kanayano さん プロフィール

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kanayanoさん: 櫻花往生
ハンドル名kanayano さん
ブログタイトル櫻花往生
ブログURLhttp://kanayano1902.blog135.fc2.com/
サイト紹介文大陸の馬賊に家族を殺された翔。生き残りをかけて、翔は自らの組織を率いて立ち上がる??。
自由文kanayanoが高校時代に演劇部で上演した脚本をベースに、明治から平成にいたる時代を、立場の違う6人の視点で追ったお話です。どんな時代の歴史も、男と女が引かれあい、友人や悪友と語り合い、出会って分かれて紡がれるもの。Don't you think so?
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供5回 / 365日(平均0.1回/週) - 参加 2010/08/31 13:12

kanayano さんのブログ記事

  • 過去の記事 …
  • 「めらんこりあ」(7)
  • * 謎の少女に謎の青年(とその付き人)、そういえば昨日は謎の商人。いったい何がどうしてしまったというのか。これまで、煩わしい人間づきあいを避けてきたというのに、ここに来て、まるで事故のように引きずられているような気がする。何がきっかけだったろうか、彼女はなぜ自分の名前を知っていたのだろうか、やはり思い出せない。クルスという男も、自分の名前を知っていたな。あの二人はなにやら関係があるようだが、それは [続きを読む]
  • めらんこりあ(6)
  •  訝しがりつつ、耕三郎は握手に応じた。「まあそう睨むなよ。せっかくの男前が台無しだぞ?」 明恵は離席したそうにむずむずとしてる。が、クルスが通路側から体を入れ込んでおり、それはかなわない。  クルスと名乗ったその男。年の頃は耕三郎とそう変わらないか。20代後半から30代前半といったところ。薄い鼠色のツーピースのスーツをそろえていて、握手の前に帽子を外し、ステッキは控えの男に預けている。控えの男はいまい [続きを読む]
  • めらんこりあ(5)
  •  わき腹でばたばたしている明恵を下ろすと、即座に眼下に詰め寄られた。「わ、わかった、話をしよう。そこのカフェに入ろうか」「給仕だあ?年かさのいかぬ女をカフェなどと、公衆の面前でなんたる恥知らずが!」 なんなんだこの娘は。これでは、頭の固い上官どもと同じではないか。 いや、とにかくこの窮地を脱したい。が、この娘から逃れることは難しいようだ。娘はどうやら話がしたいとのことなので、それが果たされれば解放 [続きを読む]
  • めらんこりあ(4)
  •   そこに背中の時計が9時を告げた。古月ははあ、と大きな息を吐くと、どっこらせと立ち上がった。 その姿を、ふくれっ面の明恵が目で追った。「すまんのう、今日は大事な商談があるんや。続きはまた後で」古月はにやりと笑って見せた。その余裕が、明恵の神経を逆なでする。だれが惚れているだと。恥を知れ。奥歯をかみしめると、悔しさがこみ上げてきた。あの男より早く、舎人耕三郎に会わねばならない。そう心に言い聞かせ、 [続きを読む]
  • 「めらんこりあ」(3)
  • * 目が覚めた。ここが北条と名乗る男の家であること、隣で寝ている母娘はその妻子であることを思い出し、ため息をついた。すっかり厄介になってしまった。容易にこの家を出られない。明恵は義理深い。風呂と寝所の面倒を見てくれた篠と、朝重の袖をひいた由枝を思うと、無責任にここを離れられないと思った。朝重を引き留める理由の中に、古月の存在は皆無である。  まだ薄暗い。時間でいうと、6時より前であろう。上着を羽織 [続きを読む]
  • 「めらんこりあ」(2)
  • 明恵は応接間につながる廊下から、障子に身を隠して部屋をのぞいていた。その青年は非道く不機嫌な顔をしていた。招いたのは時の陸軍元帥、内務卿である。普段から懇意の教官はともかく、耕三郎でないもう一人は、明恵から見てもその緊張が理解できた。単純に動きが硬かった。祖父は偉いのだから、その反応は間違いではないと思った。だから余計、耕三郎を注視した。祖父が来るまでの間に、教官が二人の生徒を導き、席に着き、祖父 [続きを読む]
  • 「めらんこりあ」(1)
  • *** 明恵の祖父は、40年前の維新で大きな功績を上げた人物だった。祖父は今の帝国陸軍の創設に深く関わり、西南の役から台湾出兵、日清戦争と兵を率いた。その後は日本の国家体制が整備されていく中で、国会や官僚制度にも一家言を持っていたし、内閣総理大臣を経験した後も、軍人として現場で兵を鼓舞する、そんな人物だった。  祖父の名は、山方有信という。有信には息子がなかった。だから有信の姉の息子を養子に迎えた。 [続きを読む]
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