blackout さん プロフィール

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blackoutさん: fallen world
ハンドル名blackout さん
ブログタイトルfallen world
ブログURLhttp://blackout9999.blogspot.com/
サイト紹介文小説のテーマはニヒリズム。 薄闇のような、動いているはずの場面も止まっているかのような世界観。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供232回 / 365日(平均4.4回/週) - 参加 2011/12/30 18:37

blackout さんのブログ記事

  • 032
  • 樹海は広葉樹が主体だったため、所々木漏れ日はあったものの、日光はほぼ遮られている状態だった月明かりがなければ、夜の訪れとともに漆黒の闇となるのは間違いなかったそのためか一定の間隔で街灯が設置されていたおそらく日没の時間とともに点灯するのだろう10分程度歩いた頃だろうか道端に、全身に切り刻まれたような傷を負った男が倒れていたおそらく貧民街の犠牲者だろう命からがら逃げ出してきたようだったが、すでに息はし [続きを読む]
  • 031
  • ルミは虚ろな目をしていた手には短刀が握られていたが、視界には入っていないようだった死体となった両親の姿死体には首がなかった鋭利な刃物で切り取られていたようだった暗視ゴーグルを外すキウェイン顔の輪郭はシャープで、切れ長な目だった美形だったが、恐ろしく無表情で、黒目よりも白目の割合が多かったキウェインの足元にある草は黒くなっていた手に握られた短刀の切先から滴り落ちる、犠牲者たちの血によるものだったルミ [続きを読む]
  • 030
  • 時刻は14時ごろだった電車内に「20区」への到着を告げるアナウンスが流れていた今回は、キウェイン自身の意思に基くものだった目的地は、スラム街と貧民街の境界線にある24時間体制の監視場だったここで行われていることは、秩序を守るという名目の殺戮なのだ果たしてキウェイン自身が、過去にその殺戮に加担していたかどうかそして、欠落している記憶を取り戻すための手がかりが見つかるかどうかこれらを確認しに行くためのもので [続きを読む]
  • 029
  • 「なんかさ…」「ん?」キウェインとルミは、ちょうど、男女のスキンシップ後に訪れる余韻に浸っているところだった「オレらって……前にも会ってたっけ?」「なんで?」「上手く言えないけど…なんか、初めて会ったはずなのに、初めてじゃない気がするんだよな」「ふ〜ん…」「…なわけ、ないか」キウェインはルミを一瞥した焦点は定まっていないようだったが、その視線は冷たく鋭かったほんの一瞬だったが、ルミに怯えの色が浮か [続きを読む]
  • 028
  • キウェインが、アイコと数え切れないほどの回数、体を重ね合わせたホテルで殺人事件があったようだった被害者は女性で、年齢は30〜35歳程度、身長は170cmほど、とのことだった清掃に入ったホテルの従業員が発見したとき、すでに女性は死亡していたようだった着衣をしておらず、胸を刃物で刺され、死亡していたなお、凶器は犯人が持ち去ったようで、捜索しても見つからなかった、とのことだったキウェインは昔からテレビを見なかっ [続きを読む]
  • 027
  • キウェインは「1区」にある次元転送マシーンに向かっていたアイコと約束をしていた日だったからだまた、通常よりも多くの報酬を手にすることができる日でもあった次元転送マシーンのある場所には誰もいないことが多かったが、今回はキウェインとよく似た体型のオトコがいたティアドロップ型のサングラスをしており、レンズが黒かったため、表情を窺い知ることはできなかった「う!?」キウェインは右肩と胸を押さえた「久しぶりだ [続きを読む]
  • 026
  • 電車内に、「20区」への到着を告げるアナウンスが流れていたどうやら、キウェインは寝過ごしてしまい、「9区」で降り損ねたようだったルミとの激しい一夜で、体力の消耗も激しかったのだろう「この電車、車庫に入りますので降りてくださ〜い」キウェインは駅員の声に従い、車外に出た目は覚めていたが、思考はほぼ停止している状態だった電車内に残っていたのはキウェインのみだったようで、ガランとしていたキウェインのスマート [続きを読む]
  • 025
  • ルミはうっすらと目を開けていったキウェインは眠っていたシーツは、全力でお互いの中に入り合った、その激しさを物語るかのように、濡れていた「…!?」ルミはキウェインの右肩にできた傷跡に気付いた古傷だったが、鋭利な刃物で切り付けられ、相当量の出血があったに違いない、深い傷跡だった「…」p.p1 {margin: 0.0px 0.0px 0.0px 0.0px; font: 12.0px 'Hiragino Mincho ProN'; color: #000000; -webkit-text-stroke: #000000 [続きを読む]
  • 024
  • オトコはアイコのスマートフォンを操作していた「欲求不満だと?それはおまえのことだろ?なぁ、アイコ…」そこは、先日キウェインとアイコが男女の営みを行った部屋と酷似していたアイコはベッドに横たわった状態で事切れていた着衣はしておらず、胸には短刀が刺さっていたそれは、かつてキウェインに放った短刀と同じ形をしていた「ククク、トリプルゼロ…。次はおまえの番だ…」p.p1 {margin: 0.0px 0.0px 0.0px 0.0px; font: 1 [続きを読む]
  • 023
  • そこには死体となった両親の姿があった死体には首がなかった鋭利な刃物で切り取られていたようだった幼いルミはただ立ち尽くすしかなかった変わり果てた両親の姿を見せつけられて、完全に思考停止状態になっていたのだろう「それ以上見ない方がいいぜ」キウェインは、背後から目隠しをするように、ルミの両目を押さえた「!?」「何も言うなよ。死にたくなかったらな…」キウェインは、ルミの喉近くに短刀を持ってきたその表情は殺 [続きを読む]
  • 022
  • オトコは物思いに耽るように葉巻タバコを吸っていた大きさは通常の紙巻タバコと同じぐらいだった「好きだよねぇ、そのサングラス。完全に怪しい人っぽいけど」アイコだった全身を隙間無くブランド物で固めていたおそらく総額で100〜200クレジットほどだろうオトコはアイコを認識しているようだったが、一瞥することはなく、深く吸い込んでいた煙をゆっくりと吐き出した「まぁな…」「てか、誘ってくれるの珍しいよね」「今回はそう [続きを読む]
  • 021
  • 「どうした?トリプルゼロ…。今のおまえからは殺気が感じられないが?」木陰から音も無くトリプルワンが現れた「どうせ死ぬよ。あんな小さいガキは…。独りで、スラムで、生きてけるわけがない…」「だから逃がしていいってか?そんなの通らんぜ」「…何が言いたい?」「言葉通りさ」キウェイン目がけて、2本の短刀が時間差で、目に留まらぬ速さで飛んできた「アンタ…。オレをどうする気だ?」キウェインは、飛んできた短刀を事 [続きを読む]
  • 020
  • キウェインとルミは、お互いを感じ合うように、何度も何度も重なり合い、交わり合い、溶け合い、混ざり合った「見ちゃやぁ〜だ…」キウェインは、ルミが絶頂に向かっていく様子を観察していたルミの円らな瞳は、懇願するように潤んでいた「なんでいやなの〜?」キウェインはニヤニヤしていた明らかにルミの反応を面白がっているようだった「だってぇ〜…」ルミは何かを訴えるようにキウェインを見つめていた「だってぇ〜、の次はぁ [続きを読む]
  • 019
  • オトコはタブレットPCを操作していたスマートフォンとともに急速に普及しだした、タッチパネル式の小型PCだ「フッ、トリプルゼロ…。どうやらオレはおまえを殺し損ねたみたいだな。あのとき確かに致命傷を与えたと思ったんだが…。しかし、まさかオレのオンナとやってたとはな…」p.p1 {margin: 0.0px 0.0px 0.0px 0.0px; font: 12.0px 'Hiragino Mincho ProN'; color: #000000; -webkit-text-stroke: #000000} p.p2 {margin: 0.0p [続きを読む]
  • 018
  • スラム街の「4区」は歓楽街ではなかったが、ホテル街には50件程度ラブホテルがあると言われていたこれは「7区」に次ぐ規模だったルミは、「4区」駅の改札口近くでキウェインを待っていたスラム街でラブホテルのある地区は、「4区」「7区」以外では「11区」「17区」だったいずれも10〜20件程度の規模だったルミは、ピンクのコートに緑のミニスカート、黒のタイツに黒のハイヒールという格好だったキウェインから指摘されたことを実 [続きを読む]
  • 017
  • アイコとの情事を終え、ホテルから出てくるキウェインを視ているオトコがいた体形はキウェイ
    ンと似ていたレンズの黒いティアドロップ型のサングラスをしており、口元には薄ら笑いが浮か
    んでいた「そうか…。生きてたのか…」p.p1 {margin: 0.0px 0.0px 0.0px 0.0px; font: 12.0px 'Hiragino Mincho Pro
    N'; color: #000000; -webkit-text-stroke: #000000} p.p2 {margin: 0.0px 0.0px 0.0px 0.0px; font: 12.0px 'Times New Roman&a
    pos;; [続きを読む]
  • 016
  • 辺りは、少女の円らな瞳から流れ落ちる涙や、キウェインが持っている短刀から滴り落ちる鮮血の音が聞こえてきそうなほど、静まり返っていたキウェインは瞬きもせず、表情も変えずに、短刀を構えるように持ち上げた「ひ…」少女は目を瞑った体は完全に縮こまっていた「目開けろよ。刃に付いた血を払うだけだ」キウェインは短刀に付いていた血糊を払った手首のスナップが利いているせいか、刃が風を切る音が聞こえた刃風の音がするた [続きを読む]
  • 015
  • スラム街と貧民街は、物理的に行き来はできるようになっていたが、スラム街と中流階級の街はそれが不可能だったスラムの人間が中流階級の街へ行くには、自治体からの許可とその際に発行される所定のパスコードが必要だった無論、年収が最低でも500クレジット以上である、というのは言うまでもない中流階級の街は、「1区」にある数台の次元転送マシーンが唯一の出入口だったここでパスコードを入力するのだなおこのマシーンは、電話 [続きを読む]
  • 014
  • アイコはタバコに火を点けていたタバコは銘柄にもよるが、平均すると約0.1クレジット程度となっており、ここ10年の間に5倍程度価格が高騰していたこれはスラムでも中流階級でも同じだった国はタバコを市場に流すにあたって、「タバコ税」という税金がかけていたタバコの原料となる、タバコの葉はそれほど価格が上がっているわけではなかったため、この税率が上がっていることが直接の要因だろう「キウェインてタバコ吸ってなかった [続きを読む]
  • 013
  • 殺戮マシーンは、その任務の性質上、携わる人間はトリプルゼロやトリプルワンのようにコードネーム化されていたコードネームは、名目上トリプルナインまで用意されていたが、基本的に交流はなかった皆お互いの名前はおろか、顔さえも知らないのが当たり前だった実際には、トリプルナインまで殺戮マシーンが存在していない可能性もゼロではなかったまた、コードネーム化する意味合いとしては、携わる人間に何らかの理由で欠員が発生 [続きを読む]
  • 012
  • 間接照明の淡い灯りに包まれた部屋カーテンは閉まっていたそして、部屋は広かった内装はシンプルで、造りや色合いから、そこがスラム街のラブホテルではないことは間違いないだろうダブルベッドでは、女性が肩幅の広いオトコの肩甲骨にしがみついて、喘いでいたオトコは、胴回りだけなら細身の部類に入るだろうしかし、腰から上、特に腹筋や胸、肩、腕の筋肉が凄まじかった絶頂を迎えたかのような甲高い喘ぎ声が響き渡った女性は、 [続きを読む]
  • 011
  • 「ほぉ…。なかなかやるな…。こいつらはハッキリ言って雑魚に等しいが、さすがに数人ぐらいだと手こずっただろう?」「…別に。だって、こいつら父さんと母さんをこんなにするのに夢中で、オレが近付いても全く気付かなかったよ。だから、簡単だった」少年は全身に大量の返り血を浴びていたが、自身は無傷のようだった少年の近くには、漆黒のボディースーツを着た長身の男がいたどちらかといえば細身だったが、肩幅が広く、ボディ [続きを読む]
  • 010
  • 少年は、10歳ほどだろう瞬きもせずに、ひたすら目の前で起きていることを眺めているようだったスラムの監視員に取り押さえられていたのだ時刻は21〜22時ごろだったため、森は灯りなしでは足元が見えないほど暗くなっていたが、彼らの周りは昼間並みの灯りが用意されていた数人の監視員たちが罵声とともに2人の人間に暴行を加えていたこの界隈でよく起こる殺戮の現場だった「へっへっへ。かわいそうになぁ…。さっきまで必死こいて [続きを読む]
  • 009
  • 貧民街とスラム街の境界は、実質無法地帯だったスラム街の秩序を守るという名目の、24時間体制の監視場が設置されていたが、実際に行われているのは、脱出してきた貧民たちの殺戮だった貧民街から脱出を図ろうとする人間は後を絶たない自治体からは完全に見放されており、衣食住や労働環境は無きに等しい状態だった雨風を凌ぎ、まともに居住できる場所は無人の荒廃した建物ぐらいだったしかし、建物内部に空きがない場合は、野宿せ [続きを読む]
  • 008
  • キウェインは9区に住んでいた7区からは電車で15分程度だったスラム街の鉄道は、地上を走る1区から20区を結ぶ路線1本のみだった21区以降は「貧民街」になってしまうスラム街は、年収200クレジット以上500クレジット未満の人間たちが住む場所だった年収が200クレジット未満の人間たちは、劣悪な環境となる「貧民街」に身を置くしかなくなるのだ9区は、どちらかと言えば住宅街だろうスラム街の中でも比較的治安が良く、住みやすい地域 [続きを読む]