他者の気配が差し出されて思いがけなくどぎまぎするわたしがつくったモノの形の中へたくさんな人が出は入りしてわたしは運命論者のやうに佇立して道路に投げ出された大き…
他者の気配が差し出されて思いがけなくどぎまぎするわたしがつくったモノの形の中へたくさんな人が出は入りしてわたしは運命論者のやうに佇立して道路に投げ出された大き…
まあるい眼鏡はなんのためそれで世間を覗きますおかあさまに云ひつけますよおお、お姫様はお屋敷から庭に出て鳥遣いが鳩を枝に呼びつけます高い給水塔にはその下にうまく…
春は野を越え、川を越え、畑を越えて、それはそれは大跨ぎでやって来た。/芽を出して春の用意を整えし/洗車して雪の汚れをアルプス市/洗車して水温みけりなにもかも/…
お手玉を投げ合うて投げ合うてあんたがたどこさせっせっせそは母と娘の遊びごとせっせっせはずれたよせっせっせ、どこ見てるのかなせっせっせ、あ~落ちちゃったね寝室の…
一人旅、北へ向かへば北を指す。/待春や赤い鼻緒のじょじょ履いて/冷蔵庫の微音あしたは晴ぁれ/どこやらに声の聞こえる春談義/屁ぷりむし有象無象に有耶無耶に/三ン…
“全介助”から自分で食べれるように少しずつ。 /㐂寿はまあまこと賑やか草萌える/春愁は朝霜のごと露に消へ/春愁や「春は名のみ」と唄ひけり/翠子を地に下ろしける…
眼鏡屋さんに寄るとドラッグだなんてなんかお医者さんみたいだな街道の脇はお隣のどこかが回転寿司で眼鏡屋さんに寄ると愛想のいい執事がすぐに出て来て慇懃に挨拶をする…
/頁繰るばばに震顫(しんせん)をさまりて眼は見えねども文字を探しぬ不思議だ。テーブルの上に冊子を置いておいたら… 夜辺(よべ)になると食堂はおだやかに平和にな…
花が身投げするわけはなからう朝のバルコンには光が波のやうに押し寄せ粒子がそこいらぢゅうにあふれてしまふ 高速道路だから乗ってしまへばもう引き返すことは出来ない…
春は足元を軽くするがよからう軽くするのがよからうとうちの甚六はまた靴を買ったズックのお洒落な奴だ空にででもうきうきと出掛けられさうな奴だ何考えてんだらうねおつ…
名前を憶えやうとするがなかなかうまくいかないひぃんらがなにしてみたり片カンナにしてみたり遠くで読んでみたり近くで嗅いでみたりしたが三っつまではなんとかあとは誤…
日の賜物───朝に陽を拝みよかれと思ふ家居と畑をぐるりと歩き昨日植えた薔薇の挿し木の元気を確かめるばんばーよかったねけふはお天気がいいよどうかね縁先から何か見…
不機嫌な二月が過ぎでも3月に目途が立っているわけではないさうかうするうちに舗石の隙間からは雑草が顔を出し始め多くの汚れた靴がその上を踏んでゆく行進、と云ふほど…
たーくらたー。庭仕事の愉しみ。/たーくらたーには手仕事でもしているのがいいのさ/庭仕事の愉しみなのさ/行けばゆく/行く先々にはなんでもある/鍋の底にはなんにも…
春光、春風。/春光やああ駆けだしたいドレミファドン/春光(はるかげ)や風に冷たき蕾かな/ばーさんに昔話や日向ぼこ/春風や隙間隙間と虎落(もがり)けり/春風や家…
チョコレイトの愉しみ傍らのチューリップぼくはもしゃもしゃと空を食べ始めるずいぶんと食いしん坊だなぁ自分がでかけるまではそんなことは知らなかった青い空は十分に広…
春の淡雪。よかった、積もらなかった。雪霽れの朝だ。ば様の下痢も止まった。よかった、よかった。/降る雪やあたゝかきもの掌(たなごころ)/沫雪やどこへ行こうかゆく…
訪問入浴一本の傘しかありません/一本の傘を差すしか私が出来ることはほかにありませんでした/庭に出て傘を差してその人の後を追いかけます/雨が少しでも降りかからな…
「2.24」(ニーテンニーヨン)。/熊本県TSMC工場のけふ開所式「2.24」(ニーテンニーヨン)/「2.24」(ニーニーヨン)早や まる二年ウクライナ二色国…
人間だけでなくあらゆる生物は死を避けようとし生を得ようとする。少しのやましさではなくそれは生きとし生けるもののほとんど本能だ。厭戦“19%”平和のために領土諦…
昏い夜空雪明りさみしい街に花束がポツンと置かれ、またポツンと置かれぽっとそこいらが明るんだかと思ふとなんだか黒い装束の男らが来て花束を袋に入れて立ち去る花が置…
あの紅梅はぼくが少しばかり手を掛けたものですやあ、けふは雨上がりにきれいに咲いていますねあの景物はすこしは村の景色に役立っているのでしょうか足を止めて休む人が…
モスクワから1900㌔以上離れた極寒の地の刑務所で収監中。2/16午後2時17分 Navalny氏、死亡。フォンデアライエン欧州委員長「ロシアの民主主義者と市…
ば様を台所に連れて行く。とんとんとん…俎板の音。生活音が身の回りを埋める。台所は明るくていいね。/芋掘りやト月十日と云ふわけに/掘り抜きに鵯水飲みに春の水/春…
寺島兄のFBより ナワリヌイ氏が死んだ一瞬世界がシーンと静まり返った仕事なんか忘れてしまった人もいた取るものとりあえず道に出て雪の中を歩いた花が手向けられた花…
あのじ様は怒りに任せて氷の塊を蹴ってゐる氷を足蹴にし氷を割って道の真ん中の方に少しでも蹴り出そうとするば様はまっ赤(か)い顔をしてベッドに静かに収まってゐるば…
1991ウクライナは中立国として独立。1994,12「ブタペストの覚書」核兵器の返納と自国の安全保障の確約(米英ロ)■武力をウクライナに対して用いない。199…
1916,5,16「サイクス・ピコ協定」成立。中東の分断とクルド人の漂流。「打ち方止め」の条件について、ウクライナの国民投票ではロシア系住民のそもそもの処遇か…
分裂───。中国もロシアも自分たちと異なる他者なのか。国家が憲法価値の実現主体。民主主義、自己定義への模索が続けられる。今では法では裁き切れない。戦場で罰を与…
子午線を踏んだかカラカラ回る音がする径は縦に下りてきて男の風貌に潮が満ちて来る風が吹くたびにおお、古代風が頭蓋を空っぽにしてゆくのだ死者は橋のたもとに抛り置か…
この土地はどこを掘ったってイスラエルの土だ、イスラエルしか出て来ない。パレスチナのテロリストたちに死刑を。パレスチナ人は移住されなければいけない。一方ハマス…
「ガザ、すべてが死につながってゐる」死者2万7000人超え(2/4朝日新聞)「ラファは絶望の圧力釜だ」。ベツレヘム受難のキリスト生誕の地 悲しいのポケットは一…
節分───/ばーさんの豆撒くけふは福は内おいおいそれは僕のナッツだぼくのおつまみのナッツをベッドの上でお布団に少し投げた(笑)。/息子からポストに落ちる春の音…
どなにふうにしてもどうしても自分の腹なんだこれは出てふくらんで尻も出てふくらんでどなにふうにしてもそれは世間に目立ってバス停に並んでいたら後ろがつっかえたみん…
みんなさやうならの乗り物に乗って───みんなさやうならの乗り物に乗ってやって来るんだね/みんなしめやかに、賑やかに乗り物に乗り合わせて/花束を持ったり、お菓子…
眼に言葉があふれてわたしを貫いて天井のゆれる陽の光の輪っかを眼で追い眼に光があふれて濡れているのかわたしを追い抜いてわたしの肩を追い抜いて歌おうとしなおも訴え…
73マサダの砦が陥落。集団自決(70エルサレム陥落)→ユダヤ人の“ディアスポラ”が始まった。 「国権は独立、主権、尊厳に関わるもので、すべてを圧倒する」(鄧小…
たまたま水遊びに来ただけだよ青のそんなものが水辺の中にゐるなんて知らなかったばかりひっそりとその上に乗るあの山を越えて川も越える水源まで行かんでんええんよとふ…
ゼリー食と栄養ドリンクを探しに薬局を3軒。さあいよいよけふはば様をお迎えに。午後にはストレッチャーにのせられてご帰還の予定。みんなで未体験ゾーンに入っていきま…
(以下webを参考に)英仏などによる“二枚舌、三枚舌”外交───1915,10「フサイン=マクマホン協定」イギリスが、オスマン帝国の支配下にあったアラブ地域の…
病棟へ最後のお見舞い。点滴ロックトレーニング。来週月曜日には退院。在宅へ。/みんなみへ貨物列車の漫ろゆく病院の窓ばばを見舞ひて/薬局へ介護ゼリーにドリンクに片…
春ヨこうこうと呼ぶ声がする遠くの山で氷がひしぐ音がする平地ではものの芽のものめきなにかが誰かをせかし始める 井戸の周りを三篇回る土蔵の周りを反対巡りぬける空の…
ウクライナ「メモ」───天に訴え地に嘆きを。 安全保障を担保としない国連は即解体すべきだ。(ロシアに)「死の権利」を与えている。世界中を平和にして欲しい。わた…
エジプトはシナイ半島にムスリム原理主義派が蠢くのを忌避してゐる。パレスチナ人の移住によっていらざる悶着が起こるのを懸念。他国に逃げたい人が多い。ヨルダンやエジ…
★智笑国の形「人工国家(1)」(human animals)
23,10,31難民キャンプに空爆「大虐殺だ、言葉にならない。もうたくさんだ」(ロイター=共同) 過酷な一日が始まり/過酷な夜に取り囲まれる/「あすこにゐるの…
ゴースト、そこへたどり着ければいいがゴースト、それはいかにも優柔不断だ彼女の指が曲がったのはそれは土と荒草の所為だ1978利根山光人「祝祭」 あそこの天辺に幻…
ぎくしゃく───/降る雪や共通テスト震災地/かにかくに海の向かうの恵方かな/繭玉や屋根の下なる老いふたり/俤ややしょうまづくり奥信濃繭玉で思い出した。2/15…
寒いことは寒いんだわ。甲府盆地、放射冷却。/甘党にお湯割り二杯ひよこ菓子/眼鏡(がんきょう)の曇り饂飩で温まる/冬ざるるどこもかしこもちぢこまる/悴んで寒暖計…
血は立ってゐるがよからう血は立ってゐる少しでも休んではならないと囁き続けるばーさんは指を握って放す指を丸めてそこに太陽の光を集めやうとする 湖はいま休んでいる…
寒の入り過ぎて───/ほろほろと七草粥のやさしくて無病息災両手に包む/釈迦堂に冬陽こぼれて土器笑ふ/アルプスに雪置く甲府盆地かな/寒の入りいつまでと云ふことも…
カンファレンス───。「退院サマリー」(退院時看護要約)/行きはよし富士見てけふはカンファレンス主治医スタッフ「退院サマリー」/点滴のロック指導を妻うけるチュ…
すべての人はまた逢う日までと手を振ってまた逢えるさあ1989辰野登恵子「WORK 89-P-13」諸要素の多極的な拮抗 すべての人は誰一人なくそこを潜り抜けて…
/戒名はこれからのこと初笑ひ生きてゐる内に会おう。笑ふべし。2024,1/6“初笑ひ”。ジジイ三人寄れば。 明けて1/7は友達の葬儀。1/1の朝4時、逝去。7…
1/5(金)晴れ。けふはより自宅に近い巨摩共立病院へ。「訪問看護」の契約。土屋弘子看護師と金子さき子院長。自宅看取りについての説明。“おだやかに”がポイントに…
ボーイ、元気にしちょると思ふがどうかねその後は順調にロードを遡り懸崖はあそこだ陽が差し掛かり滴るやうにアーチを描きだからみんな目指してゆくんだねなんにしろ自分…
赤玉ポートワインは呑んでいるかねまさに今のきみに正しいと思うが1924赤玉ポートワイン“日本初ヌード”寿屋 ベンガジまでの距離は遠く亀の背中に乗って歩く気持ち…
初詣を久遠寺に───/久遠寺や(287)にぃぱぁななもなんのその功徳は菩提梯になるらん/三が日初詣する久遠寺に杉の大木触れてみんとて/女坂下りてみれば久遠寺の…
初春やめでたくもありめでたくも無し───1/1 朝4時、友達が逝去した。1/1 午後4時過ぎ能登地方に大地震、津波警報。/初茜甲斐の盆地に手を合はす/ばば抜け…
きみがきみであるためにはどうしたらいいんでせうきみはしょっちゅう出掛けてしまうぼくがぼくであるためにはどうしたらいいんでせうぼくもしょっちゅう出掛けてしまうき…
/手をさすり額に触れてまた来るねすがるばーさん点滴の管/ばーさんを見舞いて帰る病院の駐車場には次と車の/鳳凰山真ん前に見て交差点貢川(くがわ)を左に富士の高嶺…
1957瑛九(えいきゅう)「空の目」 わたしは反芻するわたしは繭の中のものなのかわたしは眠ってゐるのかもしれない多くのものの声の中で気持ちのいいものだけを反芻…
TVの前から離れられんのだよ犬っコロのことではないまさか人語を喋るわけはなからうところがここにきて喋った 海に光が溢れて来て船縁を波が静かに叩く魚類が跳ねる1…
上京。忘年会へ。/虹を見て故郷をさて中央道きっといいことあるかもしんない/田仕舞いの後に虹たつ盆地かな/釈迦堂やみなそれぞれにX'mas/釈迦堂へサンタのおじ…
ぼくらには一人一人に異なる名前がある───1974ウィフレド・ラム「我々はここにいる」1937 スペイン内戦 さて、さうして次々と名前が出て来る/ヤタ、タニタ…
どんな願いが込められているのか道を歩く敷石に、どんな願いが込められているのかほとんどの径はまだ道には程遠くはぐれた子供が寄る辺なく歩く1973高山辰雄「食べる…
/着ぶくれてすこし背中の曲がりしを朝が来る───ピンク色に朝は山からくるかしらいえいえそれは違います朝は狭い農道を渡って来ます新聞配達屋さんや牛乳やさんがきっ…
/菜干してなにやらうれし小春かな/ふろふきや柚子ほんわかと香に出でて/ふろふきや眼鏡曇りしをそのままに/ふろふきに箸を入れたる湯気やさし/柚子散らす昼饂飩(う…
朝日川柳23,12,6「なりたいな「差し控える」ですむ身分」23,12,6「バレちまいましたと墓前にご報告」23,12,7「「清和」とはとても名乗れぬ裏事情」…
デコポンのふらふら柚子玉のデコポンのぷかぷか湯の中でぷかぷか気持ちがよささうだば様はすぐに忘れるば様の睡たさうなば様は眠っているのか妻の「起きて」の声がするや…
「尻込み」はどんなゴミだ蛙ピョコピョコむピョコピョコ巫山戯てみるお道化てみる空爆の下で頭の中も、尻の下も真っ白になる意味なんか求めてる暇なんかなくなったら瓦礫…
/あれの続きをしませうか/忘れていたことを思ひ出しませうか/ジャンケンポン/あなたが先に/こんな日にはあやとりをして/きれいな不思議な形に仕上げませう/お指の…
おっとっとの伝説───どうせ乗りかかった船でぇい風が吹けば桶屋が儲かるとか密偵とか密使が足早に木枯らしの街区を奔る狸御殿だなぁ金襴緞子だよ錦秋の径径をゆけば山…
釜無に開国橋盛んなり開国橋を伸びやかにわたりゆけば豁然と空は青く晴れて見晴るかす富士の高嶺は雪を輝かすわれらは病院の帰路かくも気持ちが爽やかになり往路は先が不…
あれはわらしべあれはコロボックルみんな秘密めかしてしらばっくれて草の蔓とかあけびの色だとかに溶け込んで草の実がポンポン撥ねてお山の入口でそれだから一緒に行かな…
さあ冬ですぞいっそセレナーデ妻はけふ足元に湯湯婆を入れてくれた寒さ一入足元に襟足にやって来ますでも、さあやって来なさいいっそセレナーデ辛いことばかりじゃああり…
畑が青くなってきましたので行ってきましたよちょっと前に雨が降ってもう秋もそろそろだなんて云ふのにまだ青草が伸びろ伸びろと一生懸命です畑に下ろすわたしのリンカー…
2019,11,14(92歳)2020,11,12落葉拾い(93歳)2020,11,12お散歩「うしろ姿の…」2023,11,11(土)10歳年下の妹さんの訪…
こはれものはなんですかこはれてゆくものなんですか関連や関係性ですか橋梁のこちらとあちらを結ぶ列車が来るではありませんか 太陽が黄色いと云ったのですね幹線道路は…
あれは凩だよって妻が指をさす柿紅葉がぷるぷると震え庭先につむじ風が立つひやりとして風の精が頸筋を撫でてゆくやたら亡くなる人が増えて世間話は障子に声をひそめる遠…
昨日は庭の角っこのイヌツゲ。電信柱が突っ立っていて作業やるのにややこしいことこの上ない。ば様が昼寝から目覚めて奥座敷に移動。じ様は喜んでわたしの庭を見てくれた…
かにかくに秋は釣瓶にまはりぢゅう───/「それなんだ」「土瓶」と応えるばばであり手には大きな百目柿持ち/打ち寄せる枯木灘にはばーさんの肢削げてゆく枯木のやうに…
僕だってこのままほおって置いたら冬のように老人になってしまう何も知らない夜洗面所の水は流しっぱなしでしたよ水は流れていってパティオにいつからこんなに水の音が気…
ば様退院。入院約3週間。刺激無し、会話無しの病室。ば様はさらにフレイルに。引き返せないさらなるステージに入ったな。/黄葉散るうち重なりて門柱に主まだかとうち重…
天心運行毎日奇跡───/毎日が奇跡となるや柿の秋/土除ける尻のあたりを紅はるか/ドンが鳴る村いっぱいの文化の日/文化の日この上なしに菊薫る/二三個の茗荷転ばし…
「わたしたちは山羊で突っ立っていることなんか平気だって思ってゐるんだわ」ヨルダン川西岸、検問、通学のたびに長い列。モナさん11歳。2010~11シャルル・フレ…
検診日───/omronを家族でまはす検診日秋は小春の一ト日なりけり/鵙晴れや生贄の棘ことごとく/検診や無罪放免こぼれ萩/小さき子の声美しやこぼれ萩/小春日に…
口を開けて大きく宙を吸い込む波のやうに水平に心の裡が収まればいいのだが1843ターナー「光と色彩―大洪水の翌朝―」大洪水“ノア”の後戻って来た太陽 まろい、太…
つまり靴を脱ぐときは気を付けなさいよ何か他のものを踏んづけやしないか靴下をはくときも同じだねなにか余計なものまではゐて仕舞わないかすべて自分のサイズに合うとい…
/ばーさんがゐるかと後ろ振り返る野分の声が家の中まで/夫婦して野分の中を帰るかな畑仕事をはよ切り上げて/甲斐の国畑(はたけ)表を八つ颪/畑(はた)表掃いて冷ま…
「鰯雲人に告ぐべきことならず」加藤楸邨/菊の香や文化勲章の話しなと/熊情報だんだん里に下りて来る/松手入れ吾を熊と云ふ妻がゐて/縁先に茶が入る松見る庭師かな/…
それはそれで愉快な悪戯になるだらうホールから小動物が顔を出す全員が全員人間の味方と云ふわけにもゆくまいこうしている間にも木の根を越えてゆくトレイルランナーがゐ…
金木犀───/おはやうと金木犀の香を告げぬ/金木犀かうして世間はじまりぬ/金木犀いつもどこやら謎めきぬ/医院から袖畳みなくて返さるるばばの下着を洗ひて干しぬ/…
どんな育て方をしたのか知らんけれどこんなとこで死んだふりして陽だまりにしろくだんまりだね箱の中に手を入れ足を入れどうしたらぼくがここからあそこに行けるのか考え…
★智笑ポエム「高妻山を下りて翌日、ば様の入院と云うことに。」
10/13(金)高妻山登山───/マユミ割れて秋の山景賑わひす/山行の径に岐れる紅葉かな/山景に水音落ちて秋深む/鎖場に鎖の冷えて難行す/頂門は石祀に懸かる紅…
秋は漫ろに───/壁に添ふ今生の紅、百日紅/眼眼痒くなるほどの黄やアワダチソウ/消息は背丈超えゆくダリアかな/芋洗うただの棒にはあらずして/或る里は芋を洗うに…
やたら躰のざわつくやうなところを触って目覚めさせておいてさっさと引き上げてゆくずるいなぁ1923ピカソ「Lovers」恋人たち モーナ、おまへの毛の中に奇跡が…
「真っ青な空がミサイル落としけり」「冬の星あふれて灯火管制下」ウラジスラバ・シモノバ8/27日経 たぶん最初に「痛い」と云ふことに気づき/流れる血を赤いと意識…
誰かが引き返せないとしたらとんでもないことだどうしてももう引き返せないのかと聞くともうほらごらんとドアの向かう側に出ていった生きている間は知ることはできないし…
秋は海の色に少しさみし色が混じり手に掬うと掌のなかに少し海の碧が残り掌にゆらゆらと話しかけると話しかへす1918有島1936木田金次郎「海」(18,8,7日経…
不意に生まれるぼくらでさへかーさんのお腹の中からへその緒がずっーと続いていて空気の中へ、土のなかへとつながって懐かしくふわふわと楽し気に浮かんでいる思はず笑は…
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他者の気配が差し出されて思いがけなくどぎまぎするわたしがつくったモノの形の中へたくさんな人が出は入りしてわたしは運命論者のやうに佇立して道路に投げ出された大き…
まあるい眼鏡はなんのためそれで世間を覗きますおかあさまに云ひつけますよおお、お姫様はお屋敷から庭に出て鳥遣いが鳩を枝に呼びつけます高い給水塔にはその下にうまく…
春は野を越え、川を越え、畑を越えて、それはそれは大跨ぎでやって来た。/芽を出して春の用意を整えし/洗車して雪の汚れをアルプス市/洗車して水温みけりなにもかも/…
お手玉を投げ合うて投げ合うてあんたがたどこさせっせっせそは母と娘の遊びごとせっせっせはずれたよせっせっせ、どこ見てるのかなせっせっせ、あ~落ちちゃったね寝室の…
一人旅、北へ向かへば北を指す。/待春や赤い鼻緒のじょじょ履いて/冷蔵庫の微音あしたは晴ぁれ/どこやらに声の聞こえる春談義/屁ぷりむし有象無象に有耶無耶に/三ン…
“全介助”から自分で食べれるように少しずつ。 /㐂寿はまあまこと賑やか草萌える/春愁は朝霜のごと露に消へ/春愁や「春は名のみ」と唄ひけり/翠子を地に下ろしける…
眼鏡屋さんに寄るとドラッグだなんてなんかお医者さんみたいだな街道の脇はお隣のどこかが回転寿司で眼鏡屋さんに寄ると愛想のいい執事がすぐに出て来て慇懃に挨拶をする…
/頁繰るばばに震顫(しんせん)をさまりて眼は見えねども文字を探しぬ不思議だ。テーブルの上に冊子を置いておいたら… 夜辺(よべ)になると食堂はおだやかに平和にな…
花が身投げするわけはなからう朝のバルコンには光が波のやうに押し寄せ粒子がそこいらぢゅうにあふれてしまふ 高速道路だから乗ってしまへばもう引き返すことは出来ない…
春は足元を軽くするがよからう軽くするのがよからうとうちの甚六はまた靴を買ったズックのお洒落な奴だ空にででもうきうきと出掛けられさうな奴だ何考えてんだらうねおつ…
名前を憶えやうとするがなかなかうまくいかないひぃんらがなにしてみたり片カンナにしてみたり遠くで読んでみたり近くで嗅いでみたりしたが三っつまではなんとかあとは誤…
日の賜物───朝に陽を拝みよかれと思ふ家居と畑をぐるりと歩き昨日植えた薔薇の挿し木の元気を確かめるばんばーよかったねけふはお天気がいいよどうかね縁先から何か見…
不機嫌な二月が過ぎでも3月に目途が立っているわけではないさうかうするうちに舗石の隙間からは雑草が顔を出し始め多くの汚れた靴がその上を踏んでゆく行進、と云ふほど…
たーくらたー。庭仕事の愉しみ。/たーくらたーには手仕事でもしているのがいいのさ/庭仕事の愉しみなのさ/行けばゆく/行く先々にはなんでもある/鍋の底にはなんにも…
春光、春風。/春光やああ駆けだしたいドレミファドン/春光(はるかげ)や風に冷たき蕾かな/ばーさんに昔話や日向ぼこ/春風や隙間隙間と虎落(もがり)けり/春風や家…
チョコレイトの愉しみ傍らのチューリップぼくはもしゃもしゃと空を食べ始めるずいぶんと食いしん坊だなぁ自分がでかけるまではそんなことは知らなかった青い空は十分に広…
春の淡雪。よかった、積もらなかった。雪霽れの朝だ。ば様の下痢も止まった。よかった、よかった。/降る雪やあたゝかきもの掌(たなごころ)/沫雪やどこへ行こうかゆく…
訪問入浴一本の傘しかありません/一本の傘を差すしか私が出来ることはほかにありませんでした/庭に出て傘を差してその人の後を追いかけます/雨が少しでも降りかからな…
「2.24」(ニーテンニーヨン)。/熊本県TSMC工場のけふ開所式「2.24」(ニーテンニーヨン)/「2.24」(ニーニーヨン)早や まる二年ウクライナ二色国…
人間だけでなくあらゆる生物は死を避けようとし生を得ようとする。少しのやましさではなくそれは生きとし生けるもののほとんど本能だ。厭戦“19%”平和のために領土諦…
/春影や地に下ろしては紅李/花摘む里花紡ぐ里紅李/気が付けばぺんぺん草の白き花/幾度も蕗の苦きを笑ひける/春昼や襁褓姿のばばであり/お喰いだれ洗いしばかりお前…
とってもサトシくんでは間に合わないぼくはサトシくんのやうにゐねむったりぐずったりしないからでもO先生の文章の前では逡巡したり、時々また往ったり来たりするその文…
/初蝶のすぐに番となりにけり/春耕やまだ春泥の続きをり/春光や花咲き花の天を突き/受粉待つ花ゑう無きにいきみけり/いきみけり受粉待つ花放棄地に/花咲いてみな浮…
溝を掘る雨が来るよ畑作が水浸しにならないやうに石を掘るずいぶん地面に潜ってゐるぢゃあないか おーい鶴嘴にスコップに総動員だ土工の真似事だねタガネが抜けちゃった…
/雪溶けて田の字田の字は無いけれと/ウグイスの聲拙くも啼き初めて/常念も見えずなりけり霾つちふるや/室むろを出て林檎小布施の販売所/雪柳ただ投げ入れてあるばか…
spring has come ───春は人間(じんかん)にやって来る。春は雪解の根開きにやって来る。春はきらめく小さな沢水にやって来る。とりわき春は滴る青の…
みんな平気な顔をしているけれど『3.1独立運動』なんだ。1919,3,1に韓国のソウルで集まっていた群衆の中から一人の学生が独立宣言を読み上げた。外交権も奪わ…
/雛祭り女の子から胡蝶蘭/息災の齢こと祝ぐ雛ひいなかな/眼庇やとほき出来事貝ひいな/耳たぼをさはりて夜の桜貝/雛祭り土蔵の奥にそのままに/雛祭り梁の下なる何代…
殴ってゐるもう、風を殴ってゐる砂交じり、雪交じりの風だ驢馬の首を横抱きにして崩折れるなんと云ふ明るさなんだ無数の十字架に畑中はもうほんたうに端から端まで静かだ…
/貝三種握りて以って春と為す/国境につづめてみたり凧(いかのぼり)ルカシェンコ氏は習さんの前に引っ張り出されて。/迷い径ヒイラギナンテン棘痛し/マフラーの音寒…
/お湯割りを仕上げて妻し春笑ふ/つみれ汁 僕となりて湯気吹きぬ/しずしずと八つ颪来て畑冷やす/言伝を軒に投げかけ梅の花/お喰いだれ二度ぼこを云ふ日脚伸ぶ/ひさ…
/蕗の薹かくれんぼする野面かな/放棄地のあすことあそこ蕗の薹/こめかみに春や目覚める蕗の薹/みそ汁に翠散らせる蕗の薹/パン工房クラムチャウダー春だもの/寒むか…
葬送が続く。平和があるとすれば「墓場の平和」ではたまらない。“午前11時になると”戦死者の葬列にひざまずくウクライナ兵(21日、リビウ) 陥穽だなんて穴を掘っ…
青と赤のエスキース赤を踏んで食べるか青を択んで幸せになるか下絵にはそんなことも描いてあった赤を食べると微かな苦みが生じて躰の中から赤色になるおまへは赤だとみん…
百の云い訳をして千の理屈をつけて屋根を作った大きな屋根は地平を越えて人民の声をくさす2023,2,21プーチンの教書演説「ネオナチに対する反抗『大祖国戦争』」…
(2023,1,25毎日新聞)鼉龍だりゅう盾形銅鏡4世紀後半いまに怖ろしい鉄槌が日本国に下されるのではないかと…政府をちゃんと選べない国民はもはや堕ちるところ…
心臓の構造をお訊ねもうしあげます寒い日にはよくないのですね走りだしてもいけない ましていまでは月と星と夜が多くの冬を与えるお布団に入ってお星さまの数を数へる天…
/こだわりは日影の雪の溶けかねて/鳩サブレに眼と眼が会ひし春の宵/出生は高尾の辺り梅の花/春光(はるかげ)やシクラメンの花光射す/水仙の確かに背伸びしたやうな…
頭をぶつけたぼんやりしていた豆腐の角に目が覚めたすこし世間がわかった気がした 頭をぶつけた冷蔵庫の角にこんどはほんたうに痛い気がしたなんでこんなところに冷蔵庫…
世界が冷えていってかうしてカフカの世界が完成する沈黙が周りから押し寄せて来る どんなに快楽の絶頂の最中に在っても根底を促すものはただ不明の不安ばかりであった真…