海風 さん プロフィール

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海風さん: 海風の徒然なるままに
ハンドル名海風 さん
ブログタイトル海風の徒然なるままに
ブログURLhttps://ameblo.jp/fu16-kai19/
サイト紹介文イケメンですねの本編の続きと別次元を書き、今はキャラをお借りしてパラレルを書いてます。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供163回 / 365日(平均3.1回/週) - 参加 2011/07/06 19:14

海風 さんのブログ記事

  • 静寂にして尊大に 76
  • 国境にいる煌国の兵、ミニョの手紙を見ていないミナムは、まだ煌国の兵に警戒心を持ったままだ。だから、門に近づく事はせずに草むらに身を潜めていた。 ミナムはこの門をくぐる準備をさせながら、これまでの事を振り返っていた。実際、ミジャから届いた手紙には疑いってだけで、早とちり、勘違いの類(たぐい)かもしれない事は否めないからだ。だが、この十二年そんな話は一度も出なかったからこそ慌ててここまで来たのだ。 そし [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 75
  • テギョンが生きていれば・・・ シヌはジョンヲルの屋敷に着いてもなお考えにとらわれていた。そこに「お待たせしました。」と、ジョンヲルが入ってくる。 シヌの瞳は何かを確かめるようにゆっくりとジョンヲルに動いて、やはり違うと息を吐く。 「何か?」 訊ねるジョンヲルにもシヌは重なる何かを探すのだが、こうして見てもまとっている空気が違うのだ。シヌの頭は目の前のジョンヲルを見ながらテギョンの事でいっぱいだった。 [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 74
  • ユ大監の息子ならば、どれほどかと思っていたギョンセは、目の前で頭を下げている子供っぽさの残るロイに眉を寄せていた。 「そちがロイか?」 ギョンセが確認の言葉をかけるとロイは紅顔をほころばせて返事をする。何の邪気もないロイにギョンセは戸惑い、 「リセ王女に賭け事を教えたのは本当にそちなのか?」 さらに確認を重ねる。 「はっはい・・・申し訳ございません。」 慌ててロイは平伏した。一国の王女に賭博など、普通に [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 73
  •    守るべきもの ジョンヲルとリセの密会から数日後、ラナは今までと同じように皇宮を訪れた。皇帝陛下の前で、いつもと同じようにご機嫌伺いの挨拶をして、次にいつもなら皇宮外の楽しい話となるのだが、今日は嘘を並べなければならない。 ラナは緊張からゴクリと唾を飲み込んで、申し訳なさそうな作り笑いを浮かべた。それから、起こらないでほしいと前置きをする。 ギョンセが渋い顔に変わるのを見ながら、ラナはリセ王女と [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 72
  • 眠っていた護衛が目を覚まし、慌てて王女の所へ駈け込んでいく。手にしている盃、酒に何か入れて抜け出したか、誰かと会っているのではと考える。だがリセは、ラナとそれからいつ来たのかは分からないが、ロイとともに賭けをして笑って遊んでいた。 「どうかしたの?」 ラナの言葉に何でもありませんと護衛兵は首を振る。監視の者もそうだ、疑いは残っても、眠ってしまったのだ。失態を報告する者などいない、これまでと同じで、「 [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 71
  • 「それはきっかけにすぎません。」「・・・・・・・何を知っているの。」 ジョンヲルの言葉にラナが訊く。 「ラナ皇女もご存じのはずです、幽閉を決められたのは皇帝陛下だと。」 低い声が制するように言い、ラナは何も言えなくなった。だが今度はリセが訊く、 「幽閉、テギョン皇子は死んでいないの?」「いえ、すでに亡くなられています。 それより、王女が婚姻を拒むのはその手紙ゆえなのですね。」 ジョンヲルの言葉にリセは [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 70
  • 遡る十二年前の晏国、執務室で仕事をするアン王のもとに訪れたリセは、まだ何も知らず純粋な美しさを見せる王女であった。 そんなリセの目に長椅子でうたた寝をするアン王が映る。 【お休みでいらっしゃいますか、先ほどまで考え事をされていたのですが・・・】 上掛けを掛けるリセにお付きの宦官が言う。 【このところ、何かお悩みのご様子で、夜もよくお休みになれずにいらしたから、 今は休んでいただきましょう。】 リセは宦 [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 69
  •    あの日の真実 三度目の蘭朱閣、今日は先に妓生の舞を見て琴を聞くというラナに、これまでとは順序を違えて、琴を持ったワンとサユリが入っていく。 中から聞こえる琴の音、そして扇子の音と衣擦れの音、しばらくして琴が鳴りやむとワンが出てきた。 部屋の前には料理を運んできた者が待っていて、料理を乗せた盆の下には、この後の手順が書かれた紙が隠されてあるが、もう誰もそこまでは確認しない。ワンがその紙ごと盆の料 [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 68
  • ジョンヲルの言ったように、ラナはリセとともに蘭朱閣にやってきた。もちろんたくさんの護衛を引き連れてであり、その中には監視の者が紛れこんでいる。 蘭朱閣の最初の門をくぐる前に、まず中の様子が確認され、次の門まで速やかに移動したのち、行首のワンが出迎える。 「ようこそお越しくださいました。 お部屋にご案内いたします。 ささ、こちらにどうぞ。」 ワンに案内された部屋は重要人物らしく豪華な特別室が用意されて [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 67
  • 「会わせたいというのはリセ王女ですか。」 ジョンヲルは淡々とした調子で訊き返した。 「さすがね、どうして分かったの。」「答えはラナ皇女がおっしゃったので・・・」 また口元に笑みを浮かべて言う。 「私が?いつ?」 声に出して言いながら、ラナは気にしないと言うかのように手を上げてその話を打ち切ると、話を次へと進めようとする。 「最後の質問ね。」「すでに三つ答えたはずですが・・・・」「何よ、答えなかったものも [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 66
  • 宴で行われる舞が、群舞ではあっても妓生によるものだと、リセは知っていた。確かに晏国にはない芸術ではあるが、今更それを見せたいというラナ皇女の考えが分からなかった。 「ファラン皇后もいる宴で、心から楽しめるのかと思って・・・」 意味ありげにラナは言う。リセはファランの名が出たことで、何を知っているのかと眉を寄せてラナを見た。 「蛇の道は蛇ですよ。」 言ってラナが微笑む。 「・・・・妓生の舞を・・・・・見 [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 65
  •    ラナ皇女の依頼 ジョンヲルは時間をかけてリセ王女と会おうと考えていた。その為の準備を始めてもいた。だが、思わぬところから運命の輪は回りだす。 皇宮に来たラナが、落胆しているジェルミに気付いた事がきっかけとなった。 「元気がないわね、どうかしたの。」「・・・姉上。」 突然の声に座りこんでいたジェルミは立ち上がり、頭を下げて挨拶をする。だが悩んでいる事の内容を伝える事はためらった。そんなジェルミにラ [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 64
  • ジョンヲルは、午後に差し掛かってもミニョの顔を見ない事が気にかかりだした。 朝は避けているのだろうと考えたが、これほどまでに見かけないのはおかしいと思ったのだ。そして、山に行くと言っていた事を思い出した。 まさかとは思うが、また一人で山に行ったのかと考えると、すぐさまフニにミジャを呼んでこさせる。 「お嬢さまなら山に行かれましたよ。」 なんで気に賭けるのかって顔で、ミジャは仕方なく答える。 「一人で行 [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 63
  • 翌朝、ジフンのもとにジョンヲルの屋敷が襲撃にあったとの知らせが届いた。慌てて屋敷に向かったジフンは、ちょうどリセ王女の事を相談しようと思っていた矢先だ。 「先生ー! ジョンヲル先生ー!!」 ジョンヲルの屋敷に飛び込むと大声を上げる。 「これはジフン殿下、朝早くからどうされました。」 何事もなかったような声でジョンヲルは訊ねる。 「襲われたと聞いたから飛んで来たのだが・・・」 少し拍子が抜けた声でジフンが [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 62
  • ジョンヲルはもう一度口に指を立て、ミニョに静かに下りるよう促した。 恐る恐る下りていくミニョに続いてジョンヲルも下りていく。その途中で動かした棚に付けられた取っ手を引っ張ると、差し込んでいた微かな明かりが途絶えて、辺りは真っ暗になった。 下まで下りたミニョは、そこが小さな空間になっている事は分かったが、すぐに暗くなった事で動けなくなった。 ジョンヲルの持つ小さな火が、壁に置かれた明かり用の蝋燭に移さ [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 61
  •    俎上の魚 報告を受けたファランは憤っていた。 前回同様、王女を迎える大役はジフンが行うものだと思っていたからだ。それを第五皇子に奪われた事は癪に障って仕方がなかった。これではジフンとリセ王女の仲を進められないと眉を寄せる。 だが、シヌでなくてよかったと思いなおした。あのジェルミならなんとでもなると考える、それよりも問題なのはあの歌の方だ。 ファランは出所を調べさせた結果が、あの謀士の所であった事 [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 60
  • ギョンセ皇帝のもとに晏国の使節団が国境を越えたとの連絡が届いた。 武術大会の時のようにリセ王女と数人のお供での訪問ではない、友好関係を築く為に遣わされる王女の、視察を兼ねた長期滞在を目的とした来訪だ。 すでにギョンセ皇帝にはアン王からの公式文書が届けられ、同行する者の中には大監も数人いるという、大行列での訪問だ。 朝廷の中には間者が紛れ込む恐れがあると危惧する者もいる。だが斉や周といった近隣国や煌国 [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 59
  • ジョンヲルは少しゆったりとした気分だった。ジフンはリセ王女の事で軽率には動かないだろう、なら芥子も今は動かす事はしないだろうからだ。 「ヲルさま。」 そこにフニが来て声をかけた。 「なんだ。」「ユ・ロイが来ています。」 ジョンヲルは少し考えて会おうと返事をする。入って来たロイは姉に話してしまった事を謝った。 賭場に通い続けていた事を、父に話すと言われて仕方なかったと理由を言う。 「別に構わない、それより [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 58
  • 慌ただしくなった皇宮とは違い、ジョンヲルの屋敷は今日も静かだった。 物乞いの子を使って歌を流したジョンヲルは、遅かれ早かれ訪れるだろうこの状況を読んでいた。 ラナがかつて皇宮外に居ながら信じて動いてくれた事、だがその事によってテギョンの忠臣が無実の罪で貶められた事も、陋屋の宮殿の逃げ出してから知る事になったジョンヲルは、以前より用心深くなっているラナが、とるだろう行動を予測しての布石でもあったからだ [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 57
  •    晏国からの客人 歌詞に気付かなかった者も、気付いた者から説明を受けて、いつか陛下の耳にも届くのではと戦々恐々となる。 あの時の火事のいきさつを調べ直すよう指示を出す者、残された黒炭となった遺体の検分を記した書を調べ直す者、皇宮内がざわめき立つのを、ファランはいら立ちながら待っていた。 大監の間で、皇后に相談するべきか否かで意見は二分し、ただただ、ざわめきだけが大きくなっていく。 「どういう事か説 [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 56
  • 雨に濡れたジョンヲルの手を取るミニョを、庭を挟んだ離れからミジャが見ていた。 それは本当に偶然だった。雨の為、ミニョが大部屋を借りて、籠に分けた薬草をさらに手を加えるのに広い場所が必要だったからだ。 作業を始めた時は離れて座っているのが見えていた。お嬢さまには何度も近づきすぎないようお願いもした。だけど肝心のそのお嬢さまが聞く耳を持ってくれない。いつ謀士風情がお嬢さまに手を出すかもと心配は尽きないっ [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 55
  • 案内されて入って来たヘイは、まずジョンヲルをそれからミニョを見た。 その視線にミニョが出て行こうとする。それをジョンヲルは、ヘイを見たまま手を上げて止め、「私に何か。」と短く訊く。 「あなたでしょう、弟のロイを紅芍閣の事件に巻き込んだのは・・・」 立ったままで話しだしたヘイに、ジョンヲルは黙って座るよう手をかざし、ヘイはその場に座ってすぐに次の質問を投げかける。 「今も何かさせているの。」「・・・彼は [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 54
  • なにからどう話せばいいのか、ロイは口を結んだまま困ったようにヘイを見た。 「あなたが、シヌ皇子に伝えたのね、ロイ。」 睨むように見たままで訊いてくるヘイに、無言で頷く。 「本当に知っていたの? 紅芍閣にも出入りをしていたの?」 頷く事はできても答える事は出来ない、困ったようにロイは目を上に向けて言葉を探し、 「誰に聞いたの?」 ヘイの矢継ぎ早の質問に、手をかざして止めようとする。 「待ってください姉上、 [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 53
  •    それぞれの思惑 皇宮の外にいるラナ皇女の耳にも、皇宮での情報は入ってくる。カン大監の事件ではその後の動きを逐一報告を受けて、ジフンの失脚を楽しみに待っていた。だが思うような展開にはならない事に、自分が何か考え違いをしているのかと思う。 あの歌から仮面の謀士は第三皇子に関わりがあった者だと考えた、先頭に立って弟であるテギョンを幽閉に追いやったジフンと、母親でありながら嘆願一つせずに幽閉されたまま [続きを読む]
  • 静寂にして尊大に 52
  • 揺さぶる―――、シヌはどうすればジフンを揺さぶれるのかを宮殿に戻ってからも考え続けていた。 本当に官船を使って持ち込まれているなら、煌国に害する物が入ってくるのを阻むべきだ。それによって証拠を得る事が出来るし、揺さぶりをかける事も出来る。 だが、ジョンヲルが言ったように、調べられるとなれば荷を持ち込まないよう指示が出るかも知れない。 シヌは迷っていた。そうならないようにするためには秘密裏に行動すべき [続きを読む]