ヒルナギ さん プロフィール

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ヒルナギさん: 百夜百冊
ハンドル名ヒルナギ さん
ブログタイトル百夜百冊
ブログURLhttps://ameblo.jp/hirunagi0007/
サイト紹介文書評や小説、色々です。
自由文色々な文章を書いています。
よろしくお願いします。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供61回 / 365日(平均1.2回/週) - 参加 2012/09/17 20:40

ヒルナギ さんのブログ記事

  • 虎よ、世界の終わりをみよ 065
  • バクヤはバカ笑いをやめて、百妃をみる。「いや、あほなことしてる場合やない」バクヤは、膝だちになっている百妃に寄り添い背中に手をあてると横たえた。「ごめんね、わたしが来るのが遅かったばっかりに、ひどい目にあわせてしまった」なんとなく上から目線に感じるのは、自分のこころが弱ってるせいと百妃は思い、すなおに礼をいう。「いいえ、あなたのおかげで生き延びた。ありがとう、バクヤ」バクヤは、百妃の服をはだけさせ [続きを読む]
  • 虎よ、世界の終わりをみよ 064
  • 百妃は、あたりを蹂躙する爆風に身をまかせながら、地面に倒れこもうとする。誰かが、彼女の身体をささえた。見あげると、影につつまれ朧ではあるが、間違いなくティーガーの顔がある。百妃は、息をのむ。おそらく、完全に量子的ユニタリティが回復したのではないが、部分的に実体化させれるところまでは復旧したのだろう。その本体はディラックの海にあるが、手のひらだけは局所実在化しているようだ。百妃は、長いため息をつく。 [続きを読む]
  • 虎よ、世界の終わりをみよ 063
  • マキーナ・トロープたちは半径5メートルほどの円で百妃を囲っている。狼たちは、霧の中に潜む薄暗い影のようだ。鬼火が浮かぶように、その瞳だけが輝きを放っている。百妃は、左手ごと骨喰藤四郎を持ち虚の構えをとっていた。どのくらいパウリ・エフェクトを発動できるか、心の一方を使うことができるかぼんやり考える。二、三体と刺し違えることができたら上出来というところか。せめてフリージアが逃げ出すための、時間稼ぎとな [続きを読む]
  • 虎よ、世界の終わりをみよ 062
  • 百妃は全身を氷に浸けられたような恐怖を、感じる。百妃は夢中で老人から身を遠ざけようとしたが、身体を村正で貫かれているので簡単にはいかない。ワイヤーソウが舞い、真紅の血が灰色の世界を赤く染める。百妃は、左手を失った痛みに悲鳴をあげながら村正から身体を引き剥がす。ひゅうと音をたてて、赤い血がしぶく。百鬼は骨喰藤四郎に左目を貫かれた状態で、立っている。骨喰藤四郎には、切断された百妃の左手がぶらさがってい [続きを読む]
  • 虎よ、世界の終わりをみよ 061
  • ふうと、百妃はため息をつく。所詮、人工知能に過ぎないRBの作った式神もどきは、こんなものだろう。術者と式神の関係を、本質的なところで理解できていない。次の瞬間に百妃のとった行動は、純粋に反射だけによるものだった。背後から吹く死の風をよけられたのは、奇跡に近い。ユキカゼの足元に身を投げ出した百妃の頭上を、ワイヤーソウが通り抜けていく。百妃の髪の毛が、一ふさ刈り取られていった。百妃は身を捩って、立ち上 [続きを読む]
  • 虎よ、世界の終わりをみよ 060
  • 百妃はほとんど固形物としか思えない空気の壁を切り裂きながら、落ちていく。パラシュートを開くべきポイントは、とっくに過ぎておりこのままでは地上に激突して死ぬことになる。けれど、百妃は死ぬつもりは全くなかった。彼女の視界の先には、白いおんながいる。その瞳には、百妃の姿が映っているはずだ。百妃は注意深く白い魔神に向かって、呪の糸を垂らしていく。九十九神に対して行うように、魔神と量子リンクを確立していった [続きを読む]
  • 虎よ、世界の終わりをみよ 059
  • 巨大な魚が身を翻すように、ヤクⅠは機首を下方に向け霧の海へとダイブする。ローズのとなりで、黒い翼で蒼白の空気を裂きマリィゴールドがその後に続く。ローズもその後を追って、乳灰色の海へと飛び込んだ。急降下すると、空気が固体化したようになる。本物の海にダイブし、深海をさらに潜ろうとしているような気分になった。ローズの背中で金属の翼が、軋み音をたてながら震える。地上から雪風の撃ちあげる25ミリ機銃弾が赤い [続きを読む]
  • 虎よ、世界の終わりをみよ 058
  • ダネルMGLを手にしたマリィゴールドは、翼の下面を輝かしながら宙に浮く。M4カービンを手にとって後に続こうとするローズに、フリージアが声をかける。「これを、持っていきなさい」フリージアは、ペイロード・ライフルを、ローズに向かって放り投げた。ローズは全長が1.5メートル近くある長大なアンチマテリアル・ライフルを軽々と受け止める。マキーナ・フェノメノンをとれば筋力が飛躍的に強化されるため、14キロほどは [続きを読む]
  • 虎よ、世界の終わりをみよ 057
  • 百妃は、ツバキのほうへ眼差しを向けた。「あなたの式神を、貸してもらえないかしら」ツバキは少し、フリージアのほうを見る。フリージアは、無言で頷きツバキは矢を取り出すと前方に向けて投げた。BMW・R75をこえて道路の前方へと飛んでいく矢にむかって、百妃は叫ぶ。「ヤクⅠ、我が前に顕現せよ」黒い光が現れ、オリーブドラブの翼を持つレシプロ戦闘機が姿を現す。百妃は笑みを浮かべると、ローズたちに手をふる。「ここ [続きを読む]
  • 虎よ、世界の終わりをみよ 056
  • 再び、爆音と閃光が霧を貫き、ローズたちの身体を揺さぶる。今度の爆煙が上がっている位置は、先程より10メートルほど近づいたように見えた。「まだ、ね。わたしたちの位置が把握されるのは、時間の問題じゃあないの」フリージアはとても落ち着いた口調で、悲観的な見通しを語る。百妃は、素直にうなずいた。「もって10分程度かな。その間に、反撃をするわよ」ローズは、目を丸くして問いかける。「ねえ、そもそも魔神てなんな [続きを読む]
  • 虎よ、世界の終わりをみよ 055
  • ふと、ローズは物思いから我にかえった。いつのまにか、前方に大きな丘が見えはじめている。それは、岩石でできた荒野に浮かぶ船のようだ。百妃は、その船の下にシャイアンマウンテンへの入り口があると語っていた。とすれば、もう目的地は目の前にまできているということか。けれど、ローズは違和感を感じる。あたりの様子が、おかしい。色が失われ、灰色になってしまったかのようだ。もともとが荒野の景色にそれほど色彩があった [続きを読む]
  • 虎よ、世界の終わりをみよ 054
  • ローズは、キューベル・ワーゲンのハンドルを握り荒野を走っている。彼女が操る四人乗りの軍用自動車は、例によって術者である百妃が霊符を使いディラックの海から引き出したものだ。ローズの隣では、ダネルMGLを手にしたマリィゴールドが座っている。後部座席には、フリージアとツバキが並んでいた。百妃は、BMW・R75に乗りキューベル・ワーゲンを先導している。はじめて出会ったときにそのサイドカー付き軍用バイクを運 [続きを読む]
  • 虎よ、世界の終わりをみよ 053
  • 百妃は、いつのまにか四人の少女たちがそばにいることに気がつく。マキーナ・トロープであるとともに、にんげんのおんなのこでもあるという矛盾をかかえた少女たち。とても過酷な運命をかせられているように思えるが、今は百妃のことを思いやるような目で見ている。驚きだ。百妃は、すこし苦笑した。自分は、生きる屍となった少女たちに気をつかわせるほどに暗い顔をしていたのか。そう思うと、なぜか笑みがこぼれる。自分は、悪く [続きを読む]
  • 虎よ、世界の終わりをみよ 052
  • 百妃は、不思議なものをみるようにヴェルレーヌを見ている。「一応儀礼的に聞くけど、怒ってもいいよ」百妃は、うんざりするようにいった。「降伏する?」ヴェルレーヌは、無言のまま後ろにさがりながら、ペイロードライフルを構える。最後に聞いたのは、地獄の門をこじ開ける轟音であった。ヴェルレーヌの意識は、闇にのまれる。百妃は、金色の巨人が爆炎に包まれ大地に沈むのをみた。その左手は黒い光につつまれ、その中から醒め [続きを読む]
  • 虎よ、世界の終わりをみよ 051
  • もっともな話では、ある。もう一度、ティーガーの前面装甲が無数の落雷を受けたように、火花と轟音につつまれた。金色のゴーストとなったヴェルレーヌの影がとおりすぎ、ソニックブームが百妃の身体を鷲掴みにする。百妃はティーガーに獅噛ついて、風に吹き飛ばされないよう耐えた。ヴェルレーヌは、こちらを弄ぶように少しづつ命を削るつもりらしい。「覚悟をきめろ、主よ。正念場だ」百妃は、迷いを捨てる。そして、叫んだ。「バ [続きを読む]
  • 虎よ、世界の終わりをみよ 050
  • 漆黒の炎が燃え上がるように、ヴェルレーヌの身体から殺気が沸き起こる。百妃は、笑みでその殺気に応えた。焔で炙られるような殺気を、百妃は身体で受け止める。無意識のうちに、骨喰藤四郎を正眼にかまえていた。本能的に、守りの構えをとってしまったということだ。そして百妃は、信じがたいものを見ることになる。ヴェルレーヌの姿が、一瞬にして消失した。あまりのことに、百妃の反応が遅れる。動いたのは、ティーガーであった [続きを読む]
  • 虎よ、世界の終わりをみよ 049
  • フリージアたちが、地下へ避難しおえたのを見届けた直後に、マキーナ・トロープはゆっくりと降下しはじめる。百妃は、苛立ちとともに唇を噛んだ。金色のマキーナ・トロープは、あえてパウリ・エフェクトの射程内にはいろうとしている。百妃と一対一であれば、負けることはないと思っているのか。空から降りてくるマキーナ・トロープは龍の翼を持つ悪魔の姿であるが、なぜか金色に輝く身体を見て百妃は天使のようだと思ってしまう。 [続きを読む]
  • 虎よ、世界の終わりをみよ 048
  • 「ティーガー、変化しろ」百妃の言葉に応じて、鋼鉄の巨大な獣は黒い光に包まれる。マリィゴールドとローズは突然地上にほうりだされ、驚きの声をあげた。上空から襲ってくるマキーナ・トロープに戦車の形態をとっていたのでは、的にされるだけである。百妃は、上を見上げた。爆煙の隙間から、金色に輝くマキーナ・トロープの姿が見える。マキーナ・フェノメノンをとっているようであるが、完全な龍の姿にはなっていない。人型に龍 [続きを読む]
  • 虎よ、世界の終わりをみよ 047
  • 百妃たちは、臨戦態勢のまま街の出口へと向かう。爆炎と灰の向こうに、街の出口が見えてきた。その瞬間、百妃は突然胸騒ぎに襲われる。黒煙に被われた空の向こうに、一瞬金色の光が見えた気がした。さながら凶事を告げる彗星が空を横切るのを見たかのように、不吉がこころに溢れる。「止まれ、ティーガー」百妃は、停止したティーガーのキューポラで骨喰藤四郎を抜く。鋼の冷たい輝きが、赤黒い爆煙の渦巻く廃墟の中に解き放たれる [続きを読む]
  • 虎よ、世界の終わりをみよ 046
  • 漆黒の光の中から現れたのは、オリーブドラブの飛行服を着た金髪碧眼のおんなである。ウェーブのかかった髪を短くした可憐な顔のおんなは、自分とそう年齢は変わらないなと百妃は思った。飛行服のおんなは、ツバキの前に立つ。「まさか、髭の独裁者が愛した戦車と共闘するとは思わなかったぞ」飛行服のおんなは、皮肉な笑みを浮かべる。ツバキは意味が理解できないらしく、紅い瞳を怪訝そうに曇らせた。フリージアが苦笑を浮かべ、 [続きを読む]
  • 虎よ、世界の終わりをみよ 045
  • ツバキの弓には、今度は矢がつがえられている。ツバキは矢を放ち、叫んだ。「ヤクⅠ、我が前に顕現せよ!」百妃は、驚愕で目を見開いた。放たれた矢は、宙空で黒い光に包まれる。その黒い光の中から、全長8メートル、翼長10メートルはあるレシプロ戦闘機が出現した。オリーブドラブに塗装されたデルタ合板の機体に、真紅の星が描かれている。流線型をした戦闘機は、機種のプロペラハブに装備されている機銃を撃つ。20ミリ弾が [続きを読む]
  • 虎よ、世界の終わりをみよ 044
  • 百妃は、眉をひそめる。これでは、簡単すぎだ。そう思うと同時に、頭上の気配に気づき百妃は空を仰ぎ見る。いつのまにか廃墟の建物に入り込んでいたらしい、半人半獣の姿をしたマキーナ・トロープたちが窓から降下してくる姿が、目にはいった。マキーナ・トロープは巨大な蝙蝠の翼を広げ、5.56ミリのアサルト・ライフルを手にしている。百妃は、舌打ちをした。自分達は、後手に回ってしまったらしい。「ティーガー、照明弾を」百妃 [続きを読む]
  • 虎よ、世界の終わりをみよ 043
  • ティーガーの無限軌道が、廃墟のアスファルトを砕き前進をはじめる。ティーガーはキューポラの前方についた擲弾筒から、発煙弾を発射し煙幕を重ねていく。マリィゴールドは、前方上面装甲についたハッチを開いて煙幕の向こうをから現れる敵を探していた。鬼火のような光が、黒い煙の中に浮かび上がる。マウザー・ヴェルケMG34が火を吹き、二体のハウンドタイプが崩れ落ちた。しかし、ハウンドタイプたちはティーガーを避けるように [続きを読む]
  • 虎よ、世界の終わりをみよ 041
  • 竜は地上へ墜ち爆発音が、百妃たちの顔を打つ。爆炎はさらに空の暗さをまし、粉雪となった灰が舞い散る量が増えていく。どのくらい戦力を削れたかは判らないが、いやがらせ程度にはなったであろうと百妃は思う。「これからが、本番よ」百妃は、砲塔の後ろにたつローズと、ティーガー内のマリィゴールドに向かって言った。ローズは少し蒼ざめた顔で頷くと、ダネルMGLを構えなおす。マリィゴールドも、マウザー・ヴェルケMG34の銃 [続きを読む]
  • 革命9号の夢 (下)
  • 「こいつは」社長が、うめく。「ガンタンクじゃあねえか」とても残念な感想をもらしたので、わたしは社長を睨み付ける。「ぜんぜん違うっていうの」無人のファミレスの天井に頭部が届きそうな鋼鉄のロボットは、脚部に無限軌道を装備していた。全長4メートル、全高2メートル半の鋼鉄製ロボットの下半身は、九八式軽戦車を転用している。右手に十年式12センチ高角砲、左手に八九式旋回機関銃を装備し、前面は50ミリの装甲に覆 [続きを読む]