霧野あみ さん プロフィール

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霧野あみさん: 脳内図書館
ハンドル名霧野あみ さん
ブログタイトル脳内図書館
ブログURLhttp://notosyo.blog.fc2.com/
サイト紹介文オリジナル小説を垂れ流してます。 R指定要素皆無。安心してご覧下さい。面白いかどうかは別として。
自由文ほんのりファンタジー風味、ちょっぴりオカルト成分、ほっこり妄想等、色々です。現在連載中の「アドラメク」の他、完結したお話もあります。「1話目から読む」よりお入りください。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供26回 / 365日(平均0.5回/週) - 参加 2012/02/02 17:14

霧野あみ さんのブログ記事

  • 25.<エピローグ>
  • 実智 × 花奈「ところでみのりちゃん、みのりちゃんのファザコンって、やっぱりお父さんのせい?」「花奈って時々抉ってくるよね。でも私、別にファザコンじゃないから。若い男の子って、自意識過剰なくせに繊細じゃない? それが面倒臭いだけ。人生の荒波の一つや二つかい潜った大人の方が、ココロに余裕ある気がするんだ」「(えっと、それを世間一般では『ファザコン』っていうんじゃないのかな……)そっか。で、大友さんとは [続きを読む]
  • 24.月曜<一週間後・後編>
  • 「あたしが思うに、ここで指摘するべきなのはね、大友さんの記憶からみのりちゃんのことだけが消えてる、ってこと」 花奈は自分に集まる視線に応えることなく宙空の一点を凝視したまま、自分の考えに集中している。「つまり、大友さんが悪魔退治を成功させた代わりに失った、大切なものって……」 花奈の視線が動き、実智の上に止まる。つられる様に、3人の視線も実智に固定した。「実智との……」「記憶……」「Fooooooooo!! [続きを読む]
  • 23. 月曜<一週間後・前編>
  • 「大友さんと一緒に、彼の実家に行くことにした」 突然の実智の宣言に、一同は驚愕のあまり顎を落すばかりで声も出ない。目をまん丸くして口をパクパクさせている彼らを見渡し、実智は「無理もないか」といった表情で苦笑いを浮かべる。「って言っても、長らく空き家になってる実家の査定をする付き添いと、失われた記憶の発掘・検証を兼ねてね」 ☆☆☆☆☆★ 病院から実智に連絡があったのは、一週間前。日付をまたいだばかり [続きを読む]
  • 22.土曜<大友の復讐>
  •  その男は、眼鏡さんが警官と電話で話し始めると俺の隣に素早く腰掛けた。黒服の女性は俺たちと眼鏡さんのちょうど中間あたりに立って、スマホを操作している。「君はあの悪魔に、アドラメレクに会ったか?」 ほとんど囁くようなその声に、僕は心臓を掴まれたような気がした。反射的に相手の顔を覗き込んだが、彼は視線を少し先の地面に固定したまま動かない。「どうして、それを」「どうやった? どうやったら会える?」 囁き [続きを読む]
  • 21.土曜<南町5 VS 武田猛>
  •  角を曲がり裏通りに出ると3人は足を止め、透の持つタブレット端末の画面を覗き込んだ。「商店街を抜けて住宅街に入ったな。手分けして追い込んで、ひと気の無い所で捕まえよう」「なんでわざわざ?」「このご時世、人前で捕り物なんてしたらネットに上げるやつが絶対出てくる。さすがに全世界に顔晒されるのは可哀想だろ」「なるほど。じゃあ、例えばどこら辺?」 既に興奮気味の道行の問いに、透は一瞬迷ったのちに答えた。「 [続きを読む]
  • 20.土曜<無色の棘>
  •  いよいよ、作戦決行の日。 ハルと道行は、すでにライブの準備中。こっちも準備は万端。各自、持ち物と役回りを確認する。「花奈、目印は?」 照明を落とした薄暗い店の中、緊張した面持ちの花奈がお手製のリボンを掲げて見せてくれた。両サイドにキラキラ光るラインが入った、かなり目立つピンク色のリボン。小さなかぎ針が取り付けてあり、皮膚に刺さらない程度、洋服に素早く引っ掛けられるように細工されている。「花奈が奴 [続きを読む]
  • 19.金曜<ピンクの淑女>
  •  何故、あたしだけが憶えていたんだろう。 透くんから録画を見せてもらった時、すぐにわかった。みっちゃんの歌を聴いて涙ぐんでいた、あの人だって。 顔は見てない。確か、見てないと思う。でも、目の前を通り過ぎた時に、指先で涙を拭う仕草をしたのは見えた。 それに、あの雰囲気。辛い、苦しい、助けて。体から発する、無音の救援信号。それに気づいて、あたしは彼を目で追ったんだと思う。 でもなぜ、あたしだけが彼を憶 [続きを読む]
  • 18.木曜<緑の道>
  •  最後の配達を済ませて車に戻り、エンジンをかけると、道行はすぐにオーディオを起ち上げ目的の曲を探し出した。急遽決まった土曜の路上ライブへ向けての確認のためだ。 昨日の会合は衝撃的だった。衝撃的だったけれど、事前にハルとみのりのグダグダがあったおかげで、ショックは受けたもののそれほど深刻にならずに済んだ気がする。透がふたりを遮らずにあれに付き合っていたのは、それを見越してのことだったんだろう。 その [続きを読む]
  • 17.水曜<ハルのBlus>
  • 『それがしぃ、つい先日まで ”傍ら痛し” を ”片腹痛し” と勘違いして候。カタハライタ〜イ☆』 スマホに向けて右手で呟くと、首を伸ばして襖の向こうの気配を探る。爺さまはまだ、台所から戻らないようだ。 みるみるうちに、スマホの画面に次々と反応が現れる。 『出たー、オサムちゃん! ってか、あたしもふつーに片腹痛しだと思ってたし』 『拙者もカタハライタイでござるぅ〜w』 『カタハライタシとか初めて聞いた気 [続きを読む]
  • 16.火曜<実智の暗黒>
  •  昨日は大変だった。大友さんが立ち去った後、ハルに問い詰められた透が、大友さんに対して抱いている疑惑について白状したのだ。「でもあの人、最近他所から越してきただろ。それに、窃盗の始まりと時期も合う」 透の一言に、一同は黙り込んだ。 「本人に直接聞く」と息巻く道行を「顧客を失うから止めて」と押しとどめ、「みのりちゃんが選んだ人を、リーダー(猫)が連れてきた人を、疑うのか」と詰る花奈を宥め、「サスライ [続きを読む]
  • 15.月曜<疑惑の二人>
  •  墨谷古書堂の二階は、書庫になっている。店の奥の小上がり、そのまた奥には小さな洗面所とトイレ。その隣の狭い階段を上ると、小さな踊り場の先に鍵付きの扉。鍵といっても、簡素な南京錠が一つあるだけ。その扉の向こうには、この店自慢の古い専門書や希少価値のある古本など、店頭には出さない本が所狭しと並ぶ。部屋の中には、天井までびっしり詰まった本棚がいくつもあり、その隅っこに小さな書きもの机がひとつ。北側になる [続きを読む]
  • 14.日曜<来訪者>
  •  何か調べようと思ったら、すぐにネットで調べられる時代。便利になったものだとつくづく思う。 だが、ネットでは辿り着けない情報も、もちろんある。そういう時は専門家や関係者の力を借りることになるが、意外と身近なところにも何かにつけ博学な人はいたりするものだ。 そういう意味で、古本屋というのは狙い目だ。一概には言えないが、古本屋の店主は読書好きが高じてそれを生業にしている人が多い。また、横のつながりも深 [続きを読む]
  • 13.土曜<杉原透>
  • 「あ、この人。たぶん、あのライブでみっちゃんの歌聞いて泣いてた」 録画ビデオを見ながら嬉しそうに指差したのは、花奈だった。ギター1本とボーカル、金曜の昼恒例の路上ライブもどき。開催場所がちょうど商店街事務所の前にある空きスペースなので、事務所に設置したビデオにその様子が録画されていたのだ。 花奈が誇らしげに語るところによると、通りすがりの見知らぬ青年が足を止めてしばらく聞き入っていたかと思うと、不 [続きを読む]
  • 12.金曜<百々瀬花奈>
  •  先週はライブがあったからやらなかったけど、金曜のお昼ぐらいになると、みっちゃんは歌を歌う。商店街の真ん中にある、植え込みを囲むベンチのところで、大きな声で歌うのだ。 店頭でハルくんがギターを弾き始めると、みっちゃんは歌いながら店から出てくる。ふたりは商店街の中央まで歌いながら歩く。そのことをハルくんは、「ギターで道行を誘き出す」と称している。   いつもならそろそろ、ハルくんのギターが聞こえて来 [続きを読む]
  • 11.木曜<森井道行>
  •  昨日は結局、道行はハルと共にもう一周パトロールをし、帰りに透の眼鏡店に立ち寄りビデオの録画チェックをしたのだった。特に、日曜の午後以降のものを詳しく。 目的はもちろん、見慣れぬ顔が映っていないかの確認と、その人物の顔をしっかり憶えておこうというものだった。無銭飲食被害の例の中華屋方面から商店街を通って駅へ向かったとしたら、店に仕掛けたビデオに犯人の姿が映っているかもしれない。 だが結局、実智のお [続きを読む]
  • 10.水曜<高柳晴海>
  •  実智が作ってくれたブレスレットは、イメージしていた通りだった。黒レザーにシルバービーズと昔使っていたシルバーリングを編み込んだ、ゴツめのデザイン。早速装着する。「おおお、いい感じ。こないだのオーディションの収録、これ着けてくわ」「え、結果もう出たの?」「おう。ま、結果聞くまでもなくわかってたけどな。ギターのスキルはともかく、ルックスは間違いなく俺が一番良かったから」 実智が小さく吹き出し、苦笑す [続きを読む]
  • 09.火曜<実智>
  •  別に、男嫌いだったわけじゃない。正直なところ、単に鑑賞するだけならイケメンだって大好きだ。 ただ、自分は恋愛に向いていないから、片っ端から断っていただけなのだ。 私は昔、好きだった人を傷つけてしまったから。うんと、傷つけてしまったから。 中学生当時、彼とは所謂「お付き合い」をしている仲で、それは学校中が知っていることだった。公認のカップルというヤツ。もちろん中学生だから、牧歌的というか、ほのぼの [続きを読む]
  • 08.月曜<全体会議>
  •  月曜の午後。例の公園に、5人は終結していた。「さて、あれから一週間経ったわけだけど……何か、あったか?」 透が皆の顔を見渡した。特にめぼしい進展は無さそうだ。「みんなの見回りと周知のおかげか、とりあえず個人商店での窃盗被害は減ったらしい。ただ今度は、大手リサイクルショップとスーパーからの窃盗が増えた。それと数件、客の財布から少額の現金が盗られて被害届が出てる……多分、スリだろうって」「減った…… [続きを読む]
  • 07.日曜<来訪者>
  •  初めて降り立ったその町は、故郷の雰囲気に少し似ていた。これといった特徴のない、適度な活気と生活感に溢れた、ありふれた郊外の小さな町。日曜の朝とあって、駅前といえども人通りはさほど多くはないようだ。 この町に、自分の求めるものが本当にあるのか。わからない。わからないが、闇雲に当たってみるしか方法は無いのだ。今までと同様に。 駅のホームから見えた看板を頼りに、不動産店を探す。まずは拠点を作らなければ [続きを読む]
  • 06.土曜<メガネクリアー>
  •  彼女はまた、髪を切った。短い襟足から伸びるうなじが、ひどく無防備に見える。 サイドの髪を耳にかけなおし、下唇を半分だけ噛む。下唇の左右どちらか半分だけを器用に噛むのが、原稿をチェックする際の彼女の癖だ。真剣な眼差しで隈無く検めながら、時たま思い出したようにそれを行う。左右交互に。 原稿をめくる時、耳たぶから垂れたピアスが揺れた。大胆に梳いた髪の下で、金色の細いチェーンが数本、まだ微かに揺れている [続きを読む]
  • 05.金曜<ジューシーピンク>
  •  開場して間もないホールはまだ明るく、客の入りもまばらだ。今日は金曜だから、開演する頃にはもっと増えている筈。早めに来たから、テーブルを確保出来て良かった。 花奈はスツールの上で身を捩り、入り口付近を探した。……みのりちゃん達、まだみたい……早く来ないかな。「でね、ハナさん。ジブン、ハルさんにめっちゃ怒られてぇ。暴力ったって、殴ったりとかはしてないんすけどぉ」「うーん……髪をつかんだりっていうのは [続きを読む]
  • 04.木曜<フレッシュグリーン>
  •  木曜の午後には隔週で公民館の一室を借り、野菜嫌いの子供のための料理教室を開催している。と言っても、本格的な調理はしない。元々、食育や野菜嫌いを治すための催しなので、子供達が料理や食材に興味が持てるようにするのが目的だ。 そういうわけでメニューは、子供だけでも作れるような生ジュースやフルーツサラダ、ゼリーなどが多い。「モリーせんせえ、できたー!」「あたしもできたー!」「あっちゃんもできたー!みてー [続きを読む]
  • 03.水曜<お刺身ブルー>
  •  いつものように店の奥に置いた丸椅子に腰掛けギターを爪弾いていると、面倒な客がやって来た。いや、客ですら無い。コイツが魚を買いに来るとは到底思えない。「ハルさぁん、来ちゃいましたぁ。ウィッセッセェッス!」「帰れ」「えええちょっとぉ、冷たいじゃないっすか。せっかく来たのにぃ」 何がせっかく、だ。呼んでないっつーの。大体コイツは、なんでこんなにクネクネしてるんだ。お前はタコか。「仕事の邪魔だ、帰れ」「 [続きを読む]
  • 02.火曜<腹黒ブラック>
  •  ひと気のない、小さな不動産屋の店内に、実智が自前で持ち込んだノートPCのタイプ音が軽快に響く。 頼まれて作成した南町駅前商店街のホームページの更新。まずは自社のコーナー「今週の新着物件」、次に「今日のお買い得情報」と「おすすめレシピ」の更新を終え、次はトピックの入力だ。 内容はもちろん、盗難事件多発について。このトピックが、常にHPの各ページの最上部に表示される。商店街のみならず、近隣住民に対しても [続きを読む]
  • 01.月曜<緊急招集>
  •  ひっそりとした神社の裏手にある、しんと涼しい小さな雑木林を突っ切ると、狭く古びた石の階段がある。ところどころ錆びの浮いた手すりを頼りに石段を降りた先は、ぽっかりと空いた印象の小さな公園だ。 ほぼ中央に滑り台、その隣には畳2畳分ほどの砂場。馬をかたどっているらしき、足元がバネになっていてグネグネと動く遊具がふたつ。その他には円形の公園の縁に沿って5つのベンチが並ぶだけの、簡素な公園。 背後には神社 [続きを読む]