あざさ さん プロフィール

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あざささん: eterna
ハンドル名あざさ さん
ブログタイトルeterna
ブログURLhttp://storiaeterna.blog10.fc2.com/
サイト紹介文オリジナルBL小説(腐向け)を扱っています。短編から連載まで、とにかく甘い「物語」をご用意しています。
自由文たまにNL小説(受キャラ女体化)もある基本フリーダムな空間ですが、甘くて幸せな「物語」がお好きな方はぜひお越しください。
ほんのりシリアスもあります。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供26回 / 365日(平均0.5回/週) - 参加 2011/01/01 15:37

あざさ さんのブログ記事

  • 頁のない物語 #18
  • ひらり、と何かが落ちて。思わず目で追ったそれに伸ばした手は、触れる手前で止まる。「これ…オレ、の昔の写真…?」表面が少し日焼けしているそれに映っていたのは、紛れもなくオレで。司教の手伝いをしている時なのか、祭服を着ている。自分の記憶にないその写真。どうしてこんなところに覚えのない写真が、と首を傾げてしまう。「アル、」「あ、ハイン」「この辺りに写真が落ちていなかったか?」「え?」「あぁ、それだ」あり [続きを読む]
  • 頁のない物語 #17
  • 正義を振りかざす者よ。お前のその剣は何を護る?「たとえそれが正しい暴力だとしても、彼を傷付けるのならば容赦はしない」弾を込め、トリガーを引こう。護りたいものを護るために戦いことを悪だと言うのなら、それで構わない。正義を振りかざす者よ。覚悟はいいか。さぁ、この悪に立ち向かって来るがいい。__________恭しく跪いた騎士の肩に、王は白く煌めく剣をそっと置く。叙任の儀式が、静かに終わる。誰にも気付か [続きを読む]
  • 頁のない物語 #16
  • 大切な人が居た。何よりも、誰よりも大切な存在が。そんな人を喪い、絶望した。光を失い、闇が蔓延り、未来を見失った。「それでも、諦めなかった。先生だけは、オレを諦めずにいてくれた」希望はあると、諦めずにいてくれた。あぁ、そう言って笑うお前こそが希望だというのに。絶望に寄り添う、光そのものだというのに。「だから、オレはオレを諦めずにいられた」あぁ、この眩しい光。大切な人を喪って潰えたはずの光は、今もまだ [続きを読む]
  • 頁のない物語 #15
  • 「助けて、助けて、助けて」誰か。誰でもいいから。助けて。ねぇ、無力な神さま。この声はあなたに届いていますか?この喉が潰れるまで泣き叫べば、誰かに伝わりますか?「…助けて」__________人を愛することが罪だと言うのなら、どうか罰してください。「地獄なんて、恐れるものではないのだから」悪魔よりも残酷で残忍な神の加護など望まない。欲しいのは、たったひとつ。いつだって手を差し伸べてくれる、オレだけの [続きを読む]
  • 頁のない物語 #14
  • あなたは、知らないでしょう。私が、ひとりで過ごす夜が苦手になってしまったこと。あなたが居ないだけで、こんなにも不安になるなんて。それほど、あなたに依存しているなんて。悔しいから、絶対に言ってあげませんけどね。__________疲れ果てた羽根を休める枝が無ければ、彼らは生きていけない。お前はそう言って、空を見上げた。鳥たちは決して自由ではないのだと、嘲笑うかのように。鳥籠に閉じ込められた青い鳥が、 [続きを読む]
  • 頁のない物語 #13
  • 寂しい、なんて言えないよ。だって、その気持ちを認めてしまったら、笑顔であなたを見送れなくなってしまうでしょう?だから、今日も私は笑顔で「いってらっしゃい」を言うの。あなたに、とびきりの笑顔で「おかえりなさい」を言うために。__________朝の産声を聞く瞬間、あなたと過ごせる1日に感謝するのです。今日も同じ時間を過ごして、生きられることに。「おはよう、ハイン」そうして、いつか終焉のときが来るまで [続きを読む]
  • 頁のない物語 #12
  • 甘い香りがした。花とも菓子とも違う。人工では決して作れない、優しい甘い香りだ。 「あぁ、今朝のか…」ふと、今朝は妙に離れ難く、玄関先でアルフレードをしばらく抱きしめていたのを思い出す。この香りは、そのときに彼から移ったものか。今頃は陽光が燦々と降り注ぐバルコニーで植物たちに水を与えている頃だろう。あの穏やかな笑みを浮かべている様が容易に想像でき、指に挟んでいた煙草をケースに戻す。「紫煙で消すのは惜 [続きを読む]
  • 頁のない物語 #11
  • いつも傍に在った温もりがなくなった時。ようやく、お前が居なくなったことに気が付いた。あぁ、お前はもう居ないんだな。そう思ったら、途端に自分の隣を冷たい風が吹き抜けていった。「…痛い……」そして、その風の冷たさに。ひどい喪失感に。どこが痛いのか分からないほどの激しい疼痛に苛まれた時。自分だけが生きていることを、突き付けられた。*ドクターと亡き恋人__________持ち得る全てを賭けて。たった1人の存 [続きを読む]
  • 頁のない物語 #10
  • ペデラストだと謗られ、罵られる。オレたちはただ、人を愛しただけなのに。「それを、間違っていると否定するのなら…」万人からの祝福が欲しいわけではない。世界中が敵になったとしても構わない。ただ、この想いを罪だと言う神とやらに、問いたい。「はじめから人を愛する感情を創らなければよかったのに」そうすれば、あなたの言う罪を犯す愚かな人間は生まれなかったでしょうに。神さま、人間に愛という感情を与えたことこそ。 [続きを読む]
  • 頁のない物語 #09
  • ガラス細工のように繊細なお前は、とても美しい。だが、ガラス細工はあまりにも脆い。俺は今でも、心のどこかでお前を壊してしまうことを恐れている。「いっそ、狂ってしまえたら」狂気に溺れ、お前を壊してしまうほどに強く抱きしめることができたなら。いっそ、楽だろう。だが、葛藤し、躊躇に苛まれ。そうして、お前がこれ以上にないほどに愛しい存在だと思い知る瞬間も。また、ひどく甘美な幸福なのだ。__________「 [続きを読む]
  • 頁のない物語 #08
  • 「今夜は星が見えないね」夜空を見上げながら、彼はそう言った。そこで初めて、漆黒の夜空に星の煌めきがないことに気付いた。__________確信めいたものがありました。この青年がまだ幼き頃より今も探し続けている、たったひとりの“神”を。ただ見下ろすことしかできない、ある意味では徹底した平等主義の“神”ではなく。「誰か」と助けを求めていた、そのまだ名前も知らぬ“誰か”を。彼は必ず見つけるだろう、という [続きを読む]
  • 頁のない物語 #07
  • 「貴方は、生きて」 ひどく穏やかに、優しく、美しく微笑みながら。夢の中で久方の逢瀬を果たした君は、そう言った。 いつだって真っ直ぐ前を見つめる靭い瞳は相変わらずで。まるで、喪失感に挫けてしまったこの情けない姿を叱咤するかのようなその眼差しに、はっとした。 あぁ、気高く生きた君のように。君に恥じないように、生きなければいけない、と。哀しみを抱えて生きる勇気を、取り戻せた気がした。__________御 [続きを読む]
  • 頁のない物語 #06
  • 風の凪いだ静か過ぎる夜は、眠れない。だから、星も月もない漆黒の空を見上げて。時間の流れから隔絶されてしまったかのような世界に身を委ねて過ごす。「どうか、このまま…」ぽっかりと地球に空いた深い穴に落ちてしまったような。何かから逃げることも、何かに怯えることもしなくていい、完全に孤独な世界。それは圧倒的な恐怖を感じさせるのと同時に、どこか心地良くて。「オレに、光があることを教えないで」光を下さい、と頭 [続きを読む]
  • 頁のない物語 #05
  • 沈んでいく太陽を、「帰っていった」と表現し。降る雨を、「空の欠片」と呼ぶ。そんなお前が、その美しい瞳に何を映しているのか。どんな世界を見ているのか。お前の瞳に映る俺は…。「お前を、正しく愛せているか…?」__________「アル、おいで」あなたの眼差しは、いつも唇より饒舌で。その声音は、いつも優しくて。本当に、人間に尻尾がなくて良かった、と思う。「愛しい、アル」あぁ、本当に。本当に人間に尻尾がな [続きを読む]
  • 頁のない物語 #04
  • 「…っ、ん…ぁ、」「アル」「んぅ…ッ、ふ、ぁあ……っ」まるで。そう、まるで。甘い香りに誘われて、堕ちていく憐れな羽虫のようだ。「アルフレード、愛している」お前という花に、俺は堕ちていく。 __________「お袋?俺だ。……いや、アルは元気だ。今も隣にいるぞ。…用があったわけじゃないんだが。……あぁ…まぁ、その何だ、」命を賭けて産み出されたこの命が、どれほどの祝福を受けたものなのか。どれほどの幸 [続きを読む]
  • 頁のない物語 #03
  • 「ハイン、めっ!」「…と、アルに叱られたんだが…あれだな、地味にダメージ食らうな…」「……」「もう俺は絶対にアルに隠し事はしない」「良い心掛けです(さすがアル君。ボスにここまで反省させるとは尊敬しますね)」*長篇「愚か者たちよ、恐れる事勿れ」7話より__________「先生、Buon compleanno」「って言いながら頬にちゅーしてくれる夢みたから、プレゼントはそれでいいぞ」「ダメに決まっているでしょうが。 [続きを読む]
  • 頁のない物語 #02
  • 「お前のために輝かないのなら、世界には何の意味もない」そう言い切った男には、漆黒よりも美しい闇色の翼が。堕ちた天使の翼があった。地獄の腕に抱かれたルチーフェロは、あの美しき男に祝福をと、笑みを浮かべた。 __________「1625×10の22乗分の1、なんだって」「…何がだ?」膝の上に乗せていたアルフレードが、クッションを抱えたままぽつりと言う。問えば、鳶色の美しい瞳が向けられる。「この世界の中で、」す [続きを読む]
  • 頁のない物語 #01
  • 「お前の爪は綺麗だな」「そうかな?割れやすいから、困るんだ」そう言いながら、アルフレードは爪を切っている。デザイナーである彼は、サンプルの生地に傷をつけないように手入れを怠らない。だが、その爪を伸ばして欲しい、と思うのは。俺の身勝手なエゴでしかない。伸びた爪で、俺の背中に、アトをつけて欲しい。そんなことを言ったら、アルフレードは一体どんな顔をするだろうか。__________迷って、躓いて、何度も [続きを読む]
  • それは、ある日常の「物語」 #13
  • (アルの好きなハインの仕草シリーズ01)キッチンと広いリビングをつなぐ空間にある、ミニバー。小さいとは言え、重厚な飴色の木製のカウンターは一流ホテルのそれと遜色ない。むしろ、壁面の棚にずらりと並んだお酒のビンは、国際ホテルやレストランにもないほど希少なものばかり。「ほとんど貰い物だ」と彼は言うけれど、中には、ハインが自ら買ってくるものもある。1本は、ウイスキー。オレの父親代わりであり、主治医でもある [続きを読む]
  • それは、ある日常の「物語」 #12
  • 眠ったときと同じように、隣に温もりを感じて目を覚ます。カーテン越しに感じる産まれたての朝陽が放つ光は柔らかく、今日も快晴だろう。穢れのない青空の下、彼が洗い立てのシーツを楽しそうに干す姿が容易に想像でき、思わず小さく笑む。(プランターのトマトとパセリがそろそろ収穫時だと言っていたな)今日のランチは、彼が得意とするトマトのパスタだろう。採れたての鮮やかな緑色のイタリアンパセリは、彩りに添えられるに違 [続きを読む]
  • Zielbahnhof
  • ふと、眠っていた意識が鮮明に覚醒する。元から眠りが深いわけではないが、こうして妙な肌寒さを感じて目覚めるときがあるのだ。いや、目覚めるようになった、というべきか。「…またか……」悪夢に魘されたわけでも、深夜でも遠慮なく鳴るモバイルの音に叩き起こされたわけでもなく。何かに意識を鷲掴みにされ、そのまま乱暴に引きずり起こされるかのような感覚。そこに、自分とは別の何かの意識を感じるのは気のせいだろうか、と [続きを読む]
  • Nebenbuhler
  • ひし、と。まるで、幼子が母親に縋りつくようにして背後から抱きつかれる。簡単に手折ってしまえそうな細い腕が腹に回され、白い指がシャツを掴む。「…アル、」応えはないが、シャツを掴む彼の手に力が入った。自分の掌を彼のそれに重ねれば、じんわりと温もりが溶け合う。伝わる体温、項にかかる微かな呼吸、白くて細い腕。蜂蜜を垂らしたかのように甘く煌めく金糸の髪に、おそらく伏せているだろうその美しいの瞳。その全てが、 [続きを読む]
  • Wanderlied
  • 「Ade nun,ihr Lieben! geschieden muß sein.」 (いざさらば、愛しき者たちよ! 別れねばならぬ)最初は、気のせいかと思った。しかし、気のせいにしてしまうには惜しいほど心地良い音に、キーボードを叩いていた手を止めて耳を澄ます。それは、開け放たれていた窓の向こうから聞こえてくるもので。微かな音だったものが、確かな旋律へと変わる。耳朶に心地良い穏やかでいて、芯のある凛とした声音。聖歌を紡いでいるかのよう [続きを読む]
  • Schwerverbrecher
  • 眠れなくて、ここに?そうですか。いいえ、構いませんよ。ここは、神の家。何人も拒みません。私と話しを、ですか?聖書…ではなく?そうですね…では、少し前のお話しをしましょう。あれは、雪の降る寒い夜のことでした。私は翌朝のミサの準備のために、誰もいないはずの礼拝堂に向かいました。そして、そこで。自らの目を疑う光景を見たのです。『…………』雪が全ての音を食んでしまったかのような静けさの中。祭壇の前に、ステ [続きを読む]
  • Intrada
  • 小さな手が、とても大きく見えた。まだ庇護を必要とする、幼い我が子の小さな手が。「アルフレード、」あぁ、子供の成長とはこうも早いものなのか。しかし、まだ幼い。独りでこの世界と向き合っていくには幼く、小さく、か弱い。美しいものと同じだけの、ときには、それ以上に醜いもので溢れたこの世界は、残酷だ。何の罪もない真っ白な命が必死に足掻いていたとしても、決して手を差し伸べることはしない。この真っ白な命が悪意に [続きを読む]