りんさん さん プロフィール

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りんさんさん: りんのショートストーリー
ハンドル名りんさん さん
ブログタイトルりんのショートストーリー
ブログURLhttp://rin-ohanasi.blog.so-net.ne.jp/
サイト紹介文気軽に読めて笑えるショートストーリーです。名作パロディーやファンタジーなどが中心です。
自由文お話を作るのが大好きで、こっそり書き溜めていたのですが、夫と子供に見せたところ、面白いからブログに載せたら、と言われて、思い切って作っちゃいました。

重い話はありません。
楽しいショートストーリーが中心です。
お茶でも飲みながら読んで欲しいです。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供77回 / 365日(平均1.5回/週) - 参加 2009/11/29 22:51

りんさん さんのブログ記事

  • 無人島に持っていくもの
  • 無人島に何かひとつだけ持っていくとしたら、何を持っていく?よくある質問だわ。そもそも無人島に行くことがわかっているのに、ひとつしか物を持って行かない人っている?用意周到、準備万端で行くものじゃないの?「行かない」っていう選択肢もあるしね。スマホを持っていくって答えたバカがいたけど、電波来てないし、もし来ていても充電切れたらどうするの?「大丈夫っす。充電器持っていきますから」ホントにバカ。ナイフって [続きを読む]
  • 金木犀の午後
  • ハックション!夫が庭先で大きなくしゃみをした。子供たちが巣立ち、夫婦ふたりの暮らしで会話が増えると思ったら逆だった。話すことが何もない。「犬でも飼おうかしら」何気なく呟いたら夫が「ふん」と鼻を鳴らした。「生き物を飼うと責任が生じる。暇つぶしで飼えるもんじゃないぞ」「わかってるわよ」正論だけど言い方がむかつく。会社でも煙たがれているんじゃないかしら。ハックション!2回めのくしゃみ。ほら、女子社員が悪 [続きを読む]
  • ふたつの指輪
  • 仕事を終えてアパートに帰ると、薄汚れた郵便受けに白い封筒が入っていた。間違えて迷い込んだのかと思うほど不似合な封書は、もう15年も会っていない姪の結婚式を知らせる招待状だった。『叔父さんの居場所を探すのに手間取って、急な知らせになってしまいました。席は用意してあります。ぜひ出席して下さい。父も母も待っています 彩夏』結婚式は週末だった。髪を二つに結んだあどけない彩夏の顔が浮かんだ。あの子が結婚する [続きを読む]
  • 眼精疲労
  • 最近さー、目が痛くてさー、ネットで調べたら「眼精疲労」ってヤツらしい。そんで、ネットでツボとか調べて押してみたんだけどさー、ぜんぜん治らなくて。ネットで眼科も調べたんだけどさー、いまいちいいところがなくてー。そもそも原因って何かなーと思ってネットで調べたんだけどさ、いろいろ書いてあって読むの疲れちゃってー。友達に聞こうと思ってSNSやりまくったんだけどー、『遠く見ればいいんじゃない?』『緑を見ると [続きを読む]
  • 通り雨
  • 突然雨が降り出したので、夫の傘を持って家を出た。駅から家までは5分ほどの距離だが、濡れたら可哀想だ。夕暮れの駅は、たくさんの人であふれていた。夫は背が高いので、すぐに見つけた。声をかけようと近づくと、となりに髪の長い女がいることに気づいた。誰だろう。偶然会った会社の同僚という雰囲気ではない。女が赤い傘を開き、夫は当然のようにその傘の柄を持って、家と逆方向に歩いていく。濡れないように互いに寄り添い、 [続きを読む]
  • しわしわの手
  • ひいばあちゃんは毎月十日に、しわしわの手で財布から百円玉をひとつ取り出して、アオイの手のひらにのせてくれた。「ほらほら、早くしまいな。取られるよ」誰が取るのかわからないけれど、ひいばあちゃんはいつもそう言った。「あたしゃもう長くないから、アオイちゃんに、おこづかいをあげるのも今月で最後かね」そう言いながら、翌月も、その次の月もおこづかいをくれるから、アオイはこの時間が、ずっと続くものだと思っていた [続きを読む]
  • 妄想ボーイカフェ
  • 日曜日の午後3時、僕がバイトするカフェに、吉田さんが来た。カフェは僕らの町から少し遠くて大人の雰囲気だから、同級生は滅多に来ない。まさか学校一の美少女が来るなんて。今日シフト入れてよかった。制服を着ていない彼女を見るのは初めてで、ドキドキした。「あれ? E組の矢代君だよね。ここでバイトしてたんだ」「吉田さん、俺のこと知ってるんだ」「知ってるよ。同じ学校だもん。それに、矢代君、けっこう女子に人気ある [続きを読む]
  • 夏の終わり
  • 浅葱色のカーディガンを羽織った妻の敏子が、ゆっくり庭先に降りてきた。盆を過ぎて夜風が涼しくなったとはいえ、カーディガンはまだ早い。体力がなくなり体温の調節が上手くできないのだろう。「あなた、何をしているの?」「花火だよ。週末に孫たちが来るからさ、花火をたくさん買ってきたんだ。今夜は予行演習だ」「予行演習なんて大袈裟ね、十号玉でも上げるつもり?」敏子がコロコロと笑った。この笑い声が聞けるのは、いった [続きを読む]
  • おとぎ話(笑)20
  • <かぐや姫>「おばあさんや、かぐや姫は月に帰ってしまったのう」「そうですね、おじいさん。これからどうします?」「うーん、介護ヘルパーでも雇うか」「仕方ないですねえ」「ああ、当てが外れたな」<ヘンゼルとグレーテル>森で迷子になったヘンゼルとグレーテルは、深い森を彷徨いサバイバル生活を続けるうちに、すっかり大人になりました。「お兄さん、見て、お菓子の家よ」「ちぇ、赤ちょうちんじゃないのか」「今夜あたり [続きを読む]
  • サトコの湖
  • 子供の頃の話をします。私には、2歳下の妹がいました。サトコという名前です。サトコは5歳の夏、家族で出かけた湖に落ちて溺れてしまいました。父が飛び込んでサトコを岸にあげましたが、もう心臓が止まっていました。「サトコ、死なないで」私たちは必死で蘇生を試みましたが、息を吹き返すことはありません。携帯電話などない時代でしたから、救急車を呼ぶこともできず、とりあえず車に戻って病院に連れて行こうと思ったときで [続きを読む]
  • メモリー銀行
  • いらっしゃいませ。こちらはメモリー銀行でございます。お預かりするのは金銭ではございません。あなたの、あらゆる記憶をお預かりいたします。仕事関係の方の名前、役職、電話番号、特徴、趣味など。大切な方の誕生日、記念日など。それから、カーテンや家具の寸法。急な買い物に便利です。もちろん、いろいろなIDやパスワード。今は、これを預ける方がいちばん多いです。IDとパスワードを忘れたら、ログインが出来なくて大変 [続きを読む]
  • 娘の結婚
  • 娘のアユから、「結婚する」と報告があった。「お母さんにも出席してほしいの」アユはそう言って招待状をテーブルに置いた。5年前、アユが20歳になるのを待って離婚した。思えばずっと前から、そうすることを私は望んでいた。男社会の中で働くのは大変で、家族に縛られる時間が苦痛だった。独身の同期が上に行くのが妬ましかった。「出席できないわよ。自分の我儘で離婚したのに、お父さんやご親戚に合わす顔がないわ」「そんな [続きを読む]
  • 交差点
  • 夜の交差点に、私は立っています。あの日と同じように雨が降っています。雨は、私の身体をすり抜けて落ちていきます。なぜなら私は、幽霊だからです。私は3日ほど前に、ここで交通事故に遭いました。私を撥ねた車は、そのまま逃げました。深夜で、おまけに雨で人通りはなく、防犯カメラも設置されていません。目撃者はいないのです。だけど私は、事故に遭った時、車のナンバーを見ました。しっかりと覚えています。しかしそれを警 [続きを読む]
  • ぼくんちのお盆
  • お盆が来ると、たくさんの親戚が集まる。叔父さん家族4人、伯母さん家族5人、東京に行った兄ちゃん。お父さん、お母さん、おばあちゃん、おじいちゃん、中学生のぼく。総勢15人が、居間に集まる。ふすまを外して2部屋の仕切りをなくすと、旅館の大広間みたいに広くなる。お母さんは朝から大忙しだ。掃除に料理。納戸からお皿を出したり布団を用意したり。おばあちゃんは手伝わないのに「あの皿の方がいいべ」とか「座布団足ら [続きを読む]
  • 傘の花
  • 春から夏にかけて、たくさんの花が咲くけれど、私にとって最も愛しいのは「傘の花」だ。雨上がりの澄んだ光の中、六つの傘の花が軒先に咲く。それは我家の幸せの象徴だ。夫の黒い傘、私の赤い傘、長女の夕菜はオレンジの傘、長男の海斗は青い傘、次男の草太は緑の傘、末っ子の桃香はピンクの傘。それぞれのカラーが、右から大きい順に並んでいる。通りすがりの人が目を細めるほど、それは微笑ましい風景だった。**雨が降り続いて [続きを読む]
  • キッチンの魔女
  • 気配を感じて振り返ると、キッチンに女が立っていた。淡い光に包まれて薄ぼんやりとしたシルエットは、彼女が生きている人間ではないことを物語っている。「キッチンだけは汚すな」と、結婚前に夫に言われた。他はいいけど、キッチンだけはきれいにしてくれと。私はその言いつけを守っていた。女は、ピカピカのシンクを満足そうに見つめ、ふわっと消えた。何だったのだろう。夫には死別した前妻がいた。その人だろうか。私は、帰宅 [続きを読む]
  • 月がきれいですね
  • きれいな満月の夜。あなたはいない。すぐに逢いに来るって言ったのに、うそつきだな。満月の夜、僕も同じ月を見るよって言ったのに、あなたの街は雨じゃないの。ホントにうそつきだな。お祭りいっしょに行きたいねってメールしたのに返信もない。忘れちゃったのかな。私のこと。なんか泣きたくなってきた。月がきれいすぎて。やっべえ。電車で爆睡して終点まで行っちゃった。疲れているのかな。最近仕事きつかったからな。夕方まで [続きを読む]
  • お父さんのかくれんぼ
  • 一家の大黒柱であるにも関わらず、私の存在感はティッシュペーパーよりも薄い。「あら、お父さん、いたの?」と、毎日のように言われる。ネコのミーコの姿が見えないと一家総出で探すくせに、私がいなくても誰も気づかない。日曜日の朝、どうせ存在感がないのなら…と、ソファーの後ろに隠れてみた。誰かが「あれ? お父さんは?」と言ったら、「ここに居るぞ」と出て行こう。きっとウケるぞ。「もう、お父さん、何やってるのよ」 [続きを読む]
  • お兄ちゃん
  • あれ、ジュンちゃん、どうしたの?明日まで広島出張じゃなかった? 一日早く帰ってきたんだ。そ、そうなんだ。え? 何も慌ててないよ。やましいことなんかないよ。あるわけないでしょ。会いに来てくれて嬉しいよ。タバコ臭い? ああ、えっとね、昨日ユミが来たの。ほら、あの子タバコ吸うから。ベランダに男物の下着? ああ、それはね、えっと、防犯だよ。ほら、女性のひとり暮らしは物騒でしょ。だからね、しまむらで買ってき [続きを読む]
  • 見える人、見えない人
  • 我が家はいわゆる「見える」家系だ。パパもママも私も、生まれたときから幽霊が見える。ただ、どういう訳かお姉ちゃんだけは「見えない」人だ。霊感が全くない。だからといって困ることなど何ひとつない。霊なんて、見えないに越したことはないのだから。そんな我が家に、ちょっと困ったことが起きた。お姉ちゃんが、幽霊を連れてきてしまったのだ。青白い顔の男の霊が、お姉ちゃんの肩に乗っている。「どうする? パパ、ママ、教 [続きを読む]
  • 拾った恋
  • 高2の夏、生まれて初めて彼氏が出来た。ずっと憧れていたイケメンの翔君に告白したら、拍子抜けするほど簡単にOKをもらった。「いいよ。ちょうど彼女と別れたばっかなんだ」と。日曜日に、早速映画に行くことになった。旬のアイドルが出ている大ヒット映画だから、先にチケットを買ってから食事をすることにした。「舞ちゃん、俺バイト代が入るまで、すげー貧乏なんだ。悪いけど割り勘でいい?」「もちろんだよ」あたしは自分の [続きを読む]
  • ぼたん園
  • パートを終えた午後3時、家に帰りたくない気持ちは百パーセントに達する。会話のない家は崩壊寸前、いや、もう崩壊しているかもしれない。車を家と逆方向に走らせる。民家がまばらな山道で、このまま行方不明になってやろうかと、幾度となく考える。私がいなくなったら、あの家は間違いなく崩壊する。古い木の看板が、目に飛び込んできた。黒い字で『ぼたん園』と書いてある。そういえば、牡丹の季節だ。薄紅色の大きな牡丹が、実 [続きを読む]
  • 彦星の愛人
  • あら、織姫さん、いらっしゃい。今日は7月7日。年に一度の面会の日ですね。今、彦星さんを呼んできますね。え? 私ですか? 私は彦星さんの愛人です。でもご安心くださいね。本妻は織姫さんだということは、重々承知していますから。私は愛人の身ですから、364日一緒にいられるだけで充分ですのよ。呼んでくるからお待ちくださいね。彦星さーん。織姫さんが見えたわよ。早くして。待たせちゃ悪いわよ。ほらほら、子供の面倒 [続きを読む]
  • おとぎ話(笑)19 もしも編
  • シンデレラ(もしも王子様がガラスの靴を持ってこなかったら)「すみません。シンデレラと申します」「何の用だ」「昨夜お城の階段に、ガラスの靴を忘れてしまいました」「ガラスの靴? ああ、ちょっと遅かったな。今日は燃えないゴミの日だったから出しちゃった」「マジか!」赤ずきん(もしもオオカミがおばあさんになりすましていなかったら)「おばあさまの耳は、どうしてそんなに大きいの?」「福耳さ」桃太郎(もしも桃太郎 [続きを読む]
  • ビールを買いに
  • 夏の夕方、ずいぶん早く帰ってきたお父さんが、冷蔵庫を開けて「ああああ〜」と大声を出した。「ビールがない!」お父さんは息子の啓太を呼んだ。「啓太、角のコンビニでビールを買ってきてくれ。お父さん、疲れて歩けない」「お父さん、僕は12歳だよ。未成年はビールを買っちゃいけないんだ。大人のくせに知らないの?」「でもさ、おまえは12歳の割に背が高い。俺と大して変わらないだろう。変装すれば買えるさ」犯罪じゃん、 [続きを読む]