KATARA さん プロフィール

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KATARAさん: Novel & Scenario (小説と脚本)
ハンドル名KATARA さん
ブログタイトルNovel & Scenario (小説と脚本)
ブログURLhttps://ameblo.jp/novel-scenario/
サイト紹介文長年の片思い相手から紹介されたのは…小説≪ 天使と悪魔とエトセトラ ≫全文連載中
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供426回 / 365日(平均8.2回/週) - 参加 2010/09/21 19:37

KATARA さんのブログ記事

  • 小説 【 天使と悪魔とエトセトラ 】 −26−
  • 〈そりゃそうよ。私だってそう。諦めたくなんかない。でもムリじゃん。状況的にムリ。相手がいるし本人浮かれてる。まだ間に合う? グイグイ行けば挽回できる? いやもう遅い。現実は思うようにいかない。諦めるしか――〉言葉と裏腹に想像する。〈もしもっと早く会ってたら、再会がひと月早かったら違ってたかもしんないけど。ほんとにタッチの差だった。タッチ。タッチって言えば〉『先輩タツヤでしょ』と北野は言った。『漢 [続きを読む]
  • 物語論あれこれ【His Story】
  • His Story Amazon 男子高校生と女性教師の恋愛ものです。と言っても進展はほとんどなく、主人公の男子高校生の片思い、その内面を延々と書いたものです。エロ的な感情はほぼありません。年頃の少年なのに不自然かもしれませんが、恋愛相手を神聖なもの、理想像と考える少年です。作者にエロ要素を書く気がほとんどなかったので、そういう個性にしました。その方が女性の共感も得られるかも、という狙いはありました。惹かれ、期 [続きを読む]
  • 小説 【 天使と悪魔とエトセトラ 】 −24−
  • コンビニで弁当と缶ビール3本を買った。アパートは歩いて10分。築20年の2階建てでみなみは就職を機に学生寮のマンションから引越した。入居して7年目。部屋は2階の端で西日が入る。夏は暑かった。部屋に入ると窓をあけて網戸から風を通す。扇風機と換気扇をつけてシャワーを浴びる。〈窓あけっぱでいま侵入されたらアウトじゃね?〉と思うが〈2階だから平気っしょ〉といつも言い聞かす。シャワーを終えると普段は自炊。 [続きを読む]
  • 物語論あれこれ【某日、某先生と。】
  • 某日、某先生と。 Amazon 東日本大震災のあと書けなくなった小説家が再スタートするまでの話です。担当編集者と時間を置いて話し合い、最後に短編小説を2つ書き上げて終わります。最初に書いたのはこの短編小説2つでした。書いた時期は2013年の夏だったと記憶しています。自分はいつもテーマを決めてからそれに合う材料を探して話をつくるのですが、この時は違いました。震災のあと物語に幻滅し、つくれずにいた時に浮かん [続きを読む]
  • 物語論あれこれ【「坊っちゃん」ドラマ化をめぐって】
  • さてこれまで躊躇してきた自作解説です。なぜ躊躇していたかというと、言いたいことはすべて作品のなかで語っているはずだからです。さらに付け加えるのは蛇足でしかない。公開したら作品は読者のもの、とも考えています。しかしもっと多くの人に読んでもらうため、宣伝です。少しでも興味を持っていただけたら幸いです。   *** 「坊っちゃん」ドラマ化をめぐって Amazon この作品はタイトルそのまま、夏目漱石の名作「坊っ [続きを読む]
  • 小説 【 天使と悪魔とエトセトラ 】 −22−
  • 駅に来ると準急電車がちょうど来た。次の駅がみなみの降りる鷺ノ宮。その次が北野の降りる上石神井。電車は混んで座れずみなみと北野は吊革につかまった。「前の彼女は全然知らないんですよ」北野は首を振る。話題は自然に堀越のことになった。「会わせてくんなくて、写真も見たことないし。確か大学時代のゼミ仲間だったかな」「ええ」「あ、そうかみなみさんサークルの後輩だ。会ったことあります先輩の元カノ」「何度か」「へ [続きを読む]
  • 小説 【 天使と悪魔とエトセトラ 】 −21−
  • 「堀越さん浮かれてるでしょ、彼女できたばっかで今」「あぁ、それはね」北野は苦笑。「面白半分に私のことも、お節介とかいろいろしゃべったりは迷惑だし」「うん」「だから確認。どんな風に言ってたかって」「先輩はあれですよ、悪口とかじゃなく愛を持ってで」「なんて?」「みなみさんはその、態度がわかりやく漫画みたいって」「漫画?」「見てると笑えるって」「――」みなみはムッとして外を見る。それから〈こういうとこ [続きを読む]
  • 物語論あれこれ【小説と映像】
  • シナリオを書いたあとにそれを下書きにして小説を書いている、と前回書きました。もっと以前には、この書き方をしていると「映像だとアリでも小説ではムリ」ということが多々ある、とも書きました。その逆もある、と。今回はそれについて少し。小説で難しいことの代表的なのは多人数の会話です。3人以上が集まって入り乱れる会話。これは映画やドラマなどの映像作品だと簡単です。撮ればいいんですから。映ってなくても声で誰の [続きを読む]
  • 小説 【 天使と悪魔とエトセトラ 】 −20−
  • 「なんの話でしたっけ」北野が首をかしげる。「え?」「こう脱線しちゃったけど、なんの話だっけな」と考え込む。「堀越さんが私のこと、北野さんにどう言ったかって」「いやそれもそうなんですけど、名前のこの話、呼び方をどうとかの前に僕が言いかけて、えーと」目をつぶって悩む。「さかのぼってさかのぼって――あ」「はい?」「みなみさんもそういうとこないかって聞いたんだ。思ったことつい言っちゃうようなそういうとこ [続きを読む]
  • 小説 【 天使と悪魔とエトセトラ 】 −19− ※5月にKindle本を出版します。
  • 「みなみさんでいいですか、呼び方。馴れ馴れしいわけじゃなく今言った理由で」「ええ」みなみは名刺をカウンターに置いてコーヒーを飲む。「でも北海道なのにみなみさんてのも不思議なような」北野もコーヒーを飲む。「そんなことないか。別に普通にいるか」「まぁ」小学校のころ別クラスに漢字の南という子がいた。足がやたら速いスポーツ万能の藤崎南という子。「南国に憧れてとか?」「母が」「そう」「母は奄美の出身で、父 [続きを読む]
  • 小説 【 天使と悪魔とエトセトラ 】 −18−
  • 「ビビってんだな、褒めんの。まぁわかるけど。これだけきれいだと褒めにくい」まだ見ている北野の視線を、「もうやめてください」みなみは手でさえぎる。自分の顔の横に手をやる。「下手に褒めっと下心ありそうで、軽蔑されそうで」北野は見るのをやめて窓を向く。「おまえなんか媚びても相手しないよとか、思われたら怖くて」みなみは指の隙間から北野を見る。「でも僕は言っちゃうンスよね、思ったことつい。よく失敗すんだけ [続きを読む]
  • 小説 【 天使と悪魔とエトセトラ 】 −17− ※5月にKindle本を出版します。
  • 心のなかは大わらわ。以下シナリオ風に。感情〈『言わない方がいいな』ってなに?〉記録係〈寸止めした〉感情〈悪口?〉悪魔〈アイツ陰でなに言ってたんだ?〉理性〈でもそれ聞いてこの彼は来たんでしょ? 悪口じゃなくない?〉記録係〈わかんないよ考えたって。とにかく確認〉全員が見つめる正面の視界にはコーヒーショップ。その注文カウンターに北野の背中。確かに背は高くみなみより10センチはある。注文を終えて振り向き [続きを読む]
  • 小説 【 天使と悪魔とエトセトラ 】 −16− ※5月にKindle本を出版します。
  • 「女友達とで充分楽しいとか。元カレといろいろあってしばらくいい、前の失恋ひきずってるとか」「失恋したんですか」「え?」みなみはとまる。「あ、例ですね。スンマセン」「――」みなみは無言のまま〈落ちつけ〉と心で言い聞かす。〈イライラ出ちゃってるよ声に〉「でも会ってみたら変わるってことありますよね」北野は笑顔で続ける。「変わってもらわないとこっちは困るんで」「変わればいいとも思わないけど」みなみはまた [続きを読む]
  • 小説 【 天使と悪魔とエトセトラ 】 −15−
  • 「あ、堀越さんに会いに?」みなみは察する。「今日ここ来たの。そこに私がたまたま」「じゃないですよ。うれしくて興奮してって言ったじゃないスか。切り上げて来ちゃったって」「えーと」みなみはこめかみを押さえる。頭痛がした。どういうこと? 待ち切れずに来たってこと?「会わなきゃ始まんないですもんね」北野はうなずく。「迷うのわかります。急に紹介するなんて言われても『いいですいいです』って最初は断るの。でも [続きを読む]
  • 小説 【 天使と悪魔とエトセトラ 】 −14−
  • エレベーターホールの先にセキュリティゲートがあった。IDカードをあてると自動改札のようにあく。カードは社内にいる時ネックストラップで着用するのが決まりで失くしたり家に忘れると大変なことになる。みなみはゲートを出るとバッグの定位置にしまう。「竹内さん」と男の声がした。みなみが止まって周囲を見ると隅の邪魔にならない場所にワイシャツノーネクタイの青年。斜めがけの鞄。みなみを見ている。「竹内みなみさん? [続きを読む]
  • 小説 【 天使と悪魔とエトセトラ 】 −11− ※5月にKindle本を出版します。
  • 「まぁ待てって。メシ1回ぐらいいいじゃない。どうせいつもはひとりメシだろ夕飯」「そりゃ」「おごらせて気に入らなきゃ終わりでいいじゃん。気に入ったら儲けもん。みなみに損ないよ」「損て」「こいつのことは気にしなくていい。タフだからふられても全然メゲない。軽く考えて。それとも何か? いま誰か気になってるヤツいんの?」「え」「好きなヤツ。誰よ。そういうのいんならしょうがないけど。どこのヤツ? うちの会社 [続きを読む]
  • 小説 【 天使と悪魔とエトセトラ 】 −10−
  • 「これこれ、これがそいつ」堀越がスマートフォンの画面をみなみに見せた。「北野マサカズ。優しいに一でマサカズ。神楽坂のオフィス機器の会社に勤めてて。家は上石神井。みなみ鷺ノ宮だったよな」「ええ」「同じ線だし毎日ここで乗り換えて東西線だし。一度会ってみない?」「どう言ったんですか、私のこと」「普通にまんまよ。大学時代のサークルの後輩がたまたまこの春派遣でうちに来て、彼氏はずいぶんいないらしいけどノリ [続きを読む]
  • 小説 【 天使と悪魔とエトセトラ 】 −9−
  • 〈お店のイメージだいぶ違ったな〉と天使は見まわす。先ほどの空想を担当したのは天使でイメージしたのはもっと暗く老舗の雰囲気だった。実際はかなり明るく新しい。〈なんの用か聞いちゃう? 待ってないでこっちから〉感情が提案すると、〈そのために来たんだし〉理性がうなずく。〈彼女の件を『どうする? 話す?』っていつまでも気にしてんのしんどい〉〈聞きましょう〉堀越がおすすめの天ざるを2つ注文し「かしこまりまし [続きを読む]
  • 小説 【 天使と悪魔とエトセトラ 】 −8−
  • 正午前の街はすいていた。「土日どっか遊びに行った?」堀越は後ろのみなみを振り向きつつ歩く。「行ってないです。掃除と洗濯でつぶれて」「つまんないねぇ」「ここんとこ雨続きだったし」梅雨らしい梅雨で洗濯できない土日が続いた。「どっかこれぞってスポットあったら教えてよ。参考にする」「デートですか」「最初はまぁ定番ひと通り回るんでいいけど、そのうちネタ切れになんじゃん。だから」「そうスね」うなずくだけでみ [続きを読む]
  • 小説 【 天使と悪魔とエトセトラ 】 −7−
  • 堀越が『45分発』と言う時は11時45分にこのオフィスビルを出るという意味でみなみは10分前に席を立った。トイレの洗面台でメイクを確認し〈よし。バッチリ〉と思う。〈別にね、先輩のためのメイクじゃない。私のため。完璧にしたい〉と心でつぶやくのは彼女の感情。〈凡ミスあったらあとでヘコむし〉〈緊張してるな〉それに対して理性は首を振る。〈らしくない〉〈しょうがないよ。様子がおかしいって思われたらそれはそ [続きを読む]
  • 小説 【 天使と悪魔とエトセトラ 】 −6−
  • みなみと堀越が大学時代に所属したのはフェス同好会。音楽イベント好きがそれぞれ情報を持ちより共有し、気が向いたイベントに連れ立って参加するというお気軽テキトーなサークルだった。ふたりは2年違いでみなみが大学に入った年に堀越は3年。一緒に活動したのは2年弱でOBOGをまじえた忘年会で会ったのが最後、再会したのは8年ぶりだった。みなみは希望の音楽業界に就職したが肌に合わず忙しさで心身ともに疲れ果て、3 [続きを読む]