奥羽山麓の古老 さん プロフィール

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奥羽山麓の古老さん: 素人短編小説
ハンドル名奥羽山麓の古老 さん
ブログタイトル素人短編小説
ブログURLhttps://ameblo.jp/ike-3292/
サイト紹介文東北地方に住む50代の年寄りです。ボケ防止のため、ど素人ながら短編小説?を書き始めました。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供22回 / 365日(平均0.4回/週) - 参加 2010/10/03 15:18

奥羽山麓の古老 さんのブログ記事

  • 携帯画面侵入?!
  • 自分以外の者が、私のスマホの待ち受け画面を勝手に変えるなどという芸当が果たしてできるのだろうか。 まあ、明日にも還暦を迎え情報化時代に大きく乗り遅れている私ごときには知る由もないテクニカルな方法で、もしかしたらそれは可能なのかもしれない。 しかし、それにしてもずいぶん唐突に、かつ、異様な画面になったものだと驚いたし、大いに困惑した。それは昼過ぎのこと。営業に出て、取引先とスマホで話し、通話を終えたと [続きを読む]
  • 雪犬  完結
  • 「あの日、あのときも猛吹雪だった・・・。こんなファミリーゲレンデでも第三リフト付近では遭難者が四人以上も出たという・・・。 マコトとランは、そこでスキーなんかそっちのけではしゃぎまわっていた・・・。時折青空さえ見せていた好天気だった。 それが昼食時を過ぎると一転して信じられないような暴風雪・・・。 一緒だった母さんを呼び寄せ、大声で何か叫ぶマコトを抱き・・・無我夢中で下山し、ロッジをめざしたんだよな [続きを読む]
  • 雪犬  その2
  • 「どうしたんだい、ラン!なんか怖い顔をしているよ。ほら、昔みたいにオレに抱きついてきてよ!さあ、早く!本当に心配したんだよ。 お父さんやお母さんや…周りのみんなは、こんな猛吹雪の中、小さなランが生きているはずがない。ランは死んだに違いないなんていうんだよ! でも、オレは信じなかった!ランは絶対に生きてる。絶対にオレが見つけてみせるって!」 ぐぐぐぅ、ぐるっ・・・。 そうさ、僕は生き抜いた。生き抜いたん [続きを読む]
  • 雪犬  その1
  • 「ラン、ランだよね!?い、生きてたんだ!よかった!本当によかった…。オレは、オレは信じてたよ、オマエは絶対生きて…」 ぐるるぅ…、ぐるぐるるぅ…。 キミは一体何をほざいているんだ?僕が生きててよかっただって?信じてただってぇ?やめてくれっ!戯言などいらないんだ!! そんな言葉、聞きたくもない!反吐が出る! 「ラン、ラン!大きくなったね!立派な大人の犬だ!そりゃ、そうだよね。あれからもう四度目の冬だ [続きを読む]
  • 背後霊  完結
  • 「高橋さん、あなたの後ろの霊体・・・そう背後霊の背丈が成人にしては随分低いですよね。 あなたも感じていたでしょう。 あなたの鼻ほどくらいしかない背丈・・・なぜでしょう? 私にはそれが何故なのか予想がついています。 あなたも気づいて・・・いや、わかっているはずだ。 それはね、その背後霊の頭・・・そう、霊体となった男性の眉毛あたりから上の頭部が無いからですよ!」住職は強い口調で高橋にこう告げた。 そして、う [続きを読む]
  • 背後霊  その3
  • 「ふふふ・・・ご存知ですか。雷の閃光と雷鳴は、霊にさまざまな影響を与えることを。 なかでも代表的なものが七変化です。七変化とは・・・あ、話しをそらしちゃいけませんね。 失礼しました。 高橋さん、そう焦れないでください。もうじき本題に入りますから」どうやら、あぐらをかいた姿勢のおれが、自分の両ひざに置いた拳に力を入れ過ぎ、ふるふると震えているのに住職が気づいたらしい。不覚だ。「い、いえ・・・すみません [続きを読む]
  • 背後霊  その2
  • 「改めまして、ここの住職です。今日は遠路はるばるよくいらっしゃいました。安座でよろしいですよ。膝を崩してください」住職が口を開いた。見た目とはうらはらに細く高い声だ。「お忙しいところ、申し訳ありません。A県A市の高橋孝男と申します。先日は突然の電話にもかかわらず時間を割いていただきありがとうございます。本日は私の心配事と申しますか、悩み事と申しますか・・・その、なんていうか・・・信じられないかもし [続きを読む]
  • 背後霊  その1
  • そこにおまえがいること自体忌々しく思う。いったい誰の許可を得て、いつからおれの後ろに引っついてやがるのだ。この野郎だが、憎たらしいことにおれの真後ろに突っ立っているものだから、いくら後ろを振り返ってみてもその姿を見ることができない。 股の下から覗いてみようと試みたが中年の硬い体では自分の尻すら見ることができなかった。 よし、それじゃあと仰向けに寝てみると、さすがにおれの背中に押しつぶされたくは [続きを読む]
  • 山爺
  • 「爺、何をぼやっとしている!早く、一気にその岩ぐらを蹴り落とせ!」婆の怒声にハッと我に返った爺は、山の上から下道を行く旅人めがけて三尺は超えるであろう大岩を蹴り落としてやった。二人の旅人はバキバキという尋常ではない音に気がついたのか、顔を山の斜面上方に向けたが間に合うはずもなく、二人とも大岩に押しつぶされ悲惨な最後を遂げた。爺と婆は斜面をホイホイと駆け下り、ごろりと大岩をよせて、旅人の荷物から銭と [続きを読む]
  • 小僧  完結
  • 思い切って小僧に声をかけてみた。「おい、おまえ、いったい何者だ?おれにはおまえがとてもこの世の存在とは思えねえんだが・・・」・ ・・と、小僧は意外と簡単に返事をした。「おっちゃん、もうおらの大方の正体はわかってるんだろう?」「ま、まあな。じゃ・・・じゃあ、おまえは、身を呈しておれを癌から救ってくれた・・・そう、祖先がおれによこしてくれた守り神か?」こんな高橋の推測話を聞いていた小僧は、そのやつれた [続きを読む]
  • 小僧  その3
  • 「今は、医療機器の技術が進歩し、内視カメラも定点撮影が可能になっていますから、四枚のこれらの写真はほぼ同じ位置から撮影されているのです・・・どうですか?」高橋に応える言葉など持ち合わせていないし、あろうはずもない。「では、お話しましょう。最もわかりやすいのは、先ほどお話した写真の奥に見える小腸へ通じる穴です。 ほら、一番右側の穴は癌に遮られそうになっているせいで、ぎりぎり見える程度です。 しかし、そ [続きを読む]
  • 小僧  その2
  • そのときのおれがどれほど複雑な感情を抱いたか、大抵の人は察してくれるに違いない・・・高橋は心底そう思った。 癌なら癌と告知されれば、絶望感にさいなまれるだろうし、良性の腫瘍で手術を施せばある程度の確率で快復に向かうといった話であれば安堵の安らぎを感じながらゆっくりと眠ることもできるだろう。それが二十一世紀を三分の一も過ごそうとしているこの時代、二週間の検査を経ても、良いでもなければ悪いでもなく、途 [続きを読む]
  • 小僧  その1
  • 二年、いや二年半ほど前からか・・・高橋の視界にはいつも小僧がいる。座敷童を見たことはないが、ちょうどそんな姿だ。小僧は勝手気ままで、特に高橋だけに興味があるわけではないらしい。 きょろきょろと周りを気にしているような素振りを見せるときもあれば、ぼうっとしてあらぬ方を眺めているようなときもある。もちろん、じっと高橋の行動を見つめているときも・・・。自分の守護神か何かかもしれないとインターネットの雑学 [続きを読む]
  • 大広間
  • 大広間にいる。 私は今日、宿直なのだ。 ここで一晩過ごすのかと思うと憂鬱になる。 このまま、布団に入るには早すぎるから、部屋の電気を点けようと壁をまさぐると数個のスイッチに指が触れた。 どちらが「入」か分からず、一個ずつ押していくと、今まで点いていた小さな蛍光灯まで全部消えてしまった。少し苛立ちを感じながら、もう覚悟を決め、暗くしたまま布団に入ったが眠れない。と、明りが点いた。さっ [続きを読む]
  • 宿直  完結
  • こ、こりゃあ、大変なことになった。おれはまさに身の毛もよだつような一大事に巻き込まれていることを確信した。 奥の客間から聞こえた笑い声といい、中庭廊下のケイ子の幽霊・・・それに玄関で槍を突き刺そうとした旦那の、これまた幽霊・・・この割烹は一体どうなってるんだ。 なんでこんな宿直を引き受けたのか・・・と何度後悔したことだろう。いや、それどころか、こんな恐ろしいところでは昼日中働くことだってで [続きを読む]
  • 宿直  その2
  • 先ほど突き当たった便所の前を通り過ごして右手に曲がり、中広間の一番、二番と呼んでいる客間に向かう。 一番は左奥で、二番は右手前になる。両方の客間は錦鯉を泳がしている堀のある中庭に面していて、比較的料理単価の高い客が予約で入る。おれは手前ですうっと胸一杯に息を吸い込み、一つ間を置いてからそれをふうっと大きく吐いた。 ここには・・・簡単に言えば怪しき物がいる。正体は分かっていてケイ子という六十 [続きを読む]
  • 宿直  その1
  • 見覚えがある三十畳程度の座敷に布団を敷いて寝ている。恐らく全体は古い木造の建物なのだろう。 木格子の天井で所々に木目とは異なる染みが不規則な絵模様のようにも見える。 少し不気味に感じるのは、この広さには暗すぎると思える二十ワットのシリカ球一個だけを頼りに、目玉だけであたりの様子を見回しているせいだろう。 部屋の暗さにだいぶ慣れてくると、壁面の様子もわかるようになってきた。高さが不 [続きを読む]
  • 妻の監視
  • ゾッとした。 あれは妻の目に間違いはない。 あいつは…あの女は、他人の身体を拝借してまで私の行動を監視しているのだ。恐ろしいヤツだ。 どうすりゃあんな想像を超えた気味の悪い芸当ができるのだろう。いったい誰に教わったんだ…いや、元からそんな能力があったのだろうか。 いずれにしても鳥肌ものの経験をしたことには違いない。この七月の夏日に私は総毛立ち、冷たい汗をかく羽目に遭遇した事実は消せ [続きを読む]
  • おれがいる  完結
  • まず、目撃した人物が自分自身だと確信した一番の理由は、具体的ではなく直感に近い。これについては二人とも異論がなかった。 妻の体験では、後ろ姿を見ただけで自分だと分かったときもあったらしい。興味深かった・・・というより驚いたのは、髪型や服装だ。おれの場合は一度の経験だけだから何とも言えないが、髪型は似たような七三分けのようだったし、背広もおれが数着持っている濃紺のスーツ姿だった。 ただ、だか [続きを読む]
  • おれがいる  その2
  • 「実は、この一週間で・・・そう、二、三回かなあ・・・私、駅とか量販店なんかで私によく似た人を見かけたの」 「・・・」 「・・・ていうか、似てるっていうよりもあれは私自身よね。そう、私がいたの。今日も駅前のスーパーマーケットに私がいたのよ」 「・・・」 「な、なによ、その無反応。笑うとか、驚くとかしなさいよ!」 答えようがなかった。冗談か? それともおれをからかっているのか? 「お、お [続きを読む]
  • おれがいる  その1
  • おれを見かけた。 昼休みで、会社近くの食堂から出ようと開けっ放しの出入口からのれんをくぐり抜けたときだ。眼の前でタクシーを拾い、乗り込んだ男・・・それは確かにおれだった。 誰でもそうだろうが、自分の全身を客観的な位置からを見ることはできまい。 せいぜい姿鏡や建物のショーウインドウか何かのガラス・・・いや、今の時代、ビデオに撮られ、液晶画面に映し出された姿を見る程度の経験し [続きを読む]
  • お母さん
  • おれは今五十六歳。東北の内陸部にある小さな町の誘致企業に勤める平凡な課長職の会社員だ。関東の三流大学を卒業して田舎に戻り、すぐに就職したからもうかれこれ三十三年にもなる。 父親は中学校の音楽教師、母親は家計の一助と称して近くのスーパーマーケットにパートタイマーで入り、ボケた姑の在宅介護を放棄していたが、父親は厄払いの年から二、三年後に蜘蛛膜下出血で他界、母親も翌々年癌が見つかり後を追う [続きを読む]
  • 退行論
  • 思うに・・・現代の人間は、万事、常に右肩上がりに進歩していると信じて疑わない。しかし、私に言わせれば、笑止千万、とんだ思い上がりだ。言い換えれば、客観的な自己回顧を忘れ、存在性の水準を計測できない非常事態にさえ気づかないほど人間の”退行”は進んでいるのだ。ピラミッドにしてもそう、モアイ像にしてもそう、ナスカの地上絵にしてもそう、地球上のあらゆるところにかつての人間がいかに進化していたかを示すエビデ [続きを読む]
  • パーフェクション・オブ・ソサエティ  完結
  • 「えっ、ノア…?あなたノアね?…ノア、どうしたの?」「み、美菜、キミはまだボクを覚えていてくれたんだね…。ずいぶん大人になったね…」「も、もちろんよ!たった二年半の間だったけど、兄妹のように生活したんだもの。…でも、どうしたの?こんな真夜中に…」「すまない、美菜。事情があって勤務地から退避してきたんだ。体内ナビで当面の安全エリアを検索したら此処を示したんだ」「いいわ、とにかく家に入って!パパも、マ [続きを読む]
  • パーフェクション・オブ・ソサエティ  その3
  • ――新型WEGⅢアンドロイドに関する気になる用件とはなんだ?――はい、実は、二年半ほど前にLT課程を終了…・・。その後、所定の訓練を施し、現在は南極第四BCで、スペース・ステーションを対象とした指示系統のコミュニケーション業務に就いているアンドロイドなのですが…。――なにか不具合が生じているのか?ロス・モデルだったらマニュアルに沿って処理または処分すればよいだろう。――それは、もちろん承知しており [続きを読む]