ハナムラ さん プロフィール

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ハナムラさん: レベルブック
ハンドル名ハナムラ さん
ブログタイトルレベルブック
ブログURLhttp://levelbook.seesaa.net/
サイト紹介文ひたすら小説
自由文事実は小説より奇に違いない。 だけど、その事実を相手に伝える時、 すでに小説が始まっている、と個人的には思ってる…
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供21回 / 365日(平均0.4回/週) - 参加 2012/06/05 18:15

ハナムラ さんのブログ記事

  • #284 『ロマンTV』30-32
  • 本当は、否定したい気持ちでいっぱいだった。少なくとも自分は、人のことばかりなんて考えちゃいない、そう言いたかった。例えば、無機物のことを考えるのはどうなんだろう。石ころを採集している地学者は、そう言い切れるだろうか、いや違う―僕は彼女にわかるくらい大げさに首を振った―、「どうしたの?」「いや、その通りだなって思っただけ…、この世界は、」大げさに聞こえそうで、少しためらったけど、僕は息をついて、「少 [続きを読む]
  • #284 『ロマンTV』26-29
  • 「心に三つの思いをもって生きていくのです。いつも感謝をし、いつも尊敬し、いつも許しあうことです」私の胸に、許す、という言葉だけが、紙にペンで書かれて滲んだ文字のようにして残った―本文は以下です↓ロマンTV[08]26-29.pdf [続きを読む]
  • #283 『ロマンTV』21-25
  • 絵に描いたような背の高い、鼻の大きな白人の神父さんが現れて、両手を広げて、これから二人を祝福しよう、みたいなことを、流暢な日本語で言って、続けてそれを英語にして言い終えると、ハーブなんかの弦楽器の演奏が一斉に始まった。そして、立ち上がって拍手をしている私たちの後ろのドアが開くのがわかった―本文は以下です↓ロマンTV[07]21-25.pdf [続きを読む]
  • #282 『ロマンTV』コラム2
  • 遺伝子の記憶について文学的な回答を試みる、というのが本作のモチーフになっています。マウスに桜の香りを嗅がせてすぐに電流を流すと、やがて桜の香りを嗅いだだけで身をちじこまらせる。何世代かあとの子孫のマウスに桜の香りを嗅がせると、電流を流さなくとも恐れて身を硬直させる。一時これは、遺伝子に記憶があると解釈されたりしましたが、実は種の保存や、生存競争のために遺伝した行為というのが、現在の見解になっていま [続きを読む]
  • #281 『ロマンTV』コラム
  • 3年ほど前、名古屋の郊外、瀬戸市にある常光寺を訪れたときのことです。駅前に渓谷があり、その岸壁に築かれた巨大なホテルがありました。ホテルはすでに廃墟と化し、数年前の不審火でその外観は痛々しい様相をしていて、目を奪われるというか、巨木が朽ち果てていくに似たその光景に、しばし見とれていました。そうして、いつかこの場所を小説のモチーフに書けないものかと考えていました。ここは廃墟マニアには有名なスポットで [続きを読む]
  • #279 『ロマンTV』15-18
  • 未練がなかったわけじゃない。涙が瞳の中を潤している。その証拠に、見慣れた街明りはきらきらして別の世界のように見えた。だけど、そこまではいくんだけど、結局涙は、私の頬を伝って流れることはなかった。慣れたんだと思う。生れ落ちた運命に慣れただけだと思う―chapter15本文は以下です↓ロマンTV[05]15-18.pdf [続きを読む]
  • #278 『ロマンTV』11-14
  • 「透のね、心の奥のぞいたことあるよ」「…」「偽装したりしちゃだめ、かまえたら、ちゃんと閉ざされちゃうから、無意識な瞳をそっと見るの」僕らは体を寄せ合って座席に揺られていた。「いつだろう…」「ずっと前だよ、まだ全然、付き合うとか、考えてくれてない頃かもしれない」―chapter14本文は以下です↓ロマンTV[04]11-14.pdf [続きを読む]
  • #278 『ロマンTV』08-10
  • 私は、私の中の別の自分が、私の中から息をすうっと吐いて、ノドを震わせて、「うん」と言わせるのを、なにか遠くから見ているみたいにして聞いていた―chapter10本文は以下です↓ロマンTV08-10.pdf [続きを読む]
  • #277 『ロマンTV』04-07
  • 「カリモクのね、ソファ、黄緑色したやつ、」オーク材のゆったりしたソファのことまだ憶えていた。コーヒーの蓋を取る。透明した湯気が浮き上がる。僕はそっと口を付けたけれど、熱すぎてほとんど飲めなかった。「私がね、少し派手なんだけど、でもこれ欲しいなって言ったの」「言ってた、黄緑、すごい鮮やかな感じだった」「欲しいけど、もし一人じゃなくなって、誰かと暮らしたりしたら、これいらないって言われちゃうかも…、そ [続きを読む]
  • #275 『イージー・サン』08
  • 先生の青いブラウスの、こんもりとした胸のあたりにじっと見入って、それから、視線を慌てて落とした。山古志先生はどうしていただろうか、ぼうっと突っ立って、なんだか海野先生のこと、ずっと見続けていた気がする。僕が気兼ねしないわけがない。僕にだって、なんとなく、この二人の教師が、何か普通でない関係、あるいは、その入り口にあるような雰囲気が分からないわけじゃなかった。本文は以下です↓イージー・サン08.pdf [続きを読む]
  • #274 『イージー・サン』07
  • 何か、勘違いしていた。僕のベッドの夢想では、すでに鮎子は歴然とした彼女だったから。現実に自らの思いを降下させるのにそれなりに時間がかかった。そう、僕らは手すら握ったことない。それでやっと、僕の行くあてのない片手がぱたりと落ちた。本文は以下です↓イージー・サン07.pdf [続きを読む]
  • #273 『イージー・サン』06
  • 『たぬきにも事情がある』 そりゃ、わかってるよ。僕は投げやりに答えた。『生きていくには、仕方ないこと、たくさんあるんだぜ』僕は舌打ちした。父はじっと黙ったまま、僕を見つめたままだ―本文は以下です↓イージー・サン06.pdf [続きを読む]
  • #272 『イージー・サン』05
  • イージーサンだ。名前がおかしいって、あなたは言ってたけれど、別に僕が付けたわけじゃないんだ。あいつが、自分で名乗った。『俺は、ただイージーなだけじゃない、俺はイージーサンだ』そうあいつは僕の耳たぶが震えるような響きのある声で言った。本文は以下です↓イージー・サン05.pdfFacebookでは、人類史、というか、イージー・サンにまつわるコラムを連載しています。https://www.facebook.com/profile.php?id=100011461448 [続きを読む]
  • #271 『イージー・サン』04
  • 僕らは二足歩行になって、衣服を身にまとうようになって、性的なアピールをどこで表現したらいいのか、思い悩んだに違いない。猿の赤い尻のあたり、全部顔の周辺に持ってきたに違いなかった。本文は以下です↓イージー・サン04.pdfFacebookでは、人類史、というか、イージー・サンにまつわるコラムを連載しています。https://www.facebook.com/profile.php?id=100011461448239 [続きを読む]
  • #270 『イージー・サン』03
  • 僕は一瞬だけ怖気づいたけれど、一呼吸して、だって、セックスは、好きな人同士がするって聞いていたから、と彼女から視線を外しながら呟いた―本文は以下です↓イージー・サン03.pdfFacebookでは、人類史、というか、イージー・サンにまつわるコラムを連載しています。https://www.facebook.com/profile.php?id=100011461448239 [続きを読む]
  • #269 『イージー・サン』02
  • 何十億年前、水の中に相容れない油膜ができて、それが大海から区切られ、初めて生命が誕生したことを思えば、その一粒、いや一粒なんてものじゃない微細な、塵の何万分、何億分の一の、その一つから、僕らは分裂して出来たのだから、固体として分かれたことを、人間くらい大脳が発達すれば考えたりするだろう、ちゃんと、区切られてるって、そういう鼻歌だった―本文は以下です↓イージー・サン02.pdf [続きを読む]
  • #268 『イージー・サン』01
  • 人が、人として森から抜け出した日が、太古の記憶には間違いなくある。百万年とも三百万年前ともいわれている、気の遠くなる遥か過去に、確かに、その日はあった。ヒトは、不完全な体で、前足、つまり、いずれ手って呼ばれるものをそっと大地から離し、よろめきながら後ろ足だけで立ち上がった。樹上ではいつも木の葉にさえぎられていた陽射しに、おそらく、手をかざし、目を細めたんだろう。そこで人は、太陽と大地とどんな契りを [続きを読む]
  • #266 『セノイピープル people dreaming as senoi』24
  • 「戻ってきますか?」もう、真木の澄んだ声は、手を伸ばしても届かない、はるか頭上に聞こえていた。何度もリフレインしているみたいで、僕の反応をせかすようだ。僕は少しだけ不機嫌を装って、「ああ…、猫にね、餌もやらなきゃいけないから…」再び目を閉じた―本文は以下です↓セノイ24.pdf登場人物相関図 [続きを読む]