虹のコヨーテ さん プロフィール

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虹のコヨーテさん: Signifié/Signifiant
ハンドル名虹のコヨーテ さん
ブログタイトルSignifié/Signifiant
ブログURLhttps://enzogarden.exblog.jp
サイト紹介文Peyote-Agree, Coyote-Angry, Golyat-Hungry
自由文記憶の劇場の帰り道、ふと持ち上げたカルヴァドスの空き瓶の下に「巴里の午睡」とコッペココペリと虹のコヨーテは恥ずかしそうにうずくまっていた。
いにしえの昔、ディネの男たちとアステカの民はコヨーテを「歌う犬」と呼び、いたずら好きの神として敬った。彼らはコヨーテが太陽と死と雷とたばこをもたらしたと信じて疑わなかった。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供80回 / 365日(平均1.5回/週) - 参加 2012/08/13 13:37

虹のコヨーテ さんのブログ記事

  • トパンガの夢
  •  7UPを1ダース飲みおえ、トパンガ・ケイヨンロードをトパンガ・ムーンに向けて200mile/hで飛ばす。トップを格納した1958年式フォード・エドセル・サイテーションは息を止める寸前だ。オールズモビルがレモンを丸ごと1個噛みつぶしたような顔がさらに醜く歪んでいる。ポンコツ・マクナマラが化けて出そうだ。不意に「世界の終り」と思う。サイズの小さな「世界の終り」なら、もうすでに世界中のあちこちで見てきた。高くついた「世 [続きを読む]
  • バトンガの男
  • BATONGAとDuffyは虹の橋のたもと/海と空と大地が出会う場所でシュレディンガー・ドッグ・フレンドシップを結ぶ。シュレディンガー・ドッグ・フレンドシップ憲章はThe Ten Commandments of Dog Ownership/犬の十戒である。*BATONGAとDuffyは友情の印にそろいのグローバーオールのダッフル・コートを着ているが、両者ともあきらかにワンサイズ大きい。ふたりの合言葉はBATONGA TOPANGA Duffel Toggle!/私は私のやりたいことをやる! [続きを読む]
  • 山岳犬ダフィーの冒険 #1
  • Shooted by velzebub17年間、マスターもフィールドもハンツマンも置きざりにし、カヴァーさえ跳びこえて矢のように駆け抜け、カブ・ハンティングには目もくれず、レッド・フォックスがわりに焼きそばを頬張り、残った焼きそばを「おまえも食え」とばかりに目の前にドサッと置き、登りつめ、山のはるか高みへ向けて飛翔しつづけたた山岳犬ダフィーに捧ぐ。きっと忘れないよ。いつも思っているよ。いつか虹の橋のたもと/海と空と大地 [続きを読む]
  • コアントローポリタンの女
  •  どこにも行きたくない者にとっては世界のどこであろうと地の果てだ。E-M-M電話の呼び出し音。世界の果てにあるヒッコリーの森の木樵小屋からだ。木樵の家族の笑い声。薪割りの音。小鳥たちのさえずり。しかめっ面をした騎兵隊長のナッツクラッカー大佐がクルミを割っている。ヒッコリーの老木が倒れる音もする。夢か? いや、すべてが夢というわけではない。電話は確かに鳴っている。神経を逆撫でする呼び出し音が少しずつ大きく [続きを読む]
  • ギャツビーの女 ── クールボアジエをもう1杯
  •  夏服を着た女たちが歩く明るい表通りからは悪意と憎悪の毒矢が放たれる。 E-M-M週末、金曜の昼下がり。都会の喧騒が消えうせた宝石のような時間。オフィス・ビルの壁面のガラスが夏の初めの空と雲と光を映している。仕事は午前中にすべて片づけた。仕事もプライベートもすべては順調で、なにひとつ思いわずらうことはない。これから日曜の夜にベッドにもぐりこむまで、夏の始まりにふさわしいとびきりの時間をすごせる幸福で心は [続きを読む]
  • 成熟と喪失 ── はるか遠い日の夏の思い出
  • 我は悲の器なり 我において何ぞ御慈悲ましまさずや Gen-Shin我が心は石に非ず 転ずべからず Shi-Kyo末世の衆生に親子のかなしみ深きこと Kon-Jaku天人五衰の悲しみは人間にも候けるものかな Hey-Ke生あるものは必ず滅す 楽しみ尽て悲しみ来る Hey-Ke汚れつちまつた悲しみに 今日も風さへ吹きすぎる Chu-Yah日本ですごす最後の夏になるので、ずっと夏にまつわることを考えている。夏のにおい、夏の色、夏の音、夏の風景、夏のかなし [続きを読む]
  • 早く家に帰りたい。
  • 腹ちがいの兄がいる。年齢はひとまわりほどもちがう。私は兄を親しみをこめて「兄公」と呼んだ。ニコと呼ぶこともあった。「アニコウ」の略称。それと兄公の名前が「勝利」だったからだ。ロシア語のニコライ、ギリシャ語のニコラオスは「(対人的な)勝利」を意味する。さらにはほとんど笑ったことがないから皮肉をこめて。ニコと呼ばれるのを兄公はすごく喜んで、そのときだけは私のほかに人がいなければとても魅力的な笑顔をみせた [続きを読む]
  • 風にそよぐサポナリアの花影で。
  • 風について考えられるのは、人生の中のほんの一時期のことなのだ。 HALKIMBO-Mシャボン草が芽吹き、花咲き、梅雨の合間に淡く遠慮がちな青空がのぞくとシャボン玉を飛ばす。頬をかすめる風。風にそよぐシャボン草。シャボン草の花の間近で弾けるシャボン玉。すべては風のいたずら、風の気まぐれ、風の意志によるものだ。風に魅かれる。みえない風に。樹々や草花が揺れる姿やさざめく音、波しぶきが舞い上がるようすを通してしか、 [続きを読む]
  • MEDLERの木箱とフシギの地下室#1
  •   MEDLERの木箱はCLOSED SHOPを見下ろす小高い丘の頂上にある。私がMEDLERの木箱の存在を知ったのはCLOSED SHOPの永久無欠名無しの店主であり、宇宙獣蒐集家としても知られる森蔵書郎翁を通じて世界遺産文明製品の世界的企業であるMEDLER社から古代オリエント世界に関する調査報告書作成の依頼を受けたのがそもそもの始まりだった。MEDLERの木箱にはヴォイニッチ手稿42ページ下段右の「図像ナンバー42」と寸分たがわない蔦がから [続きを読む]
  • ひとつの椅子とみっつの椅子#1
  • 20世紀初頭にカジミール・セヴェルィーノヴィチュ・マレーヴィチュが 79.5cm × 79.5cm のキャンバスに漆黒の正方形を描いて以来、世界は解読不能の「深層」を孕むようになった。そのことはいまも変わっていない。世界に起こることのすべてはマレーヴィチュ『漆黒の正方形』の延長線上にある。 79.5cm × 79.5cm 的世界はいまも世界のありとあらゆるところに深淵の口をあけている。勇気のある者はその深淵を覗きこんでみるがいい。 [続きを読む]
  • 究極のマティーニと古い友情の終わらせ方
  • 古い戦友の命日。戦友との思い出がぎっしり詰まった酒場に足を運んだ。20年ぶりだ。戦友は探偵で、腕っぷしはめっぽう強いが泣き虫で、酔いどれの誇り高き男で、運に見放されていて、美人に目がないくせに女にはからきし弱く、「いつかゴビ砂漠のど真ん中で究極のマティーニを飲む。そして、死ぬ」が口ぐせで、ネイビーの、ペンシル・ストライプのダブル・ブレステッドのスーツしか着ない男だった。救いは彼が律儀で不器用で無愛想 [続きを読む]
  • カサブランカごっこ#1 月の輝く夜に
  •   忘れちゃいけない。キスはただのキス、ため息はただのため息。恋の基本はいつだって変わらない。月の光もラブ・ソングもなつかしい光のシミも時代おくれにはならない。どれほど時を経ても。Her-Hupトーキョー砂漠のど真ん中にある酔いどれ王国唯一の酒場、「リックのアメリカ酒場」から聴こえる「君の瞳に乾杯!」の号令とともにカサブランカごっこは始まった。カサブランカごっこは痩せ我慢のゲームだ。「きのうはなにをして [続きを読む]
  • ペーパーバック・トラベラー#4 1983年夏のクラクション
  • 曖昧で、名前すらつけることのできない空を見上げながら雨の気配をさぐる日々。かつて、 われわれはそのような日々を「夏休み」と呼んだ。1983年の夏の終り。134号線のロング・ドライブに疲れてうとうとしかけたとき、ビーチサイドFMにセットしていたカー・ラジオから稲垣潤一の『夏のクラクション』が聴こえてきた。進行方向左手に2階建ての白い洋館が見えた。渚ホテルだった。右手にはきらめく海面から不機嫌そうに立つ浪子不動 [続きを読む]
  • パリ北駅発、現象。バラ色の人生。
  •  パリ北駅4番線ホームにおける知覚の現象学的手法遠い異国から来た若者はすでに列車の中だ。遠い異国から来た若者は生涯最高にして最悪の旅に出ようとしている。遡ること数時間前。わが要塞、わが知の胎内。わが知覚の現象学的手法が誕生する場。朝、いつものように眠られぬ夜をやりすごし、ベッドから抜けだすと遠い異国から来た若者が居間の中央に正座し、神妙な面持ちで吾輩を待っていた。「おはよう。どうした? こわい顔して [続きを読む]