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  • 映画「静かな雨」 監督:中川龍太郎 ~第20回東京フィルメックス2019

    静かな雨 Silent Rain (東京フィルメックス・コンペティション作品) 繊細な話です。 映画は、恋の芽生えから、深い愛へと進む話を、「芽生えたかな」の時点で愛への進行を遮断してしまいます。 それは彼女(こよみ)が事故に会い、過去の記憶はあるのですが、直近の記憶がすぐ消えてしまうからなのです。 退院後、一人住まいの彼(行助)の家の一室に、こよみを転居させ同居が始まるのですが、こよみは朝、起きると「ここ...

  • 気になる映画 74 《これから上映の映画》

    画像をクリックし、下記作品の公式サイトの情報ページへお進みください。ブルーアワーにぶっ飛ばすジャック&ベティ,横浜シネマ 11/30~ 石井輝男特集キングオブオカルトの猛襲ラピュタ阿佐ヶ谷11/24-1/25 わたしは光をにぎっている新宿武蔵野館ほか全国公開11/15~ サイゴン・クチュール新宿K's cinema12/21~ パラサイト 半地下の家族ポン・ジュノ監督1月~ キム・ギヨン監督特集生誕100年記念 異端の天...

  • フィリピン映画「評決」、中国映画「シャドウプレイ」 ~第20回東京フィルメックス2019

    評決 Verdict (東京フィルメックス・コンペティション作品) いい映画です。 これが長編第一作目だというから驚く。 夫の家庭内暴力(DV)に苦しむ妻が、警察の補助機関として活動する、DV被害に対する支援組織の助けを得て、夫を訴えて裁判に持ち込む話。 映画は、DVについての夫婦の関係これまでを物語るのではなく、フィリピンの裁判の実態と、原告/被告の人間ドラマを描きます。 主な登場人物は、妻と一人娘、その...

  • ハル・ハートリー監督の映画 《まとめ》

    これまでに取り上げたハル・ハートリー監督作品です。以下の画像をクリックして記事ページをご覧ください。 この監督の作品は、一度ハマるとクセになる魅力があります。いい監督です。 私は最初に出会った「ヘンリー・フール」で虜になりました。 「アンビリーバブル・トゥルース」と「トラスト・ミー」に出演した女優エイドリアン・シェリー(1966年-2006年)は監督業もする、とてもいい女優でした。残念です。 今後、気が...

  • 映画「人魚姫」 監督:チャウ・シンチー

    リウとルオランの間に、突如、プールからシャンシャンが出現!* * * 人魚と人間のラブストーリー。 香港郊外、海に面した自然豊かな場所を、リゾート地にする計画が進んでいました。 ただし、イルカも生息する海の自然破壊が問題となり、これを避けるため、最新のソナー技術で、イルカをはじめとする邪魔な海洋生物を追い払おうとしていました。 そこで、これに立ち向かうべく立ち上がったのが、...

  • ファティ・アキン監督の映画 《まとめ》

    これまでに取り上げたファティ・アキン監督の作品をまとめました。 監督はトルコ系ドイツ人(トルコ移民の二世)だからでしょう、その出自をベースとしながら、ドイツとトルコ、あるいはその東方を結ぶベクトルを感じる作品を作っています。 今後、気が向けば他の作品を追加していきます。 以下、画像をタッチして記事ページへお進みください。2016「50年後のボクたちは」 2009「ソウルキッチン」 2007「そして、私...

  • 去年の11月は、こんな映画を観てました。

    あれま、もう11月。去年の11月は、こんな映画を観てました。これをクリックしてお進みください。 邦画は、今村昌平の「にっぽん昆虫記」に、横浜聡子の「ジャーマン+雨」の2本でした。 洋画は、アイルランド映画「オンディーヌ 海辺の恋人」と、アメリカ映画「イン・ハー・シューズ」。 それと、第19回東京フィルメックスという映画祭で上映された作品、ロシア映画「アイカ」、中国映画「轢き殺された羊」そして、韓国映画「...

  • 映画「サバイビング・デザイア」 監督:ハル・ハートリー +短編2作「セオリー・オブ・アチーヴメント」,「アンビション」

    ハル・ハートリー監督の57分の映画。 文学部の学生ソフィと、講師のジュードとのラブコメディ。あるいは、ソフィ役の女優メアリー・ウォードを愛でる映画。 登場人物が手にした小説随筆の一節を読み上げるセリフと、日常会話のセリフとを馴染ませる演出は、文学部の人々を描く話なので、違和感を感じさせない。よって、監督の狙い通り、書物から引き出された意味ありげな格言ごときが、シーンのあちこちに散らばっている。 ...

  • 映画「50年後のボクたちは」 監督:ファティ・アキン

    マイクと、チョビ髭はやしてるのがチック。髭は黒のテープ製。※ ※ ※ これは、14歳のマイクとチックの、やっちゃいけないロードムービー。 マイクのうちは、地域の自然環境を壊した所にポツンと建つ一軒、この分譲地を開発したのがマイクの父親。 母親は重度のドランカーで依存症克服のため施設へ、その隙に父親は若い愛人と旅へ‥。 とにかく、マイクの夏休みはひとりで始まった。 (家はプールもあるリ...

  • 映画「東京おにぎり娘」 主演:若尾文子 監督:田中重雄

    銀座のお隣、新橋の駅前、烏森の商店街をちょっと入ったあたりに、テーラー直江がある。 この店はここで30年営む、戦前からの紳士服の仕立て屋で、昔は偉いお方の注文が多かった。 この映画は、そのあるじで、自称大阪生まれの江戸っ子、直江鶴吉(中村鴈治郎)、そのひとり娘まり子(若尾文子)の父子のお話。 時は昭和36年ごろ、頑固で昔気質で職人気質の鶴吉の店は、いまや閑古鳥が鳴く。 一方、そろそろ嫁に行く年ごろの...

  • 映画「FLIRT/フラート」 監督:ハル・ハートリー

    ニューヨークでの第一話。ビル(ビル・セイジ)と、ビルの元カノの夫ウォルター(マーティン・ドノヴァン) その街の、ある恋人同士の設定から語り始められる物語のその二人、そのそれぞれの想いは、二人の間に留まらず、ある日、他へと浮遊して行く。そしてその時その場の、愛の損得勘定、その行方。しかし振り返れば、そこに一人が抱く嫉妬が‥。 映画は、同性愛も含めて恋愛関係が連鎖する人々のつながりの様を、ニューヨーク...

  • 特集:アメリカ映画、1970年代。 《まとめ》

    1970年代のアメリカ映画たちです。 ここには、アメリカン・ニューシネマと呼ばれる映画(下記※印)、そしてブラック・ムービーの興隆がみてとれます。 注目は、インターネットもスマホもない、現在とは明らかに異なる当時の時代感覚や、ぶっきらぼうでザラついた質感、さらには既成に抗う姿勢といったところが、みどころです。アメリカの当時の時代背景を思い浮かべながら観ましょう。 以下はこれまでに取り上げた作品です。...

  • 映画「最低。」 主演:森口彩乃、佐々木心音、山田愛奈 監督:瀬々敬久

    彩乃(佐々木心音)、25歳。AVの撮影が終わったその直後に、偶然、母親から電話が入った。「あんた、今、トンデモナイことしてないっ!」「変な仕事、してないっ!」※ ※ この映画は、AV女優たち3人、それぞれの私生活を静かに語る物語。 映画は、三つの話のシーンが入れ代わり立ち代わりしながら、時系列に推移する、そんな形態をとる。(監督お得意の手法)【一話】 彩乃(佐々木心音)は、売れっ子のAV女優とし...

  • 映画「昨日・今日・明日」 主演:ソフィア・ローレン 監督:ヴィットリオ・デ・シーカ

    タバコ売りが並ぶナポリの下町。妊娠中の妻アドリーナ(ソフィア・ローレン)、失業中の夫カルミーネ(マルチェロ・マストロヤンニ)* * 強い女と弱い男の、愛の喜劇話。 演ずるは、ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニ。 舞台は、ナポリの下町(第1話)、ミラノの郊外(第2話)、ローマの広場を見下ろすアパート最上階(第3話)。 1960年代のイタリアの街風景が楽しめ、あわせて、アンティークなテー...

  • 映画「誰のために愛するか」主演:酒井和歌子 監督:出目昌伸

    寝ていた朋子の部屋に侵入して来た謎の男・明男と、風邪と聞いて立ち寄った婚約者・高木が鉢合わせ。朋子はとっさに明男をかばう。高木は「やっぱりお前は居酒屋の娘」と蔑んだ一言を残して立ち去った。* * 酒井和歌子の魅力を味わう映画。 この酒井と助演の加山雄三の組み合わせは、おのずと1960年代風の娯楽映画を思い浮かべるが、本作の第2の見どころは、映画が、既成に抗う様を描く1970年代っぽいスタ...

  • 映画「コンビニ・ウォーズ 〜バイトJK VS ミニナチ軍団」 監督:ケヴィン・スミス

    これはホラーというより、あ・ほら~。つまりドタバタ・コメディ。 「バイトJK VS ミニナチ軍団」とは、ふたりの高校生女子(15歳)と、ヒトラー似のソーセージ・ミニ男たちとの、深夜のコンビニを舞台にした壮絶な戦いであった。 予告編 :https://www.youtube.com/watch?v=0jSah3lwTyE こちらの映画版予告編のほうがずっといい出来。 予告編2 :https://www.youtube.com/watch?v=5EAy6-uCb1oオリジナルタイトル:YOGA HO...

  • 去年の10月は、こんな映画を観てました。

    もう10月。去年の10月は、こんな映画を観てました。下記をクリックしてお進みください。 まずは邦画。 是枝裕和監督の「海街diary」は、綾瀬はるか, 長澤まさみ, 夏帆, 広瀬すずが主演。 サイレント映画「東京の宿」は小津安二郎の1935年の作ですが、いい映画です。 洋画は次の通り。 台湾映画「熱帯魚」はリバイバル上映されたため、ちょっとブームになったが、同じく再上映の「ラブゴーゴー」の方がいい映画。 イタリア...

  • 映画「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」(1986) 監督:フランク・オズ

    これはホラーというより、あ・ほら~。つまりドタバタ・コメディ。 そして、ソウル/R&B/Doo Wopがいっぱいの元気なミュージカル。 さっそく観てみて聴いてみて。 ビデオクリップ :https://www.youtube.com/watch?v=L7SkrYF8lCU この映画は、ニューヨークのダウンタウン、生活が苦しい人々が集まり住む街のお話です。 ここで生まれた孤児シーモア(リック・モラニス)は、花屋のあるじムシュニクに拾われて以来、店...

  • 映画「きっと ここが帰る場所」 監督:パオロ・ソレンティーノ

    癒えぬ孤独と後悔を抱える男の、何するでもない無為な毎日と、一転してロードムービーなお話。 その男とは、シャイアン(ショーン・ペン)。有名なロックバンドのスターだった。 一生分を超える、有り余る金を稼いだらしい、宮殿のような大邸宅に、30年以上連れ添う奥さんと二人っきりで住んでいる。 しかし、シャイアンはぼんやり、気が抜けたように暇を持て余している。 たまに消防士として働く奥さんのジェーンと遊ぶか、...

  • 映画「ブロークン・フラワーズ」 監督:ジム・ジャームッシュ

    癒えぬ孤独を抱える男の、何するでもない無為な毎日と、一転してロードムービーなお話。 その男とは、ドン・ジョンストン(ビル・マーレイ)、今もって独身。(昔は、遊び人で色男であったらしい) IT企業を立ち上げ大成功(マスコミで知られているようだ)、そしてその後たぶん、この会社の技術が欲しい企業に会社を高額で売ったんだろう、(よく聞く話) だから、今後一生の金は十分すぎるくらいにある。悠々自適の極み。 ...

  • 映画「超高速!参勤交代」 監督:本木克英

    何ものにもとらわれない新しい感覚の時代劇は好きだ。どんどんやってほしい。 今、時代が時代だけに、現代・現実を題材・舞台にする物語に、行き詰まり感を感じる。その点、時代劇にはまだまだ豊かな物語を生む土壌がある気がする。 そんなわけで、「超高速!参勤交代」。役者も勢ぞろい。 ただし、2作目の「超高速!参勤交代 リターンズ」のほうが演出に磨きがかかっている。また、それぞれの人物像が本作よりもいきいきと描...

  • 映画「愛の予感」 監督:小林政広

    宿の廊下にて。待ち構える典子を無視して、順一は立ち去っていく。 シングルマザーの典子の娘が、父子家庭の順一の娘を刺し殺した。ともに14歳の一人娘で同級生だった。 映画は、それぞれの親がテレビ局のインタビューに応じているシーンで始まる。(いかにもテレビ局らしい、安易な正義をかざした質問を投げかけている) このシーンで、観客は事の起こりを知らされる。 しかしタイトルが「愛の予感」と言うように、加害者/被...

  • 特集「あの俳優の出演映画」 日本映画編 《まとめ》

    「あの俳優の出演映画」のまとめです。 もちろん、主役を張れて、だからこそ脇役での演技も光る。 そんな存在感のある俳優たち。 脇役出演の映画を辿っていくと、いい映画が集まって来るのも、この特集の見どころです。 今後、徐々にですが女優男優を追加していきます。画像をクリックして、作品ページへお進みください。...

  • 映画「鉄路の闘い(斗い)」 監督:ルネ・クレマン(1945年)

    彼ら鉄道員の多くがレジスタンスとして活動した 第二次世界大戦、終戦直後1945年製作のこの映画を一言でいえば、レジスタンス運動に加わった鉄道員の苦難の活劇。 冒頭に、レジスタンス国民会議とフランス国有鉄道の協力でこの映画は完成したというメッセージが入る。 だから活劇というより、ドイツ軍に対するレジスタンスの勝利宣言をうたう映画と言える。 1940年6月フランスへ侵攻したドイツ軍は、フランス域内での迅速な軍...

  • 映画「パターソン」 監督:ジム・ジャームッシュ

    静かな、いい映画。 ジム・ジャームッシュのこの映画は、彼の感性の海に浮かんでいる。 だから観る者が、その浮かぶ映画に降り立つと、一瞬、僅かにゆらっとする揺らぎ、浮遊感を感じる。それは、日常からちょっと乖離する世界へ誘うようです。これが見どころ。 路線バスの運転手パターソン(アダム・ドライバー)の一日のふるまいは、毎日時間通り規則正しい。 愛妻の横で目覚め、まだ寝ている妻を置いてベッドを抜け、ひと...

  • 映画「ペーパー・ムーン」 監督:ピーター・ボグダノヴィッチ

    今もって上質な喜劇映画です。 ある日、突然、母を亡くし身寄りのない孤児となった少女アディと、人のいい詐欺師モーゼ、このふたりのロードムービーです。(実はアディ役テータム・オニールとモーゼ役ライアン・オニールは実の親子です) 話が進むにつれ、かわいいアディのしたたかさ計算高さそして彼女の機転で、迫る危機を幾たび乗り切るに付け、いつの間にか、ふたりの間の主導権は、アディに移っていくのです。ここが可笑...

  • 去年の9月は、こんな映画を観てました。

    はや9月。去年の9月は、こんな映画を観てました。下記をクリックしてお進みください。 そうか、去年の9月は日本映画を1本もあげてなかった‥。気に入る日本映画はだいぶ無くなってきたな。 洋画の方は、5本観てた。 なかでも「ミツバチのささやき」や、ユーリー・ノルシュテインのアニメ「話の話」は定番かな。「10話」もいい。 あと、もし、ソウルミュージック系が好きなら、アレサ・フランクリン、アン・ピーブルス、 シュ...

  • 映画「ただいま」中国映画 監督:チャン・ユアン

    それぞれに一人娘を連れて再婚した、新・家族の愛なき不幸の顛末と、長い時を経て、初めて手にする家族愛の始まりを描く。 この再婚夫婦は四六時中、とにかく夫婦げんかが絶えない。 それぞれの連れ子、タウ・ランとシャオチンの意見の一致は、なにしろいち早く、この家を出たいこと。 父親の連れ子タウ・ランは高校を卒業したらすぐに家を出て職に就くつもり。母親の連れ子シャオチンは大学進学の猛勉強中、入試に受かれば街...

  • 映画「南風」(1939) 監督:渋谷実

    林芙美子原作を基にした、女と男と男の話。 情欲は抑えられていて淡白。話に上品ささえ感じるのは、田中絹代30歳の魅力。 菊子(田中絹代)の好きな男、石本徹(徳大寺伸)が東京へ行ってしまった。 彼を追って上京しようとする菊子。留まるように言う母。だが、菊子はかたくなだった。そして単身、上京。 しかし、その石本をよく知る菊子の兄(笠智衆)が、上京前の菊子に言った手厳しい意見は、不幸にも現実のものとなる。...

  • 映画「鉄道運転士の花束」 セルビア=クロアチア映画 監督:ミロシュ・ラドヴィッチ

    老運転士イリヤと、シーマ少年との出会いは鉄橋の上だった。少年の姿を見て急ブレーキをかけたイリヤ。孤児院を抜け出し列車に轢かれて自殺しようとしたシーマが鉄橋を歩いていたのでした。 定年間際の電気機関車 運転士で独り身のイリヤと、運転士に憧れる彼の養子シーマとの、奇妙で温かい親子愛。喜劇です。 この話はシーマの成長とともに展開し、シーマに優しいイリヤの同僚夫婦、心理カウンセラーでやはり独り身のヤゴダ、...

  • 気になる映画 73 《これから上映の映画》

    画像をクリックして、下記作品の公式サイトの情報ページへお進みください。「火口のふたり」脚本・監督:新井晴彦出演:柄本裕,瀧内公美8/23~新宿武蔵野館 「わたしは光をにぎっている」監督・脚本:中川龍太郎出演:松本穂香11/15~新宿武蔵野館 「サタンタンゴ」監督:タル・ベーラ9/13~イメージ・フォーラム他  「ブラインドスポッティング」監督:カルロス・ロペス・エストラーダ 8/30~新宿武蔵野館&emsp...

  • 映画「カーマイン・ストリート・ギター」 2018年 ドキュメンタリー映画 監督:ロン・マン

    結構、気に入った映画です。 ニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジにあるギター工房のあるじ、リック・ケリーという人の話です。 とりわけ、ここで製作されるエレクトリックギターの品質は、トップミュージシャンからとても信頼されています。 そして、ここのエレキギターのボディ(木部)は、ニューヨークの古い建物から出た廃材を活用しています。これが抜けのいい音を出すのです。なぜなら19世紀から現在までの長い年月、...

  • 特集:「刑務所は出たけれど」の物語

    「刑務所は出たけれど」という切り口で、これまでの映画を集めたら、26本もあった。(下記) なぜ罪を犯したのか、服役中の事、出所してからの事と、このテーマは、ま、人生ストーリー創作の泉みたいであります。 日本映画は7本、そのうち4本が一夜一話にはマレな、やくざ映画。でも典型的なやくざ映画じゃありません。一味違います。 以下、お楽しみください。 「いぬ」監督:ジャン=ピエール・メルヴィル 4年の刑期を...

  • 一夜一話の “今日はファンキー!だよ” ルー・ドナルドソン/コーネル・デュプリー

    ルー・ドナルドソンの「Turtle Walk」、ボリューム上げて聴いてみて。https://www.youtube.com/watch?v=vBUWtnd0g_Eあっはぁ! いいな。 いいでしょ。わかりやすい。難しいことヌキ。で、次。コーネル・デュプリーだ。こちらも負けず劣らず、いや、もっといい!下記URLにあるソングリスト(行った先のページの下の方にある)、このリストの1曲目「Doin' Alright」を聴いてみて。https://diskunion.net/black/ct/detail/XAT-1245563...

  • 「チェコ ポーランド ハンガリーのポスター」 青幻舎ビジュアル文庫

    チェコ、ポーランド、ハンガリーのポスターが素晴らしい。 本書は、これらをまとめた青幻舎のビジュアル文庫シリーズのひとつ。 文庫本サイズだが、中身が濃い。3か国200作品以上のポスターが掲載されている。時々、この本を取り出してはパラパラ眺めながら楽しんでいる。 なかでも、気に入っている作品を以下に並べてみた。どれもクオリティがとても高い。 ポスター画像をタッチすると拡大します。 チェコスロヴァキア ...

  • 映画「立ち去った女」フィリピン映画 監督:ラヴ・ディアス

    とにかく、いい映画。 殺人の罪で30年間服役していた、元教師ホラシアの物語。 しかし30年経ったある日、これが冤罪事件と判明し、ホラシアは無罪放免 釈放された。映画はここから静かにゆったりと展開し始める。 さてホラシアに濡れ衣を着せたのは誰だったのか、そして釈放後、彼女は‥。 なにしろ、228分の長尺。 セリフが少ない、また、さほど起伏感の無いストーリーが淡々と進むが、映画が語る語り口の彫りは深い。 そ...

  • 映画「万引き家族」 監督:是枝裕和

    5人の家族に、幼い女の子ゆりが加わった。 総じて、悪くはないのだけれども‥ 脚本があれもこれものエピソードを詰め込んだために、ストーリー全般はいささか消化不良の様相でラストを迎える。 そのラストで警察沙汰になり、供述シーンで映画はそれまでの消化不良感を解消しようとするのだけれど、いまいちの感じ。 本作の尺は2時間だが、あと30分でも時間を足せば、語り口に余裕ができて消化不良感を無くせたかもしれないと...

  • 去年の8月は、こんな映画を観てました。

    去年の8月は、こんな映画を観てました。下記をクリックしてお進みください。 日本映画は2本観ました。 二階堂ふみ、小泉今日子が主演の「ふきげんな過去」と、佐々木蔵之介や深田恭子などのオモシロ時代劇「超高速!参勤交代 リターンズ」。 外国映画は4本。 ロマの音楽が漂う「歌っているのはだれ?」はユーゴスラビア映画、カナダ映画「ソナチネ」は2人の若い女の子の物語。 フランス映画「譜めくりの女」はピアニストの...

  • 「ジュリアン・オピー展」 東京オペラシティアートギャラリーにて

    東京オペラシティアートギャラリーにて、「ジュリアン・オピー展」を観て来た。 近年観た展覧会の中で一番いい。 どの作品も、近寄って観ると、大胆に簡略化したフォルムや太い線が、すでに動的で、 その一方で、高さ2メートルほどの人物立像作品(下図)を遠ざかって観ると、単純化されているにもかかわらず、作品のそばにいる観覧者と見間違えるほどにリアルで。 加えて、人物像の表情や、精神的内面まで見えてくるから、...

  • 特集:京マチ子の映画 《まとめ》

    女優、京マチ子の特集です! 以下は、これまでに一夜一話で掲載した彼女の出演映画です。(製作年の順に並べました) なぜか‥、あ行のタイトルが多い。 京マチ子が出演した映画は他にもたくさんありますが、あとは気に入らないので。画像をクリックして記事ページへお進みください。「羅生門」監督:黒澤明 時は平安時代のある日。人けのない山間の道を、平安京の中央官庁に勤務する官人の金沢(森雅之)は、妻の真砂(京マ...

  • ドキュメンタリー映画「ヘヴィメタル・イン・ザ・カントリー」ドイツ映画

    ドイツの片田舎ドンツドルフに本社を置く、ヘヴィメタル専門のレコード会社「ニュークリア・ブラスト」の今を語るドキュメンタリー映画です。 マルクス・シュタイガーという男が設立し、今やインディーズ系ヘヴィメタ・レーベルでは世界的な会社に至っている。のどかな農村とヘヴィメタの対比が可笑しい! 映画の中で、マルクス・シュタイガーが言うに、「誰も聞かないようなこんな音楽で会社が成立するなんて‥とよく言われる...

  • 映画「モスクワは涙を信じない」ソ連映画 監督:ウラジミール・メニショフ

    左から三女アントニーナ、長女カテリーナ、次女リュドミーラ (アントニーナの彼氏の実家に招待されてオシャレして) 三姉妹それぞれの人生を描く、1979年製作のソ連映画です。(政治色はありません) モスクワに上京して一緒に住む、長女カテリーナ、次女リュドミーラ、三女アントニーナ。 彼女たちは親の助けも何の後ろ盾もなく、自力で生きていくしかない境遇。(ロシアの格言「泣いたところで誰も助けてはくれないものだ」...

  • 特集:イタリア映画、1960年代。いい映画。

    一夜一話の、1960年代イタリア映画の特集です。 以下のほかに、まだありますね。そのうち追加していきます。画像をクリックして記事ページへお進みください。 1960年 「甘い生活」監督:フェデリコ・フェリーニ フェリーニの代表作なんだから、なんて固く構えて観てはいけません。 何しろ、素晴らしい映像です。これを楽しみましょう。「情事」監督:ミケランジェロ・アントニオーニ 危ない恋がしてみたい。それはサスペン...

  • 映画「ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!」監督:エドガー・ライト

    娯楽映画です。おもしろかった。 喜劇でサスペンスです。ラスト近くになって見せる田舎町での派手な銃撃シーン、カーアクションもあります。(ただし英国流の) 銃撃シーンでは死者は出ずコミカルですが、悪者たちが手を下した4人の死ではグロ~いシーンがあります。 主人公ニコラス・エンジェル(右)は、ロンドンでの仕事ぶりが優秀過ぎて上司に嫌われ、英国一安全といわれる犯罪の無い、のどかな村サンドフォードに左遷さ...

  • 映画「才女気質」(さいじょかたぎ) 監督:中平康

    左から、母親の登代(轟夕起子)、次男の令吉(長門裕之)、妹の宏子(中原早苗)、父親の市松(大坂志郎) ★ ★ 主人公、登代(轟夕起子)をさして、映画は「才女気質(かたぎ)」と呼んでいるのですが、勝ち気で親分的判断力があり、ただし性格が細かい登代が、おっとり「肝っ玉かあさん気質」じゃないがゆえに、周囲の人々の様子が喜劇になるのであります。テンポのよい、しっかりした脚本の味が楽しめます。...

  • 美人画 ~図書館で出会った日本画

    「日本の美女」(平凡社)というこの本に、図書館で出会った。 こちらを見つめる、表紙のこの眼差しに驚かされた。 この絵の題は「婦人」、北野恒富(1880-1947)という画家がポスターの原画として描いた1929年の作品。当時、このポスターが駅に掲示されるとすぐに盗まれたらしい。(表紙画像にタッチすると原画全体が見れます) 本書には江戸時代を含む多くの画家(絵師)による「美人」の絵が掲載されているのですが、明治...

  • 映画「大鹿村騒動記」出演:原田芳雄 監督:阪本順治

    南アルプスのふもと、長野県大鹿村の村民を描く「大人の」喜劇映画です。 なぜ、大人の映画か、それは登場人物たちの平均年齢が、たぶん、60歳は優に超えています。つまり諸先輩のお話です。 シカ(ジビエ)を食わせる、あばら屋な食堂を営む主人公の、風祭 善(原田芳雄)。 18年ぶりに東京からこの村に帰って来た能村 治(岸部一徳)は、善と幼なじみ。 そして、この治と一緒に連れだって帰って来たのが、風祭 貴子(大楠...

  • 去年の7月は、こんな映画を観てました。

    去年の7月は、こんな映画を観てました。下記をクリックしてお進みください。 日本映画は3本。 小路紘史監督の2016年の作「ケンとカズ」、いいですよ。 そして小津安二郎のサイレント映画「浮草物語」 (1934)、昭和9年当時の風情を味わえます。この「浮草物語」は後に「浮草」 として小津自らリメイクしましたね。 あとはシブいところで、中村登の「我が家は楽し」(1951)、高峰秀子、笠智衆、山田五十鈴が出演。 洋画の方も3...

  • 映画「黄金のメロディ マッスル・ショールズ」 ドキュメンタリー映画

    リック・ホール(中央)と、フェイム・スタジオ専属のスタジオ・ミュージシャンだったバンドメンバー(映画撮影のため集まった。)★ ★ アメリカの音楽業界の舞台裏を描くドキュメンタリーです。 1959年、アラバマ州フローレンスに設立した、世界的に著名なレコード録音専門スタジオ(FAME Studios)のオーナーで、かつ、音楽プロデューサー&録音エンジニアの男の話。(右画像) 彼の名はリック・ホール。(1932...

  • 映画「母のおもかげ」主演:淡島千景 監督:清水宏

    互いに子連れの、再婚の話です。 男親の瀬川には一人息子の道夫が、女親の高田(淡島千景)には一人娘のエミ子がいます。 道夫は小学生ですが、エミ子はまだ幼女です。 話は、道夫が新しい母さんに慣れない不安、そして亡き実母への捨てきれぬ思いを中心に語られます。 そんな日々のなか、道夫の心の慰みといえば飼っている伝書鳩でした。 ところが、ある日、その鳩をエミ子が鳩小屋から逃がしてしまい、道夫も新しい母さん...

  • 映画「エリザのために」 ルーマニア映画 監督:クリスティアン・ムンジウ

    ルーマニアの、父と高校生の娘の物語。 そして、切り開くべき人生の扉を、娘が開けるに至るお話。(ラストシーンが一番の見所です) さらには、ルーマニアという国を憂い語る映画です。 この家族の役柄設定は、こんな感じです。 父親ロメオは医師、妻との関係は冷え切っていて、ロメオは密かに若い女性といい関係を持っている。 妻マグダは図書館員、ウツ気味で塞ぎ込んでいて、何事も受け身、消極的な日々。 一人娘のエリ...

  • 映画「パリはわれらのもの」 監督:ジャック・リベット

    1957年のパリ。 主人公は大学生のアンヌ。 初心で擦れてないアンヌの役柄は、その兄ピエールの友人や、その知り合いに出会いながら、不条理な謎めいた話の進行役(狂言回し)を担っている。 ピエールの人間関係の中で死者が二人出る。ギター現代音楽作曲家に舞台演劇監督。 自殺の様に見えるが、他殺なのか。 見えぬ外部からの陰謀がうごめくかのようだ。 アンヌは知る由もないが、実はピエール本人も謎めいていて、ある組...

  • 特集:「宇宙人の映画」 一夜一話だからこそのチョイス。

    「アナザー プラネット」原題は、Another Earth。もうひとつの地球上には、我々とまったく同じような人類が、同じような自然環境、社会環境で生活しているらしい。その、一人ひとりは、どちらがどっちなのかさえ、言えぬくらいに、同じ様子。このドラマ設定は、過去/未来の自分を客観視するタイムトラベルのようにも観える。つまらぬ映画ばかりの、レンタルショップのSFの棚に並べて置くには、もったいない作。「宇宙人 東京に...

  • 映画「もらとりあむタマ子」 主演:前田敦子 監督:山下敦弘

    何となく最後まで観てしまった。悪くない。サッパリしていてグタグタしてない演出。それがいい。モラトリアム経験者にとっても、そんなに重くない映画。(だと思う)タマ子役の前田敦子は無理していない。中学生男子役の伊東清矢が光っている、こいつはいいよ。この伊東清矢が作品に「味」を加えているのが見所。タマ子の父さん役は難しい役どころ。これが残念。リリー・フランキーあたりが適役のような気がする。 予告編 :http...

  • 特集:原田芳雄の映画 《まとめ》

    これまでに掲載した映画記事から、原田芳雄が出演の映画を下にまとめてみました。こうして並べてみますと、脇役出演が多い。主役を担ったのは、一夜一話掲載作品の中では、「竜馬暗殺」、「原子力戦争」、「われに撃つ用意あり」、「鬼火」の4本。自分で言うのもなんだが、もっと多いと思っていた。想定外でした。でも、この想定外を、別な見方すれば、脇役でも彼の存在感は際立っているということ。つまり、原田芳雄が出て来るシ...

  • “ 空色って、青? 煙突を見上げて思った ” 《 ふと思う、考える。》

    「空色は何色か」は、この煙突が物語っている。空模様は気まぐれ。晴れも曇りもあって、だけど空色とは実に楽観的だな。人生模様もさまざまだ。「バラ色の人生」と言うね。ところで、バラ色って、どんな色?空色、バラ色ともに、色の名として特定されているようだ。(下記参照)それにしてもバラ色って、う‥、こんな色かよ、灰色人生もいやだが、バラ色一色の人生も息が詰まりそうだ。1億円当たったら、こんな感じか。クレヨンや...

  • 映画「Mommy/マミー」 カナダ映画 監督:グザヴィエ・ドラン

    ヤンチャな姉ちゃんが、そのまんま、年を重ねたような、今も元気すぎる母親、ダイアン。細身のジーンズが様になる。 ダイアンの一人息子スティーヴは、障害を背負う高校生。 著しい不注意と、活動過ぎる行動が衝動的で、コントロールしにくい状態が続くADHDという障害だ。(注意欠陥・多動性障害) スティーヴは、母親にタメぐちをきく。 母親も息子にタメぐちをきく、負けてない。 親子と思えない会話が日常的。傍目、ケン...

  • 去年の6月は、こんな映画を観てました。

    去年の6月は、こんな映画を観てました。画像をクリックして記事ページへお進みください。「合葬」世の中の土台が瓦解する幕末に、武士に生まれたからこその、生き方選択の迷路に迷い込んだ、幼なじみの3人の男たちがいた。しかし、この先、世の中どうなる?、という大きな不安が押し迫るさなかでも、武士にも、また武家の女や町人・農民といった人々にも、彼らの日常はそれぞれにあった。もちろん恋もあった‥。「日本の悪霊」双子...

  • 映画「彼女の人生は間違いじゃない」 主演:瀧内公美 監督・原作:廣木隆一

    時は、東日本大震災から5年経ったころ。 父親の金沢修と、その娘みゆき(瀧内公美)は、いわき市の仮設住宅に住む。 原発被災者として賠償金をもらっているのだろう、父親はパチンコに通う日々。 金沢家は放射能に汚染された畑と家を持つ元農家、妻は未だ行方不明。 みゆきは、市役所に勤務する傍ら、父には英会話教室に通っていると偽って、渋谷を拠点にデリヘル嬢をしている。 この構想で、映画は何を語ろうとするのだろ...

  • “ この絵、似てるよね ” 《 ふと思う、考える。》

    「牡牛を屠るミトラス」 1世紀~4世紀頃 フレスコ画 イタリア 「サーカスライダー」 1929年 シャガール 油彩 NHKドキュメンタリー「シルクロード 美の回廊Ⅱ~微笑みが来た道」の特集で、 「イタリア~ミスラが生んだ古代宗教」の映像を見ていたら、上のフレスコ画が目を引いた。 あれェ?この絵、見たことあるぞ、ふと、そう思った。そして‥ シャガールだ! こうして並べてみると、1500年の時間差があるにも関わ...

  • 特集:安藤サクラの映画 《まとめ》

    安藤サクラ、いいですよね。 彼女の出演映画を、ここに、まとめてみました。 これまでにあげた7本、製作年の順に並べました。 「0.5ミリ」「百円の恋」「白河夜船」は、主演作品。 脇役出演の「きいろいゾウ」「島々清しゃ」は映画がつまらなかったな。 うわさの「万引き家族」は未見です。 今後も順次追加していきます。サクラさん、期待してまっせ!「トルソ」 「かぞくのくに」 「その夜の侍」 「ペタル ...

  • 映画「君はひとりじゃない」 ポーランド映画 監督:マウゴシュカ・シュモフスカ

    母親を亡くしたひとり娘と、その父親との再出発のお話。 女性監督作品の魅力を味わいましょう。 娘のオルガは、これまで母を頼りに生きて来たのか、あるいは幼いままなのか? それを映画は語らないが、とにかく、突然、母を亡くしたオルガは心を閉ざした。 摂食障害と、父親ヤヌシュへの過剰な嫌悪。 ヤヌシュは、オルガをしかるべきリハビリ施設へ入所させた。 君はひとりじゃない‥ 自閉のオルガの前に現れたのは、精神...

  • 特集:女性監督ならではの、キラリと光る作品を味わう。 一挙、19作品!

    女性監督による「いい映画」を集めてみました。 どの作品も、繊細な心の動きを、とても上手く表現しています。 こうして並べてみて、気づくことは、これら監督が脚本をも書いている人が多いこと。 それと、日本の女性監督作品にいいものが少ない。がんばれ! 「アリスの出発」 フランス|監督・脚本:レティシア・マッソン| 素描タッチの映画。 10ページくらいの短編小説をもとに、サクッと映画化した感じ。 その手際よ...

  • 映画「ROMA/ローマ」 2018年 監督:アルフォンソ・キュアロン

    いい映画。すごくいい! いきなりですが、まず予告編を観て欲しい。 予告編 :https://www.netflix.com/jp/title/80240715 このお話の前提。 舞台はメキシコ、時は1970年~1971年。 映画の主人公は、クレオという独身の家政婦さん。彼女はメキシカン・ネイティブだ。 真面目な性格で口数は少ない。 街中の大きな家に、同僚の女性と一緒に、二人は住み込みで働いている。 クレオたちの雇い主一家は、元気な4人の子供と...

  • 映画「トルソ」 主演:渡辺真起子,安藤サクラ 監督:山崎裕

    父親が違う姉妹の、互いにいたわり合う気持ちを描く映画。 姉のヒロコ(渡辺真起子)も、妹のミナ(安藤サクラ)も、それぞれ東京で働いている。ともに独身。 ヒロコは、ひとりでいるのがいい。職場での人間関係はほどほどにしている。 ミナは姉と違って、外交的というかチャランポラン、でも姉に甘える。 ヒロコには、未だに癒えない心の傷がある。 ミナの父親(ヒロコの義父)の葬儀に行かなかったのも、そのせいだった...

  • “ 観ない映画、観たくない映画、つまらぬ映画 ” 《 ふと思う、考える。》

    観たくない映画は、観ない。つまらぬ映画はブログに書かない。なぜなら、このブログ「一夜一話」は、映画宣伝の仕事でやってんじゃないから。観ない映画、観たくない映画、つまらぬ映画、あらためて列挙してみると、いっぱいあるな~と、ふと思った。以下、こういう映画は一夜一話にありません。(たぶん) 西部劇、 ドスを持つようなヤクザ映画、人殺し・カーアクション・戦争アクション・天災が売りの映画、国策映画、 ハリウッ...

  • 去年の5月は、こんな映画を観てました。

    去年の5月は、こんな映画を観てました。画像をクリックして記事ページへお進みください。「夜空はいつでも最高密度の青色だ」池松壮亮と石橋静河の、とても純なラブストーリー。最後までしっかり観せます。「ストロベリーショートケイクス」恋に悩む東京の女4人、それぞれの生きざまドラマ。その、それぞれの生きざまは、世の中、こんな女がいるだろう、と思われる女性像を、意識的にデフォルメして、美しく標本化し、花のイラスト...

  • “ 消失点とトンビ ” 《 ふと思う、考える。》

    先日、横須賀美術館へ行ってきた。 この美術館は、東京湾の入り口にあたる観音崎の海岸に建ち、海に面して広々とした風景の中にあります。(写真は館の屋上庭園) 私は美術館の屋上にある芝生に座り、眼前に広がる、広~い静かな風景をぼんやり眺めていました。 上空高く、トンビが数羽、上昇気流に乗ってゆっくり旋回しています。見ていて飽きません。 と、その時、 視界の右上空から、ジェット旅客機がゆっくり現れた。...

  • 気になる映画 72 《これから上映の映画》

    画像をクリックして公式サイトor上映映画館の情報ページへお進みください。「ブルーアワーにぶっ飛ばす」監督:箱田優子|出演:夏帆テアトル新宿,ユーロスエース10月~ 「ココロ、オドル OKINAWAN BLUE」監督:岸本司ケイズシネマ新宿6/22~ 「新聞記者」監督:藤井道人新宿ピカデリー、イオンシネマ他6/28~ 「カスリコ」監督:高瀬将嗣ユーロスペース6/22~ 「こはく」監督:横尾初喜ユーロスペース、シネマ...

  • 映画「昇天峠」 メキシコ映画 監督:ルイス・ブニュエル

    バス車内のオリヴェリオ(横縞柄シャツの若い男)と、通路を挟んでその右の女性がラクェル。彼女は終始、オリヴェリオに秋波を送る。 メキシコの太平洋沿岸にある小さな村の出来事、時は1950年ごろ。 この映画は、明るい太陽のもと、陽気で楽天的な人々の喜劇ですが、唯一、そうでないのは、ある一家の遺産相続のいざこざです。 それは三兄弟の母親が病に伏せっていて、死期が迫っている、この事から話は始まります。 つまり、...

  • 映画「金子文子と朴烈」 監督:イ・ジュンイク

    金子文子と朴烈のツーショット この映画は韓国映画ですが、話は全編に渡り、大正時代の東京です。 特に、舞台となる1923年は、関東大震災が起こり、 東京市他郡部に戒厳令が発令されました。 映画はこの辺りから始まります。 まずは、主役、金子文子を演じきった女優チェ・ヒソに拍手! とにかくその演技は光っています。 さて、いきなりですが、予告編を観てもらいたい。 これが、本作「金子文子と朴烈」という映画を...

  • 特集:若尾文子の映画 《まとめ》

    若尾文子の出演映画をまとめてみました。 これまでにあげた映画、ここに12本。 製作年の順に並べました。 一夜一話としてあげられる作品は、大体、このくらいかな。 そのほかの映画は、気に入らん。 監督は、溝口健二、増村保造、吉村公三郎、市川崑、小津安二郎、川島雄三、豊田四郎、島耕二、五所平之助、木村恵吾といった、そうそうたるメンバーです。画像をクリックして記事ページへお進みください。「祇園囃子」 ...

  • 映画「めぐりあう日」 監督:ウニー・ルコント

    理学療法士のエリザと、治療院に通うアネット 夫との不和が続くなか、エリザ34歳は、パリを離れ、ひとり息子のノエと、どこかで新しい生活がしたいという思いが強まるばかりであった。 そしてまた、親の顔も知らず養子として育ったエリザは、これを機に、実の母の存在を確かめてみたいとも思いはじめた。 そこでエリザは、実母を探す調査依頼サービスを使って知った自身の出生地、北フランスのダンケルクに居を構え、ノエとの二...

  • 特集:えっ!「突然、あの人が現れた!」 ~想定外の、ひと騒動の物語 13本!

    ある日、「あの人」が、何の前触れもなく、ひょっこり、やって来た。 もう、これだけで物語になる。 「あの人」とは、日ごろ忘れかけていた、訳ありの身内。 田舎の父であったり、実母であったり、行方知らずの子であったり兄妹であったり、命の恩人であったり、だ。 そのうえ、 「あの人」は、今日まで、何処で、どうしてたのか? なぜ、突然に帰って来たのか? そして、そもそも、かつて、なぜ姿をくらましたのか‥など...

  • 一夜一話の “今日はイタリアのポップスだよ” TV番組「小さな村の物語イタリア」テーマ曲

    ご存知、長寿テレビ番組「小さな村の物語 イタリア」のテーマソングです。 何回聴いても、いつも、いい曲だと感心する。好きだな。 歌ってるのは、オルネラ・ヴァノーニ(1934 - )、曲は「逢いびき」。 繰り返すメロディが、盛り上がて行って、ああサビに入る、そしてまた、あのメロディに戻り繰り返す。 シンプル!こんな曲よくぞ作ったもんだ。素晴らしい! 聴いてみて。 試聴 :https://www.youtube.com/watch?v=eCf...

  • 映画「男性・女性」 監督:ジャン・リュック・ゴダール

    1965年の、20歳前後のパリの男女を描く映画です。(公開は1966年) 主人公ポール役のジャン・ピエール・レオ(当時21歳)や綺麗な女優さん達、そしてファッションやパリの街角をモノクロ映像で描いています。 映画で流れるフレンチポップスは、かわいいボーカル、軽いリズム。 これらが本作の魅力のひとつと、すなおに言ってもいいでしょう。ここで、まずは予告編を観てみましょうか。 予告編 :https://www.youtube.com/wa...

  • 映画「横道世之介」 主演:高良健吾、吉高由里子 監督:沖田修一

    映画を観ていると、登場人物の誰もが、「ああ、こういう人いるよね」って感じで、人物描写が巧い映画です。 ここが本作の見どころ。 つまり「こういう人」という人物像の、デフォルメ具合が絶妙なのです。 また、デフォルメした部分が、時にオーバー気味になって笑いを誘います。 特に主人公の横道世之介(高良健吾)が、高良の演技と相まって、そうそうこういう人いる感がうまく出ています。 一方、さりげないシーンで...

  • 映画「漂うがごとく」 ベトナム映画 監督:ブイ・タク・チュエン

    ズエンとカム (カムの家で) 2009年のベトナム映画です。 ハノイの街中、家々を吹き抜ける、ゆったりとした風と、街の遠いざわめきに、家の臭いがリアルに感じとれる、静かな映画。 せりふは総じて少なめです。 ズエンとカムという親友二人の女性を柱にして語られる物語ですが、話に含みを持たせています。 映画が語らない、この含みが見どころです。 ズエンは知り合って三か月で年下の男ハイと結婚します。 ハイは幼い...

  • 去年の4月は、こんな映画を観てました。

    画像をクリックして記事ページへお進みください。「正門前行」淡々としていますが、コメディです。この映画、監督の手による脚本の勝利です。回りまわっての結末で、ふたつの話を、巧みにストンと落とします。うまい!(と最後で思う)「トラスト・ミー」高校生の女の子マリアと、30歳過ぎの独身マシューとの、純愛物語風の喜劇です。この映画、賢者もスーパースターも出てこない。極々、普通の人の、その弱い所の内面を優しく可笑...

  • 映画「風たちの午後」(1980) 監督:矢崎仁司

    ふたりの女の物語。 そしてこれは、1970年代の風に吹かれた人たちへの、悲しげな苦いファンタジーでもある。 夏子と美津は姉妹のように一緒に住んでいる。 夏子は保母さんで、美津は美容室で働いている。美津は夏子より年上で、世慣れしている。 実は夏子は美津が好きだが、今もって好きと言えないでいる。 美津には男がいて、美津はその男を部屋に引き入れる。そんな時、美津はハンカチを窓辺に干す。これが今部屋に来ちゃ...

  • 映画「マチルド、翼を広げ」 フランス映画 監督:ノエミ・ルヴォウスキー

    小学校の三者面談に呼ばれて学校に来た母親は、担任の先生を前にして、なぜ自分がここに来たかのかを思い出せない。先生の背後の窓の外に、鳥の巣が見えると、母は喜び、娘のマチルドに指し示す。★ ★ ★ 監督自身の少女時代を元にして、話せるフクロウを登場させるなどファンタジー色を織り交ぜての、自伝的なドラマ。 監督は、主人公の少女、マチルドの母親役もこなしている。 さっそく、予告編を観てみよう。...

  • 浅草へ行ってきた。

    晴れの土曜日に、浅草へ行ってきた。 浅草寺の雷門から、本堂へと続く仲見世通りの人出は、なるほどTVで見るとおり。 たぶん2/3以上は外人観光客だと思われる。 しかし、混雑を抜けて行った先の本堂前には、意外にも人数が少ないのです。 つまり混雑の多くは、仲見世通りの途中にある脇道の飲食店へと、散って行くのでしょう。 私の今日のお目当ては、牛鍋屋、米久本店。(百年の老舗という) 雷門から少し歩いて、雷門と...

  • 気になる映画 71 《これから上映の映画》

    それぞれの映画の詳細情報は、画像をクリックしてください。(外部リンクです)「ビールストリートの恋人たち」川崎市アートセンター3/30-  「あなたはまだ帰ってこない」川崎市アートセンター3/30-  「ナポリの隣人」川崎市アートセンター4/13-  ソヴィエト映画の世界シネマヴェーラ渋谷3/30-4/19  「嵐電」テアトル新宿京都シネマ5/24- 矢崎仁司監督特集横浜シネマリン3/23-4/5上映作「ストロ...

  • 特集:脚本の腕くらべ 「複数の話で構成された映画の面白さ」 17本!

    さて今回は、脚本の腕くらべ。 3話4話5話というように、同じ脚本家による複数の話を束ねて関連付けて、1本の作品にした映画って、独特の面白さがあります。 幾つもの話を、そして、それぞれに登場した人物たちを、1本の映画にどう織り込ん行くかが、見どころです。★ ★「彼女を見ればわかること」 監督・脚本:ロドリゴ・ガルシア|アメリカ ロサンゼルスに住む5人の女性についての、5つの話。 大人の女の愛の話...

  • 一夜一話の “今日はブラジルのポップスだよ” モレーノ+2 (モレーノ・ヴェローゾ)

    リオの、先鋭的なアンダーグラウンド・シーンで、モレーノ・ヴェローゾが率いるユニット「モレーノ+2」のアルバム。 とにかく、宝箱をのぞき込むような、ワクワク感がたまらなくいい、ブラジル発の珠玉の曲でいっぱいのアルバムです。 アンダーグラウンド・シーンと聞いて、引くかもしれないが、まずは1曲目を聴いてほしい。 これ、天使のような美しいメロディだよ。 試聴 :https://youtu.be/Ohq0ARu_ZUU?t=30 こうい...

  • 映画「生きない」 監督:清水浩

    沖縄バスツアー客9名と、添乗員・バスガイド・運転手あわせて13名の‥ ブラック・ユーモアたっぷりの「2泊3日の、沖縄初日の出バス・ツアー」の旅。 「私は3つなんですが、あなたは?」 「私は4つです」 これはツアー客同士の会話。 何のことかというと、借金が3000万ある、相手は4000万。 そろいもそろって、そんな額の借金を抱えてニッチモサッチモ行かなくなった9名がツアーに参加し、12月30日、バスが待つ那覇空港に降り...

  • 映画「ムーンライト」 監督:バリー・ジェンキンス

    月夜の夜、黒人はブルーに見えると‥‥ 子供の頃、リトルと呼ばれた、無口チビッ子いじめられっ子の黒人少年、シャロンのその後の成長物語。 話の作りは、脇道にそれるエピソードもなく、シャロンの成長に沿ってストレートな流れ、これがすっきりしていて好感が持てます。 それと映像がきれいです。色彩と光に気を配っています。これが観どころってことで、本作をとりあげました。 映画の舞台はマイアミ。 シャロンは、母子家庭...

  • 映画「残像」 監督:アンジェイ・ワイダ

    第二次大戦直後の戦後のポーランドを描く映画です。 この映画の一番のメッセージは、全体主義国家がいかに簡単に、個人の尊厳を握りつぶせるかであります。 2016年にこの映画が公開されたことは、また再び世界が徐々に全体主義への傾向がみられ始めたことへの警告です。 そして次に、スターリン体制のソ連下のポーランドで、表現の自由がいかに打ち砕かれたかを映画は言っています。 映画の主人公は、ウッチ州立美術学校の...

  • 去年の3月は、こんな映画を観てました。

    ‥‥‥ 去年3月、日本映画はこれ1本でした。 ‥‥‥「宇宙人 東京に現わる」SF娯楽映画です。我々よりずっと、科学的に文化的に進化した太陽系外の宇宙人・パイラ星人は、実は地球を案じてやって来たのです。円盤がいきなり飛来し、地球は大騒ぎ!「宇宙人 東京に現わる」というチョット怖いタイトルですが、宇宙人地球侵略といった好戦的な話じゃないのが面白い。‥‥‥ 洋画は5本でした。 ‥‥‥「はじまりのうた」去年の1~3月に観...

  • “ 縦書きの文字が下から上に書いてある ” 《 ふと思う、考える。》

    歩いていたら、右の旗(のぼり旗)に出くわした。→ 「フォルクスワーゲン認定中古車」の文字が‥、なんと、下から上へ書いてある。 変だよね。 旗を逆につけたのか? いや、ドイツ語が下から上に書いてあるからじゃない? でもアルファベットって、縦書きの場合、上から書くんじゃないの。 いやいや、上から下、下から上、の両方あるらしい。例えば本の背表紙。 ここら辺のことについて詳しい記述があった。 「本棚に立...

  • 映画「パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー」 監督:トム・シャドヤック

    小児がんの患者でしょうか‥‥。 娯楽映画ですが、真実をまじめに語る物語。 パッチ・アダムスこと、アメリカの医師ハンター・キャンベル・アダムス(1945- )という男の業績をもとにした物語です。 彼は臨床道化師ということを始めた人で、現在も世界中で臨床道化師の活動実践や普及に向けて講演活動をしているそうです。 本作は、医師、医療がテーマの真面目な映画ですが、映画の作りは、特に主人公役のロビン・ウィリアムズ...

  • 映画「夜明けの祈り」 監督:アンヌ・フォンテーヌ

    ポーランドの女子修道院に、突然降りかかった悲劇と救済を描く映画です。 ようやく終結した第二次世界大戦、その直後、ソ連は赤軍をポーランドに駐在させた。 その兵隊たちが、女子修道院へ乱入し強姦。8人の修道女たちを妊娠させる事件が起きた。 兵士は数日で去ったが、修道女たちの体内では胎児は日に日に育つ。 修道院内では、帝王切開が必要な修道女の悲痛な叫びが響く。 この非常事態において修道院長は、自身の監督...

  • うまい酒と、豆腐。 「来福」

    一口飲んだその舌先は、一瞬甘口かと思わせるが、実はほどよい辛口。 そして爽やかなコクがある。 酒のあては、豆腐のうま味が味わえる、美味い豆腐を、醤油かけずに、どうぞ。 この酒と合いますぞ。来福酒造住所:茨城県筑西市村田1626創業:1716年...

  • 特集:「同じバスに乗り合わせた乗客たち」の物語 7本!

    「同じバスに乗り合わせた乗客たち」の物語を集めてみました。 これは群集劇といわれる部類でしょうか。 見知らぬ者同士の車内では、どんな物語があるのでしょう。 また下校時のように、知っている顔がある車内では、それはそれで、どんな展開があるのでしょうか。 そして、バスの中の事だけじゃなく、バスを降りる時のその人の心境、降りてからのその先には、また、それぞれにそれぞれのドラマがあるのです。★ ★...

  • “ 絵画は黙して語らず ” ‥‥「絵画の歴史 洞窟壁画からiPadまで」,「ギャラリーゲーム ピカソと画商の戦略」,「巨大アートビジネスの裏側 誰がムンクの「叫び」を96億円で落札したのか」 《最近読んだ本》

    絵画は黙して語らずだが‥‥。 近頃、美術館の宣伝が、わざとらしいこと、はなはだしい。 同時に美術館の視野の偏狭さを感じる。 絵は、もっと自由な発想で楽しみたいものだ。 そんな思いで一冊目の「絵画の歴史」を読んだ。これは堅苦しい本ではないし古今東西の画集でもあります。 絵画は黙して語らずだが‥‥。 そもそも、美術館が所有するような価値が高いと言われる絵画は、王や貴族の持ち物だったし、今でも一握りの富...

  • アニメ「ソウル・ステーション/パンデミック」 監督:ヨン・サンホ

    拍手! ゾンビ系は趣味じゃないが、すんなりと見終えてしまった。 よくできているアニメ。筋書きが巧いし、キャラクターの動きも背景も凝っている。 話はじわりじわりと‥進みます。 どんでん返しも楽しんでください。 ただ残念なのは、この予告編が不出来。 予告編 :https://pandemic-movie.com/オリジナルタイトル:서울역監督・脚本:ヨン・サンホ|韓国|2016年|92分|【 一夜一話の歩き方 】 下記、クリックして...

  • 映画「夜ごとの夢」(1933) サイレント映画 主演:栗島すみ子 監督:成瀬巳喜男

    86年前の映画です。 話は女と男の4日間の出来事。(ある月の23日から27日) 幼い一人息子の出世を願い、それを生きがいに女給として今を生きる女、おみつ(栗島すみ子)。 そんなある日、おみつを捨て家を出て行った男が3年経って、ふいににふらりと現れた。水原である。 水原は一目、子供見たさに、そしてあわよくばまた、おみつと、よりを戻したい。 だが、気丈なおみつは、キッパリと水原の申し出を拒み追い返そうとし...

  • “ 渋谷のスクランブル交差点 ” 《 ふと思う、考える。》

    《 ふと思う、考える。》というコーナーを始めようかと。 私のことなので、どうでもいい事も多々あり。 初回から、早速どうでもいい事です。 「スクランブル交差点」、と言えば、まず頭に浮かぶのは、二つだろう。 ひとつは渋谷駅前のあれ。 もひとつは、路面の、横断歩道表示のシマシマが交差する、この表示でしょう、たぶん。 ところが、ふと気づいたんです。 渋谷駅前の横断歩道の路面表示は、X型じゃなく、「/」で...

  • 2月掲載の映画 ~去年の今月今夜は何を観てたか(2018.2)

    ◆去年の2月、こんな映画を観てました。次の邦画2作は、お勧めです。「強虫女と弱虫男」 乙羽信子主演の、タイトル通り、強い女性を描く喜劇です。新藤兼人が監督・脚本。好きですね、こういう映画は。生きるエネルギーが爆発。「ふりむいた花嫁」倍賞千恵子, 淡島千景, 伴淳三郎らが出演の、これも喜劇。監督は番匠義彰。これも良くできた映画です。舞台は浅草の老舗どじょう屋。●洋画は5本でした。まずは、シブいところから2...

  • 映画「ウィ・アンド・アイ」 監督:ミシェル・ゴンドリー

    この映画は、起承転結をくっきりにして、ドラマ性を盛り上げる類ではないです。 言い換えれば、絶えず流れる川の流れや人の流れに、何かしらの情感を汲み取ることを求めるタイプ。 とは言っても、話の舞台はニューヨークのブロンクス、16歳の子たちの話だから、騒がしい。 シーンのほとんどが路線バスの中、下校の生徒たちが乗っている。 気の合う幾つかのグループに分かれて、子たちはそれぞれに、ああだこうだとしゃべって...

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