甲姫 さん プロフィール

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甲姫さん: 聖女ミスリア巡礼紀行
ハンドル名甲姫 さん
ブログタイトル聖女ミスリア巡礼紀行
ブログURLhttp://seijo.ky-3.net
サイト紹介文架空の大陸を舞台にしたシリアス・ハイファンタジー。
自由文「だからこそ、生きているっていうのは、それだけで手放しがたいんだろう」

死ぬ間際の青年の前に少女が現れた。彼女は命を助ける見返りに旅の供になって欲しい、と青年に取引を持ちかける。

R-15を意識して書いてますのでご了承ください。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供120回 / 365日(平均2.3回/週) - 参加 2011/12/20 03:43

甲姫 さんのブログ記事

  • 3-1. a
  •  山奥の茶屋から日没を眺めていた。向かいの席には大層うつくしい男性、その横顔は、暮れ行く太陽の最後の熱気を受け取るかのように赤く染まっている。 映画のワンシーンのような光景――それに、唯美子は見惚れるよりも落ち着かなさをおぼえていた。 肩よりも長い黒髪と目の上にひいた朱色が印象的な男性は、逆に肌が陶磁器のように白かった。彫りが深く端正な顔の中にある黒目は意外に大きく、丸みを帯びていて、可愛らしいと [続きを読む]
  • α.6.
  • ←前の話 昔々、創造の女神が遥か大きな岩を顕現させた。 その表面を叩いてできたヒビや溝を塩水で満たし、大地と海をつくりたもうた。楽しくなり、踊り狂った女神の足が触れた箇所を中心に、動植物の実りをゆるす三つの大陸が出来上がった。 それぞれの大陸の間には海と荒野と容易には超えられない山脈が残った。 大地にはさまざまな命が芽吹き、人が誕生し、文明や魔法が生まれた。人類は見事に栄えてみせた。 だがいつ [続きを読む]
  • 8月はあんまり読みおわったものがないのだけど一応まとめ
  • 8月の読書メーター読んだ本の数:4読んだページ数:912ナイス数:33クマとたぬきの感想かわいい…ほっこり…さいこう……いきるってすばらしい…すばらしい…。ツイッターで前からたまに読んでたのを単行本化に気付くのに遅れた不覚。これは一生大事に読み返して、人にも貸してあげたいレベルのよさです。ありがとう。読了日:08月30日 著者:帆マグメル深海水族館 2 (BUNCH COMICS)の感想新 [続きを読む]
  • 華ドラといえば
  • Dramafeverのアカウント前にも作ったっけーっとなってメール検索したら、なんと今は亡き姉に「Ice fantasy - 幻城」というものを2016年に勧められたことを思い出しました。数年遅れに観て何になるのかって話ですが、ちょっと不思議な気分なので、ウォッチリストに追加しておきました。姉ちゃんも一緒に観ようぜ〜 [続きを読む]
  • 2-3. e
  • 「お前の体質をどーにかできるとしたら、あいつだ」あくびを挟みながらののんびりとした答えだった。「なんてったって、ひよりの『  』のシフだからな」「シフ? なんて言ったの」 謎の名詞は、濃い異国の響きを伴っていてどうにも聴き取れなかった。「ふぁ」「す」と発音した気はするが、間に「つ」または「T」の音も入っていたような。「んあー、日本語読みわかんね」 ナガメはゆみの手の平を引き寄せて、指先でするすると [続きを読む]
  • 2-3. d
  •  そのまま、数分間動かずに過ごした。 真向いのベンチの下で、大小さまざまなハトたちが、たい焼きの食べ残しらしきものを激しく取り合っていた。気分が未だに優れない唯美子には、羽根がけたたましく飛び交うさまが目まぐるしい。まじまじとは見たくないものだった。 けれども蛇は元来肉食であるはずだ。あの鳥はナガメには美味しそうに見えたりするのだろうか、視線がぼうっとそちらに注がれている。「大体思い出したみてーだ [続きを読む]
  • 2-3. c
  •  黄金色の巨大ナマズ。囁くように、キーワードを復唱してみる。 次いで瞼を下ろし、過去へと連なる記憶の糸を手繰り寄せた。 すぐには映像が浮かばなかった。 先によみがえったのは匂いだった。土や泥、瑞々しい草木と、水場特有の香り。それから、音がきた。話し声や虫の音、遠くに響く他の家族が連れた犬の吠え声――。 水の匂いは、唯美子にナガメを連想させた。たったひとりの友達がこの場に居ないことがつまらなくて、何 [続きを読む]
  • 2-3. b
  • * ――次の週は家族旅行に出かけるから絶対に出て来るな。 そのようにひよりに強く釘をさされ、ミズチはひたすら不満を垂れた。縁側で月明かりに佇む彼女に向かって「なんでー」を連呼する。「なんでも何もないだろ。家族水入らずの時間に邪魔をされたらたまらないからね。息子と由梨さんはめったに休暇が重ならないんだ。ゆみがかわいいなら、時には距離を置くのも大事だよ」  えーあいつらの都合なんて知らんし、とミズチは [続きを読む]
  • 2018年7月に読んだ本まとめ
  • 漫画が多いな。読むスピードが全然違うからなwそう考えると、何時間も何日何か月何年もかけて読む小説は不思議よの。7月の読書メーター読んだ本の数:7読んだページ数:1652ナイス数:58殺し愛 (1) (MFコミックス ジーンシリーズ)の感想以前から名前だけ知ってたけどウェブ漫画総選挙で試し読みして、クリティカルヒットだったため勢いで全巻購入。控えめに言って最高。危うい駆け引きと距離感の男女が好きな人には絶対に萌える。 [続きを読む]
  • 2-3. a
  •  帰りの電車の中は思いのほか静かで、端の席にてゆっくりと休息ができた。車両にいる他の人と言えば気持ちよさそうに居眠りしている女性と、動画でも観ているのだろうか、イヤホンをして真剣に横向きのスマホに見入っている男子高生だけである。 電車の進みは荒っぽくてうるさい。 隣の青年が物珍しそうに窓の外を眺めていたのは数秒のことで、今では別の場所に意識が集中している。腕の傷はほぼ癒えていたが、気持ちだけ、唯美 [続きを読む]
  • 2-2. f
  • 「あの姿だと出ないって言った。この姿は、別」「とにかく手当てしようよ」 嘆息して、唯美子は傷口を検《あらた》める。 三、四センチほど一直線に切れていて結構深そうだ。皮膚が開けた奥から赤い液体が沸き上がっては草の上にぽたぽたとこぼれる。血が苦手ということはないが、じっと見ていると吐き気を催しそうになる。「ほっといてもふさがるって。敬意を払いたくて、付けたオプションだから」 腕を奪い返されたはずみで唯 [続きを読む]
  • 2-2. e
  • 「よくやった栗皮」 振ってかかった声に唯美子は「やっぱり」と額を押さえる。ナガメがのんびりと河川敷を下りて来た。「きみが変化できるなら、きみの仲間もできると考えるべきだったね」「精度が低いけどな。ほらこの服、本物の布じゃねーぜ」 ナガメが我が物顔で少女の袖を引っ張ると、それは奇妙な伸縮性を見せて、伸びるほどに色素が薄くなっていった。布というよりは皮膚に見えなくもない。「あるじ。もっとほめて」 男の [続きを読む]
  • 2-2. d
  • 「ゆみ、別れるふりして立ち去ってくれ。最低でもお互いの視界から消えるように、離れてな」 彼はさりげなく近くを飛んでいる大きなトンボを一瞥する。貸してくれるという意図だろうか、栗皮色の雌が進み出た。「……わかった」 口先では了解を示し、しかしどこか釈然としない思いで踵を返す。またあとでねー、と手を振る真希が妙に楽しそうに見えた。 歩道橋を下りて遊歩道を歩く道中、何度かさりげなく振り返って [続きを読む]
  • α.5.
  • ←前の話 なだらかな丘陵を、鹿のつがいがのんびりとよぎっていく。方々から小鳥のさえずりが絶え間なく響いて、意識しきれないほど多くの生命が既に目覚めている事実を教えるようだった。 雲間から漏れる太陽光に照らされ、点々と群生する野花が深緑の背景によく映えた。 青空では、丸い練り菓子をかき集めたみたいなもこもことした雲が自由に泳いでいる。緩やかにぶつかり合って合体しては、また引き離される。 美しい光 [続きを読む]
  • 2-2. c
  •  会計を済ませ、おもむろに店を出た。外は曇り空で少し暗くなっている。 人間観察がしたいと真希が言い出したので、先にある交差点へ向かい、歩道橋を上った。人が四人は並んで歩ける横幅がある。 ここから不審者の気配を探れたらいいのにと思う。 隣の真希は風にさらわれそうになる長い髪を片手で抑えながら、手すりに身を寄せ、楽しそうに地上の人の流れを観察している。当事者がリラックスできているなら、それでいいのだろ [続きを読む]
  • α.4.
  • ←前の話 →次の話今回文字数多めですが、会話割合も多いです。この「地球」は、我々の地球よりも体積が二回りくらい小さい感じをイメージしてます。 マスリューナ王国。 国民の八割が生まれつき「元素魔法」を扱う素質を持っているという、この世界で唯一無二の在り様を誇る一大国家だ。優れた知識と魔法がもたらすアドバンテージにより、千年前には既にその権威を周囲に知らしめ、いつしか他国の方からこぞって交流を [続きを読む]
  • 2-2. b
  •  ――「林 永命」 永命、の部分がナガメと読むのだとして、苗字はどこから来たのだろうか。思い付きでつけたのか、それともそれも誰かから貰ったのか。(わたしに会うまでは、個人の名前を持ってないみたいな口ぶりだったのに) 疑問に思えば思うほど、言いようのないモヤッとした気分になる。 これではいけない。せっかくの友達との時間だ、暗い気持ちはどこかへ追いやって、オーダーに集中すべきである。メニューを吟味し、 [続きを読む]
  • α.3.
  • ←前の話 →次の話 謎の光によって城から飛ばされて以降「初めて」だらけに見舞われているアイヴォリ・セレマイナ・シャルトランであったが、その流れにはまだまだ続きがあった。 屋外で、しかも地面に腰を下ろして食事をするのは初めてだ。女神への祈祷をせずに食べるのも初めてだ。熱が届く範囲にむき出しの焚き火があって、こんなに近くに他人が座っている状態で食べるのも、食器が一組しかない状況で食べ始めるのも [続きを読む]
  • 6月に読んだ本をまとめてみよう
  • 漫画を本と呼ぶべきではないように思うけど、読メだと区別しないからなー。自分の記録的にやっぱり登録したい……つーわけで読んだ小説は3冊ね!6月の読書メーター読んだ本の数:7読んだページ数:1348ナイス数:47うらみちお兄さん (2)の感想キャラを掘り下げただけあってみんなかなり好きになってきた。この作者さんは、コマの隅での一挙一動までを楽しめるように作ってると思う。続きも楽しみ。読了日:06月28日 [続きを読む]
  • 2-2. a
  •  巨大なスクリーンに映し出される映像に、誰もが釘付けになっていた。 この作品のクライマックス、家と職の事情により引き裂かれそうになっている恋人同士が、涙ながらに永遠に心を通じ合わせると誓う場面だ。女性は良家の令嬢で、家人の目を盗んでまで、遠征に発つ男性の見送りに来たのだった。『泣かないでくれ。君だけを愛している、永遠に愛し続ける! 僕は何も持っていないし、この戦争から必ず生きて帰ると約束できないけ [続きを読む]
  • はあ…
  • やばい。生死にかかわらない問題は些事と言うのが私の人生観ですが生死にかかわる問題はつらい…どこかにアウトプットしなきゃなのでここにしちゃいますけど、友人がガン持ちで、再発が見つかったらしい。これから治療の予定。なんだろう、この無力感。何をしてやれるだろうか。つらい。姉ちゃん…彼女に勇気をわけてやって…ゆみみず二章二話は近いうちに投稿を始めます。 [続きを読む]
  • α.2.
  • この前試験的に冒頭を書いた話、ふらふらと続けるかもしれません。不定期。五話くらいたまったら目次作りますかねぇ。←前の話 →次の話 不快な夢から目が覚めた。 濃厚な、食べ物が熱されている匂いがする。アイヴォリは小さく呻いて右手の甲を額に触れた。熱い。手も、額も、燃えているようだった。 目をぎゅっと瞑って改めて見開き、状況を掴もうとする。(城の中……じゃない) 天蓋どころか、いくら [続きを読む]
  • 2-1. e
  • 「名づけた人の趣味がすごかったって話。あれ、そういえばあなた小学校にもあがってなさそうなのに、漢字で書けるのね」 手帳から目線を上げて、マキがふさふさのまつ毛に縁どられた目を意外そうに瞬かせる。つい注視してしまいたくなる動きだ。 そんな折、青と茶の軌跡が視界の端で踊るのが見えた。 彼らの知らせがなくとも、ミズチにも伝わっていた。まだ遠いが、相当な速度で近付いてきている。「それより『まきちゃん』、ゆ [続きを読む]
  • 2-1. d
  •  深く考えずに、香立ての前であぐらをかいた。割と最近に誰かが来たのだろう、新鮮な花が飾ってある。 ミズチは頬杖をついて物思いにふけった。 自らに、死者に語りかける習慣があるわけではない。墓石をつくるという慣習はニンゲンだけのものだ。死者を悼むことからして、地球上のどこを探しても、ニンゲン以外に取り組む種がいない。 失った家族を恋しがる動物ならありふれている。寂しさにとりつかれて後を追うように衰弱す [続きを読む]
  • α.1.
  • 冒頭だけ書き出したやつ。昔妄想した魔法と陰謀の物語。四人の男女が旅する予定。楽しかったけど、続けるかどうかは未定w次の話→ これまで十六年生きてきて、己には一生縁がないだろうと思っていたものが、いくつかあった。 下流階級。暴力。家畜。略奪行為。苦悶―― ――それらに留まらないが、以上のものに一斉に出逢うことがあろうなど。自分にそんな日が来ようとは、むしろそのような野蛮な場面を思い描いたことです [続きを読む]