花見だんご屋 さん プロフィール

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花見だんご屋さん: 緑の日々
ハンドル名花見だんご屋 さん
ブログタイトル緑の日々
ブログURLhttp://cotton2009.blog99.fc2.com/
サイト紹介文素人の初心者が気持ちの整理に書いてます。キイワードは三流サスペンス、貴族、親子。更新不定期。
自由文舞台は欧州のI国。主人公は金髪美少年。
相手(?)はN国人のおっさん。
(隠れ主役は銀髪の中年過ぎの男性)
ご都合主義なインナーワールドのお話です。

愛って、家族って何だろう。
強いってどういうことだろう。
優しいって何なの、と自分なりに考えて
書いています。目指すはハッピーエンド!
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供14回 / 365日(平均0.3回/週) - 参加 2011/07/17 00:42

花見だんご屋 さんのブログ記事

  • 第四十話 貢ぎ物 2
  • 私は綺麗なものが好きだ。美しい空、美しい庭、美しい芸術、そして住まいも音楽も絵画も文章も、詩も。美しいものを目の当たりにすると、素晴らしい癒しがある。美しいと感じることのできる感覚は泥沼のような人間の本能に根差す欲と罪を一瞬でも洗い流してくれる。派手とは違う。豪華とも違う。華美とも違う。勿論、贅沢とは理を異にする。美は自然であり英知であり知性であると信じている。私にとって美しいと感じるのは幸せであ [続きを読む]
  • 第四十話 貢ぎ物 1
  • ちりちりと鳥たちの軽快な歌が耳を擽る。空気がゆうるりと揺れる。ファーガス氏は薄目を少しばかり開く。すると先程まで闇黒で包まれていた部屋はもう柔らかな白い陽に満たされていた。白木枠の窓から漏れる陽はベッドの上でだらりと呆けるように眠りを貪っていたファーガス氏の頬に光の粉をばら撒く。ファーガス氏はその光の粉の悪戯を楽しむようにぼんやりと微睡んだ。窓からの光だけで昨夜あんなにも闇に支配されていたファーガ [続きを読む]
  • 第三十九話 邪曲 9
  • ファーガス氏はもう頭で考える事を止めていた。考えられなかった。だって一体誰がこの状況で頭を働かせられる?そんな人間はきっとこころの病気で治療が必要な人種だ。人間が体を合わせる快楽は何にも増しての癒しだとファーガス氏は知っている。だが自分にはそんなものはもう必要ないと思っていた。二十代の駆け出しの頃にはまだ恋人がいてこんな愉しみも散々経験はしたけれど。仕事に没頭する自分から恋人が去った時に決めた。仕 [続きを読む]
  • 第三十九話 邪曲 8
  • ローウェルは迷うことなく濡れた緑でファーガス氏を撫でるとその言葉が終わるより早くファーガス氏の手を伝い暖かい胸に縋りつく。縋りつかずにはいられなかった。自分は今直ぐそれが必要なのだ。人の皮膚が肉が、熱がひととの強い確かな間違いのない繋がりが。それがないとぼくはしんでしまう。だからローウェルはシーツが自分のからだからすっかり剥がれていくのにも構わず白い身体ひとつでファーガス氏の懐に入り込むと力なく緊 [続きを読む]
  • 第三十九話 邪曲 7
  • ひとりが怖いなんて子供の戯言だ。取り合う意味もない訴えに違いない。ファーガス氏は目の前の患者の為というよりは自身の精神の均衡の為そうひとりごち脳を整理しようと試みる。だが、実際の行動は患者と距離を取るのではなく、ローウェルに改めて真摯な目を向ける。ひとりがこわい、というのは重要なキーワードかも知れないとファーガス氏は心を新たにしたつもりだ。ただそれが分かったところで今の自分はそんなローウェルの心の [続きを読む]
  • 第三十九話 邪曲 6
  • ローウェルはファーガス氏が自分に差し出した言葉の意味がわからず緑を開き、手をじらつかせ戸惑いを隠せないでいる。いみが、わけがわからないチャレンジする?過去に?  ?こ わ く な く な るそんなことがあるわけがない、だって自分は体躯がもがれる様な恐怖をあの時確かに感じた、いや今だって感じている。この恐怖が  なくなる  ?その怖さが「なくなるわけがない、よ。ミスター」「ん?何かな。」「なくなるわけがな [続きを読む]
  • 第三十九話 邪曲 5
  • それから暫く、ローウェルは顔に表情のないまま単語のような、詩のような、簡単な、意味の解らない、とりとめのない言葉を綺麗な形の口からぽつり ぽつりとまるで魔法の呪文のように吐かせる。ぼくはみずいろのシャツを  着 てたたのしくておばさんちからもらった、おとうさんはほのおみたいなかおだったこわいなにもしらないマークのおさがりでくろいおおきなて、ぶあつくておもくて、どろどろしててとがってたうごけなかった [続きを読む]
  • 第三十九話 邪曲 4
  • ローウェルは古びた小さなチャーチチェアに細い腰を預け頭の先から身体までを全部シーツで巻き込みそこから飛び出した両手でファーガス氏から先程渡された水の揺れるグラスを抱えて緑をそれに落とし口を閉じたまま背中を小さくしていた。足だけは裸足だ、室内履きさえ履いていない。シーツから白い膝下を出して綺麗な曲線を床まで落としている。シーツの下にパジャマを着ていないのか。ファーガス氏は怪訝に、僅かに眉を顰めた。暴 [続きを読む]
  • 第三十九話 邪曲 3
  • 夜が黒い幕で空を覆い隠し漆黒を際立たせる。この漆黒は雲であるのだ。きっと質の悪い雨雲であるからその所為で、緻密な設えの小さな銀の置き時計はもう午前の時間を指すのに今夜は美しい月も星一つさえ夜空に浮かばない。まるで私の心のようだとファーガス氏はサイドテーブルの小さな明かりだけを灯して半開きになった分厚いビロードのカーテンの間に覗く窓の外に目をやり硬い溜息を着く。自身のベッドルームのキャラメルを溶かし [続きを読む]
  • 第三十九話 邪曲 2
  • 問題なんて起こらない。そう信じてしまうのが無理もない程に美しい午前が終わろうとしていた。ファーガス氏は素朴な木枠の窓から差し込む心地よい午前の陽光に包まれ、静寂で美しい空気と時に響く野鳥の鳴き声に耳を遊ばせながら、本を捲る音や紙にペンを走らせる音、それにパソコンのキーボードを打つ音に酔いしれ自身の仕事に没頭していた。幅広で造りの強健なデスクの上に積まれた山のような難題はファーガス氏にとって自分を忘 [続きを読む]
  • 第三十九話 邪曲 1
  • 「どうも,ドクターファーガス。」かっちりとしたライトグレーのスーツをノーネクタイでカジュアルに着込んだキャメルの細い目をした青白い顔の青年はファーガス氏に小声で空々しい最低限の挨拶する。挨拶をすること自体この青年には苦痛なように。午前の日差しは瞬くように大窓を彩り本に溢れたリビングは陽に照らされた石柱群のよう、家の中がまるで大自然の御業のように無秩序な精密さで広がり青年を出迎えているのに、こんない [続きを読む]
  • 第三十八話 お忍び 4
  • そんなプリシラの頭の中の変化などローウェルにはわからない。だがローウェルにも分かる顕著な変化がプリシラに表れていた。暖かく打つ動悸、開かれる菫の瞳、皺の目立つ白い頬はその暖かさで色を変えている。プリシラの頬は本人も意図せずほんのりと赤みを差し先程まで怒りと緊張に震えていたはずの手は指は熱を通し緩い弛緩まで持っている。プリシラはローウェルの言葉をきっかけに思い出した、自身のごくありふれた小さな記憶を [続きを読む]
  • 第三十八話 お忍び 3
  • それからローウェルは、プリシラへの持て成しの為一生懸命絵本を朗読した。不自然に高い声、抑揚の不自然な調子ではあったが情感を込め段落を分けゆっくりとはっきりと、まるでプライマリ1年生の子供が教室で国語の教科書を先生の前で声を上げ読む程度には上手に読めた。だがローウェルの朗読はお持て成しとしては満足な出来栄えとはいかなかった。何せ声はバイオリンの壊れたような響きしかなく言葉運びもぎこちない。その上絵本 [続きを読む]
  • 第三十八話 お忍び 2
  • 結局なかなか話はつかず、プリシラとファーガス氏が書斎を脱出できた時にはもう日が変わり真夜中になっていた。あれから続いたファーガス氏の説明にプリシラは表面、もうわかったと納得はしたものの内心は未だローウェルをグロースタ伯爵だなどとは思えずそんな破天荒な事を言い出すファーガス氏に猜疑を抱かずにはいられない。プリシラの認識力の低さの原因は、真実を隠し続けた上で地位を守るためだけの己の命令が常に最上であり [続きを読む]
  •  第三十八話 お忍び 1
  • 診察なんて名ばかり、カウンセリングなんて一応そういったそれなりな大義名分をつけているだけ。ファーガス氏が女王陛下にしている一番有益な働きかけと言えば愚痴を聴くことだ。まず現女王陛下であるパメラ12世は正当な血統ではない。妾腹だ。彼女の小さな頃はもっと小さな弟のフィリップと、フィリップの父と母の元で幸せに暮らし自分がまさか女王になるなんて夢にも思わなかった。母は、自分の父は旅行者で行きずりの恋で。でも [続きを読む]
  • 第三十七話 買い出し 3
  • 手のひらを占拠するのがやっとの薄っぺらな透明プラスティックの袋に包まれた向こうが透けるほど薄い添加物の塊のような諄い朱色の生ハムに大量生産された薄いチーズしか入っていないサンドイッチとこれまた透明のプラスティックの小さなタッパーに大きなレタスの葉が数枚だけ入ったサラダ。幸いなのはレタスの葉が赤く変色していないことくらいだ。ドレッシング?プラステックの小袋に入った煤白い液体なんて。ないほうがましだ。 [続きを読む]
  • 第三十七話 買い出し 2
  • 大通り沿いに位置する観光客向けのパブは煉瓦の壁をそのまま生かしたアンティークな壁が売りだ。しかしその瀟洒な印象をぶち壊すかのように椅子とテーブルが白いプラスティック製なのが頂けない。折角の煉瓦造りの壁の美しさが台無しだ。カジュアルな、悪く言えば安っぽい印象しかもてない。だが幸いにもその簡単な内装が功を奏し観光客の入りやすい雰囲気を醸し出しているのも事実だ。また完全セルフサービスも手伝い価格も手頃と [続きを読む]
  • 第三十七話 買い出し 1
  • 「ねえ、君一人?お茶飲まない?酒の方がいいかなぁ?あー、全然大丈夫、俺怪しいもんじゃないって。」男はにたー、っと分厚い唇を盛り上げ饒舌に磨きをかけてローウェルに覆いかぶさるように近づいてくる。明らかに軟派だ。この国では地方や田舎はK教の規律を守り封建的だが都会や観光地では恋愛の自由度は高いしホモだって常習化している。つまり男が、自分の好みの男に声を掛けるなんてのはこのW市ではごく普通の光景である。 [続きを読む]
  • 第三十六話 公子と子供 17
  • そのファーガス氏の真っ当でいて屈託のないそして何より王族に対する畏怖に欠けた態度にエリオットは恨みと怒りが脳天で合わさり火を噴いてもおかしくないような熱に脳が侵される。黙り平服し自分に従う数多の側近やSP兵士を群れにして、それでもエリオットに心の平穏は皆無なのだ。自分に向かう全ての人間が自分に従わねば黒く重い煙に体中が覆われ侵略されるような恐怖に侵されてしまう。酷い不快感だ、身体が硬直し熱が奪われ [続きを読む]
  • 第三十六話 公子と子供 16
  • その美麗な顔が大窓から溢れる白んだ午後の陽光に照らされたその瞬間を残念ながらエリオットはその青に納めてしまった。凝視などしなければバスタタオルに隠れた気狂いの顔など高貴なこの青に映すことはなかったのに。見てしまったのだ。あれは確かに美しいグロースタ伯爵の顔だ、あれ程均整の取れたしなやかな品のある貌などそうあるものではない。エリオットはローウェルの顔が16歳のそれになった途端に衝撃の余り一度腰を預け [続きを読む]
  • 第三十六話 公子と子供 15
  • ファーガス氏は陽に白く輝くタオルを手にエリオットに軽い会釈をするとひょいと身を屈め、泣き叫ひ疲れて声のトーンを落とし泣きじゃくるローウェルに大丈夫かい、と穏やかな声を差し出した。ローウェルは頬に走る激痛と恐怖で今まで世界と自分を遮断するべく泣き叫ぶことで作り上げていたバリアを解きミスター、と真っ当な声で呟いた。涙に濡れ朝日を浴びる露のように輝く緑がファーガス氏の顔を捉え、一度は安堵した表情をみせた [続きを読む]
  • 第三十六話 公子と子供 14
  • 怒りで燃え盛ったエリオットには初めファーガス氏の言葉が全く耳に入らず、鋭利な刃物のように尖った青でファーガス氏を貫いただけだ。ファーガス氏はエリオットの様子より自分の言葉が伝わっていないことに気づき今度は幾分語気を強めきっぱりと伝える。「エリオット公子殿下。貴方のご要望であるところの、美しい伯爵をご覧にいれようというのです。ここは私の言う事をお聞きになった方が得策だと思うんですがね?バスタオルを一 [続きを読む]
  • 第三十六話 公子と子供 13 
  • 公子殿下が仰られる厳命である。司令官はそれに機械的に素早く応対し剣捧げ!と激を吐いた。その指令が終わると同時にローウェルを取り囲む衛兵達は銀にすらりと伸びるサーベルを華やかな鞘から抜き取ると鋭利に煌く長い刃を空に挙げた。一斉に捧げられるサーベルの刃は洗浄した骨のように美しく統制のとれた衛兵達の動作は申し分ない。次に司令官が突け  という号令を出せばそれで衛兵達は空に掲げた刃を一斉にローウェルに突き [続きを読む]
  • 第三十六話 公子と子供 12
  • ローウェルはエリオットの足底の重みを受けながら一体今何が起こっているのか理解できず緑をぱちくりとさせた。だが次の瞬間には背中から痛みが走りその痛覚を導に頭の中にこの処遇の意味付けは終わっている。小さな心のローウェルはエリオットの暴挙に歯を剥きなにすんだ!と声を高くしてエリオットを緑で睨みつけその足から逃げるべく肩から身体を反転させ上半身だけだが起き上がるのに成功した。そうだ、こいつはてきなんだ!へ [続きを読む]
  • 第三十六話 公子と子供 11
  • ローウェルはきょとんと緑を丸めて目の前のソファで足を組み苛々と肩に力を込めるエリオットを確かめる。気品溢れる美しい若者はこの世の者とも思えない程青を吊り上げ眉を歪めて恐ろしい形相でこちらを睨んでいた。ローウェルはがっちりとしたロープで縛られ数人の衛兵達に取り囲まれてエリオットの前に差し出されている。ぐしゃぐしゃの金髪にはまるで出鱈目な髪飾りのように銀燻した月桂樹の葉が飛び交いシャツもボトムも土と草 [続きを読む]