河野真樹 さん プロフィール

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河野真樹さん: 河野真樹の弁護士観察日記
ハンドル名河野真樹 さん
ブログタイトル河野真樹の弁護士観察日記
ブログURLhttp://kounomaki.blog84.fc2.com/
サイト紹介文専門紙記者・編集長として約30年活動してきた法曹界ウォッチャーがつづる弁護士の付き合い方、生態、裏話
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供60回 / 365日(平均1.2回/週) - 参加 2011/01/03 10:37

河野真樹 さんのブログ記事

  • 「AI時代」脅威論と弁護士処遇への理解
  •  「食える弁護士」というタイトルの、2月27日付けの「週刊エコノミスト」の特集に注目された業界関係者は多いようですが、これが「AI時代の」という前置きが付くと、現段階で共通の関心事とはならない業界の現実はあるようです。媒体の性格から仕方がないことであり、予想もつくことではあるものの、企業法務を扱う大事務所の視点で、テクノロジーの活用と彼らの業務の未来にスポットを当てている企画ですから、そもそも多くの町 [続きを読む]
  • 「経済的基盤」を考慮しない「改革」の正体
  •  今回の司法改革が、弁護士の現実的な経済的基盤をいかに考慮しなかったか、そして、それはなぜだったのか――。弁護士の経済的価値の下落、新法曹養成制度と、同時に法曹界の未来をぐらつかせる、根源的な「改革」の失敗につながったはずのテーマが、「改革」の結果が出た現在においても、「改革」推進論のなかで顧みられることがない現実があります。 それは、有り体にいえば、もはや「冷淡」という言葉を当てはめたくなります [続きを読む]
  • 会長選最低投票率更新が示す日弁連の現実
  •  2月9日に行われた日弁連会長選挙の投票で、東京弁護士会所属の菊地裕太郎氏が、同会所属の武内更一氏を破り、次期会長に当選しました。同日現在の開票結果仮集計によれば、菊地氏の得票数は、武内氏に1万票以上差をつけた1万3005票で、過去最多での当選となりますが、会員数の増加で選挙人数そのものが増え、過去2回の選挙で当選者の得票は過去最多を更新しています。前回2016年選挙から選挙人数は約2400人増え、前回当選の中本 [続きを読む]
  • 資格価値の暴落と「改革」への認識
  •  司法試験出願者数の減少が止まりません。今年の出願者数(速報値) は5811人で、7年連続下降でここ3年は毎年約1000人ずつ減少し、実に7年間で半減という結果になっています。既にネット界隈の弁護士の間でも話題にはなっていますが(「Schulze BLOG」 「ちゃんおに」)、この異常事態の根本的原因が、弁護士という資格の経済的価値の暴落といっていい現実にある、ということは、もはやこの世界に限らず、多くの人が認識し始めている [続きを読む]
  • ぼやけた弁護士「足りない論」
  •  弁護士の増員必要論には、なぜかずっと、もやっとした不足論がつきまとってきたという印象があります。「就職ができないほど過剰ならば、なぜ増やすのか」と弁護士界外の人間から尋ねられる度に、本来、そのかっちりした解になるはずの「足りない論」の不透明感に改めて気付かされもしてきました。 例えば、当初、官側が強調し、弁護士会内でもいわれた、弁護士偏在解消のための増員必要論にしても、偏在の根本原因は地方の需要 [続きを読む]
  • 弁護士業の現実を伝えられない弁護士会
  •  司法改革の弁護士増員政策の結果が、一番はっきりさせたのは、社会が思っていた、あるいは思っているほど、弁護士という仕事の経済的基盤は、盤石でも安定したものでもなかった、ということではないでしょうか。全体的な経済的な沈下はもちろんのこと、高い会費の負担から弁護士会の強制加入制度に厳しい目を向け、会のあり方としてより会員利益の追求を期待し始めた会員の意識変化も、実はそこにたどりつく。むしろ、本来そうみ [続きを読む]
  • 「新弁護士会設立構想」ツイッターが意味するもの
  •  日弁連会長選挙の真っ只中、「新弁護士会設立構想」(@ShinBengoshikai) というツイッターが、にわかにネット界隈の弁護士界関係者のなかで話題になっています。「弁護士会が強制加入団体であることを自覚し、特定の思想に偏向しない、必要最小限の機能(ミニマム機能)を備えた、新しい弁護士会の設立を構想する」とうたい、現在の東京の三弁護士会に加えて4番目の単位会をつくることを目指す考えを示しています。 このツイッター [続きを読む]
  • 新法曹養成制度の実力という視点
  •  既に破綻した司法試験の年間合格者3000人という司法改革の目標を、当時の日弁連会長が「大丈夫」として受け入れたというエピソードがあります(「日弁連が『3000人』を受け入れた場面」)。ただ、この「大丈夫」というのは、あくまで10年で合格者を3倍にする急増政策について、既存のニーズによって増員弁護士が果たして経済的に支えられるのか、という問いに対するアンサーでした。 「改革」の結果として、ものの見事に外れるこ [続きを読む]
  • 「改革」で担った専門家たちの負の役割
  •  あけましておめでとうございます。 司法改革に限らず、「改革」と名のつくものが、社会とって罪深いものとなるときには、常に「幻想」がまき散らされているといえます。「改革」を提唱する側は、まさにそれを推進したいがために、時にメリットだけを切りぬいて誇張したり、「改革」後の明るい未来を提示したりします。 そして、このなかで最も罪深いといえるのは、それに加担する専門家たちの姿勢です。「改革」の幻想に対して [続きを読む]
  • 「改革」から離れる弁護士の意識
  •  残すところ任期約3ヵ月となった中本和洋・日弁連会長が、今月、弁護士ドットコムニュースのインタビューにこたえ、その中で法曹養成と弁護士の現状について、言及しています。このなかで彼は、法曹志望者の減少という事態が起きている理由について、「法科大学院の教育に時間と費用がかかること」が「指摘されている」ことと、「弁護士業界の競争激化で『試験に受かればなんとかなる』という状況ではなくなって」いる、という認 [続きを読む]
  • 困窮する若手弁護士への同業者目線の印象
  •  あるいは日弁連主導層の目にはとまらないのかもしれない(「弁護士『貧富』への認識というテーマ」)、若手弁護士の姿が報じられています(「新人弁護士『年収100万でファミレスバイト掛け持ち』貧困の実態」ダイヤモンド・オンライン12月21日付け)。 30代前半の「即独」で、スマホ一本で仕事をとり、喫茶店やファミレスで打ち合わせをする「スマ弁」。弁護士の年収は100万円を切り、それを上回るアルバイト収入年150万円で、高い [続きを読む]
  • 法科大学院修了生「モテモテ」記事の危うさ
  •  「法科大学院、企業にモテモテ 志願者・募集減の中なぜ?」というタイトルで、朝日新聞が法科大学院修了生をめぐる新たな動きとして、注目しています(11月28日付け大阪本社版夕刊、朝日デジタル12月16日付け)。大手企業が法科大学院修了生を対象とした法務部門の説明会を開くなど、採用に積極的な姿勢を示し出したととれる内容です。 正直、ここに出てくる企業はともかく、この動きがどのくらいの広がりを持っている話なのか、 [続きを読む]
  • 弁護士が転嫁できない「改革」の責任
  •  今回の司法改革は、市民が求めた「下からの改革」といえるものではありません。この事実は変わりません。弁護士の数が決定的に足りないから激増させよ、とか、現行の裁判が民意と乖離しているから、市民が直接参加しなければならない、という声の盛り上がりを背景として、起こったものではないのです。 こういう切り口の話になると、推進派は必ずといって、そうした「下からの」を待っていては、何も、そして、いつまでも変わら [続きを読む]
  • 弁護士「プロフェッション」の行方
  •  この社会で、弁護士がいかに専門的職能として、筋を通せる存在であり続けられるかは、私たちにとって極めて重要で現実的な問題だと思います。彼らの抱える経済的事情によって、あるいは「政治的」とする批判によって、彼らが本来、手を差し伸べられるものに手を差し伸べられなくなったり、沈黙をすることは、結果的に社会にとって望ましくない、この職能の形であり、そのツケは結局、国民に跳ね返ってくるのです。 「プロフェッ [続きを読む]
  • 弁護士の「生存」と「改革」の価値
  •  いうまでもないことかもしれませんが、「改革」の結果をもろにくらっている現在の弁護士たちが、いかに生存していくか、という問題と、これから弁護士がどうあるべきか、という問題は、残念ながら一致しない、必ずしも同じ解決策が導き出されるとはいえません。 例えば、業界として最も深刻に受けとめられるべき志望者減にしても、現在の経済状態でも、弁護士は生存できるということを既存の弁護士が証明すればよし、と考える人 [続きを読む]
  • 「改革」と弁護士の「リアル」
  •  日弁連が「もっと知りたい弁護士の世界」と題した新しいパンフレットを作成しました。日弁連のホームページには、こう書かれています。 「弁護士と聞いてどんな人をイメージしますか?実は弁護士といってもその働き方や思いは人それぞれ。ドラマや映画で見かける姿は、ほんの一面でしかありません。もし弁護士について、もっとリアルな姿を見てみたい!と思ったら、ぜひこのパンフレットをめくってみてください。実際の弁護士の [続きを読む]
  • 日弁連の「失敗」への姿勢
  •  「日弁連は失敗を認めない組織である」という捉え方をする会員が以前より増えた印象があります。こういう話をすると、「いや、日弁連は昔からそういう体質だ」という一部ベテランの声も聞くことになります。日弁連の主導層のなかにある、ある種のプライドや運動方針的な考えから生み出される、「無謬性神話」を貫こうとする姿勢が、かつてなかったか、と言われると、判断は難しいものになります。 ただ、冒頭の印象は、明らかに [続きを読む]
  • 「普通の業者団体」という選択と欲求
  •  大きく括ってしまえば、日弁連・弁護士会には、弁護士法1条の弁護士の使命に由来する「人権擁護団体」という性格と、弁護士という資格者が加盟している「業者団体」という性格があります。しかし、現実的には、これまで圧倒的に前者の色彩が強い団体だったといえます。会主導層の意識も、ずっとそちらから会運営を捉えてきたととれました。 しかし、弁護士会外の人間と話すと、このことが日弁連・弁護士会という存在への理解に [続きを読む]
  • 「給付制」と「社会還元」をめぐる日弁連の印象
  •  昨年12月に法務省が発表した、司法修習生「給費制」の事実上の復活といえる、いわゆる「給付制」に関連して、確認した制度方針が法務省のホームページに掲載されています(法務省「司法修習生に対する経済的支援について」)。その「主な確認事項」には、平成29度以降採用予定の司法修習生(修習71期以降)に対する給付制度新設、給付金額、貸与制の併存とともに、次のような一文が書かれています。 「給付制度の導入に合わせ,司 [続きを読む]
  • 弁護士ポータルをめぐる認識とリスク
  •  ネット上で見る、弁護士のいわゆるポータルサイトについて、坂野真一弁護士が最近、自身のブログで、注意を促しています。 「例えば、あるポータルサイトが○○に強い弁護士を掲載していますとか、○○に強い弁護士を厳選しましたと記載していたとしても、それはまず、正確な表示ではない」 「サイト運営者が、弁護士に離婚に関する解決事案を提出させて審査するわけでもないし、そもそも弁護士の真の実力は実際に戦ってみない [続きを読む]
  • 弁護士「貧富」への認識というテーマ
  •  かつてのように左右(イデオロギー)ではなく、いまや上下(ベテランvs若手)で分裂していく(している)という見方は、弁護士会の一つの現実を言い当てています(「『左傾』とされた日弁連の本当の危機」 「弁護士会意思表明がはらむ『危機』」)。ただ、実はこれよりも、いまやある意味、もっと露骨に、そして切実に会員が感じ始めている分裂は、やはり貧富ではないか、と思います。 こう言うと、弁護士の中からは、この仕事では個々 [続きを読む]
  • 「生き残り」策に引きずられない法科大学院中核論
  •  法科大学院制度の見直し論をめぐり、法科大学院関係者や弁護士会内の制度擁護派が直視しようとしていない点があります。それは、率直にいって、今の方向が、制度存続のためのものなのか、それとも本当に法曹養成制度のためのものなのか、ということ。別の言い方をすれば、今、見えてきている方向は、本当にあるべき法曹養成から逆算されているのか、という点です。 いまや法曹界内多くの人の認識として、結果的に法科大学院は今 [続きを読む]
  • 「改革」の先に登場した「アディーレ」
  •  今では当たり前のような、弁護士とその利用者が広告によってつながる関係を、この方向を受け入れた、多くの弁護士が果たして本心から望んでいたのかといえば、甚だ疑わしいといわなければなりません。以前も書いたように、日弁連は弁護士の業務広告について、1987年に「原則禁止・一部解禁」、2000年に「原則解禁」と舵を切りましたが、当初、それを選択した弁護士たちの広告に対する反応は極めて鈍かったのです(「『改革』が曖 [続きを読む]
  • 弁護士の使命と事業者性をめぐる現実的視点
  •  一事業者である弁護士が、ある種身を削って、公益的な仕事を行っていくことの無理が、いまや普通に弁護士の口から聞かれます。弁護士法の「基本的人権の擁護と社会正義の実現」という弁護士の使命に対する解釈としては、あくまで有償案件、つまりは事業者として成立する仕事を手掛けるなかで実現されていけばよい(そうした業務のなかでも十分にこの規定が意味をなしている)ことの方を強調する人は、かつてから弁護士会のなかにも [続きを読む]
  • 弁護士「多様性」後退という結果
  •  弁護士の「多様性」は、利用者市民に直接跳ね返ってくるテーマといえます。専門的資格業という意味では、試験と修習を経て、一定の資質や能力が限りなく均一に備わっている、そのことを出来る限り、現実的に、資格が保証しているという形以上に、利用者市民が安心できるものはないはずです。資格のあり方としては、付与する側も、支える側も、それを理想として、あるいは究極の目標として、それに近付ける努力をすべきだし、その [続きを読む]