優祈 さん プロフィール

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優祈さん: BL的せつない恋のはなし
ハンドル名優祈 さん
ブログタイトルBL的せつない恋のはなし
ブログURLhttps://ameblo.jp/meimei403/
サイト紹介文せつない系BL小説(R18)・4こまマンガメイン(病弱受け)ドS上司と健気受け短編BL。コメディ系もアリ
自由文BL4コマ漫画更新してます。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供38回 / 365日(平均0.7回/週) - 参加 2011/08/18 06:20

優祈 さんのブログ記事

  • ぼくのまほうつかい #114
  • 「おうち、いっぱいおへやあります。 でもぜんぶ、どあ、しまってます。 かってにはいったらおこられます」 「じぶんのおへやにいつもいます。でたらダメです。 おふろ、ときどきはいります。そのときは、おへやでます」 拙い言葉で、それでも一生懸命思い出しながら詩音は自分が暮らしていた様子を話していく。詩音の置かれていた環境について、その拙い説明を聞くだけでも胸が詰まりそうになる。訥々と話す詩音に、両親につ [続きを読む]
  • ぼくのまほうつかい #113
  • *** それから数日が経って、岩見から改めて今後についてを聞かれた。そのタイミングで改めて詩音本人に、自分の家族の事や家の事覚えている範囲でいいからと、話すよう尋ねてみた。 日曜日の午後。詩音のおやつにと、サンディさんが作り置きしてくれている人参マフィンとミルクをカウンターで食べ終えた詩音をリビングのソファーへと呼び、並んで座りそれとなく話を振ってみる。 本当は詩音からここへ来るまでのことを聞くつも [続きを読む]
  • ぼくのまほうつかい #112
  • 思い返せば私のこれまでの人生は、常識や規則に従うことだけを「正しいこと」だと認識し、それから逸脱することは悪だと思い生きて来た。 大人の言うことには逆らわない。 決まり事は守って当たり前、感情に任せて発言するなどは愚かな人間のすることだと思っていた。 そんな私を変えてくれたのは詩音だ。 詩音が私の前に現れてから、私の中の頑なな生き方は確かに少しずつ変わって行った。 以前の私ならパジャマのまま寝癖のつ [続きを読む]
  • ぼくのまほうつかい #111
  • 翌日の日曜日。 私と詩音は珍しく寝坊をした。 いつもは休日とはいえ、決まった時間には起床し身支度をして朝食を摂る。しかし今日は夕べの酒が効いたせいで思いのほか熟睡してしまった私と、笠間愛子との再会に興奮し、なかなか寝付けなかった様子の詩音が目を覚ましたのは時間的に言えば昼食の準備をしてもいいくらいの時間だった。 「せんせぇ、おねぼうです。ぼくもおねぼうです」 私より数秒早く起きた詩音が、ベッドの上に [続きを読む]
  • ぼくのまほうつかい #110
  • お互いグラスを4、5杯空けた頃、明日は日曜だが仕事だという岩見が腰を上げる。 「まあ、今後の事はじっくり考えて結論をしっかり出してから対応しよう。 早急に笠間さんから証拠書類を受け取ってまずは裏取りと検証だな。 時間はかかると思うが」 「ああ。その辺りはお前に任せっきりになるが……すまんな」 「気にすんな。全部終わったら家族3人で温泉旅行だな、三上の驕りで」 「だから何故3人家族なんだ」 「俺にとって三 [続きを読む]
  • ぼくのまほうつかい #109
  • 笠間愛子を見送った後、興奮気味の詩音を風呂に入れ眠るよう先にベッドに横にさせてから、リビングで一人、さくらカフェで土産に貰ったフィナンシェ片手にスコッチを飲んでいる岩見に合流する。 「詩音は寝たのか?」 「ああ。随分興奮してまだ話したそうにしていたが、何とかな」 「仕方ないさ。俺だって興奮して今夜は眠れそうもない」 「……。お前に付き合う気はないからな。先に断っておく」 「もー。相変わらず冷たい男だ [続きを読む]
  • ぼくのまほうつかい #108
  • 階段を駆け上がる音。ドアを開ける音。閉める音。再び廊下を走り階段を駆け下りる音がした後号泣する笠間愛子の泣き声と、その宛らで途方にくれる大人三人の困惑した空気の中に走り込んで来た詩音は泣き崩れるように膝をつき、俯き泣いている笠間愛子の前に立つと、そっと彼女の髪を撫でた。 いいこいいこ。 私がいつも詩音にそうするように。 その突然の詩音の行動に驚いたのか、泣きながらも顔を上げた彼女の顔を見ると今度は [続きを読む]
  • ぼくのまほうつかい #107
  • 「そろそろ帰ります。遅い時間にお邪魔しました」 何となくぎこちない空気の中、笠間愛子が思い切ったように言う。時計を見ると既に22時を回っていた。 自宅まで車で送るという岩見の申し出を断った笠間愛子に、それなら最寄りの駅まで自分の車で送るとサンディが言い出し、それも断る彼女に駅まで結構な距離があると説明し半ば強引に了承させた。 彼女の帰宅を聞き、急に笑顔を萎めた詩音はそれでも彼女と手を繋ぎ玄関まで見送る [続きを読む]
  • ぼくのまほうつかい #106
  • 話が終わり、岩見と共にリビングへ戻ると笠間愛子と並んでソファーに座っている詩音がいち早く私達に気付きソファーから跳ねるように立つと私のもとへ駆け寄り飛びついて来た。 「あいちゃんにせんせぇのこと、いっぱいおはなししました!」 「せんせぇになまえ、もらったこともいいました!」 「それから、えっと、えっと」 思いつく全部の事を話したいけれど、上手く話せない様子の詩音の頭をグリグリと撫でてやると、ただでさ [続きを読む]
  • ぼくのまほうつかい #105
  • 「お前、変わったな」「別に変わってなどない」「いや、変わったよ。以前のお前なら、詩音の気持ちなんて考えることなく ただ、罪は罪として裁くべきだとか言い出してたはずだ」「……」「誰かの気持ちを考えて行動しようなんて。らしくねーな、三上せんせぇ」「……黙れ」「らしくないけど、俺は今の三上の方が数倍、いや、数百倍好きだよ」 ニヤリと笑った岩見に背中をバシンと叩かれた。 「大丈夫だ、安心しろ。事態がどう [続きを読む]
  • ぼくのまほうつかい #104
  • 「まあ、お前の気持ちはわからんでもないがな。 あの話が全部本当なら 詩音の家族はとんでもない犯罪者だ。 このまま何もなかったまま放置できるようなことじゃない」確かにそうだ。障害があるからという理由で、自分たちの為に世間から隠す為というくだらない理由で詩音の存在をこの世から抹消した。許されるべきことではない。 決して許すべきではない。 「勿論、真実がどうかはきちんと裏を取ってからしか動くつもりはない [続きを読む]
  • ぼくのまほうつかい #103
  • 「少し考える時間が欲しい。 詩音だっていきなり状況が変われば混乱する。 告発する前に詩音にも話すべきだと思う。理解できるかどうかは分からないが」 急展開に私自身が付いて行けていないのに、事を急いて進めてしまえば後で後悔することになるかもしれない。詩音にとっても、私にとっても。 「せめて誕生日が来るまで。15になるまで待って欲しい」 詩音の誕生日であるクリスマスイブまで2週間足らず。14歳の子供より、少し [続きを読む]
  • ぼくのまほうつかい #102
  • 「しかし、こんな現実味のない話を準備もなく話したとしても まともに取り合ってくれるかどうか」 笠間愛子の言葉に岩見が難色を示す。 「すべてを証明出来るだけの証拠は、以前から揃えて保管しています。 それがあれば信じて貰えると思います」 「そうですか。ではその証拠を持参して貰えますか。 警察には私も同行しますよ。貴方一人で行くより弁護士が一緒の方が 警察も最初から真面目に取り合ってくれますからね」 「あ [続きを読む]
  • ぼくのまほうつかい #101
  • 彼女の真面目な性格を表すように真っ直ぐに並ぶ二つの数字の列。その羅列を見て私は、ああ、詩音は今月には15歳になるのか。クリスマスイブが誕生日ということは、プレゼントは二つ用意すべきなのか?他にも沢山考えるべき事柄があるだろうに、頭の中にはそんな漠然とした思いしか浮かんでは来なかった。 しんとした空気の中、自分でも自分の反応を不可解に思いながらも整然と書かれた数字を見ていた。 「あの子をあの場所に置 [続きを読む]
  • ぼくのまほうつかい #100
  • 笠間愛子からの聞き取りを終え、再び少し不自然な沈黙が狭い事務所に訪れる。さっきまで冷えていた事務所内は、空調が効きすぎてきたのか少し暑く感じるくらいで、乾燥した空気のせいか乾いた喉にすっかり冷え切ったコーヒーの残りを全部流し込んだ。 不条理さへの憤り。困惑。疑念。これから先への不安。 様々な感情が胸の中で渦巻いている。 知りたかった事実と知ってしまった事実。仮に笠間愛子の言っている事がすべて真実で [続きを読む]
  • ぼくのまほうつかい #99
  • 「もしかして、笠間検事ですか……?」「はい。伯父は検事です」「詩音の父親があの、鉄仮面だって?!」 驚愕した様子の岩見が素っ頓狂な声を出す。 「てっか……?なんだ?」 隣で大きな声を出されて、キンとする耳を不快に感じながら問い掛けるが詩音の父親だという人物を知っていたのだろう岩見はかなり慌てた様子で愕然としている。 「あ、いや、その、か、笠間検事がまさか」 「笠間慶一郎を知っているのか、岩見」 「知って [続きを読む]
  • ぼくのまほうつかい #98
  • 「あの子の父親の名前は、笠間慶一郎。母親は玲子です」 ついに彼女の口から詩音の両親の名前が告げられた。 笠間慶一郎笠間玲子 それが詩音の実両親の名前。詩音の全てを否定し、拒絶し、生きていることすら無かったことにした人物の名前。 その名前を聞いた瞬間の私は、自分でも不思議なくらい冷静で落ち着いていた。詩音の生い立ち、私の元へ保護されるに至るまでの出来事や経緯を聞いている間に生まれた怒りの感情をぶつける [続きを読む]
  • ぼくのまほうつかい #97
  • さっきまでとは違う緊張感が走る。それまで岩見が尋ねることすべて、躊躇することなく答えていた笠間愛子の唇が小さくきゅっと結ばれ、言葉を途切らせた。 両親の名前を言う。それはこれまで何年も一族で隠してきたことが全て明るみに出すということだ。覚悟を決めたとはいえ、彼女が躊躇する気持ちは理解できる。岩見も同じように感じているのだろう、決して答えを急かすようなことはせず彼女が自らの覚悟で答えるのを待っている [続きを読む]
  • ぼくのまほうつかい #96
  • 予想していた内容よりもずっと、笠間愛子の独白で知った詩音の過去は壮絶なもので、彼女の話をただ黙って最後まで聞いていた私と岩見は暫く言葉が出なかった。 話している間ずっと、後悔と罪悪感を綯い交ぜにした複雑な表情を浮かべていた笠間愛子だったが、話を終えるとどこかすっきりとしたような、覚悟を決めたとわかる強い視線を私達に向けている。 空調の効いてきた事務所の、一旦止まってしまった空気を動かしたのは岩見だ [続きを読む]
  • ぼくのまほうつかい #95
  •  それから彼女はある場所を目指して再び車を走らせた。そう、彼女が向かったのは私のクリニック。HPで三上クリニックの場所を確定したそうだ。詩音があの路地に放置されていたのは偶然ではなく、彼女が画策した必然のことだった。彼女と私は以前、出会っていたのだ。アメリカから帰国して暫く、彼女はほんの数週間ではあったが私が週一で非常勤をしている大学病院で研修を受けていたらしく、そこで私のことを見知ったという。 「 [続きを読む]
  • ぼくのまほうつかい #94
  • その絵本を見たとき、彼女はある策を思いつく。詩音を伯父の元に帰すことなく治療を受けさせる方法を。 車内の明かりを点け、痛みに苦しむ詩音に彼女は絵本を見せた。そして話して聞かせた。絵本の中のまほうつかいが、怪我をして泣いている少年の傷を治しているページを見せながら、あんたの怪我も魔法使いが治してくれると。だから魔法使いを見つけなさいと。 魔法使いを見つけたら友達になるの。いい子にしてたら魔法使いはあ [続きを読む]
  • ぼくのまほうつかい #93
  • 「その言葉を聞いたとき、間違ってないと思いました。 勿論父や伯父がしたこと、それを知っていながら黙っていたことは間違っています。 だけど、衝動的で計画性も何もなかったけど、あの子をあの家から連れ出した事だけは 間違ってないと思いました」 それから彼女は高速道路を降り、通りかかった知らない海岸沿い埠頭に車を停めこれからどうするかを必死に考えた。 自分の家に連れて行き、衰弱し傷を負ったこの子の治療をす [続きを読む]
  • ぼくのまほうつかい #92
  • 危機感に押されるまま、突発的に伯母の家を出た後彼女は行くあてもないままに詩音を乗せた車を走らせた。 とにかく遠くへ。この子がどこかで見つかったとしてもあの両親の元に戻ることのないように。 そう願いながら1時間程高速道路を走った頃それまで意識を失っていた詩音が目を覚ます。一旦車を停め、後部座席に乗り換えて詩音の身体の傷の状態を確認しようとするが自分の状況が把握できない詩音は、彼女の問いかけになかなか答 [続きを読む]
  • ぼくのまほうつかい #91
  • 転がり落ちたのだろう、階段の下にうつ伏せで倒れている詩音は数ヶ月前、最後に彼女が会った時と比べてやせ細っていた。冬にも関わらず1枚しか着ていない薄汚れた半袖のTシャツの袖から伸びる、白い足と両腕には明らかに今出来たものではないとわかる痣がたくさん見られ、一瞬にして彼女は詩音が酷い虐待を受け続けていたのだと察した。 この子が勝手に稜太の部屋に入った。そのせいで稜太が発作を起こした。主人はそれすら私の [続きを読む]
  • ぼくのまほうつかい #90
  • 特発性拡張型心筋症。詩音の弟である、笠間稜太がこの病気を発症したのは9歳のとき。幼い頃から優秀だった笠間稜太に大きな期待を寄せていた伯父は落胆し、詩音に障害があることが発覚した時以上に伯母を酷く責めた。 そうした環境の中一人目の子供を諦め、二人目の子供を心の拠り所にしていた伯母の中で何かが壊れ始めた。元々精神的に弱いところがある伯母は、日に日に塞ぎ込むようになり詩音だけでなく、弟の稜太の世話すらま [続きを読む]