映画バーナデットママは行方不明

  • 和田誠展 刈谷市美術館

    本日の美術展レビューは、刈谷市美術館で開催中の日本を代表するイラストレーター「和田誠展」です。僕がアートの仕事に興味を抱き、現在の美術商の仕事をするきっかけになったのは、学生時代に目に触れることが多かったイラストレーターの世界でした。当時は昭和後期の70年代から80年代、雑誌を通じてイラストレーターを知り、空山基、横尾忠則、宇野亜紀良、及川正通、安西水丸さんなど、個性的な作風で雑誌や本の表紙を飾っていました。中でも東京イラストレーターズクラブの創設者のひとりとして黎明期から活躍し、イラストのみならず装丁やエッセイ、アニメ、作曲、映画監督など幅広く活躍されたのが今回の展覧会の主役、和田誠です。和田誠は1936年大阪生まれ。世田谷の小学校に転入後、漫画や映画の世界に没頭、武蔵野美大図案科に入り学生時代から才能...和田誠展刈谷市美術館

  • 映画 ふたりのマエストロ

    本日の映画レビューは、マエストロ親子の確執と愛を描いたフランス映画「ふたりのマエストロ」です。フランス映画は人間愛を描いた作品が多く、また音楽をテーマにした作品を数多く存在します。今回の映画も名指揮者として名を馳せた二人の親子に突如起こった事件をきっかけに、ライバル関係でもある親子の確執から家族愛へと進むヒューマンドラマです。監督は俳優としても知られるブリュノ・シッシュ、プロデューサーに「コーダあいのうた」のフリップ・ルースロが担当しています。パリのクラシック界で指揮者として地位も名声も得た父フランソワと息子ドニ。二人は性格も異なり、とりわけ父は息子に対してライバル心を強く持ち、ぎくしゃくした関係が続いてます。そんなある日、父フランソワに夢であったミラノ・スカラ座での音楽監督の依頼が飛び込んできます。しか...映画ふたりのマエストロ

  • 映画 福田村事件

    本日の映画レビューは、関東大震災から100年、森達也監督初の劇映画作品「福田村事件」です。FAKEやA2など数々のドキュメンタリ作品を手掛けてきた森達也監督が9月1日の関東大震災100年を機に公開された監督初の劇映画が今回の福田村事件。震災直後に起こった官憲や自警団による朝鮮人やや中国人、共産主義者への虐殺事件が起こったことは当時の報道で明らかとなっていましたが、千葉県で起こった薬の行商人15名が自警団に朝鮮人と間違えられ子供や妊婦を含め9名が虐殺された福田村事件はあまり知られてないように思います。物語は日本統治下の京城ソウルを離れ故郷の福田村に戻った井浦新と田中麗奈演じる澤田智一と静子。澤田夫妻は日本軍が犯した朝鮮人虐殺を目撃していたが口をつぐんでいた。9月1日関東地方に大震災が起こり、朝鮮人が暴動化、...映画福田村事件

  • 映画 アステロイド・シティ

    本日のレビューは、ウエス・アンダーソン監督の最新作「アステロイド・シティ」です。 ウエス・アンダーソン最高傑作のひとつとの呼び込みの本作。そもそも最高傑作のひとつって最高傑作は一つだけでしょうと突っ込みを入れたくなりますが、そもそも僕も含めて好きな監督の最高傑作って、それぞれに違うし、特にこの監督の場合は何が最高傑作の要因なのか不明だと思いますが、ファンの皆様はどう思いますか。で、本題に。舞台は1950年代の隕石が落下して巨大なクレーターが観光名所の砂漠の町アステロイドシティ。この町に5人の少年少女の化学発明家の授賞式に家族と共に招待されます。授賞式の当日に突如宇宙人が舞い降りて大混乱に。町は封鎖され軍が事実を隠蔽、宇宙人が敵でないことを外部に伝えようとします。この事態を監督らしいカラフルな映像とコミカル...映画アステロイド・シティ

  • 八幡はるみ展 ヤマザキマザック美術館 会期終了

    今回の展覧会レビューは、ヤマザキマザック美術館で8月27日まで開催された「八幡はるみGARDEN展」です。会期最終日に鑑賞したこともあって、会期中のレビューが間に合いませんでしたが、とてもすばらしい展覧会でしたのでご紹介したいと思います。 ヤマザキマザック美術館は、現代美術家の作品をアールヌーボ時代の作品や調度品などの中で展示する新旧の作品がうまく融合する展示が特徴です。とりわけ世代やジャンルを超えて女性アーティストの作品を多く紹介し、他の美術館とは一線を画す展示が魅力のひとつです。 今回の展覧会でも京都市立芸術大学で染色を学び、現在京都芸術大学の教授でもある染色家の八幡ひろみ氏の作品を紹介していました。日展などの工芸部門でも今もっとも活気がある染色部門ですが、八幡ひろみの作品は、大和絵を彷彿とさせる屏風...八幡はるみ展ヤマザキマザック美術館会期終了

  • 安藤正子展 ゆくかは 一宮市三岸節子記念美術館 9月3日まで

    本日の絵画レビューは、一宮市三岸節子記念美術館で9月3日まで開催の「安藤正子展ゆくかは」です。安藤正子は1976年生まれで、現在愛知県立芸術大学の准教授を務められています。同大学の櫃田伸也の元で主に油画制作を学び、細密な描線の油彩画や鉛筆画で知られていましたが近年は幅広いジャンルで活躍する現代美術家です。今回の展覧会は初期の油彩画や鉛筆画はもとより、瀬戸市の移住が機縁となった陶レリーフに今回のタイトルである「ゆくかは」をテーマにした映像作品が発表されています。第一展示室では、鉛筆画作品にパネル描かれた油彩画作品があり、細密な描写の少女像と透明感のある白い背景の作品が並び彼女のルーツを物語ります。第二展示室では表現の幅を広げるように水彩画作品が並び、その上にパーツを組み合わせたセラミックによる陶レリーフが掲...安藤正子展ゆくかは一宮市三岸節子記念美術館9月3日まで

  • 今井龍満展 メナード美術館

    今回の絵画レビューは、メナード美術館で9月24日まで開催中の35周年記念特別展「今井龍満展」です。 今井龍満は、パリで活躍した今井俊満のご子息で31歳で画家デビューした遅咲きのアーチストです。今回の展覧会は1999年から現在に至る作品を展示した初の回顧展になります。今井龍満は、父の元で制作補助をしながらパリで生活を共にし、父の急逝により2008年画家としての制作活動をスタート。ポアリングと言う輪郭線を画面に垂らし込む技法で注目を浴び現在に至る気鋭の画家です。 父俊満の存在は業界では、知られた存在でアンフォルメル運動と言う抽象表現主義の世界で活躍していました。長男の今井アレクサンドルは父と同じアンフォルメル運動の画家として知られていますが、弟の龍満は、当初画家としてデビューすることは考えてなかったようです。...今井龍満展メナード美術館

  • 映画 ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE

    本日の映画レビューは、みんな大好きのトム・クルーズの「ミッション:インポッシブル/デッドレコニングPARTONE」です。ちょっとレビューが遅れましたが、今回はトム・クルーズ主演のミッションインポッシブルシリーズ最新作「デッドレコニングの前編」です。レビューと言ってもトム・クルーズ大好きな僕にとって無条件に絶賛です。内容は恒例のミッションを遂行するのですが、今回は今が旬のAIとの戦いです。時を同じくして全米俳優協会がAIに危機感を持つ大規模なデモが行われましたが、今回の作品はトム自らがデモの先頭にたって戦っているような作品です。過去の映画のオマージュを物語の中に組み込んだ、カーチェイスや断崖からのバイク飛行、列車の上での格闘技など、今ならCGを駆使すれば難なくできるシーンも実在の場所で実在のものでそしてトム...映画ミッション:インポッシブル/デッドレコニングPARTONE

  • 映画 CLOSE/クロース

    本日の映画レビューは、ルーカル・ドン監督の最新作でカンヌコペティション部門でグランプリを受賞した「CLOSE/クロース」です。前作のガールではトランスジェンダーの青年がバレリーナを目指す姿が感動的でしたが、今回は打って変わりフランスの農村地域を舞台に幼なじみで13歳の二人の男の子が、入学先で起こる些細な言動がをきっかけに起こる悲劇からの再生を描いた人間ドラマが展開されます。主人公のレオとレミは演技経験が少ないながら、幼き頃から親密な関係を揶揄されたことで起こる少年の心を揺れを見事に演じていて、美しい田園地帯を舞台に濃密なドラマが展開されていて感動的です。また家族の関係や教師や生徒などの関係が成熟した社会を感じながら物語のテーマを明確にしており好感を持ちました。今回の作品では前作の印象が強いのか、ある評論家...映画CLOSE/クロース

  • 特別展 古代メキシコ 東京国立博物館

    今回の展覧会レビューは、番外編として東京国立博物館で開催中の「特別展古代メキシコ」をお送りします。マティス展の後、ふと気になって次の予定の合間に鑑賞したのが本展。個人的には海外の文化的な遺跡品に興味があり詳しくはないですが、造形美に惹かれます。特に興味があるのが、マヤ文明に代表される古代メキシコ文明。そんな出会いが偶然にも今回のアート一人旅で実現しました。 今回の展覧会の魅力は、前15世紀から後16世紀のスペイン侵攻前の3千年にわたり繫栄したメキシコの古代文明を「マヤ」「アステカ」「テオティワカン」の代表的な3つの文明を映像と出土品を通じて視覚的に紹介していること。写真に紹介した出土品を見るだけでもとても楽しく、その造形美は他の文明に比べてユニークで親しみやすい。来場者も若い人や親子連れが多く、展覧会の幅...特別展古代メキシコ東京国立博物館

  • デヴィッド・ホックニー展 東京都現代美術館

    東京アートひとり旅、二つ目の展覧会レビューは東京都現代美術館で開催中の「デヴィッド・ホックニー展」です。東京都現代美術館は、カフェやカレーショップで注目を浴びている清澄白河駅にほど近い場所にあり、内外のコンテンポラリーアートを収蔵する美術館として知られています。当初は紆余曲折があり評価も著しく低い状況でしたが、現在の現代美術ブームに相まってコンテンポラリーアートの評価も高くなり、人気も高まっているように感じます。さて今回のデヴィッド・ホックニー展ですがイギリス出身のコンテンポラリーアートの先駆者であり、アンディー・ウォーホルやロイ・リキテンシュタインなどと並び称される画家として現在も活躍するポップアートのアーティストで今回の展覧会は27年ぶりとなる大規模な回顧展となっています。彼の存在は1980年代から日...デヴィッド・ホックニー展東京都現代美術館

  • 映画 リバー、流れないでよ

    本日の映画レビューは、京都で活躍する劇団ヨーロッパ企画による2分間のタイムループで話題の映画「リバー、流れないでよ」です。カメラを止めるなに代表される小規模上映からSNSによる口コミで人気ヒットとなる作品が生まれるケースが増えてきました。今回の作品も京都で活動する劇団ヨーロッパ企画による映画作品で、僕は観てなかったのですが、前作の「ドロステのはてで僕ら」に続く二作目の映画になります。舞台は京都の奥座敷貴船に佇む老舗旅館ふじや。旅館の女将と従業員、宿泊客が2分間のタイムループ(繰り返される再生)に翻弄され抜け出そうと奮闘する群像劇です。出演者は主人公の仲居ミコトをはじめヨーロッパ企画メンバーに加え、女将に本上まなみ、小説家に近藤芳正などの中堅俳優に事件のカギを握る女性に乃木坂48の久保史緒里と多彩な顔ぶれと...映画リバー、流れないでよ

  • マティス展 東京ひとりアート旅

    先週に恒例の東京ひとりアート旅へ。展覧会を3会場訪れたのでレビューします。今回は僕の最も好きなアーティスト東京都美術館で開催中の「マティス展」です。20世紀を代表するフランスの巨匠、アンリ・マティス。独特な色彩表現でフォービスムを生み出しました。今回の展覧会は世界最大規模のマチスコレクションを要する「ポンピードゥー・センター」を中心に構成された大規模な回顧展で注目されています。おそらくは、本年度で一番の展覧会ではないでしょうか。構成はポスト印象派の時代にフォービスムに向かおうとするマティスの初期作品から第一次大戦下を乗り越え色彩や構図の変化がわかる様々なフォービズム作品、絵画構成の基礎となった彫刻作品や大病を乗り越え、独自の切り絵技法により展開されるジャズに代表される新しい絵画表現、さらに人生最後の大作と...マティス展東京ひとりアート旅

  • マリー・ローランサンとモード展 名古屋市美術館

    今回の展覧会レビューは名古屋市美術館で開催中の「マリー・ローランサンとモード」です。今回の展覧会は、同時期に生まれ1920年代にパリで活躍した画家マリー・ローランサンと服飾デザイナーのココ・シャネルにスポットをあてパリで芽生えた新潮流を紹介する先鋭的な美しさで彩れた展覧会です。パリで生まれピカソやブラックなどの交流を通じて新しい芸術表現に挑んだローランサン。淡い色調と独特な美しさのあるフォルムで描かれた女性像は女性ファンのみならず世界的にも愛された芸術家です。一方フランスの片田舎で育ち、自らの才能でファッション業界に一石を投じシャネルスーツに代表される独自のファッションを作り上げたシャネル。今回の展覧会は異なる意識を持った女性の才能が対峙するような展示となっています。そのことを裏付ける作品としてシャネルが...マリー・ローランサンとモード展名古屋市美術館

  • 映画 エゴイスト

    本日の映画レビューは、鈴木亮平&宮沢氷魚共演、松永大司監督の「エゴイスト」です。今回の映画は2月に公開されロングランヒットを続けている作品で、先日岐阜のミニシアターで鑑賞しました。高山真氏の自伝的小説を原作としてゲイのカップルと家族、その周辺の人々との関係を描いており、ヨーロッパでは近年同性愛をテーマにした作品が数々紹介される中で日本でもここまで描き切ることがことが出来た力作です。14歳で母を亡くしゲイであることを隠して学生時代を過ごし上京して編集者として成功を収めている鈴木亮平演じる浩輔とシングルマザーで病弱の母(阿川佐和子が演じてますがこれもいい)を支えながらパーソナルトレーナを目指している宮沢氷魚演じる龍太と出会い、二人の愛を育んでいく過程を描いています。と、ここまでしか書くことが出来ないほど衝撃的...映画エゴイスト

  • 映画 怪物

    本日の映画レビューは、是枝裕和監督、坂元裕二脚本による話題の映画「怪物」です。はじめに率直な感想として凄いもの見せてもらいました。個人的には是枝作品の中ではベスト1です。物語は大きな湖のある小学校。安藤サクラ演じるシングルマザーの麦野早織は帰宅した息子の湊の姿を見ていじめにあっているのではないかと学校に抗議をします。子供同士のけんかに思われたいじめは、クラスの星川依里の証言で担任教師の保利によることとなり、保利は責任をとり辞職。事態は収まったかのように思われた矢先、湊と依里が忽然と姿を消してしまいます。物語は前段での一連の流れから、二人の蒸発を境に流れの中にある真実の事象が明かされていきクライマックスを迎えます。こうした手法はミステリー映画の中ではよく使われる手法ですが、是枝と坂元がタッグを組むとここまで...映画怪物

  • 映画 ウーマン・トーキング 私たちの選択

    本日の映画レビューはサラ・ポーリー監督、ルーニー・マーラはじめ若手、中堅の実力派女優陣が繰り広げる会話劇「ウーマン・トーキング私たちの選択」です。今回の作品は南米ボリビアで起こった集団レイプ事件をモデルに架空の村での設定でヒットした小説を原作として制作されています。映画化を持ち込んだのがスリービルボードやノマドランドのオスカー女優フランシス・マクドーマンドで、ビラッド・ピッドの映画制作会社プランBにより実現しました。このストーリを知っただけでも僕にとっては興味津々でした。舞台は2010年のニューヨーク郊外のキリスト教一派の村で集団レイプ事件が発覚、識字教育さえ受けていない女性たちは村の男たちから悪魔の仕業と思いこまされていました。ある日そのことが村の男の犯行としった女たちは、男たちが村にいない二日間で三つ...映画ウーマン・トーキング私たちの選択

  • 映画 AIR/エア

    今回の映画レビューは、ベン・アフレック監督、マット・デイモン主演のナイキの復活劇となるエアージョーダン誕生までを描いた「AIR/エア」です。今回の作品は、Amazonオリジナルとあって劇場以外でもプライム作品で視聴可能でしたので、こちらで鑑賞しました。しかし最近のアマゾンプライム、近作映画のラインナップが群を抜いてます。アメリカ現代史を描くことで監督としての地位を築いていったベン・アフレックがマット・デイモンとコンビを組んだのが今回の作品。アメリカプロスポーツ史に輝くマイケル・ジョーダンを誕生から陰で支えナイキの代名詞となったエアジョーダン製作までの社員の奮闘を描いた内容となっています。アメリカ人気プロスポーツのNBL。コンバースやアディダス、リーボーックなどのシューズメーカーの中で後れを取っていたナイキ...映画AIR/エア

  • 映画 劇場版TOKYO MER~走る緊急救命室~

    本日の映画レビューはドラマからの映画化となった救命医療ドラマ「劇場版TOKYOMER~走る緊急救命室~」です。日本では数々の医療系ドラマがヒットし、映画化されるケースが多く映画も一様にヒットしています。印象的なのは映画でもシリーズ化されヒットしたコードブルーですが、こちらも完結を迎え満を持した形で劇場版TOKYOMERが公開されました。医療系ドラマが好きな僕にとって、特に救急救命作品は劇場で鑑賞が必須ですので今回のレビューとなります。物語は都知事直轄の走る救急室TOKYOMERの成功により、全国に設置すべくかつての同僚、賀来賢人演じる音羽を中心に文部大臣直轄の横浜MERが設置された直後に、横浜ランドマークタワーで大規模の爆発事故が発生、最上階に193名が取り残される事態にTOKYOMERとYOKOHAMA...映画劇場版TOKYOMER~走る緊急救命室~

  • 映画 TAR/ター

    本日の映画レビューは、アカデミー賞でオスカー本命と叫ばれながら無冠に終わったケイト・ブランシェット主演の「TAR/ター」です。ケイト・ブランシェットが女性指揮者を演じ話題となった映画TAR/ター。5月12日にようやく日本公開となり楽しみしてましたがレイトショーもなくタイミングも逃しながらようやく鑑賞できました。ベルリンフィルの女性指揮者でコンサートマスターの女性と同性婚で養女を迎え生活を共にするリディア・ター。7年間首席指揮者を務めエミー、グラミー、アカデミー、トニー賞の4冠を受賞する天才は自伝出版も控え順風満帆の日々を送っていましたが、ある事件をきっかけに彼女の人生の歯車が狂い始め転落していく人生ドラマです。先ずは傲慢でありながら理知的なカリスマ独裁指揮者を演じたケイト・ブランシェットの演技に終始魅了さ...映画TAR/ター

  • 映画 せかいのおきく

    本日の映画レビューは、阪本順治監督、黒木華、池松壮亮、寛一郎主演の青春時代劇「せかいのおきく」です。こちらの作品、江戸時代の人糞を集める下肥売りの青年たちと長屋住まいの訳あり武家娘が主人公です。全編糞まみれのシーンの連続で苦手な方は心して観てください。苦手な僕も吐き気をこらえながら鑑賞しましたが、モノクロシーンの美しい映像に救われて若手からベテラン、素晴らしい役者たちの名演に感動しました。物語は江戸時代後期、下肥買いの矢亮と紙くず拾いの忠次、寺子屋で読み書きを教える長屋住まいの武家娘おきくが厠の雨宿りの中で出会います。銭の高い肥集めの矢亮の仕事を忠次が一緒にすることとなり、おきくも父親の事件に巻き込まれ声を失う中で、つらい人生を歩む三人の姿を淡々と描いています。武家の娘きくを黒木華、矢亮を池松壮亮、忠次を...映画せかいのおきく

  • 山梨・小淵沢アート旅3 平山郁夫シルクロード美術館

    山梨・小淵沢アート旅、美術館巡りの締めくくりは、現代日本画の巨匠で敦シルクロード研究の第一人者でもある平山郁夫氏の美術館「平山郁夫シルクロード美術館」です。現代日本画の五山(東山、平山、加山、杉山、高山)と言われる巨匠の一人、平山郁夫氏の美術館は、故郷の広島とここ山梨にあります。 仏教伝来の道であり東西の文化が交流するシルクロード。当館の特徴は、シルクロードを生涯のテーマとして制作を続けた平山郁夫の日本画作品に加えて、シルクロードの取材中に妻であり現名誉館長の美知子氏と共にコレクションされた貴重なシルクロードコレクションを収蔵しています。 今回タイミングよく9月5日まで開催される特別企画展、中国巡回展帰国記念「崑崙の西から」を鑑賞することが出来ました。中国西域から中央アジアにいたる崑崙山脈、その向こうには...山梨・小淵沢アート旅3平山郁夫シルクロード美術館

  • 山梨・小淵沢アート旅2 中村キース・ヘリング美術館

    山梨・小淵沢アート旅。今回は開館15周年を迎えた世界で唯一のキース・ヘリング美術館の中村キース・ヘリング美術館です。今やバンクシーの登場でストリートアートの世界が注目を集めています。最近では前沢氏がバスキアの作品を購入し再びオークションにかけて高落札されたことが話題となりました。 ヒップホップムーブメントのひとつであったグラフィティーアートを世界的なものへと進化させたのが白人アーティストのキース・ヘリング。彼の愛と平和をコンセプトにした作品は世界中で人気を博しました。彼の制作活動は僅か20年、エイズを発症し31歳の若さでこの世を去ります。 バンクシーは混沌とした現代社会をゲリラ的な活動で批判していますが、キースは自らの作品を通して様々な自らのアーティスと活動を通じて社会貢献活動に奔走しています。彼の作品に...山梨・小淵沢アート旅2中村キース・ヘリング美術館

  • 山梨•小淵沢アート旅1 清春芸術村

     先日、ゴールデンウイークを避けて恒例の車中泊ひとりアート旅に出かけました。今回は山梨県の小淵沢周辺の三つの美術館を巡りましたので紹介します。 土曜日の夜に出発して、下道と高速を利用して深夜に伊那市にある道の駅南アルプスむらに到着、ここは幹線道路から少し離れた場所で車も少なく静かに眠りにつき翌朝は8時にオープンのパン屋さんで焼き立てメロンパン(クロワッサンが名物らしいですがまだ出来上がってなく残念)をかじりながら、最初の目的地、清春芸術村に。 清春芸術村は、一度は行ってみたいお勧めの美術館。創立者の吉井長三氏が、小林秀雄、白洲雅子、東山魁夷夫妻などと桜の咲く春に訪れその美しさに魅了され1980年にアトリエをオープン、その後にパリの集合アトリエを模したラ・リューシュを建設し、当地に様々な芸術の館を建設してい...山梨•小淵沢アート旅1清春芸術村

  • 映画 丘の上の本屋さん

    本日の映画レビューは、黒柳徹子さんのナレーションCMでも話題のイタリア映画「丘の上の本屋さん」です。今回の映画は、イタリアの最も美しい村を舞台に、古書店を営む老店主とアフリカ系移民の少年の本を通して心の交流を描いたドラマです。本が好きだけど買うことができない少年に店主は読書感想を条件に本を貸し出していきます。最初は店の前に置かれた漫画に始まり、会話の中で店主から彼が興味を抱く本を進めていきます。物語は書店を訪れたお客の本にまつわるサイドストーリー加わっていますが主題は二人の交流です。最後に少年に渡される本でなるほどそう言う意味だったかと、誰もがわかる優等生的映画でしたが、本や映画の素晴らしをシンプルに伝えるには最適な映画といえます。この作品ユニセフが推薦、文部科学省特別選定となっていますので、本好きの人に...映画丘の上の本屋さん

  • 映画 ザ・ホエール

    本日の映画レビューはブレンダン・フレイザーがアカデミー賞主演男優賞に輝いた「ザ・ホエール」です。ハムナプトラで有名なブレンダン・ジョンソンがカムバックして挑んだ映画が今回の作品、特殊メイクにより体重272キロの孤独な男を演じ、オスカーに輝きました。ちなみにメイクアップ・ヘアメイク部門でもオスカーを獲得しています。監督はダーレン・アロノフスキー、レスラーやブラックスワン、マザーなどの映画で知られています。この監督、とにかく主人公をいたぶることが多いです。今回の作品も精神的にも肉体的にかなりやられてます。ただ、今回は少し希望がもてるものでした。物語は大学講師の引きこもりの男チャーリー。重度の肥満を抱える彼は自らの姿を隠しながらリモートで教えています。余命僅かであることを悟った彼は、長年会うことが出来なかったひ...映画ザ・ホエール

  • 重要文化財の秘密 東京国立近代美術館

    東京アートひとり旅の最終レビューは、東京国立近代美術館70周年記念展「重要文化財の秘密」です。 今回の展覧会は、近代美術の重要文化財68点のうち51点が全国から集結したとても価値のある展覧会です。なぜ価値があるかと言うと重要文化財作品保護の観点から公開が限られているからです。さらにこれらの第一級の美術品が一堂に介することはまず難しいからです。そして、ここ東京国立近代美術館は近代美術の重要文化財の大半を所蔵しているからこそ今回の展覧会が実現したと言えます。日本の美術史において近代美術は分岐点であり新しい芸術のスタート地点ともいえます。現在の日本の芸術の革新の源は近代美術から始まったと言っても過言ではないと思います。また、今日の洋画、日本画、工芸の世界においても新しい潮流であり、当時の美術界においては問題作と...重要文化財の秘密東京国立近代美術館

  • 佐伯祐三 ―自画像としての風景展 東京ステーションギャラリ

      東京アートひとり旅での今回の展覧会レビューは東京ステーションギャラリー(4月15日から大阪中之島美術館)「佐伯祐三―自画像としての風景」です。佐伯祐三は30才でパリで死んだ近代洋画家のスターして知られてますが、その画業は僅か10年余り戦争中にほとんどの作品を焼失し、現存する作品も100点余りと極めて少ない画家です。また、本格的な活動は2回のパリ遊学の4年余りとなっています。今回の展覧会は、自画像としての風景を題し中之島美術館の作品を50点を中心に東京藝大時代の卒業作品やが学生時代の自画像から始まり、2度のパリ遊学時代の内外の風景作品に郵便配達夫やロシアの少女などの人物など彼の画業のすべてを網羅した展覧会です。藤島武二に師事していた頃の印象派の影響漂う作品やパリ時代にブラマンクから「このアカデミックな!...佐伯祐三―自画像としての風景展東京ステーションギャラリ

  • レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才 東京都美術館

    先月の3月21日に東京にアートひとり旅に出かけてきました。展覧会を三カ所巡ってきましたので順に展覧会レビューをしたいと思います。先ずは、今回の最優先美術展の4月9日まで東京都美術館で開催の「レオポルド美術館エゴン・シーレ展ウィーンが生んだ若き天才」です。エゴン・シーレと言えば、クリムトと並ぶウイーン世紀末の画家です。クリムトとは師弟関係にありクリムトがその才能を高く評価していましたが、28歳の若さでスペイン風邪によりこの世を去ります。今回の展覧会は日本での展覧会史上最大のエゴン・シーレ展でレオポルド美術館が誇るシーレ最大のコレクションを中心に展示されています。展覧会は、シーレ初期の写実的な作風から始まり、ウイーン分離派時代、表現主義へと移行し新しい表現へと進みながらも、病による突如終焉を迎える彼の芸術への...レオポルド美術館エゴン・シーレ展ウィーンが生んだ若き天才東京都美術館

  • 映画 グッドバイ、バッドマガジンズ

    本日の映画レビューは、1週間限定の単館上映から口コミで拡大上映となった「グッドバイ、バッドマガジンズ」です。舞台はある出版社、出版業界の第三極に位置する成人雑誌の編集局に中途採用された女性と編集者やライター、営業マンたち。ネットメディアの台頭による出版不況と東京オリンピック開催で起こった大手コンビニの成人雑誌撤去やコロナ感染拡大など、編集局に押しよせる苦難を描いてます。出版業界の憧れを抱きながらも配属された未知の世界、理想と現実中でもがき続ける編集者や時代の波に取り残されたエロ業界の実態などかなりシビアに描きながらもエロを笑いで包み込んだ展開は飽きさせることなく小気味の良さがあります。振り返れば知らぬ間に消えていたコンビニの成人雑誌コーナー、その存在の有無に関しては関係者にも賛否両論があるようで、ビニ本発...映画グッドバイ、バッドマガジンズ

  • 映画 ケイコ 目を澄ませて

    本日の映画レビューは、三宅監督、岸井ゆきの主演の実在を女子プロボクサーがモデルのヒューマンドラマ「ケイコ目を澄ませて」です。数々の映画祭で絶賛、本年度キネマ旬報で1位に輝き、主演女優賞に輝いた本作、ろう者の女性プロボクサー小笠原恵子さんの「負けないで」を原案に気鋭の映画監督三宅唱と脚本家、酒井雅秋による完成した作品は、ボクシングジムでのトレーニングやろう者としてのハンデキャップをリアルに描いています。主演の岸井ゆきのは、当然のことながらほぼ言葉のない演技と過去の作品とはまったく異なるプロボクサーの日常と試合などを生身の自分をさらけ出すように演じています。脇を固めるジムの会長には三浦友和、会長の妻に仙道敦子が、ジムのトレナーや家族役などに実力者の俳優陣が脇を固めています。また撮影には16ミリカメラが用いられ...映画ケイコ目を澄ませて

  • 映画 フェイブルマンズ

    今回の映画レビューは、スピルバーグ監督の自伝的作品「フェイブルマンズ」です。スピルバーグ作品の魅力はエンターテーメントから歴史ものに社会派ドラマまで多種彩々の作品を生み出すところにあると思ってます。今回の作品は、スピルバーグが生み出す映画への思いを自らの生い立ちに乗せた青春グラフィティ作品と言えます。物語は映画の触れるきっかけとなった少年時代から始まり、ボーイスカウトやハイスクール時代の映画製作にいたる原点や映画の道が開かれるまでの姿が家族や友人たちとの交流を通じて描かれています。そんな中で映画人としてのスピルバーグを育んだ母親の存在が大きくクローズアップされています。そんな母親を演じたミシェル・ウイルアムズと主人公のサミー・フェイブルマンを演じたガブリエル・ラベルは、まさに本物の親子のような演技で特にミ...映画フェイブルマンズ

  • 映画 エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス

    本日の映画レビューは、アカデミー賞7冠受賞の「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」です。正直7冠も取っちゃうのと疑問を抱きつつアカデミー賞受賞後の鑑賞です。物語はみなさんご存知の通り、中華系の夫婦が営むコインランドリーを舞台に突如旦那が別の宇宙の夫なり妻に宇宙を支配する悪を倒すのは君だと世界の命運を託され、メタバース(仮想空間)で戦うカンフーアクションです。主演のエブリンを演じたのは、ジャッキー・チェンの作品でもおなじみのミシェル・ヨー。夫のウェイモンドを演じるのはインディージョーンズのかつての子役キー・ホイ・クァン。二人はアジア人初の主演女優と助演男優でオスカーを獲得しました。内容は家族愛をテーマにしてますが、メタバースの世界を動き回るエブリンのドタバタ劇に振り回されるヒューマンコメディ...映画エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス

  • 映画 ソウルメイト/七月と安生

    映画館で観れなかった作品をDVDで観る今回のレビューはデレク・ツァン監督のデビュー作「ソウルメイト/七月と安生」です。今回の作品は、2020年から2021年の話題作や隠された名作が多数配信されているアマゾンプライムで視聴しました。デレク・ツァン監督は過去に紹介した「少年の君」で注目を集める気鋭の新人監督で香港アカデミー賞で12部門にのノミネートされています。主演は少年の君でヒロインを演じたチョウ・ドンユイが主演を務めています。物語は二人のネットで話題の自伝的青春小説「七月と安生」。映画化のためにモデルとなった二人の女性のうち原作者の行方がわからず、もう一人のモデルとなった女性、チョウ・ドンユイ演じる安生のもとに映画会社から連絡が入ります。安生は原作者のことは知らないと嘘を付くが、七月と安生は幼き頃からの親...映画ソウルメイト/七月と安生

  • 映画 エンパイア・オブ・ライト

    本日の映画レビューは、オリビア・コールマン主演、サム・メンデス監督によるヒューマンドラマ「エンパイア・オブ・ライト」です。現在アカデミー賞の話題で持ちきりの映画界ですが、撮影賞のみのノミネートで今回の作品は賞レースには外れた作品かもしれません。しかしながら、オリビア・コールマンをはじめ出演者の好演が光作品です。舞台は1980年代初頭のイギリス。海岸線に佇む寂れた映画館のオリビエ演じるヒラリーはわけありの過去を持つ独身中年女性、ある日劇場のスタッフに黒人青年スティーブンが加わります。スティーブンの明るさと優しさに惹かれるヒラリーですが、やがて不況下の政治状況の中で、二人は思いもしない出来事に巻き込まれていきます。静から動へ、オリビア・コールマンの演技は誰もが心に突き刺さり、自らの境遇の中で苦悩しながらも明る...映画エンパイア・オブ・ライト

  • 映画 バビロン

    本日の映画レビューは、ディミアン・チャゼル監督、ブラッド・ピッド、マーゴット・ロビー共演の「バビロン」です。 最近一億総評論家傾向で、話題作に対して辛口レビューが多い昨今ですが僕の場合は多少の批判はあっても映画への愛に満ちた淀川長春さんをリスペクトしてるので基本良いとこを見つけようとするので辛口批評家の方々はご理解を。さて今回のバビロン、ブラッド・ピット、マーゴット・ロビーの好きな俳優が共演してるのでそれだけも十分満足です。監督はセッションやラ・ラ・ランドなどのヒットで知られるディミアン・チャゼルですから期待値が高まるのも当然でしょう。舞台は1920年代のハリウッド。無声映画からトーキーへと移る映画人たちの人間模様が描かれ監督の映画へのオマージュに満ち溢れた豪華絢爛な作品です。ハリウッドの人気俳優ジャック...映画バビロン

  • アンディー・ウォーホル・キョウト 京都市立京セラ美術館

    本日の美術展レビューは異彩を放った芸術家・第3弾アンディーウォーホルの「アンディ・ウォーホル・キョウト」です。今回の展覧会は最終日に駆け込み鑑賞しましたが、大変ない賑わいでウォーホルの人気の程を伺えます。当時芸術不毛の地であったアメリカにポップアートと言う新しい芸術文化をもたらしたウォーホル。ある意味で現在のアート人気の先駆けと言える存在です。またファクトリーと言われる文化拠点は、音楽や映画などの文化の橋渡しとしてアメリカ文化を牽引してきました。大きく貢献しています。 広告デザイナーとしてスタートした彼のドローイングは、繊細でカラフルでポップアート作品とは異なります。今回の展覧会では数々のドローイング作品スタートしてました。ドローイング作品は個人的にも好みで、20代の頃にギャラリーで入手した猫の画集はお気...アンディー・ウォーホル・キョウト京都市立京セラ美術館

  • 甲斐庄楠音の全貌 京都国立近代美術館

    本日の美術展レビューは、異彩を放った芸術家にスポットを当てた展覧会第2弾として京都国立近代美術館で開催中の「甲斐荘楠音(かいのしょうただおと)の全貌」です。 甲斐荘楠音は、大正から昭和にかけて京都画壇で活躍した日本画家で、後に映画界に転身し京都太秦で舞台芸術家や時代考証などで映画界に寄与したい異色の芸術家です。僕が甲斐荘の存在知るのはかれこれ30年前にさかのぼります。 日本画の世界で美人画と言えば、舞妓や芸妓の美しい姿を思い浮かぶ方も多いと思いますが、彼が描く美人画は美醜を併せ持つ一種異様な出で立ちで妖艶さを漂わせる作品です。甲斐荘は裕福な家柄で育ち、幼少期から歌舞伎や芝居を好み自らも演者と舞台に立ったといいます。彼の描く女性像は、女性が持つ色香が画面全体に漂い人間の本質を作品から伺い知ることができます。...甲斐庄楠音の全貌京都国立近代美術館

  • 展覧会 岡本太郎 愛知県美術館

    今回の展覧会レビューは、異彩を放つ芸術家三人の美術展を鑑賞しましたのでご紹介します。先ずは愛知県美術館で開催中の「展覧会岡本太郎」です。史上最大の岡本太郎展と銘打ち開催中の本展、昨年からの中之島美術館、東京都美術館に続き愛知県美術館で現在開催中です。岡本太郎と言えば、現在も万博記念公園に鎮座する「太陽の塔」や芸術家集団チンポムにより追加された「明日の神話」が思い浮かぶでしょうが、僕の記憶には小学生の頃の太陽の塔や同時期に描かれた原発へのアンチテーゼ作品である明日の神話は断片的な岡本太郎へのイメージしかなく、一番に感じるのはマクセルビデオテープでの「芸術は爆発だ」と叫ぶ奇々怪々な芸術家のイメージが強く残っています。当初は岡本太郎の存在を素直に受け入れることができない状況が続いていました。しかし、岡本太郎を深...展覧会岡本太郎愛知県美術館

  • 第11回円空大賞展 岐阜県美術館

    本日の美術展レビューは、岐阜県美術館で開催中の第11回円空大賞展です。円空大賞展は、美濃で生まれた江戸時代の修行僧で全国を行脚しながら神仏像を彫り続けた円空にちなみ2年に一度土着の伝統に根ざした独創的な芸術家を「円空大賞」として顕彰する展覧会です。本年が11回目のた展覧会となる本展ですが、今回は10回目の節目から新たな息吹を感じる五人の芸術家による展覧会となっています。館内のエントランスの上空には今回大賞を受賞したテキスタイルデザイナー・須藤玲子による「こいのぼりなう!」のタイトルのカラフルで独創的な鯉のぼりが舞っています。また会場内には「布の迷路」と題したオーロラを連想さえる乳白色の布が降り注いでいます。会場入り口に入ると現代陶芸家・中島晴美の藍と白のコントラスト印象的な水玉のオブジェが配置され、その数...第11回円空大賞展岐阜県美術館

  • 映画 RRRアールアールアール

    今回の映画レビューはインド映画史上最高の製作費97億円のエンターテーメント「RRR」です。本作は、昨年の10月21日に公開され劇場公開数の少ない中でロングラン上映を記録しブームとなっているインドのハリウッド(ポリウッド)作品です。僕の観る機会を逃してましたが踊るマハラジャでインド映画にはまってから数々の作品を観てきましたが、インドのエンターテーメント作品の中で最高傑作だと思います。今回はIMAX上映で観ましたが、スケールの大きさに圧倒されました。作品の内容としてはイギリス植民地の時代が舞台となっており、英国人に妹を奪われた村の男ビームと大義のために警察官となったラーマの友情と対立、そしてインド独立への道を描いてます。VFXと生のアクションを融合させた格闘劇やビームとラーマを取り巻くヒューマンストーリーにポ...映画RRRアールアールアール

  • 映画 非常宣言

    本日の映画レビューは、ソン・ガンホ&イ・ビョンホン共演の韓国パニックムービー「非常宣言」です。今回の映画の舞台は飛行機内です。僕の世代にとっては飛行機パニックと言えばエアポートシリーズを思い出しますが、パニック状態に陥る群像劇が特徴でした。今回は、タイトルの非常宣言により緊急着陸を試みますが、機内に持ち込まれたウイルスによるバイオテロにより事態が急変していく内容です。ソン・ガンホが救出に尽力する刑事を、イ・ビョンホンは娘と共に搭乗した元パイロットの父親を演じています。他にも女性大臣にチョン・ドヨン、副操縦士にキム・ナムギルなど名優が顔を揃えています。物語はバイオテロを企てた搭乗者の青年を中心に展開し、その後は機内と政府、刑事の救出劇が展開、パニック状態に陥った搭乗者の人間模様と機内の状況が錯綜しながら進ん...映画非常宣言

  • 映画 Dr.コトー診療所

    本日の映画レビューは、僕の大好きなドラマが映画になりました。「Dr.コトー診療所」です。北の国からの純、そしてDr.コトーの五島健助、子役から青年へ吉岡秀隆を役者として導いたと言えるドラマ、何度も見続けてきた僕にとっては劇場版の公開を楽しみ待っていました。実は原作者の山田貴敏先生は、僕の住む町のお隣り岐阜市出身で親近感があり先生が学生時代に通った柳ケ瀬にある食堂の先生が描いたコトー暖簾は再開発で移転しても店の玄関を飾っています。さて、今回の劇場版は19年後の志木那島診療所が舞台です。コトーこと五島健助と看護師の星野彩佳は数年前に結婚しコトーの子を身ごもっています。変わらない平穏な日常の中で離島の高齢化が進みコトーは島を出て拠点病院の院長の依頼を受けますが、返事を延ばす中でコトーの身に異変が起きます。ここま...映画Dr.コトー診療所

  • 映画 アバター:ウェイ・オブ・ウォーター3D

    新年2回目の映画レビューは、これを見ずして今年は語れないだろう傑作!ジェームズ・キャメロン監督のアバターの続編「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」です。前作アバターの公開が2009年で、前作を観た方は慣れない3Dどうしても映像美だけが先行してすっかり内容を忘れかけてましたが、今回の作品で少しづつ記憶が蘇りました。前作を観てない方も十分魅力的な作品ですが、ちょっと前作のおさらいをしたいと思います。地球の資源問題を解決する鉱物のある惑星に目を付けた人類が惑星パンドラの先住民ナヴィと交渉するも決裂、ナヴィのDNAと掛け合わせたアバターを送り込みパンドラ征服を目論みます。アバターとして送り込まれた兄の身代わりとしてアバターとなったジェイクは、ナヴィ族の人生観に傾倒してナヴィの娘ネイティリと結ばれナヴィの一族とし...映画アバター:ウェイ・オブ・ウォーター3D

  • ゲルハルト・リヒター展 豊田市美術館

    本日の美術展レビューは、豊田市美術館で開催中の「ゲルハルト・リヒーター」展です。よほどの美術ファンでない限りゲルハルト・リヒターを知る人はいないかと思います。先ずはゲルハルト・リヒターについて紹介したいと思います。ゲルハルト・リヒターはドイツ東部ドレスデン出身の現代美術家で、ベルリンの壁による東西分断の前に西ドイツに移住し60年に及ぶ芸術活動を行い90歳にしてドイツ最高峰の画家であり、おそらくは、現存する画家の中でも世界最高峰の画家だと思います。また、2012年にエリック・クラプトンが所有していた抽象画がサザビーズのオークションで生存する画家としては史上最高額で落札されたことで知られ広く一般にも認知されたのではと思います。今回の展覧会は、東京国立近代美術館からの巡回展で豊田市美術館での展覧会で1月29日ま...ゲルハルト・リヒター展豊田市美術館

  • 映画 離ればなれになっても

    新年も一週間余りを過ぎて、何かと忙しい正月を過ごしました。寒中お見舞い申し上げます。今回は、年始に3本の映画を鑑賞したので紹介します。今回のレビューは大晦日に公開され密かに話題となったガブリエレ・ムッチーノ監督の「離ればなれになっても」です。本作はウイル・スミス親子共演で知られる「幸せのちから」でハリウッドデビューを果たしたムッチーノ監督によるもので1982年から40年間にわたる男女4人の出会いと別れを描いたヒューマンドラマです。後から知ったのですがインスタのフォロワーさんでイタリアレビュアーの方の情報で1974年のエットーレ・スコラ監督の「あんなに愛し合ったのに」の時代背景を移したリメイク作品と知りました。物語は高校時代の親友三人が、転校してきた一人の女の子と甘い青春時代を過ごした後に女の子の突然の転校...映画離ればなれになっても

  • 映画 ある男

    今回の映画レビューは平野啓一郎原作、石川慶監督による「ある男」です。芥川賞作家で地元愛知出身でもある平野啓一郎の原作を愚行録や蜂蜜と遠雷などを手掛けた石川慶監督が手掛け、妻夫木聡、安藤サクラ、窪田正孝などの豪華なキャスティングで話題となった本作、遅まきながら鑑賞しましたが、かなり地味な作風ながら随所にハッとさせる演出が光る作品でした。物語はとある田舎町で出会い、窪田演じるある男、谷口大祐と安藤演じる谷口里枝との再婚生活から3年後、事故により死んだ窪田が戸籍を偽った正体不明のXであることは判明、かつて離婚弁護を受けおった妻夫木演じる弁護士の木戸に愛した男の正体を依頼することで起こる顛末を描いたヒューマンミステリーとなっています。また、登場人物のキャスティングも見事で、調査の鍵を握る受刑者の柄本明や安藤サクラ...映画ある男

  • 映画 ザリガニの鳴くところ

    今回の映画レビューは、個人的には今年のベスト1有力のミステリー作品「ザリガニの鳴くところ」です。今回の映画は全世界で1,500万部を突破したミステリー小説が原作になっています。1969年ノースカロライナ州にある湿地帯で青年の変死体が発見されます。死体は町の有力者の息子で容疑者は湿地帯にひとり住む少女カイア。町の老弁護士が弁護に立つ中でカイアはひとりで生活するまでに至る経過と当日の状況を話し始めます。タイトルの「ザリガニの鳴くところ」からザリガニが泣く?との疑問が浮かぶと思いますが、カイアが6歳の時に両親に捨てられひとりで暮らすための大切なキーワードとなっています。人里離れた湿地帯の家で生きるための知恵を生み出していくカイアと彼女を慕いながらも別れることとなった青年との純粋無垢な恋と孤独を癒すために近づいた...映画ザリガニの鳴くところ

  • 映画 ビー・ジーズ 栄光の軌跡

    今回の映画レビューは、稀代のメロディーメイカー、ビー・ジーズのすべてがわかるドキュメンタリー「ビー・ジーズ栄光の軌跡」です。僕にとって、初めて観た洋画が「小さな恋のメロディー」で今でもメロディーフェアと共に名場面が浮かんできます。しばらくして、第二次ディスコブームでディスコで踊りまくってた時代映画「サタデー・ナイト・フィーバー」により再びビー・ジーズに夢中になりました。今回の作品は、ミュージックシーンに燦然と輝く彼らのデビューから現在を追った珠玉の音楽ドキュメンタリーです。1963年にオーストラリアで結成されたバリー、ロビン、モーリスのギブ3兄弟、1970年代にアメリカを中心に活躍し、「マサチューセッツ」やディスコブーム期の「ステイン・アライヴ」など数々の名曲を生み出した兄弟デュオの長編ドキュメンタリーで...映画ビー・ジーズ栄光の軌跡

  • 映画 スラムダンク (THE FIRST SLAM DUNK)

    今回は、ワールドカップで盛り上がる中で公開中の劇場版「スラムダンク」のTHEFIRSTSLAMDUNKのレビューです。僕が鑑賞したのが、ワールドカップのクロアチア戦前、スラダンでテンション上がったところで、ベスト8進出といきたかったのですが残念な結果に。サッカー好きの僕にとっは少しショックで、間をおいてのレビューとなりました。井上雄彦氏が自ら脚本監督をを手掛けた劇場版スラムダンク。原作を読まれてる方はご存知の通り、インターハイでの絶対王者、山王工業戦を独特な作画アニメーションで再現、アニメでは山王工業戦はもとより、新たに劇場用に脚本されたストーリーとしてポイントガード宮城リョータをメインに描かれてます。内容は触れませんが、音楽がとても今の時代にピッタリで主題歌を歌うTheBirthdayのチバユウスケのボ...映画スラムダンク(THEFIRSTSLAMDUNK)

  • 映画 秘密の森の、その向こう

    今回は、前作の「燃ゆる女の肖像」に引き続きセリーヌ・シアマ監督の新作「秘密の森の、その向こう」のレビューです。前回でも述べましたが、過去作において同性愛の要素が強い作品が多いシアマ監督ですが、今回は親子三代にわたる女性が主役となっています。物語は老人ホームのシーンからはじまります。8歳に主人公ネリーは居住者の老人たちに別れを告げていきます。そして、最後に別れを告げた部屋には誰もいません。ママと共にホームを去ったネリーは、祖母の実家に向かいます。両親と共に祖母との思い出の場所でパパと一緒に後片付けをして過ごすネリー。突然ママが姿を消してしまいます。ある日、近くの森に遊びに行くと同年代の少女と出会います。少女はママと同じ名前のマリオン、マリオンの家を訪れるとそこは、祖母が住む実家でした。物語は、ネリーとマリオ...映画秘密の森の、その向こう

  • 映画 燃ゆる女の肖像

    今回の映画レビューは、2回にわたってフランス人女性監督のセリーヌ・シアマの作品の「燃ゆる女の肖像」と新作「秘密の森の、その向こう」をお届けします。先ずはシアマ監督の出世作でカンヌでの受賞作2019年の「燃ゆる女の肖像」です。今回の作品は、18世紀のフランスを舞台に孤島の城に住む女系家族の家の娘の結婚のための肖像画を依頼された女性画家との叶わぬ恋の結末を描いたものですが、父娘で肖像画家であり当時ではめずらしい女性肖像画家のマリアンヌの意志の強い女性と母から娘へと継がれた貴族としての運命を受け入れながらも、対象として自分に静かな抵抗を示すエロイーズとの徐々に燃え上っていく炎のような恋を島の自然と習慣を織り交ぜながら美しく広がる恋模様が肖像画と風景画や風俗画と様々な絵画のように描かれています。特に作品の主題とな...映画燃ゆる女の肖像

  • クマのプーさん展 名古屋市美術館

    今回の美術展レビューは世界中で愛されている絵本の世界を紹介する「クマのプーさん」展です。11月27日が会期終了となる本展、あいにくの雨にも関わらずたくさんの親子連れを中心にすばらしい賑わいです。100年以上にわたり世界中で愛される絵本「クマのプーさん」の世界をくまなく紹介する展覧会は、会場に入るとプーさんAtoZと題された26のキーワードが文章や写真、オブジェなどに紹介、物語の舞台となったイングランド内部の映像やアメリカのエリック・カール美術館に所蔵されている原画100点が物語を紡ぐように展示され、ネイチャーでファンタスティックな世界は広がります。特に僕が注目してみたのは100点の原画です。E.H.シェパードが描く挿絵は、物語の自然や登場人物のやさしさが育まてれたような繊細で美しい水彩画で、イギリス伝統の...クマのプーさん展名古屋市美術館

  • 横山大観展 名都美術館

    今回の美術展レビューは、12月11日まで名都美術館で開催中の近代日本画の巨匠のひとり「横山大観展」です。横山大観と言えば、富士の大観として名を馳せる近代日本画の巨匠として知られています。業界でも大観の富士は名品としてもっとも評価が高いですが、今回の展覧会は、横山大観の画業を様々な作品を通して振り返る回顧展でもあります。作品の構成は、横山大観記念館の名品を中心に全国各地から選りすぐりの作品を集め、日本画コレクションでは有数の個人美術館のひとつである当館の35周年記念する展覧会となっています。今回訪れた日は、前期展示の最終日で仏画や歴史画などの作品も展示されており、東京国立近代美術館所蔵の白衣観音や美人画作品の阿やめなどあまりなじみのない作品を鑑賞でき個人的は収穫でした。後期展示では、パンフレットを飾る或る日...横山大観展名都美術館

  • 河鍋暁翠展 一宮市三岸節子記念美術館

    今回の美術展レビューは、一宮市三岸節子記念美術館で開催中の奇想の画家として知られる河鍋暁斎を父に持つ「河鍋暁翠展」です。幕末から明治にかけて活躍した河鍋暁斎(きょうさい)は浮世絵師歌川国芳や狩野派に学びその独特な画風から北斎や若冲と並び奇想の画家として知られています。今回の展覧会は娘である暁翠(きょうすい)初の本格的な展覧会です。父から画業を学び内弟子として父の作品にも関わった暁翠、思えば北斎の娘の応為と似た境遇のように感じます。彼女の生涯を描き直木賞を受賞した澤田瞳子の「星落ちて、なお」では、彼女の波乱に満ちた生涯が伺い知れます。今回の展覧会で作品を観るにつけ、父であり師匠でもあった暁斎から絵師として学び取る姿勢や画風や表現力に父に劣らない一面が伺い知れ、父とは違う女性ならではの表現も感じ取れました。作...河鍋暁翠展一宮市三岸節子記念美術館

  • 映画 アムステルダム

    本日の映画レビューは、デヴィッド・O・ラッセル監督による豪華俳優陣でお届けするほぼ実話のサスペンス「アムステルダム」です。今回の作品は、第1次大戦後にある陰謀に巻き込まれた人たちの、ほぼ実話のサスペンスです。監督はアメリカンハッスルや世界でひとつのプレーブックのデビッド・O・ラッセル。さらにオスカー俳優やノミネート常連の俳優たちがずらりと顔を並べてます。その顔触れは、クリスチャン・ベール、マーゴット・ロビー、ジョン・デヴィッド・ワシントン、ラミ・マレック、ロバート・デ・ニーロなどなど、さらに歌姫テイラー・スイフトまで出演してます。この顔ぶれだけでも、満腹状態です。物語は、第一次大戦で知り合ったクリスチャン・ベール演じる薬注医師のバートと弁護士のハロルド、看護師のヴァレリー。バートとハロルドはある事件に巻き...映画アムステルダム

  • まるごと馬場のぼる展 刈谷市美術館11月6日まで

    昨日3日文化の日に漫画家であり11ひきのねこの生みの親、馬場のぼる展を観てきました。今回の展覧会は「まるごと馬場のぼる描いたつくった、楽しんだニャゴ!」と題して馬場のぼる先生の魅力がまるごと詰まった展覧会です。午後3時に到着すると、いつもとは違う賑わいで入場待ちのご家族連れが10数組入口で待機、館内に入るとすごい賑わいで混雑してました。ちなみに、文化の日の入場無料かと思いきや通常通り入場料金を払って観覧されてます。今回の展覧会の中心は、1967年の第1作誕生からシリーズ全6作のロングセラー絵本「11ひきのねこ」の原画や版下、アニメセルがなどの並ぶ展示室。絵本の世界を辿りながら足を運ぶ展覧会は、ここ刈谷市美術館の特色でもあります。絵本を通して親子のふれあいを大切に育んでいる美術館に敬意を表します。次の展示室...まるごと馬場のぼる展刈谷市美術館11月6日まで

  • 日本画の巨匠 前田青邨展 岐阜県美術館

    本日の美術レビューは岐阜県美術館開館40周年を記念して開催中の近代日本画の巨匠として知られる「前田青邨展」です。前田青邨は岐阜県中津川市出身の日本画家で、再興日本美術院の重鎮として長年活躍され文化勲章を受章するなど、弟子には平山郁夫がおり、日本画の巨匠として広く知られる画家です。今回の展覧会は岐阜県美術館開館40周年記念展として開催、青邨の代表作の早稲田大学・会津八一記念博物館所蔵の大作「羅馬使節」や重要文化財の「洞窟の頼朝」などの大作を含め100点以上の名品が一堂に介しています。ここで、近代日本画について説明したいと思います。日本画と言うと水墨画や平安から江戸時代に亘る大和絵を想像される方も多いと思います。明治以降の近代日本画においては、そうした日本の古典絵画の伝統を踏まえながらも西洋絵画にも影響を受け...日本画の巨匠前田青邨展岐阜県美術館

  • 映画 スペンサー ダイアナの決意

    本日の映画レビューは、ダイアナ妃が離婚を決意したクリスマス前後の3日間を描いた「スペンサーダイアナの決意」です。没後25年、プリンセスダイアナを取り上げた映画のひとつが今回の作品で、チャールズ現国王の元妻ダイアナの葛藤と離婚への決意を3日間に凝縮した内容です。愛車ポルシェに一人乗り道に迷う。ヘンリー8世国王の王妃であったアンと自分を重ね合わせる。現国王カミラ夫人と同じ真珠のネックレスを引きちぎるなどダイアナの悲劇的な一面が続きますが、その苦悩するダイアナを演じたクリステン・スチュワートの演技が輝きを放っています。また、個人的には彼女の唯一の友人であり衣装係を演じたサリー・ホーキンスの寄り添う演技が良かったです。この映画では、エリザベス女王やチャールズ皇太子など王室一族の平然さとダイアナ妃の感情的な部分が対...映画スペンサーダイアナの決意

  • 碌山館 天逝の彫刻家・荻原守衛

    JR穂高駅にほど近く線路沿いに佇むヨーロッパの田舎町に佇むような蔦の絡まる教会風の洋館。碌山館は30才で病により壮絶な死を遂げた近代彫刻の始祖とも言うべき荻原守衛(碌山)を称える美術館として1958年(昭和33年)に30万人に寄付と支援で生まれました。日本における近代彫刻家と言えば、智恵子抄でも知られる詩人、画家でもあった高村光太郎を思い浮かべる方も多いかと思います。その光太郎と碌山の出会いは、印度式カレーやクリームパンの元祖として知られる新宿中村屋にありました。新宿中村屋は、若き芸術家の集まる中村屋サロンとして、戸張弧雁、斎藤与里、中村彜などの大正期の芸術家を生み、その中心にいたのが荻原守衛でした。碌山館も以前は新宿中村屋にあり残された彫刻作品15点が故郷の地に収められました。彼が信望したキリスト教にな...碌山館天逝の彫刻家・荻原守衛

  • 松本・安曇野アート旅 その2

    松本・安曇野アート旅、今回は安曇野編です。前日の夕方に、向かったのは安曇野市豊科近代美術館。安曇野市庁舎の奥に位置するロマネスク様式の美術館は、1992年旧豊科町立美術館として誕生、遺族関係者により寄贈された日本の近代彫刻の第2世代である高田博厚氏の彫刻作品と森鴎外の作品にも登場する洋画家宮芳平の作品を根幹に、安曇野ゆかりの画家たちの作品を収蔵しています。高田博厚の彫刻は、フランス在住時代に親交のあった芸術家や思想家のなどの肖像彫刻作品や古代彫刻の影響による数々のトルソ作品が並びます。フランスの精神文化に根差した奥深さを感じます。宮芳平は、戦前は日本美術院に学び文展等に出品、戦後は国画会に出品するなど近代洋画家の一人として活躍した画家です。幻想的な画風が印象的な画家ですが、今回最も目を惹いたのが1914年...松本・安曇野アート旅その2

  • 鹿児島市立美術館名品展 松本市美術館

    松本・安曇野アート旅、今回は松本市美術館で開催の鹿児島市立美術館名品展のレビューです。鹿児島市と松本市が文化・観光交流協定10年を記念して開催中の本展、僕にとって未知の美術館だった鹿児島美術館の名品展とあって楽しみに鑑賞しました。それぞれの美術館のコレクションは、郷土の画家たちの作品を中心に収蔵されていますが、鹿児島美術館は黒田清輝、藤島武二、和田英作と近代洋画家を輩出、さらに東郷青児、海老原喜之助の現代洋画へと続く洋画コレクションの宝庫でした。今回の展覧会でも、第1章で郷土ゆかりの画家たち作品がずらりと並びます。なかでも日本画から洋画に転じ木版画の世界にも優れた才能を発揮した橋口五葉の作品が美術館の中核として紹介されています。第2章では黒田清輝が影響を受けたラファエル・コランに始まり、モネ、セザンヌの印...鹿児島市立美術館名品展松本市美術館

  • 松本・安曇野アート旅 その1

    先日の10月9日、10日の連休を利用して松本市と安曇野市にひとりアート旅に出かけました。今回は旅の概要と印象に残った美術館や美術展のレビューを数回にわたってご紹介したいと思います。いつものように金曜日の夜に出発、国道19号線を使い深夜に、車中泊のための道の駅・今井恵の里に到着、駐車場にはキャンピングカーもちらほらとかなりの車が停まってました。明朝、賑わいの声と共に起床すると、朝から農産物を買い求めるお客さんで大盛況、僕もつられて梨と野菜、お米を購入、そして松本市内へ向かいます。先ずは、国宝巡りで松本城で朝から城内に入るのに30分の待ち時間、さすが人気の松本城です。国宝四城のひとつ松本城の階段は犬山城と比べられば急ではないですが、城内の広さに圧倒されました。また、城内で観光客の安全を守るスタッフの方の親切な...松本・安曇野アート旅その1

  • 映画 ヘルドッグス

    本日の映画レビューは、岡田准一&坂口健太郎共演、原田眞人監督の「ヘルドッグス」です。先ずはこの映画、意外とヤバいです。良い意味で。内容としては、ある事件をきっかけに復讐の鬼となった元警官が、再び潜入捜査官となり関東最大の暴力団組織に入り手なづけた相棒もろとも組織崩壊に導いていくという、アウトレイジとインファナルアフェアを足して二で割った感じの内容です。潜入捜査官は兼高昭吾には岡田准一、サイコパスの相棒役には坂口健太郎、この二人が組織のトップ、MIYAVI演じる十朱義孝のボディガードなってからの展開が凄まじく、組織の人間たちの本当の顔が明らかになり、かなり濃密な内容でした。今回の技闘デザインを担当した岡田君のアクションは、現代劇から時代劇まで幅広く演じた実力通り見事で、坂口君のサイコパスぶりもお見事、そして...映画ヘルドッグス

  • 映画 沈黙のパレード

    本日の映画レビューは、ガリレオシリーズ劇場版最新作「沈黙のパレード」です。ガリレオシリーズはドラマも劇場版も必ず鑑賞してますが、今回は少し遅れて鑑賞となりました。劇場版は「容疑者Xの献身」「真夏の方程式」に続く3部作。前作のオムニバスも加えて充実した内容となってます。あと個人的な印象ですが東野圭吾原作はどこか暗いイメージがありますが、ガリレオシリーズは明るさの中に人間臭さが漂うイメージがあります。今回もそんな感じが漂う作品でした。物語は数年前から行方不明になっていた女子高生が遺体となって発見。柴咲コウ演じる内海が担当したその容疑者に北村一輝演じる草薙がかつて担当した少女殺害事件の容疑者が浮上。容疑者は黙秘を続け無罪となった男だった。男は今回も黙秘を貫いて証拠不十分で釈放され女子高生が住んでいた町に戻って来...映画沈黙のパレード

  • 金沢アート旅

    先月の連休に思い立って金沢へ車中泊アート旅をしてきました。17日の夜に家を出て、いつもののんびり下道ドライブ。郡上八幡から福井九頭竜湖を経由して深夜に白山市の道の駅・瀬女車中泊。翌日の朝金沢市内へ向かいました。金沢は、観光巡りにはとても良い街です。駅周辺には終日800円程度で停められる駐車場があり、駅前のターミナルから金沢市内一日フリー乗車券600円を利用します。先ずは金沢21世紀美術館へ。残念ながらシンボル的存在のプールの地下入場はできませんでしたが、千葉の写実絵画専門美術館ホキ美術館名品展と漫画家・安野モヨコ展が開催されてました。ホキ美術館は、千葉市にいつかは行ってみたいと思ってたので代表作品が観られたのはラッキーでした。安野モヨコ展も蜷川実花監督のさくらんや花とみつばち、ハッピーマニアなどの作品で知...金沢アート旅

  • 映画 グッバイ・クルエル・ワールド

    本日の映画レビューは大森立嗣監督、西島秀俊主演の「グッバイ・クルエル・ワールド」です。さよなら渓谷やマザーなどで知られる社会にはみ出した人々の悲哀を描くことで名高い監督が、今回挑んだのはクライムエンターテーメント。一夜限りで結成された強盗団がラブホテルの一室でヤクザ組織がマネーロンダリング現場を襲い強奪に成功しますが、子飼いの刑事を使って見つけ出す始末すると言う内容です。強盗団の面々は西島演じる元やくざ安西に、全学連上がりに三浦友和演じる浜田、金貸しの斎藤工演じる萩原、金を借りた相手の宮川大輔演じる武藤と恋人役の玉城ティナ演じる美流。そこにラブホテルの従業員の宮沢氷魚演じる矢野が加わり、血に血を争う惨劇が繰り広げられます。子飼いの刑事役には、監督の弟でもある大森南朋が演じ刑事得意の情報戦で犯人を見つけ出す...映画グッバイ・クルエル・ワールド

  • 映画 ブレット・トレイン

    本日の映画レビューはブラッド・ピット主演で伊坂幸太郎原作の「ブレット・トレイン」です。伊坂幸太郎原作の映画化作品はほぼ観ています。中でも堺雅人主演のゴールデンスランバーは傑作だと思っています。また伊坂原作映画で出演した俳優は後に人気俳優になっていますし伊坂作品の魅力が俳優たちの演技を光輝かせていると感じてます。今回は何とブラッド・ピッド主演のハリウッド作品とあってどんな感じになるか楽しみでした。今回の映画は、マリアビートルが原作になっています。新幹線に乗り込んだ殺し屋同士が現金の入ったジュラルミンケースを奪いあう殺し屋の群像劇となっています。主演のブラッド・ピットはいつも他の事件に巻き込まれているレディ・ハグという殺し屋を演じているのですが、個性的な殺し屋が違う目的で乗り込んで新幹線の密室の中で殺しあうと...映画ブレット・トレイン

  • 国際芸術祭あいち2022 総評

    尾西エリア・塩田千春作品愛知では国際芸術祭あいち2022が10月10日まで開催されています。2010年から3年ごとに開催されたあいちトリエンナーレが前回の「表現の不自由展」が契機となってか、今回から名称を変え「国際芸術祭あいち」となりました。負のイメージを払拭したい思いがあるかと思うのですが、僕はあいちトリエンナーレで良いと思ってます。あいちトリエンナーレは、過去には芸術監督(総合プロジューサー)として芸術分野での監督が2010年、13年、16年と担ってきました。19年にジャーナリストの津田大介氏が監督になり良くも悪くも、あいちトリエンナーレを世間に広めました。しかしながら、表現の不自由展ひとつに矛先が向けられ、他の展示に目が向けられなかったことは個人的には残念でした。そして今回の国際芸術祭あいち2022...国際芸術祭あいち2022総評

  • 映画 NOPE/ノープ

    今回の映画レビューは、ジョーダン・ピール監督の三作目の長編映画「NOPE/ノープ」です。ゲットアウトでは白人家族が黒人の脳を移植し、アスではクローン人間と人間が地上と地下で交錯するという摩訶不思議で斬新なホラーを展開して話題となりました。三作目のノープでは、どんな展開が待ち受けるか恐る恐る鑑賞しました。テーマは空を見てはいけない。牧場を経営し映画に馬を提供しているヘイウッド一家。ある日空から異物が降り注ぐ現象の中で父が謎の事故死を遂げます。息子のOJは死の直前に空に謎の飛行物体を目撃したと妹に打ち明け妹は飛行物体を映像に収め一儲けしようと企てます。口八丁の妹と撮影機材を購入したホームセンターのオタク従業員に、ドキュメンタリー映画のプロカメラマンが加わって飛行物体をカメラに収めようとするまでの過程にいたるス...映画NOPE/ノープ

  • ボテロ展 名古屋市美術館

    先日の休日に、名古屋市美術館で開催中のボテロ展と名称を変え新たなスタートを切った国際芸術祭あいち2022にアート巡りをしてきましたのでレビューしていきます。先ずは、名古屋市美術館で開催の「ボテロ展ふくよかな魔法」から。東京では大盛況だったボテロ展、フェルナンド・ボテロは南米コロンビアを代表する画家で彼が描く対象が丸くふくよかなのが特徴です。その作風は、どこか馴染みのあるもので親しみがあるのですが、彼の描く世界はどこか皮肉めいたユーモアを持っています。例えば守護天使やキリスト、神父などの聖職者の姿にも独特なユーモアがあり、人間臭さがあります。また、色使いもメリハリがあり原色と中間色を融合させながら親しみのあるふくよかなりリテールを際立たせています。また、作品のモデルとして何度も描かれた「モナ・リザ」はダヴィ...ボテロ展名古屋市美術館

  • 映画 ジュラシック・ワールド/新たなる支配者

    本日の映画レビューは、シリーズ最終作の「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」です。実は8月16日に鑑賞しましたが、雑用に追われてブログでのレビューが遅くなりました。ジェラシックパークから始まりシリーズ最終作となる本作、スピルバーグへのリスペクトを込めて気合をいれてレビューしたいと思います。先ずは、ジェラシックパーク(ワールド)シリーズの前5作をかんたんに解説したいと思います。ジェラシックシリーズは、パーク3部作(1993年・97年・2001年)とワールド3部作(2015年・2018年・2022年)に分かれます。パークシリーズでは、クローン技術により現代に甦った恐竜たちのパーク建設に絡む策略と失敗がテーマで、学者と実業家との対立により物語が構成されています。パークでは、アラン、エリー、イアンの三人の科学...映画ジュラシック・ワールド/新たなる支配者

  • ピカソひらめきの原点 佐川美術館

    夏季休業期間を利用して、先日佐川美術館で開催中の「ピカソーひらめきの原点」を鑑賞してきました。感染対策のため、ウエッブでのチケット予約をしたことでスムーズに入場できましたが、スマホでのQRコード入場が美術館でも普及していくと思います。さて目的の展覧会は、イスラエル博物館所蔵のピカソ作品によるものです。ピカソはご存知の通りユダヤ人で平和主義者でもありました。また、セルフプロデュースにもたけており、その時代の最先端アートを意識しながら作風を変えたことでも知られます。実はピカソは、作風においては産みの親ではありませんが、時代のアートを嗅ぎ取り独自化する天才と言えます。また、ピカソは若い頃からプレーボーイとしての資質を持っていて、まあ、あの時代の画家たちはプレーボーイばかりですが、何せピカソは生涯浮名を流し、出会...ピカソひらめきの原点佐川美術館

  • 映画 わたしは最悪。

    本日の映画レビューは、ヨアキム・トリアー監督新作でカンヌコンペティション出品作「わたしは最悪。」です。今回の作品は、デンマーク出身のヨアキム・トリアー監督脚本のノルウェー・フランス・スウェーデン・デンマーク合作作品でアカデミー賞の脚本賞、国際長編映画賞にノミネート、カンヌでは主人公のユリアを演じたレナーテ・レインスベが女優賞に輝いた話題作です。仕事に恋愛に移り気な主人公のユリアが自分探しの旅的な内容ですが、女性を中心に共感を得ているそうです。男性の立場でも異性に対する恋愛観の違いや仕事に対する悩みなど理解できるものでした。物語は12章から構成され、それぞれの章にタイトルにそって物語が展開されています。主人公のユリアはシングルマザーと祖母に育てられた才女で医学部に進学し、外科を専攻するも人間に興味があり心理...映画わたしは最悪。

  • フェルメール 窓辺で手紙を読む女の私的考察

    先日の大阪市立美術館で開催中のドレスデン国立古典絵画館所蔵のヨハネス・フェルメール作「窓辺で手紙を読む女」の作品解説や修復作業などを知って僕なりの考察をしてみました。皆さん御存知の通り、この作品はX線検査によって1979年に壁に塗られた奥にキューピットの画中画が発見され2017年から塗られた壁の絵具を取り除く作業が行われ2019年当初の姿が蘇りました。そしてドレスデン国立古典絵画館に次いで世界で初めて日本でお披露目となりました。このことは、世界の中でもっともフェルメールファンが多いからではと勝手に推測してます。僕もフェルメールファンの一人ですが、この絵画の不思議な巡り合いを知るにつけて、ますますこの作品が魅力的なりその経緯から想像力を掻き立てられました。先ずは修復前の作品の塗られた壁についてですが、この作...フェルメール窓辺で手紙を読む女の私的考察

  • フェルメールと17世紀オランダ絵画展 大阪市立美術館

    神戸、大阪アート旅のレビュー2件目は大阪市立美術館で開催中の「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」です。※動画は東京都美術館のものが見やすいので参照しています。今回の展覧会は、ドイツのドレスデン国立古典絵画館所蔵作品展ですが、なんと言ってもヨハネス・フェルメールの「窓辺で手紙を読む女」でしょう。1979年のX線調査で壁面にキューピットの画中画が発見され、2019年からの修復プロジェクトによりキューピットが蘇った作品が世界初出展となります。日本でのコロナ禍により、一時は幻に終わると思えた巡回展覧会が開催されていることは美術ファンにとっては朗報です。今回は、いつもはあまり使わない音声ガイドを聴きながら展覧会をゆっくり鑑賞しました。音声ガイドは主にオランダ絵画についての作品解説で知名度が低い作品について解説し...フェルメールと17世紀オランダ絵画展大阪市立美術館

  • スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち展

    ※スコットランド国立美術館を代表する「アメリカ側から見たナイアガラの滝」と「エディンバラの三美神」先日、神戸と大阪にて東京からの巡回展となるスコットランド国立美術館展とドレスデン国立古典絵画館所蔵品展とリニューアルとなった藤田美術館に出かけてきましたので順次レビューしたいと思います。今回の絵画レビューは神戸市立博物館で開催中の「スコットランド国立美術館THEGREATS美の巨匠たち」です。ヨーロッパ屈指の規模を誇るスコットランド国立美術館、西洋美術史の歴史を飾る巨匠たちや地元スコットランドやイギリスの画家たちを作品も広く所蔵しています。今回はルネサンス、バロック、グランドツアーの時代、19世紀の開拓者の四つのパートで展開されています。ルネサンスでは、何といってもエル・グレコのサルバトール・ムンディの図像、...スコットランド国立美術館THEGREATS美の巨匠たち展

  • 映画 ベイビー・ブローカー

    本日の映画レビューは、韓国の実力派人気俳優と是枝裕和監督がタッグを組んだ最新作「ベイビー・ブローカー」です。万引き家族、海街diary、そして父になるなど家族をテーマにした作品で評価が高い是枝監督、万引家族では血の繋がらない者たちの異色の家族像を描きカンヌで最高賞を受賞し、今回はベイビーブロカーと言う裏稼業を介して家族を形成していく人々の姿を描いています。この作品では、ソン・ガンホが韓国人初のカンヌ主演男優賞を受賞ました。物語はクリーニング店を営むソン・ガンホ演じるハン・サンヒョとカン・ドンウォン演じる孤児院育ちの赤ちゃんポストのスタッフ、ユン・ドンスが裏稼業のベイビーブロカーで捨てられた赤ちゃんと母親と共に養子探しをする中で、家族的な絆を築いていくロード―ムービーです。そこに、取引による現行犯逮捕を目論...映画ベイビー・ブローカー

  • 映画 エルヴィス

    本日の映画レビューは、バズ・ラーマン監督によるキング・オブ・ロックンロール、エルヴィズ・プレスリーの伝記映画「エルヴィス」です。僕にとって洋楽、ロックの世界に導いてくれたアーティストのひとりエルヴィス・プレスリー。戦後アメリカを代表するマリリン・モンローと並ぶ二大スターの彼が42歳でこの世を去り45年の歳月をえ経て映画で蘇ったのはとてもうれしいです。映画「ボヘミアンラブソディ」のヒットでエルヴィスを知らない人は二番煎じかと思われている人も多いと思いますが、さすが、音楽映画を数多く手がけたバズ・ラーマン監督、エルヴィスの誕生から栄光、挫折と破滅の人生を見事に描いています。エルヴィスの死因は心臓発作による突然死ですが、当時はドーナツなどの甘いものによる糖尿病などとまことしやかに囁かれていました。後に彼の敏腕マ...映画エルヴィス

  • 映画 リコリス・ピザ

    本日の映画レビューは、アカデミー賞3部門ノミネートのポール・アンダーソン監督最新作「リコリス・ピザ」です。ようやく日本でも公開となった本作、1970年代のカリフォルニア・サン・バレーを舞台にした青春群像劇です。雰囲気としては1970年代のロスを舞台にしたホアキン・フェニックス主演の「インヒアレント・ヴァイス」ですが、こちらは子役出身の高校生が学校の写真撮影のスタッフの年上女性に恋をして猛アタックを繰り返すシンプルな内容です。主演の二人はクーパー・ホフマンとアラナ・ハイムは、決して美男美女ではなく、どちらかと言えば容姿が特徴的な二人です。ホフマンはオスカー俳優と父と衣装デザイナーの母を持ち、亡き父と関係の深い監督が今回の主役に抜擢し、アラナ・ハイムは、三姉妹バンドで末っ子で監督がMVを手掛けた縁で家族出演で...映画リコリス・ピザ

  • ミロ展 愛知県美術館7月3日まで

    今回の美術展レビューは、愛知県美術館で7月3日まで開催中の「日本を夢みてミロ展」です。先日アート好きな友人たちと人込みをさけ金曜日の夜間延長を利用して鑑賞しました。美術館の金曜日は大半の美術館が夜8時まで開館延長してますので、週末の美術鑑賞には最適ですぜ。ぜひご利用してみください。さて、ジョアン・ミロはピカソやダリと並ぶスペインを代表する画家の一人で、一般的にはその画風から抽象画のイメージがあると思いますが日本で初めて紹介した美術評論家で詩人の瀧口修造氏によるとダリの属するシュールレアリスムの画家と言われています。しかしながら、その画風は多岐にわたり、抽象画のような作品も暗号的な記号や数字、線描による人物か静物の表現の中にシュールレアリスムの表現が隠されています。また、今回の展覧会のテーマである日本文化へ...ミロ展愛知県美術館7月3日まで

  • 映画 オフィサー・アンド・スパイ

    本日の映画レビューは、ロマン・ポランスキー監督の最新作で歴史的冤罪事件を描いた「オフィサー・アンド・スパイ」です。19世紀のフランスで実際に起きた冤罪事件「ドレフェス事件」をロバート・ハリスの同名小説を原作に忠実に描き、2019年のベネチア映画祭で審査員グランプリの銀獅子賞を受賞しています。物語の冒頭でユダヤ系フランス人大尉であるドレフェスが国家機密を漏らしたスパイ容疑で終身刑を受けます。彼が投獄される場所が、映画パピヨンでも有名な孤島の刑務所、無実を訴えながら公衆の面前で軍人として名誉を奪われ収監されます。元教官のピカールは、赴任先の諜報部でドレフェスが無実である証拠を偶然発見します。隠ぺいを図る上層部や証拠捏造に関わった部下たちの圧力の中で、ピカールは友人や彼を支持する人々の助けの中で、軍事裁判に挑ん...映画オフィサー・アンド・スパイ

  • 映画 トップガン マーヴェリック

    今回は公開初日に観てきました待ちに待ったトム・クルーズ主演の映画「トップガンマーヴェリック」のレビューです。今回の映画はレビューと言いましたが、ファン目線で「トップガンマーヴェリック」の魅力をご紹介したいと思います。物語は1986年のトップガンの続編として伝説となったトム・クルーズ演じるマーヴェリックがかつてのライバルとしてしのぎを削ったバル・キルマー演じるアイスマンの命を受けて若きトップガンパイロットたちの教官となります。当初は、任務を担うトップガンの選出と訓練を教えることだけがでしたが、そこはかつての破天荒ぶりは健在で、生死を決する任務の先頭に立ってしまうって感じです。先ずこの映画は、トム・クルーズ無くして完成しなかった映画であること。トム・クルーズの魅力であるスタントマンなしで挑むアクション。今回もCGな...映画トップガンマーヴェリック

  • 映画 流浪の月

    本日の映画レビューは、李相日監督、松坂桃李&広瀬すず主演の「流浪の月」です。原作は本屋大賞受賞の凪良ゆう。今回の作品は原作を読んでる方からも支持されている作品でかなりの期待を持って鑑賞しました。150分の長編作品ですが出演者たちの迫真の演技で満足できるものでした。今回の映画は、先日の「死刑にいたる病」と共に2022年を代表する作品だと思います。この二作品が同時期に公開されていることは、映画ファンにとっては幸運なことだと思います。松坂演じる誘拐犯になってしまった佐伯文と被害者になってしまった広瀬すず演じる家内更紗が15年後に再会、横浜流星演じる更紗の恋人や多部未華子演じる文の恋人も絡み、過去を受け入れながら、静かに生活を送っていた二人が再会により荒波にさらされていく、全編傷みを感じる内容です。出演者の過去の演技か...映画流浪の月

  • 七宝の美展 横山美術館

    美術展レビュー二回目は、横山美術館で開催中の「細密の世界で魅了した七宝の美」展です。明治の超絶技巧で注目された七宝焼き。東京の涛川惣助、京都の並河靖之の「両ナミカワ」により広く七宝焼きの技法が知られるようになりました。今回の展覧会は名古屋や海部郡七宝町で作られた尾張七宝を紹介する展覧会です。尾張七宝では現在のあま市を拠点とする七宝焼きや現在を老舗七宝店として存在する安藤七宝がここ東海地区ではよく知られています。しかしながら「銘を入れなくとも作品の出来栄えを見れば誰が作ったかは明らかに判る」との職人気質が強くあまり日本では注目されませんでした。しかしながら海外では有銘、無銘にかかわらず質の良い日本の七宝焼きは高く評価されているそうです。今回の展覧会は、日本では正当な評価を得られていないかった無銘の七宝焼きにスポッ...七宝の美展横山美術館

  • 新野洋/西澤伊智朗展 ヤマザキマザック美術館

    先日、新栄にあるヤマザキマザック美術館と横山美術館を訪れましたので、現在開催中の二館の企画展をご紹介します。先ずは、ヤマザキマザック美術館で開催中の新野洋と西澤伊智朗の現代工芸作家による展覧会です。新野洋は京都在住の現代美術作家でシリコーンゴムで型どりして合成樹脂を流し込み作られた部品を組み合わせて未知なる生物を作り出し、会場全体に設置された透明感のある結晶体のような造形物は今までに見たことのない不思議な生命体を感じます。一方で制作活動の基礎となっている草木や昆虫はリアリティあふれる水彩画作品も展示され、原画と立体造形物が同居することで未開の森を訪れたような感覚になります。西澤伊智朗の土肌の風合いを生かした現代陶芸作品で、草木や冬虫夏草など年月を重ねて朽ち果てながら大地と同居する古代の遺産物のようなオブジェで、...新野洋/西澤伊智朗展ヤマザキマザック美術館

  • 映画 死刑にいたる病

    本日の映画レビューは、白石和彌監督の最新作で阿部サダヲと岡田健史共演のサイコサスペンス作品「死刑にいたる病」です。映画は櫛木理宇の傑作サスペンスを原作に、そこのみにて光輝くやオーバーフェンスなどを手掛けた人気脚本家の高田亮によるもので、俳優陣も初共演というフレッシュなメンバーで構成されています。今回、僕の好きな白石和彌監督と阿部サダヲがタッグを組んだことで期待をもって鑑賞した作品でしたが、白石監督の作品を欠かさず観てる僕としても、凶悪以来の衝撃を感じる作品でした。内容は阿部サダヲ演じるサイコパスキラーの榛村大和と岡田健史演じる大学生の筧雅也の拘置所からの出会いでスタート。24人を殺害した大和から一人の冤罪の照明をしてほしいとの依頼を受け、担当弁護士の公判記録から冤罪と言われる事件の真相を明かしてサスペンスドラマ...映画死刑にいたる病

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