有沢祐輔 さん プロフィール

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有沢祐輔さん: 空虚ノスタルジア
ハンドル名有沢祐輔 さん
ブログタイトル空虚ノスタルジア
ブログURLhttps://ameblo.jp/arisawayusuke/
サイト紹介文作家の卵です。詩、作詞、小説、音楽、日々の出来事などを綴っています。
自由文詞が中心ですが、長編の小説も書いていきたいなと思っています。好きな作家は村上春樹さん、伊坂幸太郎さんです。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供384回 / 365日(平均7.4回/週) - 参加 2011/04/21 15:07

有沢祐輔 さんのブログ記事

  • 長編小説「思春期白書」 55〜衝動を待ち侘びるとき〜
  • 前回の話はこちら 56話はこちらから (性的表現が含まれています。苦手な方はご遠慮ください) 部屋に入るなり、公平は机の引き出しからアダルト雑誌を取り出した。まさか彼がそういうものを持っているとは夢にも思わず、僕は目を丸くする。 「キシモンがくれたんだ。要らないって断ったんだけど無理矢理手渡されてさ」 水着、それも、乳首がはみ出しそうなほどに面積の狭いものを纏ったケバ過ぎなギャルの表紙に、軽い嘔 [続きを読む]
  • 詞「ハンドル」
  • 踏み出せば踏み出す程臆病になってたようだ 黄色信号ばかりを気にして青信号に気付かぬフリをした 誰かに委ねたルートなど17の僕はあんなに嫌がってたのに 外れに吹き飛ばされて初めて僕自身を顧みる 砕けたパーツを拾い集めりゃまだ「失ってない」ことを知る だから 向かい風 振り払いハンドルをまた握る 辿り着く場所が見えないのは可能性の証と信じて まだ失ってない きっと きっとさ にほんブログ村 [続きを読む]
  • 長編小説「思春期白書」 54〜無責任の根っこ〜
  • 前回の話はこちら 55話はこちらから (性的表現が含まれています。苦手な方はご遠慮ください) 「くっだらないわね。誰が誰と付き合おうが関係無いじゃないの。教師と生徒ならマズいとは思うけど」「同感だね。ヒロは皆のヒロじゃない。ヒロはヒロだ。偶像化する自体が間違ってる」 冷凍の唐揚げを頬張り、顔をしかめた。「話すな」とは言わないけど、図書室にまで不穏な空気を流さないでほしい。2人の会話はユリちゃ [続きを読む]
  • 長編小説「思春期白書」 53〜スキャンダル〜
  • 前回の話はこちら 54話はこちらから (性的表現が含まれています。苦手な方はご遠慮ください) 「ねえ、佐藤くんって3年の子と付き合ってるんだってぇ?」 翌週の休み時間、僕の席に女子数人がやって来た。1学期のときは真面目な目立たない性格の奴らだったが、夏休みのマジックはそんな彼女たちさえ変貌させるらしい。 「付き合ってないし」 呟きに似た返事に教室内の時間が止まる。プリクラ流出は免れたようだが、恐 [続きを読む]
  • 詞「霧の気配が途絶える頃に」
  • 霧の気配が途絶える頃に僕に降り注ぐ陽射し肩を叩いては鳴らすんだスターターピストルの音を 彼方へ飛び立った君の横顔がねノスタルジーを解き放つ木陰のかくれんぼを日常化した永い夢から覚めるように 失いと同時に何かを得るというのに悲哀を振り翳してばかり燦々の陽射しは敵じゃなく味方それすら忘れてしまうくらいにね 霧の気配が途切れる頃に泥濘に右足を踏み込め空なんて飛べやしないけど土の感触に生を知れる 永い夢を [続きを読む]
  • 長編小説「思春期白書」 52〜傾きたくない〜
  • 前回の話はこちら 53話はこちらから 「ちょっと!どこ触ってんのよ!」「仕方ねえだろ!狭いんだから!」「ほらほら、笑顔笑顔」「公平くん。もっと寄らなきゃはみ出ちゃう」「は、はぁ…」 カーテンの中に騒々しく蠢く集団。こういう光景はよく見受けられるが、男女が混ざれば微笑ましいどころか、ちょっとした暴動だ。小さなフレームに収まるには密着せざるを得ないってのに、尻に触っただの、胸が当たっただの、不可抗 [続きを読む]
  • 長編小説「思春期白書」 51〜パワーバランス〜
  • 前回の話はこちら 52話はこちらから ハムにタマゴにレタス、カラシを混ぜたバターが程良く絡み、僕はボキャブラリーの無さを痛感しながらも「美味い」を連発した。登校途中に買った惣菜パンはバッグの中、どうやら帰宅まで出番は無さそうだ。何を張り切ったのか、ユリちゃんのトートバッグには更なるタッパーが顔を覗かせる。まあ、写真を渡すってことでいっくんやキシモンも呼ばれたわけだし、食べ切るのは確実だろうけど [続きを読む]
  • 詞「僕は号泣に身を沈める」
  • 橙の灯りの下 靴を履く君の背中 言いたいことは無数にあるのに 早過ぎの走馬灯に傾いた僕は 何1つ言葉に出来ずたじろぐ 最後の瞬間さえ微笑みを忘れない そんな君が大好きだった 終わりに急いだのは僕の方 始まりにしたかったのは君の方 短い髪をなびかせ手を振る君に 項垂れるしか出来ない僕 バタンとドアの閉まる音を合図に 僕は号泣に身を沈める 最後の瞬間さえ君に託した 不様と後悔に掻き乱されながら にほんブログ村 [続きを読む]
  • 長編小説「思春期白書」 50〜始業式の異変〜
  • 前回の話はこちら 51話はこちらから (性的表現が含まれています。苦手な方はご遠慮ください) 蝉の寿命な速さで残りの夏休みはあっという間に過ぎ去った。異様な長さがそういう体感を生み出すのかもしれない。例えば、学校からの帰宅も早く家に着きたいと思えば、距離はやけに遠く感じ、逆になるべく遅く着きたい(通知表を見せなきゃならないときとか)と思えば近い。夏休みも結局は途方もない長さという印象が体感的な [続きを読む]
  • 長編小説「思春期白書」 49〜花火が終わる前に〜
  • 前回の話はこちら 50話はこちらから ドーン!バァッ!! 車が正面衝突したような耳障りとともに薄暗い空に花火が咲く。周囲の歓喜に乗せて2発、3発、同じリズムから変則的になり、色とりどりの花火たちは咲き誇り、潔く散る。僅かな火花に一抹の寂しさを潜めながら。 「「たーまやー」」 正義と正子が声を揃えると、女性陣も後に続く。僕の声など邪魔でしかない。ただ眺めるだけの卑屈さはヒロとの遭遇のせいじゃない。 [続きを読む]
  • 詞「Trust you」
  • 薄暗さが 人影を覆ってしまえば君は簡単に感嘆を漏らすけど 今日という日はまだ終わっちゃいない闇の中に見付けるのが光ってやつさ 手探りの日常 傘さえ持てないだけど ひたむきな姿勢を見せていてよ 錆びや廃れは きっと気のせい君はいつだって可能性を胸に掲げてる にほんブログ村 [続きを読む]
  • 長編小説「思春期白書」 48〜陰の卑屈は無限の域〜
  • 前回の話はこちら 49話はこちらから 「なーんだ、浴衣じゃねーのかよ、期待してたのに…なあ?」 キシモンが僕に囁いた。同意を求められても困るけど、一応は頷く。花火がよく見え、屋台も立ち並ぶ神社の境内はまだ陽も沈み切っていないのに、蝉の鳴き声さえ掻き消されるような賑わいだ。この程度の囁き、漏れる筈も無い。頭では理解しながらも、つい「万が一…」が過ぎる。いくらカムフラージュに効果的とはいえ、エロモン [続きを読む]
  • 長編小説「思春期白書」 47〜儀式的絶頂〜
  • 前回の話はこちら 48話はこちらから (性的表現含まれています。苦手な方はご遠慮ください) 下世話なワイドショーの企画にイニシャルトークがある。若手俳優のSと演技派女優のKが付き合っているとか、大御所タレントのHが離婚協議中とか、他人のプライバシーに土足で踏み込む様も、あれこれ予想を立て勝手に盛り上がるコメンテーター気取りのタレントも実に不快だ。井戸端会議の主婦以下のコメントしか出来ないくせにギャ [続きを読む]
  • 詞「新しい季節へ」
  • 幻の明日を引き摺り続けた哀しい自由に終わりを告げよう 壁際にもたれ 窓から覗く景色どうやら眺めるだけじゃ足りないらしい 君去った季節の愛おしさはこの胸の痛いとこを突くけど 時間からの落下に縋り付くままじゃきっと君に叱られてしまうだろうから ドアを開けば光がそっと差し込み背中を軽やかに押すんだ 窓枠に収まり切れない あの青い空に手を伸ばして新しい季節の旅路へ にほんブログ村 [続きを読む]
  • 長編小説「思春期白書」 46〜隣の景色は性が疼く〜
  • 前回の話はこちら 47話はこちらから 翌日、正義の誕生日会は盛大に開催された。とはいっても、アパートの性質上、あまり大声は出せないけど、それでも、3月産まれ、しかも終業式と同じ日が誕生日の僕からすりゃ、友達が集うってだけでも充分過ぎる盛大さだ。 「大丈夫だって。太一兄ちゃんの誕生日もちゃんと祝ってやっから」 下唇に付着した生クリームをペロリと掬い上げ、正義は自分の胸を大きく叩いた。相変わらず小生 [続きを読む]
  • 長編小説「思春期白書」 45〜浮気性〜
  • 前回の話はこちら 46話はこちらから 帰宅して間もなく、母さんが買い物に出掛けた。この運の良さに舞い上がりたい気持ちを抑え、僕は窓の傍に聞き耳を立て、自転車が走り去る音を確かめる。サザエさんばりに「財布を忘れた」だの「買い物メモを忘れた」だのそそっかしい人だ。ここは慎重に事を起こさなければ。 体内時計がアラームを鳴らすと、勉強机の1番下の扉を開けた。ここは漫画雑誌、主にコロコロコミックの保管場 [続きを読む]
  • 詞「微睡みの加害者」
  • 朝に微睡む視界に映るのは姿無き声の羅列塞ぎ方はすっかり忘れてしまった 植え付けの正しさも束になれば間違いを疑わない無数の声に馴染む だけど 僕の何気ない声が君への凶器と化したなら君の何気ない言葉が鋭利な刃物と化したように加害者と被害者の顔を同じように併せ持つのだろう非難の資格など僕にも君にもありゃしない 微かな呟きは 僕の中の枷となるそれでも朝はいつだって朝に現れるから微かな呟きを また胸にしま [続きを読む]
  • 長編小説「思春期白書」 44〜勇敢な戦士みたいに〜
  • 前回の話はこちら 45話はこちらから 「こーいなーんてーいわばエゴとエゴのシーソーゲームー…」 容赦ない陽射しは不変であっても、今日の空はやけに蒼い。自転車のペダルを軽々しく漕げるのは、リベンジに燃える炎と、脳内BGMのおかげだ。ミスチルの「シーソーゲーム〜勇敢な恋の歌〜」はキンキンに冷えた三ツ矢サイダーを流し込むような爽快さに溢れる。向かい風にびくともしない僕の姿が勇敢に映れば…いや、さすがに無 [続きを読む]
  • 長編小説「思春期白書」 43〜解放とリベンジ〜
  • 前回の話はこちら 44話はこちらから 8月に始まったのはいっくんの料理教室だけじゃない。生活のベース、家庭内にも変化があった。兄ちゃんと父さんの冷戦状態に一応、区切りが付いたのだ。真夜中に突如起きた口喧嘩、罵り合いの果て、兄ちゃんは家を飛び出した。単なる家出と違うのは、翌日、雑誌やCD、ゲームなどの細々したものはもちろん、衣類や生活費、布団や枕までもが、友人の軽トラによって運び出されたことが物語 [続きを読む]
  • 詞「君が好き」
  • 満ち欠けの歳月を経て冴返る 白のような世界 「眩しい」と目を細める君横顔にまた恋を知った 傷付け 傷付く時代に儚さは消えやしないけど かじかんだ手をギュッと握れば僕はまだ今を歩いていけるよ 俯き加減に 「君が好き」上ずる声に君は頷く 風になびくマフラーを真似るように胸の中に抱き締めたならやはり澄み切った世界に映る 同じ陽射しを浴びる今日に微笑みを にほんブログ村 [続きを読む]
  • 長編小説「思春期白書」 42〜罪人〜
  • 前回の話はこちら 43話はこちらから 子供が付く除夜の鐘みたいな鈍い微かな音が二度響いた。BL本を侮っていたことと、ユリちゃんに求めた少女像に関しちゃ、ある程度、浄化された。侮りと耐性の無さが招いた衝撃だ。 今振り返れば、凝視までは至らなくても、もう少し見たかったと後悔さえ過ぎる。アダルト雑誌より生々しさに欠けるはずなのに、どうしてあれほどたじろいだのか?まあ、リアクション的には正解かもしれない。 [続きを読む]
  • 長編小説「思春期白書」 目次 41話〜60話
  • 21話から40話はこちら 61話はこちらから 思春期白書 41 思春期白書 42 思春期白書 43 思春期白書 44 思春期白書 45 思春期白書 46 思春期白書 47 思春期白書 48 思春期白書 49 思春期白書 50 思春期白書 51 思春期白書 52 思春期白書 53 思春期白書 54 思春期白書 55 思春期白書 56 思春期白書 57 思春期白書 58 思春期白書 59 思春期白書 60 にほんブログ村 [続きを読む]
  • 長編小説「思春期白書」 41〜虚像と現実〜
  • 前回の話はこちら 42話はこちらから (性的表現が含まれています。苦手な方はご遠慮ください) やけにひょろひょろとした女顔の男が、幾分かは体格の良いキリっとした目の男を見上げ、肩に細い腕を絡ませる。繊細なタッチはいかにも女子が好みそうな綺麗に包まれ、僕はその表紙に口を尖らせた。アニメイトのときも似たような印象は抱いた。だけど、実際に手を取ると、何というか…現実とのギャップが果てしない。いや、漫画 [続きを読む]
  • 詞「革命家」
  • ありふれた旋律も 君が奏でりゃ唯一無二研ぎ澄まされた筈の聴覚さえ響きにさらわれる 砕け落ちた日常に もはや未練などは無い君と気ままにサイコロを振り 双六を動かす 舌先の微熱は君じゃなきゃ吸い取れないからクールな仮面は剥ぎ取って 衝動を見せてよ 僕の加速を冷やすような真似はどうか止めてねともに溺れる非日常こそが僕らに相応しい日常 それはまさしく革命 先駆者の有無はどうでもいいこの旋律にどうか 君の命 [続きを読む]
  • 長編小説「思春期白書」 40〜微熱〜
  • 前回の話はこちら 41話はこちらから 「やあ、いらっしゃい。散らかってるけど、どうぞ」 年季の入ったアパートは壁の塗装の剥がれ具合や切れ掛かった電球、階段をひとつ上がる度にギシギシ軋む音、あらゆる場面に見受けられたけど、生活感が無いに等しい公平の家に比べれば、居心地の良さは圧倒的だった。玄関先に散らばる大小の靴にビニール傘、これが本来の玄関先の姿だ。 「公平兄ちゃん!久しぶりー!」 弟は小学5年生 [続きを読む]