※このページは常にトップにくるように固定してあります※2022/1/4更新ご訪問ありがとうございます。当サイトは私、ホタテが気ままに書いたものばかりを載せている小説ブログとなります。近年は文学フリマを中心とした即売会に出店したり、BOOTHを利用しての通販を行ったりしています。また、私生活多忙につき、ブログの更新にあまり時間が割けなくなっており、簡単に投稿できるカクヨムや小説家になろうなどの投稿サイトをメインに...
基本ファンタジーオリジナル小説を書いてます。(作家志望) よければどうぞ!
ファンタジーが多いですが、たまに(?)学園ものとかあったりします。 でも結局ファンタジーに発展したりします。
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help4 「絶っっっ対に駄目」 ミリアルの所へ行き、目的を話すと間髪を容れずに断られた。 その表情はとても険しい。 いつものミリアルじゃないみたいだ。「僕の立場を利用して、オークションの会場へ潜り込みたい? 絶対にそんなことは許しません」「え一、何で? いいじゃん! ミリアル、いつも駄目って言わないのに!」「いくらソフィアちゃんのお願いでも駄目なものは駄目」 今日はいつになく頑なだ。 困ったなあ。「―...
trio4 ラン先輩がいなくなった後、リン先輩が大きなため息をついた。 呆れているようにも見えたが、どちらかと言えばこの場から姿を消してくれてホッとしている。といった感じだった。 ……俺には、気になることがあった。「あの……もしかして、何か知っているんですか?」 ギクッと、リン先輩とローズ先輩からそんな効果音が聞こえてきそうだった。 二人とも何も言わない。 ……何も言わないということは、やっぱり。「ラン先輩...
help3「彼のことは許せないけどね。でも、それ以上にホワイトのこと許せないわけ。せめてデュノアに、盗られた物を返してあげたいと思って、私は彼らに協力を求めたのよ」 ……デュノア家ってまだ存在しているんだ。 アリエルの話じゃあ相当非難を浴びたとのことだったので、没落していてもおかしくないと、あたしは思ったのだった。「ひっそりとまだ存続しているわ。一人の女に全てを狂わされた一家としてね。それよりも私の実家...
trio3 先輩に好きな人だって? そんな、まさか。 あれだけあらゆる女性に手を出しているというのに……?「誰々ー? 教えて! ラン先輩!」 ブロッサムは興味津々である。 俺も気になる…… どんな人なんだろう。「よくお聞き、後輩たち……あれは、櫻舞う春の日ことだ……」「え? もしかしてその話、長い?」「うるさい! 黙って聞け! ――僕はまだ、そうじ屋に入ったばかりだった」 まるで昔話でもしてくれるかのような口調...
help2「し……死んでいるって……」 先輩の顔が引きつっている。「幽霊って本当にいるんだ……」「……」 あたしがそうつぶやくと、先輩は黙ってしまった。「ふふ。驚いたでしょう? 私はこの世に未練がありまくりだから、あなたたちとこうやって話ができるのよ!」「要は、ウサギのぬいぐるみに死んだアリエルが取り憑いている状態なの。何かに憑かないと、生きている私たちとは話ができないんですって」 おねーさんが補足説明をして...
trio2 不定期に行われる、会議。 それに参加するために、俺とラン先輩はリプトン家のお屋敷を訪れていた。 ただし、参加するのは俺たちのような下っ端構成員。 八代目候補のキャロル様たちは参加しない。「思ったよりも早く着いちゃったね。お茶でも飲んで待ってようかー」 先輩の言う通り、開始時刻までそこそこある。 オールディス家からここまで長旅だったので、少し疲れた。 会議が始まるまで休憩しておくべきだろう……...
help1「私たちを手伝ってほしいの」 とある昼下がり。 あたしと先輩は、かの怪盗たちの住処にいた。 突然、ブラック・リボンことメロディーおねーさんに呼び出されたのだ。 メロディーおねーさんは、いつもあたしたちに優しくしてくれる。 ウィリアムみたいな性悪男とは違って、優しくしてくれる素敵な人だ。 それに、手作りお菓子だってよくくれる。 おねーさんはどうしてウィリアムなんかと一緒にいるんだろうね?「手伝...
trio1 えーっと…… どうやって始めればいいんだろう。 やっぱり自己紹介からかな……? こんにちは。 スノーって言います。 まだまだ新米のそうじ屋です。 そうじ屋というのは、裏社会では名の知れた暗殺組織だそうです。 表社会の規律を乱そうとしたり、裏社会でも逸脱な行為を働く人たちに正義の鉄槌を下します。 時には贔屓にしているお金持ちや偉い人から仕事を請け負ったりもしていて、ちょっとした老舗のようになって...
人魚と閉ざされた国新たな仲間、オペラを迎え、再び海へ向けて進むラムネたち。船の中で緑の海が一番近いと耳にし、早速進路を決めるが、緑の海へ行くには一つ問題があった。プロローグ/1/2/3Nicola氏、今年もこの日がやってきましたね……おめでとうございます。例年通り、また停滞更新になるでしょう。(ならんようにしろよ)最後までお付き合いいただければ幸いです。このページを作っている時点でもう心が折れそうです。▼...
カナリーはその日、重要なミッションを言い渡された。「いいか、カナリー。この手紙は超大事なものなんだ。わかるか、超がつくほど大事なんだぞ」「うん。超大事なんだね」 と、言っているわりには何だかそこまで真剣に感じることのできないカナリーだった。 しかし、父であり師であるクウェイルは、至って真面目だという顔で、何度も「超大事」を繰り返す。「そんな超大事な手紙をカナリーに託す」「わかってるよ。さっき教え...
昔、あの人は教えてくれた。この世界には、海以外にも住む場所があり、沢山の生き物が暮らしていると。昔、あの人は言った。この世界には、四つの色に輝く海があると――。人魚は海を知るために、旅立つ。◆人魚と魔法使いと四つの海◆プロローグ/1/2/3/4/5/6/7/8/9/10/11/12/13/14/15/16/17/18/エピローグ/あとがき人魚は嫌われ者の歌姫と、出会う。◆人魚と孤高の歌姫◆オープニング/1/2/3/4/5/6/7...
あとがき暑くなってきました。皆様いかがお過ごしでしょうか。人魚と孤高の歌姫。ようやく終わることができました。本っっっ当に……お待たせしました!!恐らく一番最初に書き出したのは2017年かと思われます。言い訳はいくらでもありますが、見苦しいのでやめておきます。ただひたすら謝らせてください。すみませんでした!!!大体どんな話にするかは、珍しく最初から決めていました。歌が劇的に下手で、破壊力のある女の子を仲間...
エピローグ 辺りどこを見渡しても緑。 そんな森の中を歩く影が一つ。「はぁ……どうしよう……」 その影……少年は、憂鬱な顔をしていた。「怒ってるかなぁ。絶対怒ってるよなぁ……」 一冊の本を抱きしめ、彼はトボトボと歩いていた。 すると、背後でガサガサッと物音がした。「――っ!?」 本を持ち直し、振り向く少年。 草をかき分け、顔を出したのは、一匹の犬だった。「え……えぇ……何でついてきちゃったんだよぉー……」 犬は嬉し...
19「何なんだよ。本当にお前ついてくんのかよ」「あら。嫌そうね?」 不満そうな顔をしているセムラの後ろを、オペラがついていく。 そのさらに後ろには、ラムネもいた。「アタシは大歓迎だヨ! 女子一人だったしさぁ!」 すっかりオペラの肩に乗り換えたクイニーは、嬉しそうに言った。 今回の騒動で、村と町の合併はなくなった……わけではなく。 合併はするものの、村の自然は保ちながら町と共存していくという話に落ち着...
18 ラムネはと言うと、海の上でキョロキョロとしていた。 まるで、自分の置かれた状況がわかっていないようだった。 シェルマーは、村人や町の人々に捕らえられ、連行されていった。「あれ……? 一体何がどうなっているんだ?」 浅瀬まで泳いできたラムネは、セムラやオペラたちに尋ねる。「どうなっていおるのはこっちのセリフよ! ――あんた、人魚だったの!?」「うん……? あ!」 セムラに散々言うなと言われていたこと...
17 海に突き落とされたオペラは、薄れゆく意識の中で、幼い頃の記憶を思い出していた。 物作りが得意だった父。 家具なんかをよく自作していた。 オペラも押さないながらに作るのを手伝ったりしていた。 そんな二人を優しい目で見つめるのは――「おい! しっかりしろ!」 聞き覚えのある声が耳に入ってきて、オペラは我に返ったように目を開けた。 セムラとクイニーが、彼女の顔をのぞき込んでいた。「私……」 まだ頭はく...
16「あの野郎……どういうつもりだ!」 人々は怒りを露わにする。 オペラは身動きが取れないようロープで縛られ、小さな舟の上に立たされていた。 猿ぐつわもされており、叫ぶこともできない。 舟を漕ぐのは、シェルマーだった。「シェルマー! あなたはもう終わりよ! その子を返しなさい!」 拡声器で、警告するプラリネ。 周囲の人々も「そうだー!」と、同調した。「うるさーい!!」 舟の上から、彼は叫んだ。「中止に...
あとがき皆さんいかがお過ごしでしょうか。ホタテです。ここまで読んでくださり誠にありがとうございます。キャラの登場数が一気に増えて何だか申し訳なくなってきた回でした。私もだんだんわけがわからなくなってきたという。しかも敬語キャラが同時に登場。やっちまったな……と、すごい思いました。話のベースは一緒ですが、ちょこちょこ変えました。アビーという新しいキャラも作りました。この話だけのキャラになりますが……あと...
disguise20 その後のことについては、正直特に話すことはない。 と言えば、嘘になるのかな。 いつも通りの日々が戻ってきてしまった。 ルイもいなくなった。 アビーもいなくなった。 あたしはまた一人だ。 先輩はあの後すぐに高熱を出し、ミリアルの所で寝込んでしまった。 おかげであたしとは、ろくに口もきいていない。 イオンはイオンで、ずっと何かにイライラしている。 あたしに対してではなさそうだ。 おばあち...
disguise19 色々なことが起きすぎて、あたしの頭は追いついていなかった。 とにかく今は、脅威が去ってくれたことにホッとしている。 でも、そうでない人もいた。 ゴトッと、鈍い音がした。 呆然と突っ立っている先輩が、床に銃を落とした音だった。「先輩……」 なんと声を掛ければいいのか。 わからなかったけれど、誰かが寄り添ってあげなければ、消えてなくなってしまいそう。 そな気がした。 だが、あたしよりもユーリ...
disguise18 銃口はウィリアムではなく……メロディーおねーさんに向いていたのだ。 明らかに彼女の意志だとは思えない動きだった。「え!? 何で!?」と、本人もビックリである。 恐らく……「動くな! 怪盗ウィンディー! ブラック・リボンを撃つぞ!」 あの不思議な力を使う女の子の仕業だった。「姑息な……僕にそんなはったりが通じるとでも」「はったりなものか! お前が動けば大事な女の命はない!」「っ……」 さすがのウ...
disguise17「うわぁぁぁんっ! 助けてー! ルイー!」 ルイと同じく、フード付きマントを羽織った女の子が、穴の開いた壁から入ってきた。「って! 捕まってるじゃん!」 ルイの有様を見て、彼女は泣くフリをやめた。「助けてほしいのはこっちだよね~」 アハハ。と、笑うルイ。 それが、まるで何かの合図だったかのように――、女の子の目つきが変わった。 ルイが落とした銃が不思議なことに宙に浮き、なんと彼女の手に収ま...
disguise16 信じられないという目で、彼女はあたしを凝視した。 そこには、軽蔑も含まれていたかもしれない。「ちなみに亡き七代目はソフィアお父さんだったよね、確か」「うるさい、言うな……それ以上は言うな」 死んだ親のことまで言わなくていい。 言わないでほしい。「どうして……どうして黙ってたんスか!? 六代目様も、リン先輩も、イオンさんも……ミリアルさんも知っていて、自分には黙っていたっていうのか!?」 アビ...
disguise15 アルフレッドにミリアルを紹介すると、彼はキラキラした目で一生懸命ミリアルに話し始めた。 ミリアルはニコニコしながら、未来ある若者の質問に答えていた。 ……ふぅ。「お疲れ様っス」 小声でそう言って、アビーがオレンジジュースを持ってきてくれた。「ありがとう……」「本当にアルセウスさんは狙われているんスかね? 不気味なくらい何も起きない……」 アビーの言う通りだ。 何の変化もない。 あたしの身に危...
disguise14 わざと薄暗くしている会場には、多くもなく少なくもない人たちがまばらに散っていた。 オークションというだけあってか、先程までいた交流会の会場とはえらく違った雰囲気に包まれていた。 何となく相手の顔が見づらいような照明になっているのは恐らく、出品される物が正規のルートを通ってきたものではないことを示しているようだった。 今になって、自分が関与してもいいことなのかと、疑問を抱き始めた。 しか...
15「おわぁーっ!?」 一方のラムネは、男の攻撃から逃げ回るばかりだった。 魔法書を開く間もなく、次々に襲われる。「ちょこまかと……」 しかし、その魔法は全てかわしてしまっていたので、男もだんだんとイラつき始めた。「――ラムネ! いつまでちんたらやってんだ!」「おぉ! セムラ!」 そこへセムラが現れ、爪で男を斬りつけにかかった。 が、それも容易くかわされてしまった。「こんなやつに手間取ってんじゃねぇよ!...
disguise13 会場の電気を消すという作戦は、一度失敗したのでもうやらないという。 そもそも会場はそんなに明るい照明ではないので、消す必要もないようだった。 ――では、なぜ電気を消したのか? その質問をぶつけると、メロディーは温かい目でリンを見るだけだった。 妙なタイミングで明かりを消してしまったせいで、ホワイトの警戒度は一気に上がっただろう。 しかも彼らの出品はこれからだ。 ここでまた疑問が湧き上が...
disguise12「……さて」 誰もいないところでキャサリンの姿から元に戻ったリンは、小さく息を吐いた。『リン様、あのお坊ちゃんから離れたわね? どうする気?』 途端に耳元でイオンの声が聞こえてきた。 どこかで見ていたのだろうか。「……何だか不可解なことが多いからな。探りに行くだけだ」『あっちのことに首を突っ込まないようにね』「……」 それが言いたかったのだろうか。 返事をするのも面倒だったので、リンは何も言わ...
14 オペラは動きたくても、動けなかった。「や……やめてよ。その人と戦わないで」 声を振り絞りだして、そう言うのが精一杯だった。「私にとって、家族のような人よ……私はそう思ってる……だから……!」「――こいつは俺の故郷を潰した」 セムラの怒りに満ちた声。 オペラもそのことはわかっていた。 セムラがなぜ、こんなにも怒り、大魔法使いと戦おうとしているのか。 彼に言われなくともわかっていた。「それでも、私にとって...
13 ラムネのもとを離れ、走っていたオペラは、ある足止めを食らっていた。「どこへ行くつもりですか」 目の前には、パチンコでオペラを狙った、ゴーグルの女。「シェルマー町長の所へ行くと言うならば、私が止めさせていただきます」「何なのよ……あんた……!」 自分には戦える術などない。 この場を切り抜けるか…… 考えてはみるが、策は思い浮かばない。「しゃーねぇな。この女の相手は俺様が請け負ってやるよ」 途方に暮れ...
12「よし! 俺らはあの町長のオッサンを取っ捕まえるぞ!」「え!?」 ラムネが張り切ったようにそんなことを言い出し、オペラは思わず驚きの声をあげてしまった。「早いとこ捕まえて、やめさせるんだ! こんなことを! 早くしねぇと、怪我人が出るだろ!?」「そ、そうね……それもそうだわ……」 ラムネは走り出そうとするが、彼の前にあの大柄な男が立ちはだかった。「む……お前、昨日来たヤツだな。強うそうな人間だ」「強そう...
黒リボンとピンクリボン「アタシのリボンがない!!」 穏やかな午後の買い物が、彼女の悲痛な叫び声によって幕を閉じた。「ない! ないないない! ない!!」「落ち着けよ……なくなってるぞって言ったじゃん……」 血相を変えて辺りを見回す黒髪の少女、カナリーの前で、金髪に隻眼の少年、オウルはため息をついた。「何で? どうして!? いつなくなったの!?」「今日は人が多いからなぁ……」 焦るカナリーに対し、オウルはの...
disguise11 停電が起きる、数分前――。「やぁ、これはこれは、ミリアル・スマイル君。会えて嬉しいよ。今日も美人な秘書を連れているねぇ」「どうも……」 恰幅のいい中年男が、ミリアルに挨拶をしてきた。 よそ行きの笑顔を見せ、ミリアルは男と簡単にビジネスのことについて話した。「それでは、また」 男の方から離れて行き、キャサリンは軽く頭を下げた。「ふぅ……」 ミリアルは軽くため息をついた。 表情が「帰りたい」と言...
disguise10 突然だったので、人々は戸惑い、ざわめきだす。 あたしは暗闇でも目が慣れているので、周囲のことは見える。 目の前のアルフレッドは、不安そうにきょろきょろしている。 それを、あの執事のお兄さんが、庇うように立っていた。 まるで――お兄さんも暗闇に目が慣れているように感じられる光景――。 ……ひとまずお兄さんのことは後にしよう。「アビー、あたしは大丈夫だから、アルセウスさんの傍にいてあげて」 小...
disguise9 立食会はとあるホテルのパーティー会場で行われた。 車を降りた瞬間から、あたしはカナベル・カスケードになりきった。 そりゃもちろん緊張はしている。 会場に足を踏み入れたときなんて、めまいがしそうだった。 あちこちに人、人、人。 みんなお金持ちだ。 こんな子どもにも、仰々しく挨拶をしてくる。 堂々と……堂々と振る舞わなければいけない。 アルセウスさんについてまわり、誰だかわからない人たちに挨...
disguise8 みっちりお嬢様レッスンを受け、日が暮れ始めた頃。 あたしとアビーは、アルセウスさんと共に車に乗っていた。 今のあたしは、ソフィアではない。 カスタード・カスケード社長、アルセウス・カスケードの一人娘、カナベル・カスケードだ。「ソフィアさん、本当にありがとう。娘と同じ年の君にこうやって私の警護を頼むのは、非常に心苦しいが……」「気にしないでよ。これがあたしの仕事だから。ボランティアでも何で...
disguise7「わー。見違えたね、ソフィアちゃん。とてもよく似合っているよ」 数分後、あたしはお嬢様へと変貌を遂げた。 普段全く着ることのない、ドレス。 そもそもスカートを履かない。 そして、ヒールのあるとても窮屈な靴。 立っているだけで疲れる。「どうしたの? ソフィアちゃん。せっかくおめかししているんだから、もっと笑わなきゃ。笑顔笑顔!」「うるせー! 笑えるか! あたしは苦しいんだよ!」 地団駄でも...
disguise6 こんなお金持ちな人の!? 娘に!?「あたしなんかが無理だよ!」「大丈夫! できるよ! というか君じゃないと駄目なんだ!」「何で!?」 すると、アルセウスさんが今度は一枚の写真をテーブルに置いた。「……とてもソフィアに似てるッス」 アビーが写真を見てボソッと言った。 綺麗なドレスを着て微笑む女の子。 そう。 よく見たら、何となくあたしに似ていた。「今夜、実は立食会があってね。娘さんと一緒に...
disguise5「あれ? 女の子が一人増えてる」 アビーがやって来て初の仕事。 ミリアルの所へ行くと、まずやつは首を傾げた。「新しく入ったアビーだよ!」「そっかぁ。よろしくね。つまり、ソフィアちゃんは先輩になるんだ。君も成長したねぇ」「エヘヘ」 そう言われると照れる。「じゃあ後輩ちゃんも一緒に聞いてね。こちらはアルセウス・カスケードさん。僕が何度かお世話になっている社長さんだよ」 おじさんがいるなと思...
disguise4「大丈夫かしら、あの子。いきなり連れ回して引いちゃうんじゃないかしら」 心配しているのか、イオンがずっと隣でぶつぶつ言っている。「推測するに、友だちでもできたとはしゃいでいるんだろう。放っておけ」「ずいぶんと甘いことを言うわねぇ、リン様。おかげでこの私が買い物に行く羽目になったんだから!」 そう。リンとイオンは共に町へ買い出しに行き、今はその帰り道だった。「ソフィアには友だちと呼べる存...
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trio4 ラン先輩がいなくなった後、リン先輩が大きなため息をついた。 呆れているようにも見えたが、どちらかと言えばこの場から姿を消してくれてホッとしている。といった感じだった。 ……俺には、気になることがあった。「あの……もしかして、何か知っているんですか?」 ギクッと、リン先輩とローズ先輩からそんな効果音が聞こえてきそうだった。 二人とも何も言わない。 ……何も言わないということは、やっぱり。「ラン先輩...
help3「彼のことは許せないけどね。でも、それ以上にホワイトのこと許せないわけ。せめてデュノアに、盗られた物を返してあげたいと思って、私は彼らに協力を求めたのよ」 ……デュノア家ってまだ存在しているんだ。 アリエルの話じゃあ相当非難を浴びたとのことだったので、没落していてもおかしくないと、あたしは思ったのだった。「ひっそりとまだ存続しているわ。一人の女に全てを狂わされた一家としてね。それよりも私の実家...
trio3 先輩に好きな人だって? そんな、まさか。 あれだけあらゆる女性に手を出しているというのに……?「誰々ー? 教えて! ラン先輩!」 ブロッサムは興味津々である。 俺も気になる…… どんな人なんだろう。「よくお聞き、後輩たち……あれは、櫻舞う春の日ことだ……」「え? もしかしてその話、長い?」「うるさい! 黙って聞け! ――僕はまだ、そうじ屋に入ったばかりだった」 まるで昔話でもしてくれるかのような口調...
help2「し……死んでいるって……」 先輩の顔が引きつっている。「幽霊って本当にいるんだ……」「……」 あたしがそうつぶやくと、先輩は黙ってしまった。「ふふ。驚いたでしょう? 私はこの世に未練がありまくりだから、あなたたちとこうやって話ができるのよ!」「要は、ウサギのぬいぐるみに死んだアリエルが取り憑いている状態なの。何かに憑かないと、生きている私たちとは話ができないんですって」 おねーさんが補足説明をして...
trio2 不定期に行われる、会議。 それに参加するために、俺とラン先輩はリプトン家のお屋敷を訪れていた。 ただし、参加するのは俺たちのような下っ端構成員。 八代目候補のキャロル様たちは参加しない。「思ったよりも早く着いちゃったね。お茶でも飲んで待ってようかー」 先輩の言う通り、開始時刻までそこそこある。 オールディス家からここまで長旅だったので、少し疲れた。 会議が始まるまで休憩しておくべきだろう……...
help1「私たちを手伝ってほしいの」 とある昼下がり。 あたしと先輩は、かの怪盗たちの住処にいた。 突然、ブラック・リボンことメロディーおねーさんに呼び出されたのだ。 メロディーおねーさんは、いつもあたしたちに優しくしてくれる。 ウィリアムみたいな性悪男とは違って、優しくしてくれる素敵な人だ。 それに、手作りお菓子だってよくくれる。 おねーさんはどうしてウィリアムなんかと一緒にいるんだろうね?「手伝...
trio1 えーっと…… どうやって始めればいいんだろう。 やっぱり自己紹介からかな……? こんにちは。 スノーって言います。 まだまだ新米のそうじ屋です。 そうじ屋というのは、裏社会では名の知れた暗殺組織だそうです。 表社会の規律を乱そうとしたり、裏社会でも逸脱な行為を働く人たちに正義の鉄槌を下します。 時には贔屓にしているお金持ちや偉い人から仕事を請け負ったりもしていて、ちょっとした老舗のようになって...
人魚と閉ざされた国新たな仲間、オペラを迎え、再び海へ向けて進むラムネたち。船の中で緑の海が一番近いと耳にし、早速進路を決めるが、緑の海へ行くには一つ問題があった。プロローグ/1/2/3Nicola氏、今年もこの日がやってきましたね……おめでとうございます。例年通り、また停滞更新になるでしょう。(ならんようにしろよ)最後までお付き合いいただければ幸いです。このページを作っている時点でもう心が折れそうです。▼...
カナリーはその日、重要なミッションを言い渡された。「いいか、カナリー。この手紙は超大事なものなんだ。わかるか、超がつくほど大事なんだぞ」「うん。超大事なんだね」 と、言っているわりには何だかそこまで真剣に感じることのできないカナリーだった。 しかし、父であり師であるクウェイルは、至って真面目だという顔で、何度も「超大事」を繰り返す。「そんな超大事な手紙をカナリーに託す」「わかってるよ。さっき教え...
昔、あの人は教えてくれた。この世界には、海以外にも住む場所があり、沢山の生き物が暮らしていると。昔、あの人は言った。この世界には、四つの色に輝く海があると――。人魚は海を知るために、旅立つ。◆人魚と魔法使いと四つの海◆プロローグ/1/2/3/4/5/6/7/8/9/10/11/12/13/14/15/16/17/18/エピローグ/あとがき人魚は嫌われ者の歌姫と、出会う。◆人魚と孤高の歌姫◆オープニング/1/2/3/4/5/6/7...
あとがき暑くなってきました。皆様いかがお過ごしでしょうか。人魚と孤高の歌姫。ようやく終わることができました。本っっっ当に……お待たせしました!!恐らく一番最初に書き出したのは2017年かと思われます。言い訳はいくらでもありますが、見苦しいのでやめておきます。ただひたすら謝らせてください。すみませんでした!!!大体どんな話にするかは、珍しく最初から決めていました。歌が劇的に下手で、破壊力のある女の子を仲間...
エピローグ 辺りどこを見渡しても緑。 そんな森の中を歩く影が一つ。「はぁ……どうしよう……」 その影……少年は、憂鬱な顔をしていた。「怒ってるかなぁ。絶対怒ってるよなぁ……」 一冊の本を抱きしめ、彼はトボトボと歩いていた。 すると、背後でガサガサッと物音がした。「――っ!?」 本を持ち直し、振り向く少年。 草をかき分け、顔を出したのは、一匹の犬だった。「え……えぇ……何でついてきちゃったんだよぉー……」 犬は嬉し...
19「何なんだよ。本当にお前ついてくんのかよ」「あら。嫌そうね?」 不満そうな顔をしているセムラの後ろを、オペラがついていく。 そのさらに後ろには、ラムネもいた。「アタシは大歓迎だヨ! 女子一人だったしさぁ!」 すっかりオペラの肩に乗り換えたクイニーは、嬉しそうに言った。 今回の騒動で、村と町の合併はなくなった……わけではなく。 合併はするものの、村の自然は保ちながら町と共存していくという話に落ち着...
18 ラムネはと言うと、海の上でキョロキョロとしていた。 まるで、自分の置かれた状況がわかっていないようだった。 シェルマーは、村人や町の人々に捕らえられ、連行されていった。「あれ……? 一体何がどうなっているんだ?」 浅瀬まで泳いできたラムネは、セムラやオペラたちに尋ねる。「どうなっていおるのはこっちのセリフよ! ――あんた、人魚だったの!?」「うん……? あ!」 セムラに散々言うなと言われていたこと...
17 海に突き落とされたオペラは、薄れゆく意識の中で、幼い頃の記憶を思い出していた。 物作りが得意だった父。 家具なんかをよく自作していた。 オペラも押さないながらに作るのを手伝ったりしていた。 そんな二人を優しい目で見つめるのは――「おい! しっかりしろ!」 聞き覚えのある声が耳に入ってきて、オペラは我に返ったように目を開けた。 セムラとクイニーが、彼女の顔をのぞき込んでいた。「私……」 まだ頭はく...
16「あの野郎……どういうつもりだ!」 人々は怒りを露わにする。 オペラは身動きが取れないようロープで縛られ、小さな舟の上に立たされていた。 猿ぐつわもされており、叫ぶこともできない。 舟を漕ぐのは、シェルマーだった。「シェルマー! あなたはもう終わりよ! その子を返しなさい!」 拡声器で、警告するプラリネ。 周囲の人々も「そうだー!」と、同調した。「うるさーい!!」 舟の上から、彼は叫んだ。「中止に...
あとがき皆さんいかがお過ごしでしょうか。ホタテです。ここまで読んでくださり誠にありがとうございます。キャラの登場数が一気に増えて何だか申し訳なくなってきた回でした。私もだんだんわけがわからなくなってきたという。しかも敬語キャラが同時に登場。やっちまったな……と、すごい思いました。話のベースは一緒ですが、ちょこちょこ変えました。アビーという新しいキャラも作りました。この話だけのキャラになりますが……あと...
disguise20 その後のことについては、正直特に話すことはない。 と言えば、嘘になるのかな。 いつも通りの日々が戻ってきてしまった。 ルイもいなくなった。 アビーもいなくなった。 あたしはまた一人だ。 先輩はあの後すぐに高熱を出し、ミリアルの所で寝込んでしまった。 おかげであたしとは、ろくに口もきいていない。 イオンはイオンで、ずっと何かにイライラしている。 あたしに対してではなさそうだ。 おばあち...
※このページは常にトップにくるように固定してあります※2022/1/4更新ご訪問ありがとうございます。当サイトは私、ホタテが気ままに書いたものばかりを載せている小説ブログとなります。近年は文学フリマを中心とした即売会に出店したり、BOOTHを利用しての通販を行ったりしています。また、私生活多忙につき、ブログの更新にあまり時間が割けなくなっており、簡単に投稿できるカクヨムや小説家になろうなどの投稿サイトをメインに...