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- 2018/01/26 05:34モーツァルト ピアノ・ソナタ第10番:子どもから大人まで
- モーツァルト ピアノ・ソナタ第10番 ハ長調 K.330 人生いつどこで、どんなきっかけで曲の魅力に気付くのかなんてわからないものだ。 今までも何度となくモーツァルトのソナタ第10番K.330を聴いたことはあったが、録音で聴いただけで実演は未経験だった。しかし1月のガヴリリュクのリサイタルで、初めて実演に触れ、それはそれは驚くほどの演奏に、この曲はこんなに素晴らしい曲だったのかと改めて思い知らされ […] [続きを読む]
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- 2018/01/08 01:23バッハ イタリア協奏曲:ピアノがピアノを超えるとき
- バッハ イタリア協奏曲 BWV971 バッハのクラヴィーア練習曲集第2巻に収録されているこの曲は、「ゴルトベルク変奏曲」と並んで、おそらく最も人気の高いバッハのクラヴィーア作品(またはピアノ作品)に違いない。協奏曲と名が付いているが鍵盤楽器ソロの曲だ。少し楽曲について解説したら、僕はなぜこの曲がこんなに人気になったかについて語りたいと思う。 ちなみに「フランス風序曲」と併せて、「イタリア風& […] [続きを読む]
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- 2017/12/28 02:17ダンディ 弦楽四重奏曲第1番:トゥ・ワーグナー・ウィズ・フランク
- ダンディ 弦楽四重奏曲第1番 ニ長調 作品35 ダンディの最も有名な作品「フランス山人の歌による交響曲」でブログを更新したのが2009年6月。それから8年半が経ち、さすがに僕自身のクラシック音楽の知識や文章力も多少はアップしているので、ここらでひとつ、ダンディの音楽の良さを世に知らしめるのに一役買ってやろうと思うのだ(なんか偉そうだなあ)。これで2017年のブログ更新は最後になるかしら。今回は弦楽 […] [続きを読む]
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- 2017/11/29 01:54ロドリーゴ アンダルシア協奏曲:名演ライブ求む
- ロドリーゴ アンダルシア協奏曲 スペインの作曲家ロドリーゴ(1901-1999)の最も有名な作品は言うまでもなくギターとオーケストラのための「アランフェス協奏曲」(1939年)だが、似たようなギターのための協奏的作品は多く、アランフェス協奏曲の成功を皮切りに、ギターと管弦楽のための「ある貴紳のための幻想曲」(1954年) 、4台のギターと管弦楽のための「アンダルシア協奏曲」(1967年)、2台のギ […] [続きを読む]
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- 2017/11/22 05:09伊藤康英 吹奏楽のための交響詩「ぐるりよざ」:受け継がれ、もとい受け継げ
- 伊藤康英 吹奏楽のための交響詩「ぐるりよざ」 てっきりこのブログではもう「ぐるりよざ」について紹介していた気になっていたが、なんと紹介していなかった。伊藤康英のぐるりよざを取り上げようと思っていて、ちょうど「津軽三味線協奏曲」の初演を聞いたので、そちらを取り上げたのだった。 11月11日に中世・ルネサンス音楽研究の第一人者で立教大学名誉教授の皆川達夫氏(90)が「かくれキリシタンの祈りの歌」と題し […] [続きを読む]
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- 2017/11/16 07:49シューベルト 弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」:真に輝くものは
- シューベルト 弦楽四重奏曲第14番 ニ短調 D810「死と乙女」 何度かシューベルトの楽曲をこのブログで取り上げており、その時いつも言っているような気がするのは、シューベルトは基本的にシャイなので、本当に彼が言いたいことは色々あるだろうけれども、音楽ではその全てを語りきっていないということ。 だから前提として、この曲でもおそらくシューベルトは彼の本心をあからさまにさらけ出すような真似はしないし、当 […] [続きを読む]
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- 2017/11/03 17:10マルタン アイルランド民謡による三重奏曲:若さと民謡のダブルアタック
- マルタン アイルランド民謡による三重奏曲 曲名だけで「これは絶対良い曲だ!」と確信していて、実演に触れて本当に素敵な曲だった!と感動した作品である。こちとら「リバーダンス」全盛期に青春時代を過ごした世代である。アイルランド音楽というのはそれだけで無条件で心躍るのだ。 フランク・マルタン(1890-1974)はスイスの作曲家。今回取り上げる「アイルランド民謡による三重奏曲」はピアノ、ヴァイオリン、チ […] [続きを読む]
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- 2017/09/06 00:52マスカーニ 4手のピアノのためのシンフォニア ヘ長調:カヴァレリアの呪縛、の前に……
- マスカーニ 4手のピアノのためのシンフォニア ヘ長調 カヴァレリア・ルスティカーナについて記事を書いたのが2008年なので、10年近く空けて書くことになる。僕もまさかここにマスカーニの、それもオペラでなくてピアノ作品について取り上げて書くことになるとは夢にも思わなかったが、ブログ更新頻度が激減している状況にもかかわらず、ぜひとも更新したい書きたい多くの人に知らせたい!と思わせるだけの名曲であること […] [続きを読む]
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- 2017/05/22 07:19ヘンツェ イル・ヴィタリーノ・ラッドッピアート:シャコンヌを踊るシャコンヌ
- ヘンツェ イル・ヴィタリーノ・ラッドッピアート ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ(1926-2012)は、ドイツの近現代を代表する作曲家で、数多くのオペラやオーケストラ作品などを残している。特に、当時革新的であった十二音技法や無調などの技法と、伝統的・保守的な音楽との、ちょうど中間の様式を採用した作品が多く、今回取り上げる曲もまさにその作風が色濃く反映されている作品だ。 CDジャーナルのレビューで「有 […] [続きを読む]
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- 2017/02/13 05:37バックス ヴァイオリン・ソナタ第1番:恋の憐憫
- バックス ヴァイオリン・ソナタ第1番 ホ長調 ここ数年における僕のお気に入り作曲家、アーノルド・バックスのヴァイオリン・ソナタを紹介しよう。 イギリスの女流ピアニスト、ハリエット・コーエンと不倫関係にあったことで有名なバックスは、彼女だけでなく、まことに恋多き人生を送った作曲家としても名高い。 また以前取り上げた交響詩「春の火」もそうだが、彼の音楽は詩人からの影響を大いに受けている。 恋と詩……ま […] [続きを読む]
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- 2017/02/13 05:37バックス ヴァイオリン・ソナタ第1番:恋の憐憫
- Bax;Violin Sonatas:No. 1 inBax,Gruenberg,Mccabe Chandos売り上げランキング : 224021 Amazonで詳しく見る by AZlink バックス ヴァイオリン・ソ […] [続きを読む]
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- 2017/01/19 07:21ハチャトゥリアン ヴァイオリン協奏曲:人生を肯定する音楽
- ハチャトゥリアン:ヴァイオリン協奏曲&サン=サーンス:ハバネラ他(期間生産限定盤)レオニード・コーガン、ダヴィッド・オイストラフ SMJ売り上げランキング : 2492 Amazonで詳しく見る by AZlink ハチ […] [続きを読む]
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- 2017/01/19 07:21ハチャトゥリアン ヴァイオリン協奏曲:人生を肯定する音楽
- ハチャトゥリアン ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 ハチャトゥリアンをはじめとした多くのソ連時代の作曲家たちのキャリアというのは、スターリンの「社会主義リアリズム」との間の暫定協定を勝ち取ることができる音楽スタイルを模索することだったと言っても過言ではあるまい。 賞賛されたと思えば批判され、ソ連が崩壊するまでそれを繰り返す芸術人生だったと言える。ハチャトゥリアンのように強烈に土俗的な作風の作曲家でも、1 […] [続きを読む]
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- 2016/11/09 07:05アイヴズ 弦楽四重奏曲第1番「救世軍から」:若き迷いを吹き払う
- アイヴズ 弦楽四重奏曲第1番「救世軍から」 アメリカ現代音楽のパイオニアことチャールズ・アイヴズ(1874-1954)の作品には、賛美歌の引用が頻繁に現れる。複雑さを極めて行く作風の中ですっと爽やかな風が通り抜けるような、美しい賛美歌のメロディーのおかげで、アイヴズの音楽のファンもいっそう増えたことだろう。 今回取り上げる弦楽四重奏曲第1番は、1896年、アイヴズがまだイェール大学在学中の作品で、 […] [続きを読む]
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- 2016/11/04 07:38ポール・リード ヴィクトリアン・キッチンガーデン組曲:菜園は循環する
- ポール・リード ヴィクトリアン・キッチンガーデン組曲 実に愛らしい、クラリネットとハープのためのデュオ。忙しい毎日を過ごしている方々は、ちょっと一息つく際に、ぜひこの曲を流して欲しい。 よくラジオでは流れているようで、NHK-BSの「クラシック・ロイヤルシート」やTOKYO FMの「SYMPHONIA」という番組で、組曲の中で最も有名な第5曲「夏」が使われているようだ。 もともとはBBCのテレビ番 […] [続きを読む]
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- 2016/11/02 06:32マニャール ピアノと木管楽器のための五重奏曲:古典を意識しつつオリジナリティを出す
- マニャール ピアノと木管楽器のための五重奏曲 作品8 アルベリク・マニャール(1865-1914)はフランスの作曲家で、「フランス山人の歌による交響曲」で有名なヴァンサン・ダンディの弟子である。フランク門下でもあるが、ダンディの方が好みだったそうだ。 ヴァンサン・ダンディもまたベートーヴェンやワーグナーなどのドイツ音楽に深い敬愛を抱いていたが、その敬愛はマニャールにも受け継がれているのだろうか、フ […] [続きを読む]
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