天波由々 さん プロフィール

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天波由々さん: 金の鍵 銀の錠
ハンドル名天波由々 さん
ブログタイトル金の鍵 銀の錠
ブログURLhttps://cawaru.com/bl/
サイト紹介文ファンタジー風オリジナルBL小説を書いています。切ない/ハッピーエンド
自由文天波由々のBL小説を置いています。ファンタジー世界&ハッピーエンドで悶えるほど甘いお話を書いていきたいと思います。甘々好きな方は、ぜひ覗いてみてくださいv
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供67回 / 81日(平均5.8回/週) - 参加 2010/05/23 14:54

天波由々 さんのブログ記事

  • ぎゅっ…と、して? 第24話 死の匂い
  • 前の話へ 目次へ二度目のここでの朝 ──。昨夜は食べ物の夢ばかり見て、眠った気がしないティオだったが、目が覚めると早速光の球を上げるべくベッドから起き上がった。歩くとふらつくし、放った光の球もそれほど高く上がらなくなってきている。結局昨日は夕方までに五回も集中してやって、気力も体力も消耗してしまっていた。だが、そんなに疲れていてもあまり眠れなかったのは、やはり食べていないせいだろうか。昨日ほど空腹 [続きを読む]
  • ぎゅっ…と、して? 第23話 悲壮な決意
  • 前の話へ 目次へ 次の話へ(…ん…朝?)気がつくと、すでに太陽は空に上がっていたようだ。鳥の声も聞こえない味気ない朝に、ティオは軽く溜め息を吐いた。なかなか寝つけなかったが、朝方に少しはうとうとと眠ったらしい。頭痛は引いているが、もったりと重たい頭を起こすと、雲ひとつない空が目に入った。(知らせを…上げないと…)水をいくら飲んでも空腹感はまぎれることはなく、ちゃぽちゃぽになったお腹をさすりつつ、テ [続きを読む]
  • ぎゅっ…と、して? 第22話 光の球と孤独な夜
  • 前の話へ 目次へ 次の話へ「相手の『力』を奪うか、『無』にしてしまう『力』だとしたらどうだ?」「…?」(目に見えない『力』って、そんな……)まさか、と苦笑しそうになったティオに、更にセラグは畳み掛けてきた。「カラ族は「空族」だろう? 「空族」はクウ族と言えなくもない。だとしたら、古に種族が二つに分かれたとも考えられるだろう」「…っ」荒唐無稽な話だが、自信を持って話すセラグの口調は妙に説得力があった [続きを読む]
  • ぎゅっ…と、して? 第21話 グィートの過去
  • 前の話へ 目次へ 次の話へこの部屋の出入り口はここだけだが、歩み寄って手を伸ばしても、取っ手にはぎりぎり届かない距離だ。鎖が絶妙な長さで調整されていることに肩を落として、ティオは力なくベッドへと戻った。腰かけたベッドのスプリングは硬いが、新品で上質の手触りのシーツや毛布は買い揃えたのだろう。必要なものは揃えていくつもりだ、と語ったセラグの言葉を思い出して、ティオは奥歯を噛み締めた。こんな場所で、一 [続きを読む]
  • ぎゅっ…と、して? 第20話 見知らぬ部屋
  • 前の話へ 目次へ 次の話へ「っ!?」まさか、どうして?と思う間もなく、目の高さに上げられた手首を見て、ティオは目を見開いた。「それ……」「無粋なものだが、こんな役に立つものがあるとは、私もまだまだ勉強が必要だな。もちろん、君に必要なものは、揃えていくつもりだけどね」笑みを含んだセラグの声を聞きながら、その手にはめられている手袋を、ティオは呆然と見つめた。護謨(ゴム)と呼ばれるそれは、異国にしかない [続きを読む]
  • ぎゅっ…と、して? 第19話 不穏な霧
  • 前の話へ 目次へ 次の話へからだの痛みは少しずつ和らいでいるが、胸の奥に宿った痛みは逆に増していくような気さえして……。ティオは唇を噛み締めながら、右手で自分の胸元をぎゅっと押さえつけた。その手に、新たな雫がぽたぽたと落ちていく。(…… あの時、こうして思いっきり泣きたかった……)それほど、クロウに振られたのはつらかった。それも、あれほどあからさまに嫌がられるなんて予想外で、今でも胸がキリキリと引 [続きを読む]
  • ぎゅっ…と、して? 第18話 ティオの涙
  • 前の話へ 目次へ 次の話へ温もりを知ってしまった今となっては、仮定の話でしかないが、今の倍以上の時間がかかったとしても、自分はクロウに惹かれていっただろう。(だって、こんな人、オレの周りにはいないから ──)すぐそばにある好きでたまらない男の横顔を、ティオはそっと見つめた。クロウとは何気ない会話でも楽しくて、そばにいると気持ちが穏やかに安らいだ。家で一緒に過ごす時間は、まるで元からの家族のようにし [続きを読む]
  • ぎゅっ…と、して? 第17話 告白
  • 前の話へ 目次へ 次の話へ明けて翌日 ──。ティオはエファの書いたメモを眺めつつ、どう話を持っていこうか思案していた。結局、昨日はクロウの帰りは遅く、そのまま夕食となり、なしくずしに酒盛りになってしまった。前の晩にあまり眠れていなかったティオは、眠気に勝てずに早々にベッドに入ってしまい、クロウと話をする時間が持てなかったのだ。だから、今日こそ二人きりになる時間を作ろうと密かに思っている。(問題は、 [続きを読む]
  • ぎゅっ…と、して? 第16話 自覚した恋
  • 前の話へ 目次へ 次の話へそんなティオのこわばりをほぐすかのような優しい声が、ティオの耳に届く。「嫌ではないな。初めは驚いたが、クロウは私から見ても良い男だ。家族になったら嬉しい、と思うくらいに」「え…?」戸惑いながら上げた視線の先には、温かい声色と同じグィートの笑みがある。その言葉は自分の想いを否定するものではない。そう思うと、ティオの胸にじわじわと嬉しさが湧いてきた。「私がどうこう言うつもりは [続きを読む]
  • ぎゅっ…と、して? 第15話 羞恥の事実
  • 前の話へ 目次へ 次の話へ「じゃあ、愛人っていうのは?」『愛人』という単語に、グィートは思い切り眉をしかめた。その表情から、話をするのも嫌なくらいの嫌悪感が滲み出ている。と同時に、どうしてそんな言葉を口にするのか、と問う顔つきになった。「まさか、とは思うが、結婚相手が見つからないから、愛人……と?」「そんな! そんなことは思ってないよっ、もちろん!」グィートの疑いを慌てて否定すると、ティオはどう話 [続きを読む]
  • ぎゅっ…と、して? 第14話 相談
  • 前の話へ 目次へ 次の話へいきなりとんでもない方角から降ってきたような話に、ティオはきょとんとしてしまった。ぽかんと口を開けたその様子に、コルトは小さく吹き出し、エファは微笑み、クロウは頭を掻く。「この前、雨が降っただろう? それで俺が借りていた部屋が雨漏りで水浸しになって、次に借りるところを探していたんだ」ちょっと申し訳なさそうに事情を話すクロウに、他の二人が話の後を引き継ぐ。「昨夜、夕食の時に [続きを読む]
  • ぎゅっ…と、して? 第13話 一夜明けて
  • 前の話へ 目次へ 次の話へ「ロウ……」不安に震える声で、ティオはクロウの名を呼んだ。「ん?」と穏やかな顔で覗きこむクロウに、早く帰りたい、と目で訴える。か細い声と青い顔を体調が悪いせいと捉えたクロウは、労わるように軽く細い肩を叩くと、ティオのからだを横抱きにして立ち上がった。大股で馬のつないである柵のそばに歩き、「ちょっと待ってろ」とティオを積み上げている木材の上に腰掛けさせる。そうしてクロウが馬 [続きを読む]
  • ぎゅっ…と、して? 第12話 銀色の影
  • 前の話へ 目次へ 次の話へ翌日はからっと晴れて、すがすがしい朝になったが、ティオの頭はぼんやりしていた。寝不足でしぱしぱした目をこすると、見えてきたクロウの家に視線をやる。栗毛の馬が柵に繋いであって、クロウがもう来ていることがわかった。(どんな顔をして会えばいいんだろ)もっと考える時間が欲しくて、雨が降るのを願ったくらいだが、こんなにしっかり晴れてしまってはこないわけにもいかない。いろいろ理由をつ [続きを読む]
  • ぎゅっ…と、して? 第11話 セラグの噂
  • 前の話へ 目次へ 次の話へ「……」開いた口がふさがらない、とは、まさに今の状況だ。欲情とか、性欲とか、生々しい言葉に頬が熱くなる。ティオはわずかに口を開けたまま、魂が抜け出たような顔でジョアを見つめた。しかし、その目はジョアを見ていない。(オレがロウを好きって…? そんなこと…… )「そいつが気になって仕方なかったり、触りたくてたまらないだろ?最初は物珍しさからだったかもしれないけど、そりゃ間違いな [続きを読む]
  • ぎゅっ…と、して? 第10話 知らないことばかり
  • 前の話へ 目次へ 次の話へ「…へえ…」ティオは、溜め息のような相槌を打つ。そこまでして強くなりたい人がいるのは驚きだが、自分がそういう噂の対象になっているのは心外だった。なんせ自分は『力』が強すぎて困っているのだから。だから、今そういう話を聞いても、同性同士の結婚というのは受け入れがたい気がする。「でも、それなら子供はどうするの?」「そこは諦めるか、養子をもらったりするらしいぜ。大抵は後継者が欲し [続きを読む]
  • ぎゅっ…と、して? 第9話 雨の日の来客
  • 前の話へ 目次へ 次の話へ「そうか。じゃあ、帰るか」「あ…っ」くるりと背を向けられて、ティオは反射的にその背中にすがりついた。勢いこんで、どんっと体当たりをしてしまう。「ぅおっ!」「ご、ごめんっ」謝りながらも、広い背中にぎゅっと抱きつく。とっさに背中からなら大丈夫かも、と思ったのだ。「ったく、おかしな奴だな」「う、うん、そうだね」苦笑いするティオの頬に、クロウの笑い声が振動となって伝わってくる。そ [続きを読む]
  • ぎゅっ…と、して? 第8話 不可解な変化
  • 前の話へ 目次へ 次の話へ「……いきなり、すみません」そう言って頭を下げると、「いや」と気の抜けた声を出しながら、クロウは頭を掻いた。その顔には、悪いことをした、という謝罪の表情が浮かんでいる。それを見ると、ティオの胸は驚かせて申し訳なかった、という気持ちでいっぱいになった。(本当に、なんてバカなことをしたんだろ……。ロウにこんな顔をさせて……)とにかく謝るしかない、とさらに口を開こうとしたら、逆 [続きを読む]
  • ぎゅっ…と、して? 第7話 ささやかなお願い
  • 前の話へ 目次へ 次の話へティオの声に弾かれたように、クロウがティオに顔を向けた。その顔には「まずいことを言った」というような後悔が見てとれた。「っと、暗い話はやめだ。あんただって聞きたくはないだろうし」そうだろう?と苦笑するクロウに、ティオはなんと言ったらいいかわからず、作り笑顔を向けるしかない。こういう場合に気の利いたことがいえないのは、なんとも不甲斐ないものだ。そんなティオを横目に、クロウは [続きを読む]
  • ぎゅっ…と、して? 第6話 打ち明け話
  • 前の話へ 目次へ 次の話へ無心に手を動かしていると、お腹がくぅと鳴って、ティオはもう昼時なんだと気づいた。まとめた瓦礫を外に出すついでにクロウを見ると、木材に腰掛けて腕で顔の汗を拭っているところだった。まだらに濡れたシャツや、額に張りついた髪がやけに官能的に見えて、ティオの胸がどきりと鳴る。ただそこに居るだけなのに目を引くな、とぼんやりと見つめていたら、「どうした?」と視線に気づいたクロウが顔を上 [続きを読む]
  • ぎゅっ…と、して? 第5話 クロウの家へ
  • 前の話へ 目次へ 次の話へ(また、触られた)初めて触れられた時と同じように、自分の頭に手をやって、ティオは俯いた。── この前と同じように、頭を撫でられた。あの大きな手で。無骨な手の感触を思い出すと、父親に撫でられたような感覚を覚えた。それも子供の頃の定かではない記憶の上に、クロウの手は、グィートとは似ても似つかない。(他人の手、だよな)下ろした自分の手をじっと見つめる。母親似の細い指で、なんの苦 [続きを読む]
  • ぎゅっ…と、して? 第4話 グィートの治療
  • 前の話へ 目次へ 次の話へエファは夕食の支度をするから、とキッチンへと向かったので、グィートの手伝いはティオにまかせるつもりなのだろう。これまでも、何回かは父親の施術に立ち会ったが、学校を卒業してからの本格的な修行はまだなので、ティオもこれが初回だ、と気を引き締める。治療師として独立する日のためにも、場数は多く踏んでおいた方が良いと思うから、言われなくても積極的に手伝うつもりだ。国王から与えられた [続きを読む]
  • ぎゅっ…と、して? 第3話 イズグルト国
  • 前の話へ 目次へ 次の話へ夕方になると、ティオは家の中で落ち着いていることができずに、玄関の前の広場で道の向こうを眺めていた。小さな林の中にあるティオの家は、家の前の広場が行き止まりになっているため、ここに来るには道が一本しかない。ぽつんと一軒だけ建つ家以外はまばらな木々しかなく、見通しは抜群だ。足元の小石を時々蹴飛ばしながら、うろうろと歩き回り、人待ち顔を道の向こうに向ける。そんな仕草を繰り返す [続きを読む]
  • ぎゅっ…と、して? 第2話 驚きの訪問者
  • 前の話へ 目次へ 次の話へそんなことを何度も言われているうちに、授かった『力』自体をうとましく思うこともあった。男なら憧れてやまないその強さを、捨て去ってでも誰かのぬくもりを欲する自分がいる。(やっぱり旅に出るしかないのかな)それも、一人では実現できそうにない方法だが、少なくとも一年以内には相手を見つけたい。どうしようか、と考えこむティオの耳に、始業を告げるベルの音が虚しく響いていた。次の日は卒業 [続きを読む]
  • ぎゅっ…と、して? 第1話 厄介すぎる『力』
  • 目次へ 次の話へ「今日はいつも以上に落ちこんでるけど、大丈夫か〜?」本当に心配しているのかどうか疑問な口調の問いかけが、少し離れたところから聞こえる。相手にするのも面倒だと思いながら、でも誰かに愚痴を聴いてほしいと思い直して、ティオはゆっくりと伏せていた顔を上げた。後ろ向きに座って、前の自分の机に背をあずけているのが、さっきの声の主のジョアだ。声色通りののほほんとした表情で、「どうした?」と顔で訊 [続きを読む]
  • 大喜×結弦 Wish part2
  • 前の話へ 目次へ「これ、あの時の映画じゃないか?」 大喜の問いに、鍋をつついていた箸を止めてTVを見ると、確かに見覚えのあるタイトルが映し出されていた。数年前に大ヒットしたラブロマンス映画が、新春ロードショーとしてTV放映されるものらしい。結弦はどきっとした胸の内はおくびにも出さずに、「そうだね」と努めて平坦な声で返した。 高三の初詣の帰りに、偶然鉢合わせした大喜に誘われて観に行った映画だ。あの時を密 [続きを読む]