サタン さん プロフィール

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サタンさん: FELLOW’S PROJECT REBEL
ハンドル名サタン さん
ブログタイトルFELLOW’S PROJECT REBEL
ブログURLhttps://ameblo.jp/fellow-again/
サイト紹介文ブログ内で、最高にバカで、元気な、ホラー学園コメディ人情劇「つくもがみっ!!」を連載しています。
自由文この小説は、とにかく、バカです。
そして、とにかく、長いです。
基本は短い話のつなぎ合わせですが、まれに長編もやります。
小説というより、少年漫画のネームです。
銀魂を、おおいに意識した作風です。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供33回 / 365日(平均0.6回/週) - 参加 2012/01/26 10:17

サタン さんのブログ記事

  • パッチワークソウル 1-38 毒と毒姫⑪
  • 毒と毒姫⑪  長い夜が明けた。 長い長い夜だった。 明転した視界の中で、彼女は顔を真っ黒に塗りつぶして夫のもとへと麻袋をふたつ持って帰った。ひとつは大切そうに抱きかかえ、もうひとつは地面を引きずらせて血なまぐさい液体を滴らせる。黒い川を流しながら舞い戻ってきた彼女。夫はそれを冷たい抱擁で迎えた。「あなた、スカーレットが。スカーレットが――――」 うわごとを呟く彼女。 夫は優しく彼女の背中をぽんぽん [続きを読む]
  • パッチワークソウル 1-37 毒と毒姫⑩
  • 毒と毒姫⑩  暗い。数歩先は闇の中だ。 灯りを持っているのは、先導する雷雷だけ。高圧電線の先からばちばちと音を立てる火花。なんとも物騒な照明だ。その火の粉が落ちる先を見ると、明らかに赤い絨毯の上に落ちている。にもかかわらず、絨毯には焦げ跡ひとつすらつかない。 いや、火花も所詮魔法か。それどころか、俺たちを包み込む世界さえ魔法かもしれない。科学的な矛盾を探したところで空しいだけだ。 心もとない視界。 [続きを読む]
  • 短編22。ワダツミの子 ⑨(完)
  • ―????9????―  なんとか玲奈を負ぶって家までたどり着いた。何かを言われるかとも思ったが、親父と母は玲奈の宿泊をすんなりと受け止めた。祭りの出店でふたりともたらふく食った後だ。あとはお風呂に入って寝るだけだった。「母さん、玲奈がケガしてるんだ。傷口を洗ってやってくれないか」 母は軽く返事をした後、風呂場へと玲奈を連れて行った。その間俺は親父と一緒に押し入れから来客用の布団を出した。「ちょっ [続きを読む]
  • パッチワークソウル 1-36 毒と毒姫⑨
  • 毒と毒姫⑨  まだ目が開く。また目が開く。 それを不審に思いながらも美月は胸を撫で下ろす。そして、心臓がもとの位置に戻っていることに気づく。だが同時にあの光線の刃で開いた傷も、だらりと血を流し、じくじくと痛む。流血は致死量ではない。宿木の言うとおり焼灼止血にはなっているようだ。 地下空間は、意識を失っている間に凄惨を極めていた。――いや美月にしてみれば、この場所が先ほどまでの“天井に偽物の夜空が描 [続きを読む]
  • 短編22。ワダツミの子 ⑧
  • ―????8????― 紅白の垂れ幕の前には様々な景品が並んでいる。当てやすい手前の位置にはお菓子の箱がずらり。もちろん、そんなものはそっちのけで、奥のぬいぐるみなどの景品を狙いに行く。「見ててよ、毎年参加して鍛えているんだから」 玲奈は羽織っている甚平の袂を捲り上げ、台に上半身を乗り出す。手にしたおもちゃの銃の照準は、一切震えがなく真っ直ぐに大当たりの的に向けられていた。――いや、すこしその上方 [続きを読む]
  • 短編22。ワダツミの子 ⑦
  • ―????7????―  目を疑った。うたた寝をしていたとはいえ、天気は雨ひとつ降っていなかったはずだ。 軽トラックの荷台に覆いかぶさったおびただしい量の藻。ぐっちょりと濡れていて、腐臭の混じった磯の匂いが鼻を刺す。親父はせき込みながらも軍手をして、それらをどかす。――あまりにもの異様な藻の量に、しばらく遠巻きに見ていたが、すぐに我に返って手伝った。「いらも混じっとるけえ、気をつけえ」 いらという [続きを読む]
  • パッチワークソウル 1-35 毒と毒姫⑧
  • 毒と毒姫⑧ 「スカーレット。いい子にしてたか」 ユグドラシル。幹が幾重にも別れたガジュマルを思わせる姿。それに絡められているのは、巨大な不死の魔導石アンバー。――中に閉じ込めた物質の半永久的な保存を可能にする。それも、中身に生物を閉じ込めた場合は、意識を保ち続ける。 琥珀色の宝玉の中ではゆらゆらと橙色の炎が揺らめき、さながらプラズマボールのよう。その中心に、美しいひとりの少女が静かに眠る。 いや、 [続きを読む]
  • パッチワークソウル 1-34 毒と毒姫⑦
  • 毒と毒姫⑦ 「考えたことはあるかい? 朝、目が覚めて――鏡を見る。そこにある自分の顔。美麗だと自分で思うようなナルシストはそういないかも。だけど、少し冴えない顔だとかせいぜいそれくらいの評価だろう」 俺に似た化け物――木枯零――は、ぐわしと俺の顎を掴んで、顔の骨がばきばき問われそうな勢いで力を加える。俺に似ていた声も、俺からかけ離れた悪魔のように、地を這うような低さになっていく。「お前は考えたこと [続きを読む]
  • 君は栓を抜いた。 ②
  • 終わり。そしてまたーー  それから奇妙なことが起きるようになった。 俺の貯金が減っている。――原因は自明だ。「お、おい……。本当にいいのかよっ」 顔を赤くしながら試着室のカーテンに手をかけて、こちらをのぞき込むイズミ。 あの奇妙な出会いから二週間近く経った。――あの日の翌日、仕事帰り。玄関に彼女が三角座りで待ち伏せをしていたのは、かなり心臓に悪かった。それから六回は会ったが、彼女は相も変わらず小汚 [続きを読む]
  • 君は栓を抜いた。 ①
  • 始まり。  しこたま飲んだ。 頭がぐらぐらする。視界が歪んで見える。ふわふわとした気持ちのいい酔いが醒めて、頭をきりきりと締め付ける痛みを伴う悪酔いがやって来た。歩き続けるのがしんどい。足取りはふらふらというか、どったんばったんと騒がしい。バランスと地面を踏む力加減が、馬鹿になってしまった。 腕時計を見やる。時刻は午前二時になろうかというくらい。当然終電はなく、神楽坂にある自宅には帰れない。 今踏 [続きを読む]
  • パッチワークソウル 1-33 毒と毒姫⑥
  • 毒と毒姫⑥  やっと揺れが治まった。 スマートフォンには、地震速報の文字が。だが、あれが地震なのかと言われると、いささか奇妙なところがある。あれはまるで、自分が巨大な心臓の上に乗っていて、鼓動の度に地面から突き上げられるかのようだった。拍動するような一定のリズムで下から突き上げる揺れなど、普通の地震ではまずあり得ない。 文字通り、地面が震えたから、地震として報道しているのだろう。「木枯くん、大丈夫 [続きを読む]
  • 虫の声 3日目 作:3年2組 石田莉緒
  • 3日目  もわもわとした湿気が、窓を伝って入ってくる。 部屋の中の空気が、ゆっくりと水気をまとう。わたがしのように、つかめてしまいそうになったのを感じ取って、わたしは目をさました。 体を起こして、ぼうっとしていると、朝なのにやけにうす暗いことに気づく。そこで、ザーザーという雨のノイズが耳に入った。ときおり、ぽつ、ぽつと窓を打つしずくの音も聞こえる。 ざあ、ざあ、ざあ。ぽつ、ぽつ、ぽつ。 夏の空。こん [続きを読む]
  • 虫の声 2日目 作:3年2組 石田莉緒
  • 2日目  今日のわたしは、上きげんだ。 なんて言ったって、朝起きるとひとかじりもしていなかったゼリーが、少しだけへっていたのだ。カブトムシの大食いを知っている身としては、物足りなくも感じたけれど。少しだけでも、ヒメが元気になったようでうれしかった。 お母さんは、――朝から嫌いな虫を見せられたら怒るから、お父さんにほうこくした。「りおのおかげだよ」とよろこんでくれた。――このまま、元気になってくれる [続きを読む]
  • 虫の声 1日目 作:3年2組 石田莉緒
  • 一日目  お母さんは虫が嫌い。 理由を聞いたら、あしが4本より多かったらダメだって。家には、あしが4本のお父さんとお母さんと、わたしと、そして猫のあかねがいた。 外ではうるさいくらいに、セミが鳴いている。 2年くらい前までは、わたしもセミを取っていた。虫取りは今も好き。わたしの部屋には、チョウやトンボをひょうほんにしたものがある。 お母さんは、虫がきらいだから、わたしの部屋に入るときは、それを見な [続きを読む]
  • 恋の迷宮案内
  • 恋の迷宮案内 『方向オンチ』『神経質』 同じ価値観。同じ性格。 どうせ連れ添うならば、同じものが多い方がいい。それが本寸法な考え方だ。その方が衝突が少なくて長続きしそうだ。 夫婦になるならば、連れ添うのは一生のつき合い。なおさら、互いの衝突は少ない方がいい。『無計画』『わかってへんなあ。無計画なのがええのに』 だけど、それでは説明がつかないことがあるのもまた、事実だ。『すぐ迷う』『迷うと楽しいで。 [続きを読む]
  • パッチワークソウル 1-32 毒と毒姫⑤
  • 毒と毒姫⑤  姿かたちは、木枯唯に似ている。 しかし、その顔面を見れば、彼が人ならざるものであることは明らか。その不安定な目、鼻、口の位置は多くの試作品のそれが平均化された姿なのだと、彼は自分で自分を笑う。「木枯鏡花はボクたちを産んだ親だ。いや、産んでしまったというべきかな。ボクたちは言わば、彼女が望んだ世界にいらない部分。切り捨てられ、もみ消されれてしかるべき存在。――だが、彼女は今頃になって、 [続きを読む]
  • 短編22。ワダツミの子 ⑥
  • ―????6????―「――だから、帆波はどこにもいないの」 随分と遠回りをした。その結論にたどり着くまでに。 やっとたどり着いたけれど、どうすればいい。結局振出しに戻って、何もなくなったのと同じじゃないか。 漣(さざなみ)も、荒波も。違うことを言うけれど、俺に見せる姿は帆波そのもの。だとしたら、彼女らの存在は何なのか。答えは簡単だった。 ふたりは、まだ現実を受け止められないでいる俺自身が生み出し [続きを読む]
  • ヘイ・ストゥーピッド ②
  • > 深夜帯シフト明けの翌日はやはり眠い。たとえ、淡い憧れを抱いている人の部屋を尋ねるとはいえ。 連絡先は、LINEの交換だけで済ませた。今思えば、どこか事務的だった。彼女の家は、レンタルビデオ店からほど近いマンションだった。同じ大学とはいえ、真昼間とはいえ、いきなり部屋に男を上げるというのは、どうなのだろう。まったく警戒されていないというか、まるで気の合う同性の友達のような感覚だ。 306号室。表 [続きを読む]
  • ヘイ・ストゥーピッド ①
  • > ――鎖がきしむ音が聞こえる。 身体の動きに合わせて鎖も動くが、それでも男が抜け出すことは叶わない。そうとは知りながらも、男はもがく。助けを求めて叫ぶ。「お願いだっ。解いてくれ! 望みは何だっ!?」 じたばたともがき苦しむ様をなじるように見下ろすのは、禿げあがった頭をした初老の男。顔をしわくちゃにして老獪な笑みを浮かべ、男の要求には応えずに黙ってにんまりと口角を上げる。ヤニのこびりついた歯を覗か [続きを読む]
  • パッチワークソウル 1-31 毒と毒姫④
  • 毒と毒姫④「止まった」 学園の地下に静寂が訪れる。 けたたましい心音は止んだ。宿木はゆっくりと、スカーレットの眠る大樹に絡めとられた宝玉の前へと躍り出る。邪魔だとでも言わんばかりに、はりつけにされた風香を押しのける。彼女の身体はやせ細り、頬がこけ始めていた。「喜べ。君の命は無駄にはならなかったようだ。――七百年の私の苦しみに終止符を打つのがお前だとは、少し拍子抜けだがな」 朱色に輝く巨大な宝玉。  [続きを読む]
  • パッチワークソウル 1-30 毒と毒姫③
  • 毒と毒姫③ 「……、おかあ……さん……?」 思わず口があんぐりと開いて塞がらなくなった。 彼女、スカーレットの母親が自分の記憶する母親、木枯鏡花と瓜二つであったからだ。「どうしたの? 知り合いでもいた?」 スカーレットがにっこりと笑いかける。 よくよく考えれば知り合いなどいるはずもない。スカーレットが存命していた頃といえば、それこそ七百年前になる。魔女や魔導士は長命のものもいるが、数百年の永い時を [続きを読む]
  • パッチワークソウル 1-29 毒と毒姫②
  • 毒と毒姫②  ガジュマル。妖精が住むと言われる、自身を枝でがんじがらめにしたような奇怪な見た目の樹木。直径が、人の背丈を優に超える巨大な球体の中に、プラズマボールのごとく豪華が渦巻いている。その渦中で少女は眼を閉じている。 それまでの安らかな眠りから一変し、白い歯を見せて仕切りに呻いている。喘いでいる。彼女が眠る地下の巨大な空間を激しく揺さぶりながら、ガジュマルの枝葉とともに暴れている。「ユグドラ [続きを読む]
  • パッチワークソウル 1-28 毒と毒姫①
  • 毒と毒姫① 真っ黒なとんがり帽子から垂れ下がる、黒いベール。色の濃いぽってりとした唇が、闇夜のベールの奥底から浮かんでいる。紅が映える艶やかな白い肌は、彼女が妙齢の女性であることを思わせるが、その声は低く、年寄りめいている。すらりとしていて、女性としては背丈が高い。「珍しいな。あやつから面会を持ちかけてくるとは」「なんでも、例のモノが見つかったとかで」 側近には、真っ黒な人の形をした煙に、顔の部分 [続きを読む]
  • パッチワークソウル 1-27 スケベ
  • スケベ すっかり話し込んでしまった。 周りの状況がおろそかになるほど。ガラスの破片が散らばる教室に射す夕日の光は勢いを失い、青い月光に取って代わられている。 綺麗だ。 声に出しては言えない。 頬に血が付いている。痣があって痛々しく腫れている。でも、それが他の誰でもない自分のためであることを知っている。だからそれがたまらなく愛しく思える。「ねえ。ぼうっとしてどーしたの?」 とろんとした目つきで美月が [続きを読む]