久能美丈 さん プロフィール

  •  
久能美丈さん: 50歳からのヨーロッパ
ハンドル名久能美丈 さん
ブログタイトル50歳からのヨーロッパ
ブログURLhttp://burgblog.blog27.fc2.com/
サイト紹介文日本城郭の研究者が、鉄道・バスを駆使してヨーロッパの古城に潜入した写真旅行日記!
自由文日本城郭の研究者が、夫婦で海外恐怖症を乗り越え、ヨーロッパのお城に潜入!魅力にハマって10年。見たもの聞いたもの、ありのまま。目指せ連載100回!!
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供111回 / 225日(平均3.5回/週) - 参加 2010/06/20 15:46

久能美丈 さんのブログ記事

  • 252話 キルケニーの街
  •  ダブリンの南西にあるキルケニーはこぢんまりとした町だが、私たちが歩いたメインストリートは意外に混雑している。これはキルケニーが古くから城下町として発達してきたせいだろう。今、市壁はほぼ存在していないが、かつてはアングロ・ノルマンの城の城下として城壁に囲まれていた。ある時期には川向こうも城壁で囲まれていた。ふとヨークを歩いていた時のことが蘇ってきたが、城郭都市には共通するものがあるのかもしれない。 [続きを読む]
  • 251話 再びMさんの運転で
  •  8月最後の日。この日はモリー・マローン像前に8時15分集合である。ということは8月27日と同じ旅行社のツアーに参加したことを意味するが、今日のドライバーもMさんであることは、27日にMさんと話したので知っていた。しかしあの日の客は我々だけ。本日はYさんという若い女性が一人加わる。  最初に向かったのがレッドエールに分類されるスミズウィックスのビール工場である。エールビールだから硬水を使う。マグナムというホッ [続きを読む]
  • 250話 リバーダンス
  •  リバーダンス。これを初めてテレビで見たのはそう古いことではない。その時にテレビは確かアイリッシュダンスだと言ったように覚えているが、それを母胎にしたとはいえ、遙かに創作的でダイナミックである。 アイルランドにゴルフをしに来たある日本人が、興味も無いリバーダンスに誘われてさんざん渋ったが、つきあいで仕方なく見に行ったところ帰りには彼が最も感激し騒いだため、仲間があきれかえったという話を聞いたが、私 [続きを読む]
  • 249話 リバーダンスを見に行こう
  •  トリムから戻ったのはもうかなり遅い時間で、コンビニで夕食を買うと大慌てでホテルに戻り、味わう間もなく食べ終わると急いでガイエティシアターに向かった。8時開演のリバーダンスが始まるのだ。             <ガイエティシアターの外観> シアターは外見からすると日本の小劇場と変わりがないように見えたが、中に入ってみると思いがけず豪華である。早くから予約を入れておいた私たちの席は前から3列目の中央 [続きを読む]
  • 248話 キープを見学
  •  雨が再び降り出した中を私たちは急ぎ足でキープに向かった。外の階段を上って2階から入る。キープの入り口はやはり2階になくてはならない。              <キープ入り口> 女性ガイドの説明はウイットに富んでいるようだが、残念ながらついていけない。他の観光客が笑うと、その笑い方を見て私も合わせて声を立ててみる。寂しい。残念。恥ずかしい。 ある階で彼女は一人の男性に向かって、「あなたが座っている [続きを読む]
  • 247話 トリム城に入って
  •  公式ガイドブックに城の歴史で最初に記されるのは12世紀後半のヒュー・ド・レイシーで、この城は彼の名とともに同時代の詩に残された。詩の中で城の作りは周りに堀を掘り、柵をめぐらし自分の家を城砦化するものだったというから、木造のモットアンドベイリーを想像できるが、実際、現場では考古学的な発掘を行っており、初期の城の遺構も検出されているようだ。 木造のキープは間もなく石造に代わった。ギリシア十字というのだ [続きを読む]
  • 246話 トリム城に入りかけ
  •  アイルランドで最大のアングロ・ノルマン風城郭だというトリム城であるが、入ってみるとそれほどにも思えない。 ここでいう “アングロ・ノルマン風城郭”とは「ノルマンディー公国(フランスに所在)の王ウィリアム(ギョーム)がイングランドを征服する際に築城した城郭の形式をもった城」という意味であろう。そうであるならウェールズで見たものの方が大きいようである。しかし川の畔から最初に見たトリム城は、なかなか雰 [続きを読む]
  • 245話 トリム城に行こう
  •  1時間50分かけてダブリンに到着すると、私たちは荷物をホテルに置いてトリム城に向かった。ピアース駅からダートと呼ばれる近郊電車で二つ目。リフィ川を越えた北側にコノリー駅がある。トリム行きのバスは駅を出て左100mのバスセンターにやってくる。 1:15発というのは、夜のことを考えると少し遅すぎるが、とにかく見てみたい城である。これより早いバスはないのだから仕方ない。じっと待った。途中思いがけないことに強い雨 [続きを読む]
  • 244話 エアコーチ
  •   今日8月30日は朝8:30のエアコーチと呼ばれるバスでベルファストからダブリンに戻る。すでに長距離バス乗り場は調べてあるが、私たちが泊まっているジュリーズイン・ベルファストからは目と鼻の先で、現地旅行社にホテルなどをとってもらうと、そうした点が行き届いているのでありがたい。              <バス乗り場>  出発の15分くらい前になるとバスを待つ人たちも次第に多くなるが、中にいる運転手さんは [続きを読む]
  • 243話 そうなのか
  •  ベルファストに到着した日はホテルのレストランで食事したと書いたが、実はその支払いで、思いがけないミスをした。私たちはもちろん知らずにしたことであったが、レストラン側からすると迷惑行為であったに違いない。というのは、私たちはずっと以前のイギリス旅行でお金を何ポンドか残してきたが、それはイギリスにいつかまた行くことを想定したからに他ならない。しかし実際にはその後イギリスでは新紙幣ができて旧5ポンドが [続きを読む]
  • 242話 羊と牛
  •  ダンルースまでの海岸道路では道沿いに羊の放牧場を何度も見た。むかし、初めてそうした風景をウェールズで見た時には、低い丘陵の斜面に見えるいくつもの白い点が一体何なのかわからなかった。そもそもあまり動いているようにも見えなかった。やがて近づくとそれが羊であることがわかってきて、自分たちが遠い国に来たことを知って感動したものだった。              <ウェールズの羊たち> そうした感動が薄ら [続きを読む]
  • 241話 帰路
  •  城を見終わると、ビリーさんは私たちをすぐ近くにあるブッシュミルズのウイスキー蒸留所に案内してくれた。強い香りの中を駆け足のように見て回ると、外はまだ4時だというのに暗く、時折強い雨が降り出した。帰路は山の中を抜けて行くが、森の様子もよく見えない。私はさっき買った城のガイドブックを取り出した。 ダンルース城は15世紀後半〜16世紀前半に地元の名族によって築城されたが、1550年スコットランドのマクドネル家 [続きを読む]
  • 240話 ダンルース城
  •  私たちにとっての目的地ダンルース城に着いたのはお昼。城のすぐ上にある国道脇の小さな店は、土産物を売ったりちょっとした食事を出したりする。そこでサンドイッチのようなものと紅茶を注文して、そそくさと食べ終わり私たちは城に突進していった。              <ダンルース城遠望> 写真は朝日だか夕日だかの中で撮るのが最高であると何かに書いてあったが、今は昼。夕方までは待てない。それに今にも降り出 [続きを読む]
  • 239話 ジャイアンツ・コーズウェイ
  •  キャリックファーガス城を出たあと、私たちの車は、アイルランドの北端を目指して東海岸を進んだ。普通だったらキャリック・ア・リード吊り橋に寄るところを、車内の会話から運転手のビリーさんが気を利かせて、途中二つの城に立ち寄ってくれた。城内を見学する時間はないから、せめて下車観光はさせようというおもてなしの心が見えて嬉しい。 やがてこのコースの目玉の一つ、ジャイアンツ・コーズウェイに到着。といっても細か [続きを読む]
  • 238話 その名もマーダーホール
  •  ヨーロッパの城ではおなじみのマーダーホールがこの城にもある。敵が城門に突入してくる。すると城兵はただちに綱を切って落とし格子を落として行く手を塞ぐ。敵は慌てて戻ろうとする。しかし、城兵は外側に設置したもう一つの落とし格子を落として、敵を門内に虜にしてしまう。そうしておいて城兵は天井の穴から煮えたぎったタール(ピッチ)を哀れな敵兵に注ぐ。              <城門>             [続きを読む]
  • 237話 いくさと日常
  •  城に螺旋階段がある。時計回りに上がっていく狭い階段は戦闘モード。登ってくる敵兵は右手に剣を持っていても、これでは自由に振るえない。塔内の上から迎え撃つ城兵が絶対有利。だから反時計回りの城塔をまれに見たりすると、そうした城の塔はいつ、どういう目的で作られたのだろうと考えたくなる。              <螺旋階段> そんなことを思いながら階段を抜け出ると、外を眺める城主夫人の人形が現れた。窓は [続きを読む]
  • 5月17日 236話 人形は語る
  •  しかし人形を馬鹿にしてはいけない。説明板を読むのが面倒な人や読めない人でも、人形の服や武器を見ただけでこの城がかなり長い間使われてきたのだということがわかる。二つの写真を比較すれば、上の写真の方が古い時代だろうと容易に想像できる。              <狭間の射手>              <胸壁の射手> 上の写真では、狭間(さま)越しに寄せてくる敵を撃とうとする射手が手にするのはクロス [続きを読む]
  • 235話 城のトイレ
  •  この城は無骨な印象を与えるが、それはキープが大きく見えることにもよるのだろう。およそ30mの高さ、そして壁の厚さは3〜5m。地上3階、地下1階で屋上には胸壁。いつでも来いの姿勢が勇ましい。今でこそガラス窓のようになっているが、もともと狭間があったのだろう。 この城では説明板が充実していることもそうだが、人形をおいたりしてなるべく訪れる人に中世の城を知ってもらおうという意欲が感じられる。 たとえばこれだ [続きを読む]
  • 234話 キャリックファーガス城
  •  キャリックファーガスはベルファストにほど近い港町である。ここにCourcyという名字のアングロ=ノルマン騎士が1177年からさほど離れていない時期に最初の城を築いた。その後少しずつ整備され変わっていくが、中世の城郭としてはイギリスで最もよく当時の姿を伝えるものであると言われる。              <キャリックファーガス城(パンフレットより)> 城は最初、海に突き出た岩の上に築かれた。モットアンドベ [続きを読む]
  • 233話 ベルファスト城
  •  8月29日(火)はタクシーといっても日本で予約し1日行程を回ってもらうからハイヤーみたいなものであるが、それに乗って私たちは目的地に向かった。運転手のビリーさんは私が“わからない英語”を話すとわざわざ車を止めて、私が言いたいことを一所懸命聞き取ってくれるようなドライバーさんで、何とも嬉しい人に当たったものである。乗車して間もなく、気持ちをほぐすためか、何のために来たのか聞かれたのに対して城を見るのが [続きを読む]
  • 232話 ベルファスト
  •  ドロヘダからベルファストへは北に行く。鉄道で約100?、1時間半の移動である。沿線には何カ所か城があるはずで目が離せないと思っていたが、1か所それらしいものを見つけたものの、あとは発見できないまま国境を越え、イギリスに入る。 通用貨幣が異なるからいやでも別の国に入ったことを意識せざるをえないが、南北420〜30?、東西260?程度の島の中に国境があること自体、過酷な歴史の爪痕を見る気がする。多くの人の記憶に [続きを読む]
  • 231話 ドロヘダ・聖ローレンス門
  •  ミルモント城塞は管理者の案内で中に入ることができたが、それはモットの上にある展示館だけのことで、あまり時間をかける必要はなかった。私たちは軽い失望を受けながらも案内人に礼を言って、川向こうに向かった。まずは城塞からもよく見えた聖ローレンス門に行こう。 なだらかな坂を上っていくとその一番高いところに門があった。ドロヘダ市街を守るための市城壁に開けられた東門である。13世紀に作られたといわれ、以後何度 [続きを読む]
  • 230話 ドロヘダ・ミルモント城塞
  •  マラハイドからドロヘダまではそう遠くはない。電車で北に向かって40分もあれば着く。ボイン川河口の地といえば良いだろう。海からやってくるバイキングやノルマン王朝などの侵入口でもあって、防御施設がどうしても必要な町である。 町は駅の東1?ほどのところにある。交通量の多い長い坂道を下っていく途中、大型ショッピングセンターの駐車場近くで道を越え南に上っていく。だが意外なことにミルモント城塞を見つけたのは、 [続きを読む]
  • 229話 マラハイド城番外
  •  現地ガイドの女性は、上の階で大広間の中央に我々三人を集め、左奥に図書館があるという。500年以上の歴史を詰め込んだもののはずだ。そう期待したが実際にはさして古いものではなく、写真に収めたいほどのものでもなかった。 ガイドさんは窓の外に見えるレバノン杉について触れたが、確かにウエストローンの中央に目立つ木が一本ある。樹齢300年を越える見事な杉である。妻はあとで行ってみたいという。            [続きを読む]
  • 228話 タルボット家
  •  マラハイド城には日本語の簡単なパンフレットがある。しかしそれを頼りに勝手に見て回るというわけにはいかない。ガイドツアーが始まる時間を待った。 この地はタルボット家が約800年間経営してきた。タルボット家は北フランスに起源をもつが、タルボットとはそもそもドイツ語で「破滅の使者」あるいはフランス語の「油煙」に由来するという。これはいずれにしろ顔を黒く塗って正体を隠した中世の無法者に対するあだ名であった [続きを読む]