りんさん さん プロフィール

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りんさんさん: りんのショートストーリー
ハンドル名りんさん さん
ブログタイトルりんのショートストーリー
ブログURLhttps://rin-ohanasi.blog.so-net.ne.jp/
サイト紹介文気軽に読めて笑えるショートストーリーです。名作パロディーやファンタジーなどが中心です。
自由文お話を作るのが大好きで、こっそり書き溜めていたのですが、夫と子供に見せたところ、面白いからブログに載せたら、と言われて、思い切って作っちゃいました。

重い話はありません。
楽しいショートストーリーが中心です。
お茶でも飲みながら読んで欲しいです。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供63回 / 365日(平均1.2回/週) - 参加 2009/11/29 22:51

りんさん さんのブログ記事

  • ハムレター
  • 天国へ行ったハムスターから、手紙が来た。秋の空をふわふわ舞いながら、わが家の庭に落ちてきた。拝啓スズキ家の皆様、お元気でお過ごしであろうか。生前はずいぶんと世話になった。部屋の適度な温度調節、バランスの良い食事、こまめなトイレ掃除など、感謝の念に堪えない。ところで、風の噂で聞いたのだが、ネコを飼い始めたそうではないか。いや、まさか、私が死んでひと月も経たないうちにネコを飼うなんて、スズキ家の面々が [続きを読む]
  • 患者が愛した男
  • あの人に会えると思ったんですよ。現世では結ばれなかったあの人と、あの世で一緒になりたかった。だけどあの人は、迎えに来てはくれませんでした。お花畑が見えたんです。きれいな川が流れていて、あれが恐らく、三途の川だったのでしょう。向こう岸で手招きしたのは、あの人ではありませんでした。白い着物を着た女の人でした。よく見たらその人は、あの人の奥様じゃありませんか。物凄く怖い顔で、手招きをするのです。「早く渡 [続きを読む]
  • ひとりの夕食
  • 父の様子がおかしいと、姉から電話があった。3か月前に母が亡くなり、父は独り暮らしになった。近所に住む姉が、毎日食事を作りに行っていたが、夕飯を全く食べていないという。「お昼は残さず食べるのよ。だけどね、夕飯用に作った料理には手を付けてないの。レンジでチンするだけなのに、それも面倒なのかしら。お願い、一度様子を見に行って。私はついキツイこと言っちゃうから」そんなわけで、次の休日、父の家に向かった。父 [続きを読む]
  • 未来の兄嫁
  • 今年大学生になったお兄ちゃんは、お盆休みが終わるとさっさと東京に帰った。もっとゆっくりすればと、お母さんは言ったけれど、「バイトが」とか、「サークルが」とか言いながらそそくさと帰った。わたしは知っている。お兄ちゃんには、彼女がいる。「お母さんに言うなよ」と、わたしにだけこっそり、写真を見せてくれた。おしゃれで笑顔がステキな可愛い人だった。会ってみたいと、わたしは思った。うちに遊びに来ないかな。こん [続きを読む]
  • 隣のおばさん
  • 隣の住人が出かけたのを見て、萌はこっそり家を出た。おばさんから預かった鍵を握りしめ、誰にも見られていないことを確かめながら鍵を開け、隣の家に入った。おばさんが書いたメモを見ながら奥の部屋に行き、タンスの扉を開けた。宝石箱には赤や緑の宝石がついた指輪やネックレスがたくさん入っている。それらを全部袋に入れて、萌は素早く家を出た。悪いことをしている感覚は全くなかった。だって萌は、大好きなおばさんに頼まれ [続きを読む]
  • 森の神隠し
  • 夏休み、ママの故郷に行った。家の裏には深い森があって、ママと一緒に森林浴に行った。美しい森だ。木立の間から差し込む光は、まるでスポットライトのように輝いている。「ママは昔、この森で迷子になったことがあるのよ。毎日のように遊んで、慣れているはずの森で迷子になったの。一週間後、この木の下で発見されたの。髪も服もボロボロで、抜け殻みたいにしゃがみ込んでいたそうよ」ママは不思議なことに、その一週間のことを [続きを読む]
  • 熱帯夜に誘われて
  • 暑い暑い、夏の夜でした。あまりに続く熱帯夜に、眠れぬ日々が続いておりました。夜中に目が覚めて、あまりに暑いものだからベランダに出ました。ねっとりとした空気と、両隣で響くエアコンの室外機。そのせいで、風は生温かく、ちっとも涼しくないのです。ふと見ると、小さな光が揺れています。線香花火が消える間際のような、静かな儚い光です。ゆらゆらと揺れながら、こちらに向かってくるのです。「眠れないのかい?」低いのに [続きを読む]
  • おとぎ話(笑)22 猛暑編
  • <ゆきおんな>雪山で命を助けたあの男。あれから半年たったけれど、私のことを誰かに話してはいないだろうか。誰かに話したら殺すと言った約束を、忘れてはいないだろうか。ちょっと様子を見に行くか。ゆきおんなは、久しぶりに里に下りた。男の遭難から半年後の、7月のことだった。「暑!! なにこれ、暑!!!」<かさ地蔵>おじいさんは、町に笠を売りに行きましたが、猛暑で誰も歩いていません。「そりゃそうだ。わしも帰ろ [続きを読む]
  • 私のバイブル
  • 高校に入学して、割とすぐに彼氏が出来た。高校生になったら恋をするという、少女漫画の鉄則に従った。恋の相手は誰でもいいわけではない。スポーツ少年か、ちょっぴり不良か、プレイボーイか、若いイケメン教師と決まっている。私は、サッカー部のS君に告白した。他はちょっと無理そうだったから。昼休みに一緒にお弁当を食べたり、放課後の部活を見に行ったり、バイブル(少女漫画)通りの青春だ。ここで、やはり少女漫画ならで [続きを読む]
  • 新盆の夜
  • 入道雲を従えた緑の山が、いつもよりも大きく見える。まるで目の前に迫ってくるように見えて、真子は手を伸ばしてみた。何だか届いてしまいそうな気がして少し怖くなる。木の幹にしがみついたセミは、命を惜しむように鳴き続けて、猫は日陰を探しながらあくびをしている。大好きな夏休みだけど、真子は退屈を持て余し、縁側で足をブラブラさせていた。居間にはたくさんの親戚たちがいて居場所がない。継ぎ足しの段違いなテーブルに [続きを読む]
  • ねがいごと
  • ヒコちゃんは、1年に一度、七夕の夜にだけやってくる。幼なじみでいつも一緒にいたヒコちゃんは、4年前に遠くに行ってしまった。隣にいるのが当たり前のヒコちゃんが、会えない場所に行ってしまった。通学路もひとり。公園も秘密基地も駄菓子屋も、つまらないから行かなくなった。7月7日の午後7時、神社の境内に、ヒコちゃんは来る。「よ、オリちゃん、元気だった?」短冊がたくさん吊るされた笹飾りの下で、ヒコちゃんは笑っ [続きを読む]
  • 忠告
  • 僕に霊感があることを知ったのは、小学生のときだった。遊び半分で行った町はずれの廃墟で、「なんだ、何もいないじゃないか」と背を向ける友達の後ろに張り付く青い顔の女を見たのだ。それが合図だったかのように、あらゆる場所で幽霊を見た。海、トンネル、墓地、旧校舎の階段。恐ろしいのは、幽霊に張り付かれた友達は、その後必ず事故に遭う。足をつかまれた友達は、体育のときに転んで骨折をした。首をつかまれた友達は、事故 [続きを読む]
  • 祝!900記事
  • 本日は、お忙しい中お集まりいただきましてありがとうございます。りんさんのブログ「りんのショートストーリー」が、なんと、900記事を達成いたしました。これも、ひとえに読者のみなさまのおかげでございます。そこで今日は、りんさんが、どんなご質問にもお答えいたします。年齢、体重、体脂肪以外は何でもお答えいたします。さあどうぞ、質問のある方は挙手願います。はい、そこのあなた。「質問です。900もの話を書いて [続きを読む]
  • ひまわり
  • 夫の背中に、穴を見つけた。最初はホクロだと思った。だけど黒い小さな点は、日を増すごとに少しずつ大きくなっていく。はっきり穴だと気づいたのは、直径が3ミリほどになったときだ。くぼんでいる黒い空洞に、シャワーの水滴が吸い込まれて行くのを見たとき、思わず手を止めて覗き込んだ。何も見えず、ただの闇だった。夫は半年前に事故に遭い、右手を失った。それから私は、毎晩風呂場で夫の髪と背中を洗っている。生活はがらり [続きを読む]
  • タオルの一生
  • わたしは、ふわっふわのタオルでした。可愛いお花模様の、ピンクのタオルでした。大人も子供も、私に頬ずりして言いました。「肌触りがいいね」「ふかふかで気持ちいい」「ずっとすりすりしていたい」そうです。わたしはタオルの中でもひときわ人気者でした。しかし悲しいかな、月日は流れ、わたしはすっかりゴワゴワになりました。ある日子供が、ろくに洗わない泥のついた手を、わたしで拭きました。「あらまあ汚い」と、おばあさ [続きを読む]
  • 免疫
  • カウンターだけの小さなバー。もう少し広い店に移転したいところだが、今はここが僕の城だ。閉店間際、今日最後の客は、近くのスナックのママだった。この辺りでは、なかなか繁盛している店のママだ。すでにどこかで飲んできたようで、すっかり出来上がった顔だ。「珍しいですね。今日は、お店休みですか?」「女の子がみんな、病気で休んじゃったのよ」「へえ、揃いもそろって夏風邪ですか」ママは水割りをチビチビ舐めながら、苦 [続きを読む]
  • 子離れ
  • 一人暮らしをしたいと言ったとき、思った通り、母は反対した。私を溺愛しているからだ。「でもね、お母さん。通勤時間1時間半って、けっこう大変なのよ。うちの会社は時間が不規則だし、残業になったらそれこそ、寝に帰るだけよ」「残業なんてしないで早く帰ってくればいいでしょう。だいたい若い女の子をそんな遅くまで働かせる会社がどうかしてるわ」「お母さん、昔と違うのよ。男も女もないのよ」「一人暮らしなんて、ずぼらな [続きを読む]
  • 夢のティーパーティ
  • 海が見える別荘で、ティーパーティを開くのが夢だった。いろんな種類のお茶と、手作りのスコーン。ティーカップは、お客様に合わせたものを私が選ぶ。楽しいおしゃべりと、子供たちの笑い声。芝生に寝そべるのは、大きなオスのゴールデンレトリバー。優しい風に、揺れる木々。私の隣には、背が高い素敵な夫が微笑んでいる。そんな夢みたいことを考えていたのは、20代後半まで。「お母さん、お腹すいた」「めし、まだ?」パートか [続きを読む]
  • 解禁
  • 鮎釣りが解禁になり、新しい竿を抱えていそいそ出掛けた夫は、そのまま帰って来なかった。夫は、慣れたはずの川で命を落とした。川岸に残されたのは、空っぽのクーラーバッグと、ひとりの見知らぬ女だった。女は、体中の全ての汁を出し切るような勢いで泣いていた。「すみません。私のせいで芦田さんが……」女は泣きながら、慣れない岩場で足を滑らせた女を庇って、夫が川に落ちたと話した。「家庭を壊すつもりなんてありませんで [続きを読む]
  • 青春が終わった
  • 大好きなバンドが解散した時、青春が終わったような気がした。June party 通称JP。デビューした時からの大ファンで、ライブにも行ったしCDも全部持っている。ここ数年はあまり活動していなかったけれど、解散はさすがにショックだった。「JP解散か。仲悪いって、ネットに書いてあったもんな」夫が足の爪を切りながら言った。何も知らないくせに。夫は、私がJPに夢中になっていた頃を知らない。この虚しさを共有できるのは、元カレ [続きを読む]
  • 隣の芝生
  • 庭のツツジは満開で、日差しは輝き、風は穏やかに頬をかすめる。5月は暖かい。5月は素敵だ。何より今日は、妻が朝から上機嫌だ。「ねえ見て。バラもそろそろ咲きそうよ」放物線を描くホースの水は時おり七色の虹を浮かべる。本当にいい日だ。思えば妻は、ずっと機嫌が悪かった。一人息子が結婚して、東京で新居を構えたのは2年前。それだけでも寂しいのに、今年の正月、息子夫婦は帰って来なかった。「あちらの家には行ったのよ [続きを読む]
  • 黄色い花
  • 「お花には、妖精がいるのよ」と、お母さんは言った。「赤い花には華麗な子。白い花には優しい子。青い花には清楚な子。色によって違うのよ」「ふうん」と僕は適当に相槌を打った。花なんて、ただの植物じゃないか。お母さんの、子供みたいな妄想に付き合っている暇はない。今どきの小学生は忙しいのさ。ある日、学校から帰ったら、リビングから話し声が聞こえた。誰か来ているのだろうか。玄関に客用の靴はなかったけれど。「あら [続きを読む]
  • 五年目の悲劇
  • 最初の結婚は、二十三歳のときだったわ。背が高くて素敵な人よ。だけどその五年後に夫が亡くなって、若い身空で未亡人になってしまったの。死ぬほど辛かったけど、周りの人たちに支えられて、どうにか笑顔を取り戻すことが出来たのよ。まだ若かったし、子供もいなかったから、いろんなところから再婚話が来てね、三十二歳のときに二度目の結婚をしたの。再婚相手は真面目な公務員で、穏やかで優しい人だったわ。子供は出来なかった [続きを読む]
  • 最優秀いただきました
  • 公募ガイド「TO−BE小説工房」で、最優秀をいただきました。ありがたいことに、4度目の最優秀です。テーマは、「運」でした。実は今回、2つ作品を出したんです。全く違うタイプの話を2つ。後から出した方が最優秀でした。2つ出してよかった^^もう一つは、近々アップします。最優秀をいただいた作品「幸運」は、公募ガイド5月号に載っています。よかったら読んでみてください。***最近、パソコンの調子が悪くて困りま [続きを読む]
  • 想い出の橋
  • 待ち合わせは、いつも橋の上。芳人君の家は橋の向こう側で、私の家はこっち側。だから橋で待ち合わせをして、どちらかの家に遊びに行った。「しょうらい、けっこんしようね」なんて可愛い約束を、したような気もする。大好きで、仲良しで、ずっと一緒だと思っていた…らしい。その橋は、県境だった。橋の向こうが埼玉県、こっちが群馬県。だから当然、芳人君と私は、別々の小学校になる。学区が違うどころじゃない。県が違う。「い [続きを読む]