山田昇市郎 さん プロフィール

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山田昇市郎さん: 山田小説(オリジナル超短編)公開の場
ハンドル名山田昇市郎 さん
ブログタイトル山田小説(オリジナル超短編)公開の場
ブログURLhttps://ameblo.jp/yamadanovel
サイト紹介文自作の超短編小説を公開しているブログです。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供75回 / 365日(平均1.4回/週) - 参加 2011/05/07 13:43

山田昇市郎 さんのブログ記事

  • 玩具店行きの列車
  •  特急列車に乗っていて猛烈な睡魔に襲われたので私は瞼を閉じた。すると、列車に乗っている夢を見た。私は玩具店へ行こうとしていた。新しい玩具を手に入れられそうだと期待して心が浮き立っていた。 しかし、私は自分が一人で特急列車に乗っているようだと気が付いて当惑した。保護者はどこに行ったのだろうかと思った。私は自分が幼い子供であると感じていた。隣の通路側の席には誰も座っていなかった。 列車が駅に停まり、私 [続きを読む]
  • 港行きの列車
  •  特急列車に乗っていて猛烈な睡魔に襲われたので私は瞼を閉じた。すると、列車に乗っている夢を見た。私は港へ行こうとしていた。船に乗って海外に旅立とうとしているのだった。 しかし、旅券を家に忘れてきたのではないかという懸念が脳裏を過り、全身に電撃が走り抜けたかのような衝撃を受けた。数ヶ月にも渡る長い船旅の予定がすべて破綻するかもしれないと思われたのだった。 急いで持ち物を検査しなければならないと思った [続きを読む]
  • 鞄の中身
  •  「その鞄の中には何が入っている?」と列車内で隣の席に座っていた老人から問い掛けられた。 老人は皺だらけの手で私の膝の上に載せてある鞄に触れてきた。私は老人の唐突な言動に驚かされながらも勝手に開けられるわけにはいかないと思い、鞄を両手で自分の方に引き寄せながら立ち上がった。しかし、通路側の席に老人が座っているので簡単には退散できそうになかった。 「鞄に触らないでください」と私は言った。 すると、老 [続きを読む]
  • 引き返せと言う老人
  •  真夏の暑い日、私は長い坂道を徒歩で上っていた。周りには幾つもの民家が建っているのだが、気温が高い時間帯なので通行人はほとんどいなかった。 「どこへ行くのだね?」という質問が聞こえてきたので私は周りを見回した。一人の老人が民家の門前に置かれた椅子に座って私を上目遣いに見つめてきていた。私はその顔を見て既視感を覚えた。 「坂道を上っているのですよ」と私は返事をした。 「ここから上へは行くな。引き返せ [続きを読む]
  • 楽しいと書く老人
  •  一人の老人が春の浜辺に立っている。周りには彼以外に誰もいない。時々、彼は片手に持っている木の棒で砂の地面に『楽しい』という意味の文字を書いている。浜辺には『楽しい』という文字が容易に数えられないくらい書かれている。しかし、老人は一向に楽しい気持ちにはなれないでいる。 それで、老人は途方に暮れている。自分がこの砂浜に書いた文字が悉く嘘になっていると感じている。老人は虚しさを覚えている。しかし、それ [続きを読む]
  • 人類と書く老人
  •  一人の老人が春の浜辺に立っている。周りには彼以外に誰もいない。時々、彼は片手に持っている木の棒で砂の地面に『人類』という意味の文字を書こうと試みる。しかし、どうも上手に書けないと感じている。綴りが間違っているような気がする。或いは、文字自体の形状に問題があるのかもしれないと思っている。 それで、老人は頭を悩ませている。一体、どこに間違いがあるのだろうかと考えている。文字を構成している線の数や長さ [続きを読む]
  • 人類絶滅後の章
  •  この書物には遥か遠方の国で伝えられてきた歴史が記されてある。過去だけではなく、まだ未来の出来事であるはずの人類絶滅後の歴史についても書かれている。 この歴史書によると人類は自分達の身体を岩石にして永遠に生きようと試みるようなのだが、永遠という長い時間に精神が適応できないらしい。心身が共に岩石と同化し、生物としての人類はその時点で絶滅すると書かれている。 そこからは岩石の行状が記されてある。この歴 [続きを読む]
  • 天地創造までの章
  •  この書物には遥か遠方の国で伝えられてきた歴史が記されてある。まだ天地創造までの章しか目を通せていないのだが、そこには不定形の怪物達が大量に登場してくる。 怪物達は天空も大地もない世界でひたすら争っていたらしい。次々と現れる大量の怪物達が人知を越えた超能力を駆使しながら延々と殺し合う様子は想像を絶するものであり、私はその歴史書を読みながら何度も目眩を覚えている。 続々と現れる怪物達が次々と呆気なく [続きを読む]
  • 正史を執筆せよ
  •  正史を執筆せよと王から命じられた。この王国は建国したばかりで史書に残すべき重要な出来事などそう多くはない。私は一枚の紙に編纂して提出した。 しかし、王はその史書に満足しなかった。神話が入っていないという点が不満らしかった。自分は神の末裔であると王は主張した。そのような話は初耳なので私が驚いたが、とにかく史書に神話部分を付け足して自分までの系図を記せと王は命令してきた。 すると、その場に同席してい [続きを読む]
  • 鳥の文字
  •  このところ私は博物館の一室に籠り、幾つもの石板に刻まれた古い文章を読み解いている。私はそれらの膨大な資料から得た情報を一つの歴史書にまとめるように王様から命令されているのである。それにしても古代の記録は興味深い内容のものが多い。 例えば、この国では過去の一時期、鳥を尊ぶ文化があったらしい。私達が現在使っている文字もちょうどその時期に誕生したのだが、それらはそもそも鳥の姿を基本として作られたもので [続きを読む]
  • 神々の見分け方
  •  このところ私は博物館の一室に籠り、幾つもの石板に刻まれた古い文章を読み解いている。私はそれらの膨大な資料から得た情報を歴史書にまとめるように王様から命令されているのである。それにしても古代の記録は興味深い内容のものが多い。 例えば、この国では昔、神々が人間達と共に暮らしていたらしい。神々は人間達と同じ姿をしているのだが、人間とはまったく異なる存在であったらしい。その違いは現代人である私にはわから [続きを読む]
  • 神々の行進
  •  夜道を歩いていて眠くなってきたので私は建物の外壁に寄り掛かりながら腰を下ろして目を閉じた。辺りは人気がなく、空気がひんやりとしていた。 すぐに意識が朦朧としてきたが、複数の足音が聞こえてきたので私は目を開けて辺りを見回した。たくさんの神々が眼前の道路を行進していた。私は彼等の姿を一目見て強烈な衝撃を受け、意識が遥か彼方にまで急拡大していくかのような覚醒感が生じた。 そして、自分は彼等を大昔から知 [続きを読む]
  • 騎士達の行進
  •  夜道を歩いていて眠くなってきたので私は建物の外壁に寄り掛かりながら腰を下ろして目を閉じた。辺りは人気がなく、空気がひんやりとしていた。 すぐに意識が朦朧としてきたが、複数の足音が聞こえてきたので私は目を開けて辺りを見回した。大勢の騎士達が馬に乗って眼前の道路を行進していた。槍や甲冑の金属部分が月光を反射して輝いていた。兜を被っているので騎士達は顔がほとんど見えていなかった。随分と長い行進だが、馬 [続きを読む]
  • 怪物達の行進
  •  夜道を歩いていて眠くなってきたので私は建物の外壁に寄り掛かりながら腰を下ろして目を閉じた。辺りは人気がなく、空気がひんやりとしていた。 すぐに意識が朦朧としてきたが、複数の足音が聞こえてきたので私は目を開けて辺りを見回した。たくさんの怪物達が眼前の道路を行進していた。一体、どこへ行こうとしているのだろうかという疑問が脳裏を過ったが、怪物達が恐ろしいので私は口を開かなかった。怪物達は真っ直ぐに前方 [続きを読む]
  • 登山者達の行進
  •  夜道を歩いていて眠くなってきたので私は建物の外壁に寄り掛かりながら腰を下ろして目を閉じた。辺りは人気がなく、空気がひんやりとしていた。 すぐに意識が朦朧としてきたが、複数の足音が聞こえてきたので私は目を開けて辺りを見回した。たくさんの登山者達が一列になって眼前の道路を行進していた。彼等は大きな荷物を背負い、一歩ずつ山道を登っていっていた。私はずっと傾斜になっていない道路を歩いてきたはずだったので [続きを読む]
  • 久々の夜明け
  •  「そろそろ夜が明けるようですね」と一緒に暗い夜道を歩いていた女が立ち止まって言った。 女の言葉を聞き、私は足を止めて後方に振り返った。すると、地平線付近の空が明るくなってきていた。 いつになく長い夜だった。ずっと沈黙したまま歩いていたので私は随分と久々に女の声を聞いたという気がした。陽光に照らされている女の横顔に目を向けたが、知り合いであるという気がしないので私は照れ臭くなって即座に地平線の方へ [続きを読む]
  • 去年の地上
  •  学校の休憩時間中に教室の片隅で二人の少年が語り合っていた。 「地上ではまだ数ヶ月は寒さが厳しい季節が続くようだね。今年は何日くらい地上に出られそうかな?」 「去年は地上に出たの?」 「一日だけ出たよ。積雪がかなり残っていたから地表の様子はわからなかったけれど、天気は良かったよ。太陽が眩しかった」 「太陽か。僕は去年、地上の宿泊施設で一泊したよ。いちいち地下街に戻らなくて済むから生まれて初めて日の [続きを読む]
  • 去年の太陽
  •  「そういえば、去年の太陽はどこへ行ったのでしょうね?」と女が言った。 私達は小高い山の頂きにある展望台で大勢の人々と共に初日の出を拝み、徒歩で山道を下っていっているところだった。既に太陽は空高くに昇っているのだが、周りに生い茂っている木々が日差しを遮っていて山道は薄暗かった。 「さあ。どこへ行ったのでしょうね」と私は返事をした。それは世界中の科学者や宗教家達が数千年も昔から議論していながら未だに [続きを読む]
  • 今年の太陽
  •  「いよいよ今年の太陽が出てきそうですね」と女が言った。 そこは小高い山の頂きにある展望台だった。初日の出を見ようと集まった大勢の人々で賑わっていた。私も真夜中に自宅から出発して徒歩で展望台まで登ったのだったが、暗闇の中で待機している間にたまたま知人の女性に声を掛けられ、それから二人で会話をしながら時間を潰していたのだった。 辺りがざわざわと騒がしくなってきていた。新しい太陽の光が遠くの空をぼんや [続きを読む]
  • 山を案内する夢
  •  また同じ場所だと私は思った。何度となく同じ光景を見た経験があるので私はここが夢の中であると即座に確信した。 目の前に登山道の入口があり、山頂までの道程を示す簡単な地図の標識が立っていた。私はその標識の脇に立ち、人々が登山道に入っていっている様子をぼんやりと眺めていた。 「山頂までは何時間程掛かりますか?」と年老いた女性に問い掛けられた。 「半時間くらいですよ」と口が勝手に動いて即答した。そのせい [続きを読む]
  • 五つ目の女
  •  墓地を歩いている夢を見た。周りには木造の古い家々が幾つも建っているだけで墓石などはどこにも見当たらないのだが、どういうわけか私はそこが墓地であると認識していた。  歩いていくと前方に一人の女性が現れた。女の顔には目が五つもあった。しかし、それを見ても私はまったく驚かなかった。人間には眼球が五個あって当然であるという気がしていた。 女の方から私に挨拶してきた。彼女は笑みを浮かべながら「こんにちは」 [続きを読む]
  • 石頭の女
  •  墓地を歩いている夢を見た。周りには木造の古い家々が幾つも建っているだけで墓石などはどこにも見当たらないのだが、どういうわけか私はそこが墓地であると認識していた。  歩いていくと前方に一人の女性が現れた。彼女の頭部は大きな丸い石で出来ていた。粗雑な筆遣いで落書きのように目と鼻と口が描かれているのだが、それらが丸い石の表面を滑るように動いて笑みを作ったので私は驚いた。彼女は「こんにちは。久し振りです [続きを読む]
  • 蛙女
  •  墓地を歩いている夢を見た。周りには木造の古い家々が幾つも建っているだけで墓石などはどこにも見当たらないのだが、どういうわけか私はそこが墓地であると認識していた。 細い曲がりくねった道を歩きながら私は家の前を通過する度にいちいち表札の名前を読んでいっていた。『ミイラ』だとか『ゾンビ』だとかいった化物の名前ばかりが目に付いていた。 歩いていくと前方の角から一人の女性が現れた。私はその女性を見て驚いた [続きを読む]