Kookaburra さん プロフィール

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Kookaburraさん: クッカバラの囀り
ハンドル名Kookaburra さん
ブログタイトルクッカバラの囀り
ブログURLhttp://kookaburra-coo.blogspot.com/
サイト紹介文クッカバラの囀りを皆さんにお届けし、思いを共感、共有できたら嬉しいです。快い囀りと響きますように。
自由文学生時代、車窓からのぞく青く輝く稲穂に願いをし、三つ目の願い叶って故郷を離れ、気がついたら一人。あれから20余年。正確には3匹のバッタ達との生活となるも、長女バッタの大学留学でバッタは二匹に。2週に1度の週末とバッタ達のバカンスの半分が一人。しっかりと現実を受け止め、時間を大切に過ごそうと漸く思うに到っています。そんなクッカバラの囀りを皆さんにお届けし、思いを共感、共有できたら嬉しいです。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供61回 / 365日(平均1.2回/週) - 参加 2011/09/20 04:06

Kookaburra さんのブログ記事

  • 思い込み
  • 思い込みの激しさなら誰にも負けないだろう。勿論、決して威張れない話ではある。信じ込みやすいタイプだし、今思い出しても赤面するエピソードなら、枚挙に暇がない。学生時代、忘れもしない、あの学食で、クラスの皆と午後の時間を持て余していた。何の変哲もない小さなブラシを手にした黒メガネのクラスメートが、その類稀な性能を説明し、特許を取る準備をしていると得意そうに話してくれる。無視をするのも悪いので、そこそこ [続きを読む]
  • アイガーと母
  • 真正面にどんと立ちはだかる、その雄姿に、思わず跪いてしまう程の畏敬を覚えた。朝の太陽が燦燦と輝く方向に正しく聳えており、その姿を上手く写真に撮ることは叶わなかった。じっと見つめられているようで、怖い程であった。 メンリッヒェン(Mânnlichen)からクライネ・シャイデック(Kleine Sheidegg)まで歩いて行こうとする人々は少ないのか、先程ロープウェイで運ばれた人々はどこに散らばっていったのか、不思議な程だっ [続きを読む]
  • アイガーとの出会い
  • 先ずは目の前のロープウェイを乗ってメンリッヒェン(Mânnlichen)に。そこからクライネ・シャイデック(Kleine Sheidegg)まで歩き、次に登山鉄道でユングフラウヨッホ(Jungfarujoch)展望台に行く、というものだった。帰りは、アイガーグレッチャー(Eigergletscher)からクライネ・シャイデックまで歩き、そこからまた登山鉄道でヴェンゲン(Wengen)に戻ってもいいし、余裕があれば、歩いて帰ってもいいと思っていた。ロープ [続きを読む]
  • ヴェンゲンの朝
  • がばっと起き上がると、分厚いカーテンを開けて外を覗き込む。果たして、あれだけ分厚い雲が嘘のように晴れ上がり、天空は今まさに夜が明けようとしていた。山の端が薄っすらと青みがかってくると、目の前に立ちはだかる山頂が朝日に焼け始めた。瞬く間に他の峰も先端が焼け始め、次第に空の色に青みが増していった。そして、あっと言う間に真っ白な雪と氷河を抱いた荘厳なる山脈が真っ青な空を背景に姿を現した。手元の地図と照ら [続きを読む]
  • 期待と現実の間
  • 翌日、後ろ髪を引かれるようにしてホテルを出てツェルマット村まで登山鉄道に乗った。相変わらず無茶なてんこ盛りプランを密かに温めていたが、お天気は今一つであったし、今回は小さいとは言えスーツケースを引っ張り、リュックを背負っての移動だったこともあり、また、落ち着いてきたとは言え、未だ腫れぼったい母の鼻の様子からも、すんなりと引っ込めてしまっていた。ツェルマットからインターラーケン(Interlaken)に行くま [続きを読む]
  • マッターホルンの麓での昼下がり
  • ホテルは悪天候で足止めを食らってしまった旅人の為、のんびりとした時間を過ごしたい人の為の設備も十分備えていた。マッターホルンを眺めながら泳ぐ屋外プール、しっかりと泳ぎ込みたい人の為の室内プール、そして、ジェットバス、ハマン、高温サウナに低温サウナ。前日にチェックしていたが、ジェットバスやハマン、サウナは水着の着用はなしだった。20代の頃、バーデンバーデンのサウナに行って、男女混合にも関わらず、皆生ま [続きを読む]
  • マッターホルンの湧水
  • リッフェルアルプ(Riffelalp)からグリュンゼー(Grünsee)までの道のりはマラソンコースにでもなるのだろうか。山あいながらもしっかりと整備されていて、ハイキングコースとしては大きなアップダウンもなく、初心者向けだろうか。標高の高さがそうさせるのか、小動物を一切見かけないし、蝉の鳴き声はおろか、小鳥の囀りさえも聞こえなかった。ひっそり閑としている。母の歌声と私達二人の足音しか聞こえない。灰褐色の大きな [続きを読む]
  • 旅は道連れ世は情け
  • 翌朝も、何かに呼ばれたかのように目覚め、跳ね起きて窓の外を覗く。夜遅くまで見続けていた天空にあった量感のある雲は姿を消していた。マッターホルンの山頂からは、丁度煙突から煙が出ているような雲が流れていた。そして、朝の神秘的なショーが始まった。黄金色に光り輝く山頂が刻々と色を変えていく様をじっと見守り続けた。母はといえば、ふっくらと腫れた鼻に、眼鏡が食い込んでいる様子が痛々しく、下唇も大きく膨らんでし [続きを読む]
  • 焦燥
  • 最高の天気に恵まれ、惜しみなくその姿を見せつけるマッターホルンに心酔してしまっていた。翌日の天気は崩れるかもしれない。山の天気は変わりやすいので、瞬間、瞬間を大切に、好機を逃さないように。気持ちが急いていた。貪欲にさえなっていた。一体、これ以上何を望むのだろうか。そう思う程の景観に恵まれ、心底本当にこんな幸せはないと涙までしたのに、さあ、次はどこを制覇しようかと気持ちが逸った。とにかく、あらゆるも [続きを読む]
  • 風が凪ぐ
  • ホテルからRiffelalpの駅までカラマツの林を歩き、9時3分発のゴルナグラート行きの登山電車に乗る。スイスの登山電車は驚くべきことに、どんな無人駅だろうが、電光掲示板がついていて、何時にどこ行きが通過するのか、分かるようになっている。そして、その時間になると、にぎやかな構内放送など一切なく、なんの前触れもなく静かに電車が滑り込む。更に、特筆すべきこととして、線路と道路の高さが同水準なのである。プラットフ [続きを読む]
  • 燃える山頂
  • 何かに突き動かされてベッドから飛び起きる。窓辺に駆け寄り、ぴったりと閉まっているカーテンの隙間から外を覗き込む。えっ!思わず声を上げる。マッターホルンの尖った山頂がうっすらと燃えているではないか。慌てて母を起こす。ジャケットを着てベランダに駆け出す。最初は先っぽだけだったが、そのうちに段々と二等辺三角形程度には赤みが広まっていった。そして他の山頂にも赤みが差してきた。静かに、しかし、刻一刻とスポッ [続きを読む]
  • 暮れなずむマッターホルン
  • 祈るような思いだった。ルツェルンで土砂降りに遭って、傘を買った途端に雨が上がり、晴れたとは言え、各地の天気予報を見ると、いつも雨だった。ツェルマットにいる間中、雨模様。どうにか晴れて欲しい。マッターホルンを部屋の窓からのんびりと眺める。そんな贅沢を母に味わって欲しかった。ツェルマットのホテルも、景観の良さを最重要項目とし、厳選していた。気が付いたら、ツェルマットの村ではなく、そこから登山鉄道で数駅 [続きを読む]
  • 15分の休憩
  • 世界で最も遅い特急はすこぶる快適だった。始発駅ではがらがらだった席も、途中の停車駅でどんどん新たな乗客が入ってきて、席は埋まりつつあった。意気揚々と窓際に陣取っていた母だったが、遂にスイスの老齢のカップルに席を明け渡すことになってしまった。当初、紳士の方はどうぞ楽しんでください、と、いかにも紳士らしいサービス精神で席を譲ってくれたが、マダムの方が、わざわざ窓際を予約したのだから、席は譲れない、私は [続きを読む]
  • 世界で最も遅い特急、グレッシャー・エクスプレス
  • サンモリッツに滞在した時間は恐らく、今回の旅のどの場所よりも短かっただろう。それでも、印象は深い。質素ながらも清潔で、駅から程よい距離であることを条件に選んだホテルは驚く程快適で、部屋に至っては大きく、フレッシュな森林の香りがした。冬は雪深いのだろう。階段の踊り場には愛らしい橇が飾ってあった。レストランこそなかったが、朝食は暖かな木目調のホールに用意されており、恐らく旅の中でも最高に優雅なものであ [続きを読む]
  • 意味のないことなど、ない
  • ハイジハウスで預けていたザックを受け取り、お礼にとコインを手渡すと、そんなの必要ないと受け取ってもらえなかった。それより、山頂は眺めが良かったでしょう、と声を掛けられる。思わず、そのホスピタリティに胸が熱くなる。改めて丁寧にお礼を言って、ザックを勢いよく背負うと、駅までの道を急いだ。思った以上にハイジの村から駅までは距離があり、予定していた電車の時刻にぎりぎりであった。それを逃すと次は一時間待たね [続きを読む]
  • 霞にけむるハイジの村、マイエンフェルト
  • マイエンフェルトの街、いや、村は、拍子抜けする程閑散としていた。駅のロッカーにザックを預けようと思っていたので、プラットフォーム沿いにあるこじんまりとした建物に、母と入ろうとドアに向かったところ、プライベート、無暗に訪れるべからず、的なメッセージの張り紙が目に入る。おっと、無人駅か。スーツケースは預けたものの、背中のザックには二日分の衣類やら化粧道具が入っている。ガイドブックも背負っている。ちょっ [続きを読む]
  • 二日目の予定
  • 傘を買った途端に晴れてしまうなんて。パパの悪戯ね。そう嬉しそうに言う母。肉体は消滅しても、なんて言うと生々し過ぎるが、いなくなってしまってからも存在感を保ち、時が経るにつれ、一層その存在感を大きくするって、すごいことだと素直に思ってしまう。二日目は、バートラガッツで温泉に立ち寄り、『アルプスの少女ハイジ』の舞台、マイエンフェルトを歩き、その後サンモリッツに行き、そこで温泉を楽しむ。そんなてんこ盛り [続きを読む]
  • カペル橋
  • ルツェルンの駅に降り立ち、向こう岸にあるというホテルまで歩いて行こうと近代的な橋を渡り出した途端に空から大粒の雨が落ちてきた。その雨さえも心嬉しく感じてしまうのだから、旅の効果とはすごい。チューリッヒ駅でスーツケースを預けているので、荷物は肩のザックのみ。いかにもプロっぽいザックにレインカバーを取り付け、防水通気性に優れていると謳っているジャケットを早速着込む。にわか雨の中、皆が駆け回っている様子 [続きを読む]
  • チューリッヒ駅
  • 人間の記憶とは如何に曖昧なことだろう。20代の頃までは自分の記憶に自信があった。いつのことだろう。ぽっかりと記憶に穴があることに気が付き愕然とした。細かいことを覚えていないのではなく、本当に、ある時代の記憶が抜けてしまっているのである。バッタ達との生活に夢中になって、記憶が抜け落ちてしまったのかと思った。たとえば、パリで最後に住んでいたアパート。その間取りが思い出せない。特に、主寝室の場所、大きさ、 [続きを読む]
  • 旅の始まり
  • 旅というのは常にハプニングがつきもの。スイス山歩きの旅の起点、チューリッヒに向かうTGVはパリのリヨン駅発。我が家から小一時間かかるが、何せ8月のパリにはラッシュアワーは存在しない。そう高を括って予定時刻ぴったりにUberを呼ぶが、何といつもなら一瞬にして近所を走行している運転手が見つかるものの、待つこと数分。漸くコネクトされるが、車の到着予定は15分後と示される。こんなことなら、早朝から目覚めて準備万端だ [続きを読む]
  • 新しい靴
  • トレッキングシューズなるものを、数年前に購入したことがある。キャンプもするし、山も歩くということで、しっかりとした、それでいて通気性があって、軽い素材を。色々と悩んで、結局はスポーツ専門の量販店で水色の靴を選んだ。防水加工の素材で、なかなか気に入っていたが、二日目あたりからどうも足の前が詰まっているように感じられてしょうがない。通常のサイズより1つか2つ大き目のサイズにすべき、とは、その後何かで読ん [続きを読む]
  • 大いなるエール
  • 今年は、週末は家に帰らないで寮にいることにする。息子バッタがそう宣言したのは、夏休みも終わろうとする一週間前。初めての寮生活となった昨年は、週末はパリのパパの家と、ママの家とで交替で泊まりに来ていた。二年目は皆、週末も寮で過ごすのか、と思ったが、どうやら義務ではないらしく、地方からの学生以外、大半は週末に家に帰るという。週末に帰ると言っても、土曜の夕方まで試験があり、土曜の夜から漸く家でのんびりし [続きを読む]
  • 燃える空の下で
  • 週末ノルマンディーに遊びに行っていたという友人宅に夕食に行く。ひょっとしたらと聞いてみると、遂に最高の物件に出会い、値段も家主と合意したと言う。5ベッドルームで、それぞれバス・トイレがついているとか。写真を見せてもらったが、外観はノルマンディーらしい家のスタイル。内装は6年前に近代的に改装したという。大きくて明るいキッチン。いつか一緒にB&Bをしようよ、なんて笑い合って言っていたが、彼女は本気で実行す [続きを読む]
  • 燦燦と降り注ぐ太陽を欲しいままに浴びた黄金の実のタルト
  • 気が付いたら夏が来ていた。今年はさくらんぼが実る頃にちょうど家を空けていたので、すっかり鳥たちに食べられてしまったと思っていたが、末娘バッタに言わせると、本当に何もならなかったという。そんなことはあるまい、と訝し気に思いつつも、そうなのか。レインクロードはぽったりと熟してきて枝に重みを与えているが、何しろ大木になってしまってどうにも届かない。友人たちに貸したまま返ってきていない二階建ての屋根まで届 [続きを読む]
  • 赤桃色の空間
  • そこは、いさわきちひろの世界だった。うだるような暑さと一日の疲れを吸って重くなった衣服を引き摺るようにして、柔らかな赤桃色の空間を歩いた。8月になると決まって路線工事が始まり、幾つか乗り継ぎが新たに加わり、それでなくとも長い通勤時間が30分は増える。加えて、7月に学校が終わると早々に公共交通機関は夏季限定時刻表を発表する。子供たちは2ヶ月間はバカンスだとしても、さすがに労働者はそうはいくまい。それでも [続きを読む]