山田昇市郎 さん プロフィール

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山田昇市郎さん: 山田小説(オリジナル超短編)公開の場
ハンドル名山田昇市郎 さん
ブログタイトル山田小説(オリジナル超短編)公開の場
ブログURLhttps://ameblo.jp/yamadanovel
サイト紹介文自作の超短編小説を公開しているブログです。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供77回 / 365日(平均1.5回/週) - 参加 2011/05/07 13:43

山田昇市郎 さんのブログ記事

  • 喋る靴 1
  •  「ほら。喋る靴を開発したよ。口の替わりに言葉を話すよ」と同僚が履いている靴が言った。同僚の口は動いていなかった。 「靴が喋っているのか?」と私は当惑して同僚の顔と靴を交互に見比べながら訊いた。 「私の意志で喋っている。口で話す場合と同じだよ」と同僚の靴が答えた。 「なぜ靴を喋らせた?」と私は視線の落ち着き先を見つけられないまま尋ねた。 「喋るだけではまだ充分ではないよ。私は見る機能も備えさせるつ [続きを読む]
  • 新しい馬
  •  「ほら。新しい馬を設計してみたよ。今度の馬は従来の馬よりも胴体が長くて背骨の可動域が広いから走りに躍動感が生まれる。どうだ?美しいだろう?」と同僚が胸を張って言ってきた。 「どうだろうね。確かに躍動感があるかもしれないけれど、背骨に掛かる負担が大きそうだから簡単に折れそうだよ。もっと筋肉の量を増やすか、背骨を強化させないと今度の審査会でも良い評価を得られないだろうと思うよ」と私は忠告のつもりで言 [続きを読む]
  • 新しい鳥
  •  「ほら。新しい鳥を設計してみたよ。今度の鳥は従来の鳥よりも頭蓋骨と眼球がずっと大きくて迫力があるだろう?どうだ?強そうだと思わないか?」と同僚が胸を張って言ってきた。 「どうだろうね。これだけ頭蓋骨が大きいと重量がかなり増えるはずだから運動能力に支障が出そうだね。この鳥は飛べるのか?」と私は疑問を口に出した。 「飛行は不得意だが、その替わりに敵を威圧して身を守るよ」と同僚は答えた。 「この鳥は実 [続きを読む]
  • 五億年後の鶏
  •  「最近の研究によると鶏は約一万年前から頭部が大きくなっていく傾向の進化が始まったようですね。顕在化している変化はまだ僅かですが、確実に大きくなりつつあるそうですよ」と会社の同僚が言った。彼は仕事の関係で学者達と接触する機会が多いので時々研究成果を聞いてきては私に伝えてくるのだった。 同僚の言葉を聞きながら私は現状の鶏よりも頭部が格段に大きくなった鶏を想像してみたが、今にも首の骨が折れそうで不格好 [続きを読む]
  • 鶏信仰
  •  「最近の研究によると鶏を尊ぶという現代社会にも受け継がれている信仰はおよそ一万年前に始まったようですね。それとほぼ時を同じくして人間の容姿が鶏に似ていくという進化も始まったようですね」と会社の同僚が言った。彼は仕事の関係で学者達と接触する機会が多いので時々研究成果を聞いてきては私に伝えてくるのだった。 同僚の言葉を聞きながら私は黙ったまま彼の顔面を見つめていた。以前から感じていたのだが、同僚の顔 [続きを読む]
  • 猫と人間の顔
  •  「しばらく前に家で飼っている猫が子供を産みましてね」と宴会場でたまたま隣の席に座っていた会社の同僚が言い出した。「一気に七匹も増えたのですけど、母親に似て体毛が真っ白な子猫ばかりなので最初は見分けられそうにないと思っていたのですけどね。しかし、可愛らしいから毎日暇があれば観察しているものですから徐々にそれぞれの顔付きが微妙に違っていると気付いてきましてね」 同僚は子猫達の姿を思い浮かべたようで口 [続きを読む]
  • 猫猫猫猫猫
  •  列車に乗っていて「猫猫猫猫猫」と延々と呟き続けている声がどこからか聞こえてきたので私は意識が覚醒した。どうやら気が付かない間に目を瞑って眠っていたようだった。 隣の席で誰かが「猫猫猫猫猫」と呟き続けていた。かろうじて聞こえてくるような小さな声だったので話し掛けられているわけではないらしいと判断し、私は瞼を開けなかった。無視しておこうと考えた。 しかし、その呟きのせいで身の周りに猫がうろついている [続きを読む]
  • 人生を語る女の声
  •  女の声が入ってきたので目が醒めた。そういえば、居間で書物を読んでいる最中に睡魔に襲われたのだったと私は思い出した。 いつの間にかラジオの電源が入っていて女の声が聞こえてきていた。女は私が知らない言語を話していたが、どういうわけか私は彼女が自分の人生を語っているようだと認識した。数百年前に異国の寒村で産まれ、父が早くに死に、母や兄弟達と共に暮らし、農作業を手伝い、学業に励み、母が再婚し、教師になり [続きを読む]
  • 数を話す女の声
  •  女の声が耳に入ってきたので目が醒めた。そういえば、居間で書物を読んでいる最中に睡魔に襲われたのだったと私は思い出した。 いつの間にかラジオの電源が入っていて女の声が聞こえてきていた。女は私が知らない言語を話していたが、どういうわけか私は彼女が発する単語の悉くが数を表しているようだと認識していた。そして、それらの数がとても重要な情報を示す暗号になっているような気がするので忘れるわけにはいかないと思 [続きを読む]
  • 目次69
  • 歩いていく息子腹の中の美しい石足を浮かせたまま口を閉じたまま建物の限り抽象的な石像武器のような石像怪物のような石像文字のような石像線頭目次(超短編小説) [続きを読む]
  • 飛べの小人
  •  夜、枕元で誰かが「飛べ。飛べ」と呟いているようだと気が付いた。意識が朦朧としているので私は夢を見ているようだと思った。しかし、寝返りを打っても「飛べ。飛べ」と聞こえてくるので私はさすがに妙だと考えて瞼を開けた。 寝室は照明が灯っていた。布団の脇に小人が立っていて「飛べ。飛べ」と呟いていた。私と目が合っても小人は表情一つ変えなかった。まるで人形のようだと思ったが、口は動いていた。私はやはり夢を見て [続きを読む]
  • 叫べの小人
  •  夜、枕元で誰かが「走れ。走れ」と呟いているようだと気が付いた。意識が朦朧としているので私は夢を見ているようだと思ったが、しばらく経っても声が消えないので夢ではないのかもしれないと考え直して瞼を開けた。 部屋の中は照明が灯っていた。布団の脇に小人が立っていて「叫べ。叫べ」と呟いていた。私と目が合っても小人は表情一つ変えなかった。まるで人形のようだと思ったが、口は動いていた。やはり夢を見ているようだ [続きを読む]
  • 増えるの小人
  •  夜、枕元で誰かが「増える。増える」と呟いているようだと気が付いて意識が覚醒した。瞼を開けたが、天井の照明が眩しいので私は思わず顔をしかめた。その間もずっと「増える。増える」と聞こえてきていた。 同居している家族の誰とも違う声だった。どうやら赤の他人が寝室に侵入してきているようだと思い、私はその正体を確かめなければならないと考えて上半身を起こした。 すると、布団の脇に小人が立っていて「増える。増え [続きを読む]
  • 小人の箱
  •  「時々、この箱の中から小人が出てくるのですよ」と館の主人が言った。 館の庭先に一個の木箱が置いてあった。そこそこ大きいが、装飾などは一切なかった。蓋が開いているので中を覗き込んでみたが、空っぽで底に薄らと埃が溜まっていた。「元々、何が入っていた箱なのですか?」と私は主人の方に振り向いてから訊いた。 「友人から押し付けられたのです。彼女は小人を生み出す箱だと言っていました。実際、私はこの箱から小人 [続きを読む]
  • 猫の箱
  •  夜、寝床で横になって目を閉じていると木箱の映像が頭の中に浮かんできた。蓋が開いていて一匹の猫が入れられていた。猫の身体はその箱の中にきっちりと隙間なく収まっていた。瞼はしっかりと閉じられていた。 ふさふさとして柔らかそうな体毛を撫でてみたくなったので私は自分の手を想像した。しかし、そうして猫の身体を撫でても感覚が伝わってこないので他人の動作を見ているかのようだと思われて物足りなかった。 箱の中の [続きを読む]
  • 魚の箱
  •  夜、寝床で横になって目を閉じていると魚が入れられている箱の映像が頭の中に浮かんできた。箱は幾つもの木の板が合わさって出来ているのだが、側面に隙間が開いているようで水が漏れ出ていた。 このままだと箱の中の水がすぐに尽きて魚が死ぬだろうと思われたので私は胸騒ぎを覚え、咄嗟にその想像を頭の中から打ち消した。しかし、魚の安否が気になるので私はまたその箱を思い浮かべた。 箱の中の水量はずっと一定で変化がな [続きを読む]
  • 大魚を押さえ付けろ
  •  「その魚を押さえ付けろ」と船長が大声で命令していた。 私は他の船員達と共に甲板上で暴れ回っている大魚の長い身体にしがみ着いていた。冷たい雨が降っていて海は荒れていた。魚は狂ったような叫びを発していた。獣にも鳥にも似ていない濁声だった。 雨で濡れているせいか、大魚はいつまで経っても体力が落ちないようだった。私達の方がその大きな身体の下敷きになるなどして疲弊してきていた。魚の叫び声も私達の気持ちを苛 [続きを読む]
  • 魚の仮面
  •  夜、顔面に異物が乗っていると感じたので驚いて意識が覚醒した。私は咄嗟にそれを両手で除けそうと試みたのだが、そこには目や鼻や口などがあるばかりだった。 そういえば、夢の中で魚の仮面を被って住宅街を歩いていたと思い出した。私は頻繁に通行人と擦れ違っていたのだったが、彼等も悉く魚の仮面を被っていた。それらは本物の魚そっくりに造られた仮面で口がぱくぱくと開閉していた。しかし、その口の隙間の中は空洞がある [続きを読む]
  • ヒーローの仮面
  •  夜、顔面に異物が乗っていると感じたので驚いて意識が覚醒した。私は咄嗟にそれを両手で除けそうと試みたのだが、そこには目や鼻や口などがあるばかりで実際には何も乗っていなかった。 そういえば、夢の中で特撮ヒーローに扮装して道を歩いていたと私は思い出した。鮮やかな原色で彩られた仮面を被り、子供達と擦れ違う度に歓声や称賛を受けていたのだった。そして、徐々に私を追ってくる子供達の数が増えてきていた。 しかし [続きを読む]
  • 直線頭
  •  仮面屋で線頭を購入した。帰宅してから被ってみると無性に直線を書きたくなってきた。 それで、私は勉強机に向かい、鉛筆で紙に線を書いてみた。すると、予想していたよりも真っ直ぐな線を書けたので私は得意な気持ちになった。おそらく世界中のどこを探してもこれ程までに真っ直ぐな線を書く能力を持っている人間はいないだろうという考えが浮かんできた。  それで、私は高揚感を覚えながら何本も線を書いた。どれも驚くくら [続きを読む]
  • 線頭
  •  仮面屋で線頭を購入した。帰宅してから居間でそれを被ってみたのだが、試しに本棚から書物を取り出して開いてみると文字を構成している線の形状が悉く美しいと感じられると気が付いたので私は興奮した。見つめれば見つめるだけ感動が深まっていくようだった。それで、一文字ずつをじっくりと時間を掛けながら鑑賞していった。 空腹が気になったので書物から視線を上げて時計を見遣ると既に真夜中になっていた。最初に開いた頁を [続きを読む]
  • 文字のような石像
  •  暇な時間が出来たので美術館に行ってみた。抽象的な形状の石像ばかりが幾つも展示されていたので私は一つずつの作品の前で歩みを止め、じっくりと時間を掛けながら鑑賞していった。 幾つかの石像を見ていて私はそれらが表意文字のようだと思った。どの作品にも題名は掲げられていないのだが、私はそれらの石像が表している意味を感じ取れそうだという気がしているのだった。 美術館は入口付近は明るかったが、奥に入っていくの [続きを読む]
  • 怪獣のような石像
  •  暇な時間が出来たので美術館に行ってみた。抽象的な形状の石像ばかりが幾つも展示されていたので私は一つずつの作品の前で歩みを止め、じっくりと時間を掛けながら鑑賞していった。 攻撃的な印象を受ける作品ばかりで私は館内を歩きながら徐々に心が荒んでいくようだと感じていた。しかし、まるで怪獣のようだという感想が脳裏に浮かぶと突如としてすべての石像が怪獣を表していると見えるようになり、私は謎解きに成功したとい [続きを読む]
  • 武器のような石像
  •  暇な時間が出来たので美術館に行ってみた。抽象的な形状の石像ばかりが幾つも展示されていたので私は一つずつの作品の前で歩みを止め、じっくりと時間を掛けながら鑑賞していった。 表面に鋭い突起が幾つも付いていて攻撃的な印象を受ける形の石像ばかりだった。武器になるかもしれないと思ったが、柄になりそうな箇所がないので使い勝手は悪そうだった。ただ、突起がない部分を両手で抱えて投げ付ければ相手に大きな傷を負わせ [続きを読む]