chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
草加の爺の親世代へ対するボヤキ https://plaza.rakuten.co.jp/seihou2sei/

敢えて親世代に対して注文をつけ、辛口の批評やボヤキを縷々(るる)書き綴ろうとおもっています。

<ホームページ> 草加の爺 http://fyclife.jp <メールマガジン> 草加の爺と宗教をやさしく考える http://www.mag2.com/m/0001161970.html

草加の爺
フォロー
住所
草加市
出身
甲州市
ブログ村参加

2010/07/19

arrow_drop_down
  • 「氷屋がやって来た」 その二十九

    マクゴロイン 彼は嘘つきだ、マック。君は俺が会いたかった正にその人なのだよ。君のケース を俺が取り扱うとすれば、別れる前に話し合いをしなければいけない。 マクグロイン (侮辱するように)話さないだ

  • 「氷屋がやって来た」 その二十八

    ロッキー そう、この大馬鹿野郎。お前をからかっているだけだよ。 ウエットジョーエン (怒って)そりゃあ嘘だ。今朝俺が仕事を手にするのを見るだろう、俺はそ れを薄のろライミー紳士とあの嘘つきヒッキー

  • 「氷屋がやって来た」 その二十七

    ジョー (昼食用のカウンターの背後で、迷信担ぎの様に考え込んで)君はただしいよ、ラリー。 悪運がヒッキーが来た時にドアから入ってきたんだよ、俺は賭博師だから感覚で悪運は分かるん だ。(それから反抗

  • 「氷屋がやって来た」 その二十六

    ロッキー (考えの続きに戻るように)そうだよ、もし彼女が自殺したとしたら、君はヒッキーに 謝らなければいけないだろう、彼がガラクタ商売をして此処でキチガイ沙汰の振る舞いを演じて いるのを理解できる

  • 「氷屋がやって来た」 その二十六

    ロッキー (考えの続きに戻るように)そうだよ、もし彼女が自殺したとしたら、君はヒッキーに 謝らなければいけないだろう、彼がガラクタ商売をして此処でキチガイ沙汰の振る舞いを演じて いるのを理解できる

  • 「氷屋がやって来た」 その二十五

    第三幕 場面 ハリーホープが経営するバールーム、第一幕と二幕で使用された裏部屋の一部を含む。右 の壁には二つの大きな窓、その間には通りに通じるスイングドアーがある。バーそのものは背後 にある。

  • 「氷屋がやって来た」 その二十五

    第三幕 場面 ハリーホープが経営するバールーム、第一幕と二幕で使用された裏部屋の一部を含む。右 の壁には二つの大きな窓、その間には通りに通じるスイングドアーがある。バーそのものは背後 にある。

  • 「氷屋がやって来た」 その二十四

    ヒッキー (再び立ち上がって、彼が純粋に恥じている事を単純に確信して、周囲に話しかけた) みんな、聴いてくれ、君らは俺の駄弁に辟易してるのを知っているのだが、此処で少しばかり説 明をさせてもらいた

  • 「氷屋がやって来た」 その二十三

    ヒッキー (ホープを見てニヤリとし、面白がって)そう、我々みんなが君が彼女の世界を思って いると話すのを聞いたよ、長官。 ホープ (吃驚した疑いの目を向けて)そう、そうしたよ。みんなが俺がそうしたの

  • 「氷屋がやって来た」 その二十二

    モッシャー (無理して無頓着を装い)そう、結局はヒッキーが何処へ出て行こうと、行くまいと 俺は関知しないよ。明日の朝には精算するつもりでいるよ、済まなかったな、マック。 マクグロイン (拒絶するよ

  • 「氷屋がやって来た」 その二十一

    ラリー (ぎょっとして)あぁ、君もそう感じるのか。 パリット (哀願するように)でも、僕はこんな風には話を進められませんよ。僕は自分がしなけ ればならない事を決めなければいけない。あなたに話さなけれ

  • 「氷屋がやって来た」 その二十

    ウイリー (自信有りげにラリーに寄りかかり、低い震え声で)上のあの部屋は地獄みたいだよ。 俺が想像した事柄、(身を震わす)俺は発狂したかと思ったよ。(情熱的な自慢のプライドを示し て)俺は取り敢えず

  • 「氷屋がやって来た」 その十九

    ヒッキー (熱狂的な調子で)ジョーは正しい考えを持っている。大ジョッキだ。それはハリーの誕 生パーティーへの景気づけだ。 (ロッキーとチャックがワイン籠をバーへ運び込んだ。三人の 娘は戻ってバーへ

  • 「氷屋がやって来た」 その十八

    ロッキー (しか目面をして)何だって。ハリーは随分お前によくしているな。 ジョー (恥ずかしそうに)確かに。そういうつもりじゃなかった。いずれにしても大丈夫だよ 。俺は警察のシュバルツに祝宴の為に

  • 「氷屋がやって来た」 その十七

    マギー (コーラを睨んで)パールをほっといておやりよ、ロッキー。彼女は金髪の時計を訂正 したのさ。それでなかったら、私がそうするよ。 ロッキー お前、黙れ。(吐き捨てる様に)何て女郎だ。お前はハリ

  • 「氷屋がやって来た」 その十六

    第 二 幕 場面 裏部屋だけである。バーとの仕切りの黒いカーテンは場面の上手壁にある。第一幕と同じ 日の真夜中に近くなっている。裏部屋は祝祭に備えて既に準備されている。中央に、前の方に四 つの丸

  • 「氷屋がやって来た」 その十五

    (ヒッキーの科白の続き) (再び欠伸をする)急に眠くなってしまったよ。長く歩いたのが効いてきたのだ。二階に行 った方がよさそうだ。こんな様な芸当など糞くらえだよ。(一旦は立ち上がろうとするが、

  • 「氷屋がやって来た」 その十四

    ヒッキー (ニヤニヤして)こん畜生、長官殿。君は俺が行商して禁酒を勧めているとは思わないか ね。もっとよく知っている。俺が禁酒法を広めているからだと。俺はそれ程バカじゃないさ。何 度となく機会は与え

  • 「氷屋がやって来た」 その十三

    コーラ いいや、私の番だよ。ついているんだ。それで私はチャックをお祝いの席に引きずり込 むのさ。水兵さ。彼を丸めるよ。(クックと笑う)聴いて、叫び声だよ。私は気の変な呑んだくれに 惚れちゃったのさ。

  • 「氷屋がやって来た」 その十二

    ロッキー (もったいぶって」そうだ、君達に会ったが、銭の顔をまだ拝んじゃいないよ。 パール (マギーにウインクして、宥めるように)仕事の事をいってるのでしょ、マギー。 マギー そう、私らの小あきんど

  • 「氷屋がやって来た」 その十

    (ジミーのせりふの続き)俺は一二年前に通りでディックトランベルに会った。彼が言った、ジ ミー、宣伝部門は君が居た当時とは違ってしまったよ、火が消えたみたいなんだよ。俺は言った さ、管理職は意気阻喪

  • 「氷屋がやって来た」 その十一

    モッシャー 彼女が俺に十点くれた時には驚いたよ。ベスはいつでもよりよい感覚を持っていた し教会へと急いで行っていた。俺の本意ではなかったが、習慣がそうさせた。その上に、俺はま だ働いていたし、サー

  • 「氷屋がやって来た」 その九

    ジョー (じっと考え事をしていたが、止めて)そうさ、白人達はいつでも俺を白人だと言っ た。俺が裕福な時、ジョーモットだけが白人の賭場で出入りを許された唯一の黒人だった。お前 は大丈夫だ、ジョー、白

  • 「氷屋がやって来た」 その八

    ウイリー (懐疑的に)壊れた。君は無一文のがっついた顔つきをしていない。俺は君を財閥だ と半断するが君のポケットには びた銭が詰まっている。少なくとも二ドルか三ドル。我々は君 にそれを何処で手に入

  • 「氷屋がやって来た」 その七

    ラリー (パリットを見つめて)それでどうなのだい。 パリット (たじろいで、そして強調するように)確かに。僕は馬鹿じゃあない。僕は永遠に信 じ続ける事など出来はしないあの連中が世界を変えるだろうな

  • 「氷屋がやって来た」 その六

    ラリー (困ったように彼を見詰めて)何を理解するって。 パリット (性急に)そう、僕がこれまでにやって来たこと全て。(視線を逸らして)ああ、こ いつは地獄の神経をもっていると、貴方が考えている事を

  • 「氷屋がやって来た」 その五

    ロッキー (頷き、それから考え深かそうにして)何故彼は母親に付き纏われて此処へやって来 たのだい。 ラリー (顔を顰めて)質問をしないでくれ。それには正当な理由があるのだ。 ロッキー (彼を凝視

  • 「氷屋がやって来た」 その四

    ラリー (内部に冷笑的な面白さを持って、追従的に) 狡賢いビジネスマン。世界で上手く遣 って行くどんな機会も逃さない奴。そう俺が君を呼ぶのだ。 ロッキー (喜んで)確かな事、それが俺だ。もう一杯ひ

  • 「氷屋がやって来た」 その三

    幕が開くと、夜のバーテンダーのロッキーがバーからカーテンを抜けてやって来て、裏部屋をみ まわしながら立った。彼はナポリ出身のアメリカ人で二十代後半の年齢、ずんぐりした体形で筋 肉質、扁平で浅黒い顔

  • 戯曲「氷屋がやって来た」 その一

    ここで一旦「万葉集」に親しむ を棚上げにして、米国のユージン・オニールの戯曲で以前は 「氷人来たる」と言うタイトルで訳されていた『 The Iceman Cometh 』を、私、古屋克 征流に翻訳してみようと考え

  • 「氷屋がやって来た」 その二

    登場人物のヒューゴは漫画チックな人物として紹介されていた。 ラリー・スレードは六十歳である。痩せこけて骨が見える、ざらざらした真っ直ぐな毛髪は擦 り切れたようにぎざぎざしたカットである。やつれた

  • 「万葉集」に親しむ その百三十四

    わが隠せる 楫棹(かぢさを)無くて 渡守 舟貸さめやも 須臾(しまし)はあり待て(― あなたを帰すまいと私が隠した楫や棹がなくて、渡守が舟を貸すでしょうか。彦星よ、しばらく そのままでお待ちくだ

  • 「万葉集」に親しむ その百三十三

    ひさかたの 天(あま)の河津(かはつ)に 舟浮けて 君待つ夜らは 明けずもあらぬか(― 天の河の舟着場に舟を浮かべて、わが君をお待ちする夜は明けずにいないものだろうか。明けず にあって欲しい)

  • 「万葉集」に親しむ その百三十二

    天の河 川音(かはと)淸(さや)けし 彦星の 秋漕ぐ船の 波のさわきか(― 天の河の 水音がはっきりと聞こえる。彦星が秋に漕ぐ舟の波のざわめきであろうか) 天の河 川門(かはと)に立ちて わが

  • 「万葉集」に親しむ その百三十一

    萬代(よろづよ」に 携(たづさ)はり居(ゐ)て 相見とも 思ひ過ぐべき 戀にあらなくに (― 万代まで手を取り合っていて、顔を見合わせても、心から消え去りそうな恋ではありませ んのに) 萬代

  • 「万葉集」に親しむ その百三十

    天地と 別れし時ゆ 己妻(おのつま)は 然(しか)ぞ年にある 秋待つわれは(ー 天と地と 別れた神話の時代から自分の妻は一年に一度逢うだけである。だから、私は秋の来るのを待って いる) 彦星(

  • 「万葉集」に親しむ その百二十九

    この頃(ころ)の 戀の繁けく 夏草の 刈り掃(はら)へども 生ひしく如(ごと)し(― この 頃の恋心のしきりな事は、まるで夏草が刈り払っても、後から後から生え伸びてくるようなもの なのです) 眞

  • 「万葉集」に親しむ その百二十八

    本(もと)つ人 霍公鳥をば 希(めづら)しみ 今か汝(な)が來(く)る 戀ひつつ居(を)れ ば(― 私に逢いたくはなくとも、昔馴染みのホトトギスの声を聞きたさに、今あなたはおいで になられるでしょうか、

  • 「万葉集」に親しむ その百二十七

    霍公鳥 汝(な)が初聲は われにもが 五月(さつき)の珠に 交(まじ)へて 貫(ぬ)かむ (― ホトトギスよ、お前の最初の一声は、私におくれ。五月の橘の実に交ぜて、緒に貫きた いから) 朝霞 た

  • 「万葉集」に親しむ その百二十六

    國栖(くにす)らが 春菜(わかな)採(つ)むらむ 司馬(しば)の野の しばしば君を思ふこのころ (― 奈良県の吉野村に住む特異な風俗をしている国栖達が春菜を摘む司馬の野のそれではないが 、しばしばあなたを思

  • 「万葉集」に親しむ その百二十五

    春されば 百舌鳥(もず)の草潜(くさぐ)き 見えずとも われは見やらむ 君が邉(あたり)を ば(― 春になると百舌鳥が草をくぐって姿が見えないように、見えはしないけれども私は眺めや ろう。あなたの家のあ

  • 「万葉集」に親しむ その百二十四

    春霞 たなびく今日の 夕(ゆふ)月夜(つくよ) 清く照るらむ 高松の野に(― 春霞のたな びいている今夜の夕月の光は、今頃は高松の野に清く照っていることであろう) 春されば 樹(き)の木(こ)の 暗

  • 「万葉集」に親しむ その百二十三

    能登川(のとがは)の 水底(みなそこ)さへに 照るまでに 三笠の山は咲きにけるかも(― 能 登川の水底までも照るほどに三笠の山の花が咲いたことであるよ) 雪見れば いまだ冬なり しかすがに 春霞立

  • 「万葉集」に親しむ その百二十二

    峯(を)の上(うへ)に 降り置く雪し 風のむた 此処(ここ)に散るらし 春にはあれども(― 峯の上に降って積もっている雪が風とともにここに散ってくるらしい。もう春だのに) 君がため 山田の澤に

  • 「万葉集」に親しむ その百二十一

    ひさかたの 天(あま)の香具山((かぐやま) このゆうべ 霞(かすみ)たなびく 春立つらしも (― 天の香具山に、今日この夕方、霞が棚引いている。ああ、春になったらしい) 巻向(まきむく)の 檜原(ひ

  • 「万葉集」に親しむ その百二十

    鶏(とり)が鳴く 吾妻(あづま)の國に 古(いにしへ)に ありける事と 今までに 絶えず言 (い)ひ來(く)る 勝鹿の 眞間の手兒奈(てごな)が 麻衣(あさきぬ)に 靑衿(あをくび)着 (つ)け 直(ひた)

  • 「万葉集」に親しむ その百十九

    妹(いも)らがり 今木(いまき)の嶺に 茂り立つ 嬬松(つままつ)の木は 古人(ふるひと)見 けむ(― 今木の嶺に茂り立っている松の木は、昔の人が見たことであろう) 黄葉(もみちば)の 過ぎにし子等

  • 「万葉集」に親しむ その百十八

    海若(わたつみ)の いづれの神を 祈(いの)らばか 行くさも來(く)さも 船は早けむ(― 海神のどの神に祈ったならば、行きも、帰りも船は速いだろうか) 人と成ることは難(かた)きを わくらばに 成

  • 「万葉集」に親しむ その百十七

    石上(いそのかみ) 布留(ふる)の早稲田(わさだ)の 穂に出でず 心のうちに 戀ふるこの頃( ― 顔色には表さずに恋しく思っている今日この頃である) 斯(か)くのみし 戀ひし渡れば たまきわる 命も

  • 「万葉集」に親しむ その百十六

    鶯(うぐひす)の 生卵(かひご)の中(なか)に 霍公鳥(ほととぎす) 獨り生まれて 己(な) が父に 似ては鳴かず 己(な)が母に 似ては鳴かず 卯(う)の花の 咲きたる野邉ゆ 飛びか けり 來(き)鳴き

  • 「万葉集」に親しむ その百十五

    崎玉(さきたま)の 小崎(こざき)の沼に 鴨そ翼(はね)きる 己(おの)が尾に降り置ける 霜 を掃(はら)ふとにあらし(― 埼玉の小崎の沼で鴨が翼を強く振ってしぶきを立てている。自分の 尾に降った霜を払

  • 「万葉集」に親しむ その百十四

    春の日の 霞める時に 住吉(すみのえ)の 岸に出でゐて 釣船の とふらふ見れば 古(いにし へ)の 事そ思ほゆる 水江(みづのえ)の 浦島の子が 堅魚(かつを)釣り 鯛釣り矜(ほこ) り 七日(なぬか)

  • 「万葉集」に親しむ その百十三

    河蝦(かはづ)鳴く 六田(むつた)の川の 川楊(かはやぎ)の ねもころ見れど 飽かぬ川かも( ― カジカの鳴く六田の川の川楊の根のように、ねんごろに細かく見ても見飽きない吉野川であ ることよ)

  • 「万葉集」に親しむ その百十二

    巨椋(おほくら)の 入江響(とよ)むなり 射目人(いめひと)の 伏見が田井に 雁渡るらし(― 巨椋の入江が鳴き声で響いているのが聞こえる。伏見の田に雁が飛び渡って行くらしい) 秋風に 山吹の瀬

  • 「万葉集」に親しむ その百十一

    倭(やまと)には 聞えゆかぬか 大我野の 竹葉(たかは)刈り敷き 廬(いほり)せりとは(― 大我野の竹葉を刈り敷いて廬しているのだと、大和には聞こえて行かないかなあ。聞こえて欲し いものだ)

  • 「万葉集」に親しむ その百十

    今の如 心を常に 思へらば まづ咲く花の 地(つち)に 落ちめやも(― 今のように、心 持をいつも保っていたならば、春、まず咲く梅の花が土に散るように、私たちの間がダメになる こともありますまいね

  • 「万葉集」に親しむ その百九

    高圓(たかまと)の 野邊の容花面影(かほはなおもかげ)に 見えつつ妹(いも)は 忘れか ねつも(― 高円の野の辺の容花・ひるがお のように面影に見えて、妹は忘れることができな い) 今造る

  • 「万葉集」に親しむ その百八

    高圓(たかまと)の 秋の野の上(へ)の 瞿麦(なでしこ)の花 うらわかみ 人のかざし し瞿麦の花(― 高円の秋の野の辺のなでしこの花。そのうら若さに人がかざしとしたなでしこ の花) あしひ

  • 「万葉集」に親しむ その百七

    黄葉(もみちは)を 散らま惜しみ 手折り來て 今夜(こよひ)かざしつ 何か思はむ (― もみじが散るのを惜しんで手折って来て、今夜はかざした。この上は何の思うことがあろ う。自分は満足である)

  • 「万葉集」に親しむ その百六

    吉名張(よしなばり)の 猪養(ゐかひ)の山に 伏す鹿の 嬬(つま)呼ぶ聲を 聞くがとも しさ(― 吉隠の猪養の山に伏す鹿が妻を呼ぶ声を聞くのは羨ましい) 誰(たれ)聞きつ 此間(こ)ゆ鳴き渡る

  • 「万葉集」に親しむ その百五

    秋の野に 咲きたる花を 指(および)折り 數ふれば 七草の花(― 秋の野に咲いた花を指 を折って数えると、七種類の花になる) 萩(はぎ)の花 尾花(をばな) 葛花(くずばな) 瞿麦(なでしこ)

  • 「万葉集」に親しむ その百四

    風雲は 二つの岸に 通へども わが遠妻(とほつま)の 言そ通はぬ(― 風や雲は天の河の 二つ岸の間を通うけれども、私の遠くの妻の言葉は何も通わない) 礫(たぶて)にも 投(な)げ越しつべき 天

  • 「万葉集」に親しむ その百三

    秋山に もみつ木の葉の 移りなば さらにや秋を 見まく欲(ほ)りせむ(― 秋山に紅葉 する木の葉が散ってしまったならば、また更に、秋を見たく思うであろう) 味酒(うまさけ)三輪の 祝(はふり)

  • 「万葉集」に親しむ その百二

    暇(いとま)無み 來(こ)ざりし君に 霍公鳥(ほととぎす) われ斯(か)く戀ふと 行きて告げ こそ(― 暇がないので、訪ねて来なかった方に、ホトトギスよ、私がこんなに恋していると、 行って告げておくれ)

  • 「万葉集」に親しむ その百一

    何しかも ここだく戀ふる 霍公鳥 鳴く聲聞けば 戀こそまされ(― どうしてホトトギス をこんなに恋しく思うのだろう。その声を聞けば、一層恋心が募ってくると言うのに) 獨(ひと)り居て もの思うふ

  • 「万葉集」に親しむ その百

    波の上(うへ)ゆ 見ゆる小島の 雲隠(かく)り あな息(いき)づかし 相別れなば(― 波の上から見える小島が雲に隠れるように、あなたが遠く別れて見えなくなって溜息がでること しょう。別れてしまっ

  • 「万葉集」に親しむ その九十九

    百濟野の 萩の古枝(ふるえ)に 春待つと 居(を)りし鶯 鳴きにけむかも(― 百済の 古い枝で春と待つとてじっとしていた鴬は、もう鳴いたであろうか) わが背子が 見らむ佐保道(さほぢ)の 青柳

  • 「万葉集」に親しむ その九十八

    福(さきはひ)の いかなる人か 黒髪の 白くなるまで 妹が聲を聞く(― どんな大きな 幸せの人なのか、黒い髪が白くなるまでも、妻の声を聞くとは。私は妻を早く亡くしてしまった と言うのに) わ

  • 「万葉集」に親しむ その九十七

    大船に 眞楫(まかじ)繁(しじ)貫(ぬ)き 漕ぎ出(で)なば 沖は深けむ 潮は干( ひ)ぬとも(― 大船に両舷の櫓を多く備えて漕ぎ出してしまった上は、沖の方はきっと深いこ ととであろう。たとい潮は

  • 「万葉集」に親しむ その九十六

    明日香川(あすかがは) 七瀬(ななせ)の淀に 住む鳥も 心あれこそ 波立てざらめ(― わがままなあなたへ、明日香川の多くの淀のある七瀬の淀に浮かんで住んでいる鳥も、心がある からこそ波を立てずに

  • 「万葉集」に親しむ その九十五

    わが情(こころ) ゆたにたゆたに 浮(うき)ぬなは邉(へ)にも 奥(おき)にも 寄りか つましじ(― 私の心は浮いているジュンサイの如るくにゆらゆらして定まらないので、この恋 を進めるとも進めない

  • 「万葉集」に親しむ その九十四

    冬ごもり 春の大野(おほの)を 焼く人は 焼き足らぬかも わが情(こころ)焼く(― 春の大野を焼く人はまだ焼き足りないからだろうか、私の心を焼き恋の心で焦がれさせること だ) 葛城(かづら

  • 「万葉集」に親しむ その九十三

    河内女(かふちめ)の 手染(てぞめ)の絲を くり反(かへ)し 片絲にあれど 絶えむと 思へや(― 弱い片糸ではあるけれども、頼りない片思いではあるけれども、切れようとは思わ ないことだ) 海

  • 「万葉集」に親しむ その九十二

    今つくる 斑(まだらの)衣 面影(おもかげ)に われに思ほゆ いまだ着ねども(― 今作 っているまだら染めの衣は、眼前にありありと出来栄えが目に見える。まだ着てはいないけれど も) 紅(くれ

  • 「万葉集」に親しむ その九十一

    梓弓(あづさゆみ) 引津邊(ひきつべ)にある 莫告藻(なのりそ)の 花採(つ)むまでに 逢はざらめやも 莫告藻(なのりそ)の花(― 福岡県のひきつの辺りに有るナノリソ・ほんだ わら の花よ。その

  • 「万葉集」に親しむ その九十

    兒らが手を 巻向山(まきむくやま)は 常にあれど 過ぎにし人に 行き纏(ま)かめやも (― 巻向山は常に変わらずにあるけれども、去ってしまった人の所に行って、再び手を巻くこ とは出来ない。つまり、

  • 「万葉集」に親しむ その八十九

    君がため 浮沼(うきぬ)の池の 菱(ひし)採(と)ると わが染(し)めし袖 濡れにけ るかも(― あなたの為に泥深い沼で、菱の実を採ろうとして、私が自分で染めた袖を、濡らし てしまった事です)

  • 「万葉集」に親しむ その八十八

    静けくも 岸には波は 寄せけるか この家通(とほ)し 聞きつつ居(を)れば(― 静か に波は寄せているのだなあ。この家を通して外の様子をじっと耳を澄まして聞いていると) 高島の阿戸(あと) 白

  • 「万葉集」に親しむ その八十七

    磯に立ち 沖邊を見れば 海藻刈舟(めかりぶね) 海人(あま)漕ぎ出(つ)らし 鴨(か も)翔(かけ)る見ゆ(― 磯に立って沖の方を見やると、藻刈り舟を海人が漕ぎ出したらしい い。鴨が空高く飛ぶのが

  • 「万葉集」に親しむ その八十六

    大葉山 霞たなびき さ夜深(ふ)けて わが船泊(は)てむ 泊(とまり)知らずも(― 大 葉山に霞が棚引いていて、夜は更けていくが、私の舟の停泊する場所がまだ分からずに、頼りな い気持であるよ)

  • 「万葉集」に親しむ その八十五

    紀の國の 雜賀(さひか)の浦に 出で見れば 海人(あま)の燈火(ともしび) 波の間ゆ 見ゆ(― 和歌山市の雑賀の浦に出て見遣ると、海人の灯火が波の間から見えるよ) 麻衣(ころも) 着ればなつか

  • 「万葉集」に親しむ その八十四

    吾妹子(わぎもこ)に わが戀ひ行かば 羨(とも)しくも 並び居(を)るかも 妹と背の 山(― 吾妹子を慕いつつ行くと、羨ましくも妹山と背の山とが仲良く並んでいることだ) 妹(いも)があたり 今

  • 「万葉集」に親しむ その八十三

    印南野(いなみの)は 行き過ぎぬらし 天(あま)づたふ 日笠(ひかさ)の浦に 波立てり 見ゆ(― 印南野はもう通り過ぎたらしい。日笠の浦で波立っている様子が見える) 家にして われは戀ひむな

  • 「万葉集」に親しむ その八十二

    家離(さか)り 旅にしあれば 秋風の 寒き夕(ゆふべ)に 雁鳴き渡る(― 家を離れて旅 に出ていると、寒い夕方に、雁が鳴いて大空を渡っていく) 圓方(まとかた)の 湊(みなと)の渚鳥(すどり)

  • 「万葉集」に親しむ その八十一

    命(いのち)をし 幸(さき)くよけむと 石走(いはばし)る 垂水(たるみ)の水を むす びて飲みつ(― 命に幸あれと祈って、石の上を走り流れる神聖な滝の水を手で掬って飲んだこ とであるよ)

  • 「万葉集」に親しむ その八十

    み吉野の 青根が峯(たけ)の こけ蓆(むしろ) 誰か織りけむ 經緯(たてぬき)無しに (― み吉野の青根が峯の苔のムシロは誰が織ったのであろうか、縦糸や横糸がないのに) 妹等(いもら)がり わ

  • 「万葉集」に親しむ その七十九

    片岡の この向(むか)つ峯(を)に 椎(しひ)蒔(ま)かば 今年の夏の 蔭(かげ)に比 (そ)へむか(― 片岡のこの向うにある峰に椎を蒔いたならば、今年の夏の木蔭に準えること ができるだろうか。早

  • 「万葉集」に親しむ その七十八

    水底(みなそこ)の 玉さへ清(さや)に 見つべくも 照る月夜(つくよ)かも 夜の深( (ふ)けゆけば(― 水底の玉までもはっきりと見る事が出来る程に、皓々と照る月であるよ。 夜が更けたので)

  • 「万葉集」に親しむ その八十七

    あり通(がよ)ふ 難波(なには)の宮は 海近み 漁童女(あまをとめ)らが 乗れる船見 ゆ(― いつも通う難波の宮は海が近いので、海女の少女達が乗る舟が見える) 潮干(ふ)れば 葦邊に騒く 白鶴

  • 「万葉集」に親しむ その八十六

    三日(みか)の原 布當(ふたぎ)の野邊を 清みこそ 大宮所 定めけらしも(― 三日の 原、布當の野の辺りの景色が清らかであるからこそ、大宮の場所を此処と御定めになられたので あろう) 山高み

  • 「万葉集」に親しむ その八十五

    紅(くれなゐ)に 深く染みにし 情(こころ)かも 寧樂(なら)の京師(みやこ)に 年の 經(へ)ぬべき(― 紅のように深く染み付いてしまった私の気持故に、私は都移りをしてしま った奈良の都で、いつ

  • 「万葉集」に親しむ その八十四

    今造(つく)る 久邇(くに)の都は 山川の 清(さや)けき 見れば うべ知らすらし(― 今度造営されている久邇の都は、山や川の景色が澄明清冽である。それを見ると、誠に尤もな事 であると首肯される

  • 「万葉集」に親しむ その八十三

    大君(おほきみ)の 命恐(みことかしこ)み さし並(なら)ぶ 土佐の國に 出でますや わが背(せ)の君を 懸(か)けまくも ゆゆし恐(かしこ)し 住吉(すみのえ)の 現人神 (あらひとがみ) 船

  • 「万葉集」に親しむ その八十二

    思ほえず 來ましし君を 佐保川の 河(かは)づ聞かせず 歸しつるかも(― 思いがけず においでくださったあなた様なのに、佐保川のカジカの声をお聞かせしないでお帰えししてしま って残念です)

  • 「万葉集」に親しむ その八十一

    天(あめ)に坐(ま)す 月讀(つくよみ)壮子(をとこ) 幤(まひ)は爲(せ)む 今夜 (こよひ)の長さ 五百夜(いほよ)繼ぎこそ(― 天上にいらっしゃいまする、月読男子様、 供え物は致しましょう。

  • 「万葉集」に親しむ その八十

    千萬(ちよろづ)の 軍(いくさ)なりとも 言擧(ことあ)げせず 取りて來(き)ぬべき 男(をのこ)とそ思ふ(― 相手にする敵がたとえ千人万人の大軍であっても、とやかく言い立 てたりせずに打ち平ら

  • 「万葉集」に親しむ その七十九

    いざ子ども 香椎の潟(かた)に 白妙(しろたへ)の 袖さへぬれて 朝菜摘みてむ(― さあ、みんな、福岡市の香椎潟で白栲の袖までも濡らして、朝菜を摘みましょうよ) 時つ風 吹くべくなりぬ 香椎

  • 「万葉集」に親しむ その七十八

    須磨の海人(あま)の 塩焼衣(しおやきぎぬ)の 馴れなばか 一日(ひとひ)も君を 忘 れて思はむ(― 須磨の海人の塩焼き衣がナレているように、私が貴女に馴れ親しんでしまった ならば、一日でも貴女を

  • 「万葉集」に親しむ その七十七

    やすみしし わご大君 神(かむ)ながら 高知らします 印南野(いなみの)の 大海(おふ み)の原の 荒栲(あらたへ)の 藤井の浦に 鮪(しび)釣ると 海人船(あまぶね)散動(さわ) き 塩焼くと 人そ多

  • 「万葉集」に親しむ その七十六

    やすみしし わご大君は み吉野の 蜻蛉(あきづ)の小野(をの)の 野の上(へ)には 跡( (と)見(み)すゑ置きて み山には 射(い)目(め)立て渡し 朝狩(あさかり)に 鹿猪(しし) 履(ふ)み起(おこ)

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、草加の爺さんをフォローしませんか?

ハンドル名
草加の爺さん
ブログタイトル
草加の爺の親世代へ対するボヤキ
フォロー
草加の爺の親世代へ対するボヤキ

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用