おーじろう さん プロフィール

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おーじろうさん: おーじろうのらくがき
ハンドル名おーじろう さん
ブログタイトルおーじろうのらくがき
ブログURLhttps://blogs.yahoo.co.jp/ojiro70
サイト紹介文下手な4コマ漫画で平凡な日常をつづってます。野球や猫のコーナーもあります。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供717回 / 365日(平均13.8回/週) - 参加 2010/04/24 16:51

おーじろう さんのブログ記事

  • 川端物語360 愛燦燦
  • 1989年3月12日午前0時緑が丘の街は雨が降り出したので、雨宿りに地下歩道に入った。真夜中の地下歩道は通る人もいない。静まり返った狭い空間で足音が向こうの壁に反響して返ってきた。試しに声を出すとすごく響き渡った。僕はその場に腰を下ろした雨〜潸々と〜この身に落ちて〜わずかばかりの〜運の悪さを〜恨んだりして〜人は〜哀しい〜哀しいものですね〜それでも〜過去たちは〜優しく睫毛に憩う〜人生って〜不思議なも [続きを読む]
  • 川端物語359 君住む街で
  • 1989年3月11日23時雪の残る道をさまよい歩いていたら少しずつ靴がしみてきた神楽岡の坂を上ったところに大きな看板があった「この道を裏参道と呼びましょう」市民団体が立てた物か上川神社から続くこの道が裏参道か、悪くないなと思った。少しお腹が空いてきた。そう言えば、よくお腹を空かせてたっけ貧しかったが、僕にはそれが良かったと思っている。世間は言う、貧乏だから、貧困だからと。貧乏は悪い事なのか?ならば [続きを読む]
  • 川端物語358 もう少し
  • 1989年3月11日22時「じゃあね」僕はみんなに最後のお別れを言い残して騒がしい声を背中に聞きながらサンロクの雑踏に飲み込まれた3年間色んな曲を聞かせてくれたミュージックショップ国原のスピーカーも今日は店じまい残雪の道を家に向かって踏みしめる。巨大な歓楽街サンロクの灯りが小さくなってゆく「お坊ちゃまたち、あばよ」4月からは消費税というのが導入されるらしい買い物するたびに税金を払う時代になるそうだ [続きを読む]
  • 川端物語357 レイニーブルー
  • 1989年3月11日クラスの卒業パーティーもしばらくした頃、誰かが僕の袖を引っ張った。松岡さんだ。「才谷くん、久御山くんに言ってくれたの?」「ちゃんと伝えたよ、後は知らないから」もうこいつらと関わるのはゴメンだ。遠くの席を選んで座り直したら、壇之浦さんに声をかけられた「才谷くん、さすが歌上手いね。もっと歌ってよ」でも合唱部だからって調子に乗って歌いまくったら何かダサいような気がしたし、さっき一曲歌 [続きを読む]
  • 川端物語356 男を見る目
  • 1989年3月11日ナイトパブ101での卒業パーティー隣席の松岡さんに声をかけられた僕「あのう才谷くん?、久御山くんを呼んできて」はぁ?用があるなら自分から行けばいいじゃないか。しかもよりによって性格の悪いあの久御山のお坊ちゃまかつくづく思う。女というのは男を見る目が無い。金持ちだから色んな服が着られてオシャレだということだろうとは言え、頼まれたら嫌とは言えない僕の事だ仕方なく久御山に伝えると「あ [続きを読む]
  • 川端物語355 卒業パーティー
  • 1989年3月11日卒業式翌日の買物公園、オクノデパート前着飾ったクラスメイト達が続々と集まってきたクラスの卒業パーティーが開かれたオクノから歩いて3分、ナイトパブ101は僕らのクラスを軽く飲み込んで余りある大きなお店だ私服の芹沢知子がやけに大人っぽく見えた。4月からは同僚となるがまだ実感が沸かないお互い視線が合ってもぎこちないのは1年生のあの日から変わっていないそう、僕と芹沢の関係はあの日から時 [続きを読む]
  • 川端物語354 卒業
  • 1989年3月10日雲の隙間から幾筋の太陽光線が地上に射し込む。天国から聖人が降りてくるかのように。「才谷桜二郎」「はい!」僕は大きく張りのある声で立ち上がった。誰よりも立派にこの学び舎を卒業しようと思っていたから起立している間も背筋をきれいに伸ばして微動だにしなかった校歌斉唱は400人の中で一番上手く歌った。それがこの、ろくでもない学校に対する僕のひとつのケジメであり、礼儀だったのだ。教室で卒業 [続きを読む]
  • 川端物語353 ありがとう
  • 1989年3月9日玄関で、もうすっかり古びてしまった上履きを履いた。進路決定者のボードもすっかり賑やかになったが一番最初に書かれている僕と芹沢の名前が目立っていた。ああ、懐かしい。階段、廊下、教室。たった1か月来なかっただけでこんなにも懐かしさを感じる。今日は卒業式の予行ということで、3年生の登校日だ。予行を終えてクラスに戻ってみても特に変わりない景色本当に明日卒業しても良いのだろうかと不思議に思 [続きを読む]
  • 川端物語352 オトナ
  • 1989年3月初旬3月に入った。僕の青春もあと1か月となった。来月僕はスーツを着てネクタイをして職場にいるはずだ。平成最初の社会人として。僕は時代を追いかけているのだろうか。それとも。時代に追いかけられているのだろうか。平成という時代がこれから何十年続くか分からない。でも、僕のこれからの人生は間違いなく平成とともにある。裾上げの仕上がったスーツを持って、雪解けのザクザク道を歩む。春のまだ低い陽射し [続きを読む]
  • 川端物語351 逃げていく
  • 1989年2月28日店長は優しい人だった。うちの家庭を心配して、「1時間でもいいからタイムカード押しに来なさい」とか言ってくれたりもした。ありがたかった。3月は就職準備でいろいろあると思っていたからアルバイトは今日で最後だ。少しでも家計を助けたいという気持ちで始めたバイトだったが結局、免許や、就職の準備など、自分の事で全て消え去った。大口叩いた割に大したことない自分を情けなく思った。早くまともな給 [続きを読む]
  • 川端物語350 キャンセル待ち
  • 1989年2月下旬自動車学校での教習も順調に進んでいた。最初のうち送迎バスを利用していたのだが、フリ専の僕はその時間では朝の予約が取りにくかったので送迎バスよりも先に学校に着けるよう早起きして片道7キロの道のりを走って通うようになった。この間、ソ連軍がアフガニスタンから撤退し、昭和天皇の大喪の礼が執り行われ、オフコースが解散した。そして僕は仮免に合格して、路上教習となっていた。相変わらずの退屈なキ [続きを読む]
  • 川端物語349 自動車学校
  • 1989年2月中旬マンガの神様、手塚治虫が亡くなった。昭和の星がひとつ消えた。僕は家庭学習期間を利用して自動車学校に通っていた。教官は特に指名せず、その時間に空いてる教官をお願いしたこういう生徒はフリー専門だから「フリ専」と呼ばれていた。フリ専のほうが早く卒業できるからそうしていたのだが当然のように人気のない教官にばかり当たった。この日も朝一番で人気のない教官の車に乗ることができた。ブツブツと文句 [続きを読む]
  • 川端物語348 思い出の音楽室
  • 1989年2月1日僕ら3年生の学年集会が行われた。明日からは家庭学習期間に入るので注意事項が説明された。ホームルームが終わって解散すると僕は音楽室に駆け上がったシンと静まった音楽室で、ノクターンを弾いた。3年間の思い出が詰まった音楽室。蛇口を全開にしたように蘇る思い出たち。白雪姫の板倉先輩は元気かな?きっと素敵な大人になっているだろう。四天王と歌ったあの時間も忘れられない思い出になった。貞子先輩は [続きを読む]
  • 川端物語347 青春の駅
  • 1989年1月下旬「試験を受けるためだけに東京行くのってなんだかもったいない気がするねせっかくだからどこか寄ったりするの?」「お袋が銀座で買い物するっていうから付き合うんだ」へーそうなんだ。え?母上も一緒に行くの!?「お袋が」なんて強がって言ってるけどさ要は「ママと一緒にお受験」なんでちゅね。そして合格したら今度はパパも加わってお部屋探しに再び上京するのだとか。いったいいくらお金がかかるんだろう? [続きを読む]
  • 川端物語346 真冬の風景
  • 1989年1月下旬厳冬の旭川、思いっきり朝の空気を吸い込むとムセかえる。空気中の水分が凍っているからだ。辺りの風景を記憶に残しながら家から学校への1時間の道のり空気との温度差があるから石狩川からは霧が立ち上っている。空気がキラキラと帯状に光って幻想的な風景を作り出す。ダイヤモンドダストだ。冷たい朝の陽射しを受けて歩く僕は、吐く息が前髪で凍りまるで関口宏のように前髪だけ白髪になる。玄関をくぐり下駄箱 [続きを読む]
  • 川端物語345 時は金なり
  • 1989年1月中旬共通1次試験まであとわずか、来年からは大学入試センター試験に変わるそうだから今年が最後の共通一次試験となる。入試制度の歴史も変わろうとしているところだ。休み時間に神無月くんと話をしていたらなんと彼は今年は受験しないのだとか。はなから今年は諦めているのだという。チャレンジすら放棄して浪人を決め込む態度にあ然ととた。そうか、お坊ちゃまにはお金のゆとりだけではなく時間のゆとりもあるのだ [続きを読む]
  • 川端物語344 3学期
  • 1989年1月17日「平成元年1月17日これより3学期始業式を執り行う。」先生のアナウンスに生徒たちはどよめいた。まだ平成という言葉が馴染んでいなかった。そしてあらためて平成になったことをこの時実感したのだろう平成元年になったけれど、年度で言えばまだ昭和63年度だ4月からは平成元年度になるから昭和64年度というのは存在しない幻の年度になる。ともあれ、才谷桜二郎の最後の3学期が始まった。ワックスの匂 [続きを読む]
  • 川端物語343 日常が戻った
  • 1989年1月10日元号が平成に変わって3日目となった。テレビも通常の番組をやりだして、いつもの日常が戻った。この間、様々な行事が中止あるいは延期となった。高校サッカーも2日間延期されて、今日が決勝戦清水市立商業が市立船橋を破って優勝した。清水には、後の日本代表になる名波浩や藤田俊哉がいた。また船橋には後にペナルティとなる、ワッキーとヒデがいた。優勝を喜ぶ選手たち、それを称えるアナウンサーやっと日 [続きを読む]
  • 川端物語342 平成
  • 1989年1月8日(平成元年)普通に起きて普通に朝食を摂ったが世の中は普通ではなかった多くのお店が臨時休業となり、テレビでは昨日から引き続き特別番組が繰り返し全チャンネルで放送されていた。同じ内容の番組をひたすらに繰り返すのでさすがに退屈してきた後で聞くところによるとレンタルビデオ店に人が殺到していたとかテレビを見ていて気付いたのだが、CMすら流れなかった。時代が変わるというのはこういうことなのか [続きを読む]