asa さん プロフィール

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asaさん: 夕陽の回廊
ハンドル名asa さん
ブログタイトル夕陽の回廊
ブログURLhttp://yuuhikairou.blog.so-net.ne.jp/
サイト紹介文今の世の中これでいいのか、と思いながら一言
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供75回 / 365日(平均1.4回/週) - 参加 2009/12/03 13:50

asa さんのブログ記事

  • 親鸞思想はなぜ戦時ファシズムと結合したか〜濫読日記
  • 親鸞思想はなぜ戦時ファシズムと結合したか〜濫読日記「親鸞と日本主義」(中島岳志著) 近代日本政治思想に深い洞察を重ねる著者には、これまで「血盟団事件」や「朝日平吾の鬱屈」といった著作がある。「血盟団事件」は、一人の煩悶青年が日蓮主義に心動かされ、一人一殺という究極の行動主義へとのめりこむ過程を描いた。「朝日平吾…」は、安田善次郎暗殺に走った男の思想に、血盟団の思想の源流をみる。中島の著作をもう [続きを読む]
  • 戦時下、映画に情熱を燃やした人たち〜映画「人生はシネマティック!」
  • 戦時下、映画に情熱を燃やした人たち〜映画「人生はシネマティック!」  1940年のロンドン。ドイツによる戦略爆撃によって街は荒れ果てていた。CBSのヨーロッパ総局長だったエド・マーロウが「こちら、ロンドン」とラジオで戦況をアメリカ本土に伝えていた時代だ。こうした時代にも、英国で映画作りに情熱を燃やす人たちがいた。そうした人々の物語である。  コピーライターの秘書をしていたカトリン・コール(ジェマ・アー [続きを読む]
  • 「不安定の弧」を生み出したのはアメリカ自身だ〜濫読日記
  • 「不安定の弧」を生み出したのはアメリカ自身だ〜濫読日記 「アメリカ 暴力の世紀 第二次大戦以降の戦争とテロ」(ジョン・W・ダワー著)  第二次大戦から米ソ冷戦を経て、米国一強の時代が出現した。いわゆるパックス・アメリカーナ(アメリカの平和)である。いうまでもなくラテン語のPAXはPEACEの元となった言葉で、PEACEはpacificate(武力で平定する)から来た。これらのことから、もともと英語のPEACEは武力平定 [続きを読む]
  • ヨーロッパ統合の先行事例を読み解く〜濫読日記
  • ヨーロッパ統合の先行事例を読み解く〜濫読日記「ハプスブルグ帝国」(岩?周一著) カタルーニャで、スペインからの独立の機運が高まっている。スペインではかつてバスク独立運動があったが、一定の自治権を認めたことで運動は沈静化しているようだ。ヨーロッパではこのほか、バルカン半島などでも民族と国家の不一致による軋轢が生じているし、スコットランド独立をめぐる住民投票で独立反対派が辛うじて勝利したのは記憶に [続きを読む]
  • 戦間期を繊細に美しく〜映画「婚約者の友人」
  • 戦間期を繊細に美しく〜映画「婚約者の友人」  1919年、戦間期のドイツが主な舞台。第一次大戦でフランスと壮絶な西部戦線を戦い、国民感情は荒みきっている。そんな中、身寄りのないアンナ(バウラ・ベーア)は戦場に散った婚約者フランツ(アントン・フォン・ルケ)の両親と暮らしている。ある日、フランツの墓を一人のフランス人が訪れた。彼はパリ留学中のフランツと交流があったという…。  この作品の惹句は「ミステリ [続きを読む]
  • 肉を切らせて骨を切る〜映画「女神の見えざる手」
  • 肉を切らせて骨を切る〜映画「女神の見えざる手」  議会ロビイストという、日本であまりなじみのない存在にスポットをあてたポリティカルミステリー。エリザベス・スローン(ジェスカ・シャステイン)は、勝つためには手段を選ばない辣腕ロビイスト。大手ロビー会社に所属していたが、銃規制法案をつぶす仕事を依頼され、それを断って規制法賛成に立つロビー会社に移る。米上院議員のうち賛否を明らかにしていない22人の争奪 [続きを読む]
  • 「唯一の被爆国」の実体に迫る〜濫読日記
  • 「唯一の被爆国」の実体に迫る〜濫読日記「偽装の被爆国 核を捨てられない日本」(太田昌克著) 著者は共同通信の編集・論説委員。核問題を一貫して追う。「偽装の被爆国」もまた、核戦略をめぐる日本の本音と素顔を、関係者への丹念なインタビューを重ねる中で暴き出した。 「プロローグ」は、2016年5月27日、米国の為政者トップとして初めて広島市の平和公園、すなわち米軍が投下した原爆の爆心直下にオバマ大統領が立っ [続きを読む]
  • 「狂気」が神話となった〜濫読日記
  • 「狂気」が神話となった〜濫読日記 「狂うひと 『死の棘』の妻・島尾ミホ」(梯久美子著)  文芸評論家奥野健男が「極北の私小説」と呼んだ「死の棘」。夫(島尾敏雄)の不倫を彼の日記から知った妻(ミホ)が精神に異常をきたし、嫉妬と愛憎にまみれた日々を延々と繰り返す。戦後文学に大きな足跡を残したこの「死の棘」で島尾が書こうとしたものは何だったのか。背景にあるものは何か。これらを徹底的に追ったのが、梯 [続きを読む]
  • 押しつけではないファシズムの怖さ〜映画「ザ・サークル」
  • 押しつけではないファシズムの怖さ〜映画「ザ・サークル」  巨大なSNS企業が、そのテクノロジーを駆使して一元的な情報サービスの展開、すなわち「世界統一」を目指す。そのための戦略的ツールとして超小型カメラ「シー・チェンジ」が開発される。まず目指すのは、カメラ装着によって個人の日常をすべて公開する「透明化」計画だった。隠すことは罪であるという「思想」によって生み出されるものは、ユートピアなのかディ [続きを読む]
  • 中道+左の新党は作れるか〜社会時評
  • 中道+左の新党は作れるか〜社会時評 ◇衆院選結果をどう受け止める A)一時は、政権交代もありうるかといわれた衆院選。終わってみれば大山鳴動ネズミ一匹、自公で3分の2以上を占めて政権継続という結果になった。希望の党は当初100〜150議席という予測もあったが、結局50にとどまった。このうち45は民進党出身者で、純粋に希望の党から出て当選したのはわずか一人、それも比例復活だった。 B)こうした中で目立ったのは立憲 [続きを読む]
  • 再び同じ道に迷いこまないように〜濫読日記
  • 再び同じ道に迷いこまないように〜濫読日記 「暗い時代の人々」(森まゆみ著)  タイトルは、ハンナ・アーレントが1968年に著した同名著書によっている。そして、アーレントがこのタイトルを得たのは、ブレヒトの詩からだと自身の著書で明かしている。森もまた、巻頭にブレヒトの詩を掲げている。  アーレントは「暗い時代の人々」の冒頭に18世紀のドイツ思想家レッシング論を置き、解題とした。アーレントは、公的領域が [続きを読む]
  • 運命の妙と月日の流れ〜映画「エルネスト」
  • 運命の妙と月日の流れ〜映画「エルネスト」  運命の妙を感じさせる映画である。  エルネスト・チェ・ゲバラは1959年、広島を訪れる。平和公園の原爆慰霊碑を訪ね、「安らかに眠って下さい/過ちは/繰返しませぬから」という碑文の意味を問う。そして「なぜここには主語がないのか」と疑問を投げかけた。  2016年5月、慰霊碑前で短い演説をしたオバマ大統領は、「死が天から降ってきた」と述べ、主語を語らなかった。  ゲバ [続きを読む]
  • 日本の政治は変わるのか〜社会時評
  • 日本の政治は変わるのか〜社会時評 「希望」の風は吹かない A)総選挙の構図がようやく見えてきた。 B)自民、公明が一つ、希望、維新がもう一つ、立憲民主党、社民、共産が三番目のブロック。二つの保守と一つの市民派リベラル+共産という構図だ。 C)希望は、あれだけ政権選択の選挙といったのだから、定数の過半数は候補を立てるだろうが、一挙に政権交代というのは難しい情勢だ。いいかえれば、それほどの風は吹かない [続きを読む]
  • モラルなんて関係ない、私は私〜映画「エル ELLE」
  • モラルなんて関係ない、私は私〜映画「エル ELLE」  冒頭からレイプシーンである。覆面男に襲われたミシェル(イザベル・ユペール)はしかし、何もなかったかのように日常生活に戻っていく。そこには元夫や独り立ちできない息子やはるかに年下の男性と戯れる母やら、昔残虐な事件を起こし牢獄にいる父親や、が登場する。彼女自身はエロチックな内容のゲーム会社のCEOであるらしい。  社内での振る舞い、近隣との付き [続きを読む]
  • ひょっとすると戦後政治の転換点〜社会時評
  • ひょっとすると戦後政治の転換点〜社会時評 社共リベラルは生き残れるか A)予想を上回るスピードで政局の歯車が回り始めた。 B)民進党の前原誠司代表が9月28日の両院議員総会で希望の党(小池百合子代表)への合流を提案、最終的に了承された。民進党は事実上の解党となり、結党20年の歴史に終止符を打つ。 C)前原代表は両院総会で「丸ごと合流」を言っていたが、希望の党側から発信されるメッセージはそんなものではない。29 [続きを読む]
  • 国民不在の官邸独走解散〜社会時評
  • 国民不在の官邸独走解散〜社会時評 A)安倍晋三首相が9月25日の会見で衆院解散を宣言した。予想通り、説得力ある「大義」は示されなかった。 B)しいて言えば2019年に10%に引き上げ予定の消費税の増税分の使い道を変更するということと、対北朝鮮政策の是非を問うというものだった。 C)税金の使い道については毎年国会で議論していることだし、国会での議論を経て与野党膠着状態になれば解散・総選挙で問うというのもあるのか [続きを読む]
  • 自らの「特攻体験」への決別〜濫読日記
  • 自らの「特攻体験」への決別〜濫読日記 「死の棘」(島尾敏雄著)  嫉妬に狂う妻。その表情を延々と観察し、記録する。精神に異常をきたした妻は、大理石のように冷たい視線で、夜を徹して夫を査問する。それはもはや感情を持たない尋問マシーンのようだ。こうした日々に耐えかねて、夫もまた発狂寸前(あるいは既に発狂していたのかもしれない)に追いつめられる。  ここに出てくる夫は島尾敏雄自身であり、妻は島尾ミホ [続きを読む]
  • 品格ない政治を憂う〜社会時評
  • 品格ない政治を憂う〜社会時評 「解散の大義」論争 A)にわかに解散・総選挙の話が出てきた。これに対して野党からは解散の大義がない、解散権の乱用だとの批判がある。与党内の一部からも批判が出ている。 B)安倍晋三首相の場合、いつもそうだが何のための解散なのか分からない。だからそういう批判が出る。 C)強いていえば、解散の理由は党利党略、つまり今が一番の好機だからということ。官邸寄りで知られるテレビコメンテー [続きを読む]
  • 誰が誰を裁くのか〜映画「三度目の殺人」
  • 誰が誰を裁くのか〜映画「三度目の殺人」  一見単純な事件の被告が供述を二転三転させ、真相が見えなくなっていく。男には30年前に殺人の過去があった。強盗殺人のうえ遺体を焼いたとなれば死刑は確実と思われた。だが…。  見るものの思いによって男の発する言葉が違った色に見える。芥川龍之介の「藪の中」や大岡昇平の「事件」を思わせる展開だ。  ほぼ全編、被告三隅(役所広司)と弁護士重盛(福山雅治)の対話シーン [続きを読む]
  • 描いたのはワイダ自身〜映画「残像」
  • 描いたのはワイダ自身〜映画「残像」  2016年10月、アンジェイ・ワイダ監督が亡くなった。1950年代から約60年、映画を作り続けた。その大きな柱は「灰とダイヤモンド」に代表されるソ連型社会主義=スターリニズムへの抵抗であった。遺作となった「残像」もまた、ソ連型社会主義への嫌悪と批判にあふれていた。  ヴワディスワフ・ストゥシェミンスキ(1893―1952)は、近代絵画の神髄を知る画家だった。ベラルーシに生まれ、 [続きを読む]
  • 「どこまでも対米追随」の愚かさ〜濫読日記
  • 「どこまでも対米追随」の愚かさ〜濫読日記 「アジア辺境論 これが日本の生きる道」(対談 内田樹×姜尚中)  内田樹の著書に「日本辺境論」(新潮新書、2009年)がある。内田と姜尚中の新刊は「アジア辺境論」である。この2冊のタイトル、似ているようでかなり違っている。一方は「日本(はアジアの)辺境」論であり、一方は「(日本は)アジア(の)辺境」論である。しかし、タイトルの含意は違うが、主語はともに [続きを読む]