正宗の妖刀 さん プロフィール

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正宗の妖刀さん: コトバの試し斬り=(どうぶつ番外物語)
ハンドル名正宗の妖刀 さん
ブログタイトルコトバの試し斬り=(どうぶつ番外物語)
ブログURLhttps://blog.goo.ne.jp/s1504
サイト紹介文斬新な切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設10年目に入りました。
自由文自然と共生しながら、生きてきました。
ここでは4,000字(原稿用紙10枚)程度の短い作品を発表します。
<超短編シリーズ>として、発表中のものもありますが、むかし詩を書いていたこともあり、コトバに対する思い入れは人一倍つよいとおもいます。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供48回 / 365日(平均0.9回/週) - 参加 2010/09/26 23:03

正宗の妖刀 さんのブログ記事

  • ポエム208 『ベニサンゴバナの観察日記』
  •      ベニサンゴバナ    (季節の花300)より  この世には不思議がいっぱい  ベニサンゴバナもその一つ  海のものとも山のものともわからない  忘れかけた格言の出どころは  もしかしてあなたじゃありませんか  どこかから熱帯魚が寄ってくる  いやいや蝶々のはずでしょう  わかっていても混乱する観察日記  ちょうちょやハチをさておいて  エンゼルフィッシュなど来たら大ごとだ   [続きを読む]
  • ポエム207 『苧環のじまんばなし』
  •      苧環    (城跡ほっつき歩記)より  苧環って知ってるかい  つまりおいらのことなんだがね    知らねえだろうなあ  名前が読めるだけでも大したもんさ  苧環の語源までわかれば優等生だ  夜空のなかの1等星というところかな  ちかごろ天の川は見えないね  そうそう織姫さんと無関係じゃないんだ  苧環はオダマキ 機織りで使う糸巻きのことさ  繊維をくるくる巻き取って糸にす [続きを読む]
  • どうぶつ・ティータイム(213) 『新じゃが出生の秘密』
  •      新じゃが ちょっと涼しい日が続いた先週、あまり期待を持たずにジャガイモを掘ってみた。 いわゆる「試し掘り」という気分だったが、一株掘り起こしてみると白っぽい芋がごろごと出てきたのには驚かされた。 ジャガイモを植えたのだから、ジャガイモができて当たり前じゃないかと言われそうだが、ぼくが驚いたのにはわけがある。 実はこの芋、まともに植えたわけではないのだ。 普通にお店で買ったメイクイーン [続きを読む]
  • ポエム206 『馬酔木が誘う月と酒』
  •      馬酔木   (城跡ほっつき歩記)より  おぼろ月夜の晩だから  碁でもやろうと誘われて  馬の背なかでゆうらゆら  ほろ酔い気分でゆうらゆら  この文明の世の中で  何を好んで馬の背に・・・・  モータリゼーション拒絶して  ゆらゆら行くのがわしの主義  昼は畑を耕して  夜は主人のお供する  わしの主義だと駆り出され  月に向かってゆうらゆら  飼葉の桶を空にして  まだ食 [続きを読む]
  • ポエム205 『夏の思い出たち葵』
  •         タチアオイ    (城跡ほっつき歩記)より  さよなら また会ったね  夏の思い出たち  ぼくの好きな花  ぼくの好きな人  夏休みの前だったよね  おなじ駅で会うあなたに  おそるおそる手紙を渡した  振り返った目がはっと輝いて  なんだろう このときめきは  半世紀をさかのぼって顔が火照る  初めてのデートは人目を気にして  立葵の咲く田舎道だった  思い出の花 タ [続きを読む]
  • どうぶつ・ティータイム(212) 『夏の畑は最後のにぎわい』
  •      猛暑にひび割れも 数日間ルス(スルーという感覚)して帰ってみると、青かったトマトがいっせいに赤くなっていた。 わんさか枝を広げたトマトは奔放に実を付けていて、目の高さから地面すれすれまでどこから捥いでいいのか迷うほどだ。 緑の葉っぱの陰から、見つけて〜と声を上げるものもいる。 毎夕水やりをしていたのに、急にほっぽらかしにされて、トマトの皮にひび割れが生じていた。 もともと南米アンデス [続きを読む]
  • ポエム204 『哀愁のムラサキツユクサ』
  •      ムラサキツユクサ    (城跡ほっつき歩記)より  寝台列車でゴトゴトと  北を目指してひた走る  ときおり止まる駅の名は  車窓に映る夢の中  眠れぬままに目を閉じる  上段からはうめき声  見知らぬ男の人生は  いまの俺にはうっとうしい  そっとしといてと書き置いて  ユウコはどこへ消えたのか  残されたのはアパートの  窓辺にたたずむムラサキツユクサ  花が欲しいと [続きを読む]
  • どうぶつ・ティータイム(211) 『隠れていた大物キュウリ』
  •   眼科の視力検査では、両目とも1.5ぐらい見えていますよと言われた。  検査中、目がかすむものだから、「いやあ、視力が落ちたみたい」とぼやく僕を黙らせる意図だったのだろうか。  ところが今朝のこと、我が目を疑う出来事が起こった。  でっかいキュウリが2本、密生する葉に隠れるようにして吊り下がっていたのである。     視力とは関係なく、やはり目が悪かったということだろうか。  カラスばかり [続きを読む]
  • ポエム203 『秋一閃 さんま降る午後』
  •      サンマ    (朝市の秋刀魚=ぱくたそ無料画像)より  夏の空は 波乱をかかえて膨らんでいく  グレーの雲が 太陽を食いきれずに綻びる  仮面越しに見る 溶鉱炉の滾りが  老いを忘れた男に おいでおいでをする  集中豪雨の爪痕が 癒えぬまま乾いていく  見る者の辛さは 感情線の弦の上だけだが  からだに食い込む疲労は 心を疲弊させる  大地と価値の軋みは いつまで続くのか  [続きを読む]
  • どうぶつ・ティータイム(210) 『一石二鳥のカラス対策』
  •      やっと赤くなったトマト キュウリは花が咲いてから一週間もすると、みるみる大きくなって市販のきゅうりの1.5倍にも成長してしまった。 多分、種類が違うのだろうが、朝どれをあまり皮も剥かずに塩を振って口にすると、特有の香気が鼻腔にまで広がった。 一方、トマトは花が終わって実をつけたのに、大きくなるまで時間がかかるし、そのあともなかなか赤くならなかった。 それだけに、うっすら赤らんできた実 [続きを読む]
  • ポエム202 『シュウメイギクという暗号文』
  •      シュウメイギク    (城跡ほっつき歩記)より  いつからシュウメイギクという単語が気になりだしたのだろう  国際スパイ組織の男がぼくの耳に吹き込んだ暗号だったとすれば  たぶんチューリッヒの空港ロビーで近づいてきた早口の旅行者だ  何が目的でぼくのような東洋の青年に寄ってきたのかわからないが  夏にふさわしい青いジャケットを身に着けていたのが印象的だった  お金を要求したので [続きを読む]
  • どうぶつ・ティータイム(209) 『みどりの賑わい』
  •   暑い日が続いたと思っていたら、なんと梅雨明け宣言が出されました。  庭の野菜たちも、たぶん喜んでいるのではないでしょうか。  一昨日撮った画像が、タイミングよく投稿できました。       (キュウリがなりました)       (もうすぐ大人になるキュウリです)       (トマトもなりました)       (こちらはミニトマトです)       (ゴーヤはちょっと元気がありませ [続きを読む]
  • ポエム201 『ネズミは記憶を駆けめぐる』
  •      シャボン玉で遊ぶネズミ  画像は「カナダ・モントリオール出身の写真家ダイアナ・オズダマーさん」  疎開して住まわせてもらった家には  天井がなかった  藁屋根を支える竹と縄ひもが  眠りにつく前のぼくの風景だった  安心して夢を見ることができる  焼夷弾の恐怖から逃れられる  機銃掃射で死にかけた兄の話も遠くなる  「そろそろ寝るぞ」父の声とともに灯りが消える  ネズミの [続きを読む]
  • ポエム200 『風露のように寂しげに』
  •      ヒメフウロ    (城跡ほっつき歩記)より  にがい思い出は  いつまでも苦い  数十年の時を経て  なお胸底に沈んでいる  圭吾くん きのうどうしたの  待ち合わせしたんでしょ  エミちゃん駅で十一時まで  ずっと待ってたらしいわよ  そ、そんな おかしいよ  ぼくが誘ったとき返事もないし  下を向いて困っている様子  だから もうデートはない、と  でも けっこう強く押 [続きを読む]
  • ポエム199 『野薊の悩みごと』
  •      野薊    (城跡ほっつき歩記)より  悩みの多い野薊が  頭が重いと嘆いている  きれいだけれどトゲがある  だから近寄りがたいんだって  初夏の野原の片隅で  馴染みの野草といっしょだが  湿った夕暮れが近づくなか  なんだか機嫌が悪そうだ   嫌われ者だって言い張るのかい  野薊がそうだよと何度もうなずく  スキンシップをとれないことが  友だちに敬遠される原因だと [続きを読む]
  • ポエム198 『ムスカリは風に乗って』
  •      ムスカリ    (城跡ほっつき歩記)より  ブルーの水晶を散りばめたような姿は  やはり外国からのお客様でしょう  はるばる渡航して来ていかがですか  日本の気候風土はお肌に合いますか  そのことでしたらご心配はいりません  おそるおそる訪れたのは確かですけれど  いまでは野原に進出してのびのびやっています  わたしの顔色を見れば一目瞭然でしょう  ところでお客様はどこの国 [続きを読む]
  • ポエム197 『カラタチに別れを告げた日』
  •      からたち    (城跡ほっつき歩記)より  学校へは人力車で送り迎えされた  成人してからもお嬢さん育ち丸出しだった  美貌ではあったが生涯スキだらけだった  最初の結婚で人生の厳しさを知った  理由はあったが姑に離婚させられた  こどもを取り上げられ死ぬまで面会できなかった  その女性の死は悲しい出来事だったが  病室にはいっときぼうっとした空気が滞留した  これからどこへ [続きを読む]
  • ポエム196 『アサザの花に恵みあれ』
  •      アサザ    (城跡ほっつき歩記)より  おもえば青春はつかの間のかがやき  まずしい家計のやりくりを得て  身の程知らずに進学校をめざした  若竹のような勢いは程なく萎むもの  同学との競争に倦み疲れ  未来は薄墨色に染まる  みずうみの町で朝早くアサザの花を見た  対岸の街から来た年上の女性を置いて宿を離れ  ひとり高台の学校をめざす途中だった  満ちてくる初夏の日の出 [続きを読む]
  • ポエム195 『カタバミと蝶と女の子の話』
  •      三角カタバミ    (城跡ほっつき歩記)より  六月は家庭に何かが起こる月  エミちゃんは父さんに子犬を捨てられた  マンションのクローゼットに隠しておいたのに  父さんの出勤前に見つかってしまった  母さんには内緒にするように頼んでおいた  ちょっとの間だけよと見逃してもらったが  シロがクンクン鳴いたので  父さんが気づいてしまったのだ  ここでは犬も猫も飼えない  契約 [続きを読む]
  • どうぶつ・ティータイム(208) 『鎌倉湖とはいうものの』
  •    (鎌倉湖とはいうものの) 大船駅には大きなバスターミナルがあって、そこから多方面にわたって循環バスが出ている。 その一つに「鎌倉湖畔行き」という系統がある。 鎌倉湖畔というからには、どうしても平坦な場所にある湖を想像してしまう。 だが(散在が池)の別名があるように、近くの三つの部落が管理を任された溜池だったらしい。 実際に行ってみると、バス停から数分の近さなのに散策路の入口は鬱蒼とした原 [続きを読む]
  • ポエム194 『ヒトリシズカに偲ぶ歌』
  •      ヒトリシズカ    (城跡ほっつき歩記)より  陽のあるうちに壺阪山の宿に入ると  川を見下ろす座敷に煎茶と葛菓子が待っていた  せせらぎを聴きながら一服していると  八十歳目前で逝ったSさんとの思い出が甦ってきた  Sさんは小さな出版社の社長だった  ぼくがその零細企業の社員第一号だった  一番の思い出は木更津まで歌集の納品に行って  帰り道でミゼットのライトが点かないことに [続きを読む]
  • ポエム193 『見え隠れするセイヨウルリトラノオ』
  •      セイヨウルリトラノオ    (城跡ほっつき歩記)より  なんて綺麗なんだ  瑠璃色の虎の尾よ  はるかな時を超えて  ルソーの絵から抜け出してきたのか  奇才の森は濃いグリーンだが  淡いみどりの野にもケモノの気配  チラチラと虎の尾が見え隠れする  異様に涼しい梅雨明けの原っぱ  隠れろ隠れろ  子供たちに見つかるな  いたずらっ子に見つかれば  猫の尾よりもたやすく掴まれ [続きを読む]
  • ポエム192 『廃業宿のジャノメギク』
  •      ジャノメギク    (城跡ほっつき歩記)より  赤線廃止に興味を持って  ぼくはその街に足を運んだ  手入れの行き届かない舗装道路の裂け目を  濃緑の雑草がさらに押し広げていた  昼間だというのに  格子戸の奥には闇が澱んでいた  人の姿が途絶えて二年と聞いたが  框に立てかけられた蛇の目傘が人待ちしていた  女たちの華やかな時間がよみがえる  チクタクと時を刻みはじめた妖 [続きを読む]