まあばあちゃん さん プロフィール

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まあばあちゃんさん: 堺の町のまあばあちゃん
ハンドル名まあばあちゃん さん
ブログタイトル堺の町のまあばあちゃん
ブログURLhttp://mabaachan.blog.fc2.com/
サイト紹介文堺の町に住む、ひとりのおばあちゃんのお話です。
自由文住み慣れた町の人々との交流や孫のトモちゃんや犬のジロとの生活を通して力強く生きていく姿を物語に書きたいと思います。 
宜しくお願いします。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供214回 / 365日(平均4.1回/週) - 参加 2012/09/30 10:11

まあばあちゃん さんのブログ記事

  • いたたまれない
  • 「お春ちゃん、身近な方が南方で亡くなったの?」吉川さんが聞きました。「身近いうか、近所のオッチャンやな。魚屋のオッチャンとか散髪屋のオッチャンとかな。ようおまけしてくれたり、アメちゃんくれたり……エエ人やなと思ってた人が、いきなり出征するねん。町会みんなで見送りに行ったわ。うちの飲んべぇの父ちゃんにも赤紙が来てな。」「まあ、帰ってこなかったの?」吉川さんが驚いて聞きました。「……帰ってきて、また母 [続きを読む]
  • 映画を見よう
  • 今日は久しぶりにさわやかな風が吹いて、秋がちょっとだけ顔をのぞかせてくれたような日です。「吉川さん、あんまり元気ないな〜。早よ、しっかりしてもらわんと心愛ちゃんが可哀そうやわ。なあ、まあちゃん。」「そうねぇ。」吉川さんは、お散歩だけは必ず参加していますが、何となく元気がありません。なにかにつけ、以前の件を自分から持ち出して、ずーっと謝り続けます。この間、たまりかねてお豊ちゃんが、「妙ちゃん、過ぎた [続きを読む]
  • お盆
  • 「あ、今日は8月15日やな。12時に黙祷するとき教えてな。私、今から心愛ちゃんのところにお盆のおさがり持って行ってくるわ」「ありがとう。きっと喜ぶわ。」「うん。」「暑いから日傘が忘れないで。」「分かってる分かってる。そやけど、トモちゃんは朝も早よから学校行ってしもたな。今どきは盆も何もないなぁ。」お春ちゃんはブツブツ言いながら、盆のおさがりの果物やお菓子をシルバーカーに入れました。「もう、顔の傷も [続きを読む]
  • 気をつけようね
  • 「はい。これで大丈夫よ。しばらく冷やしておいてね。明日、明後日は腫れるでしょうけど、三日もすれば、ひくわ。」「まあちゃんは何でもよう知ってるな。」「まあおばあちゃんは、お医者さんみたい。」「そやで。まあちゃんはほんまに医者いらずや。病気やケガのこと、よう知ってる。」「何言ってるの。ケガしないように注意したり、健康を心がけることが一番大事なのよ。」まあばあちゃんが言うと、「そらそうや。ここ一年くらい [続きを読む]
  • 傷だらけのお春ちゃん
  • 「お母さん、大丈夫? どうしたの?」邦ちゃんが、起きてきました。「邦子、寝とったん違うんかいな。起きたらアカンがな。寝とき寝とき!」お春ちゃんは邦ちゃんを急き立てて、寝かしつけました。「おばあちゃん、こわい……」ひろ子ちゃんが固まってしまいました。「まあ……」見ると、顔中血だらけになっています。ハッと袖を見ると、ぬぐった跡がありました。血が止まらないようです。「病院に行きましょう。」まあばあちゃん [続きを読む]
  • 二人で一緒に
  • 「ひろ子ちゃん。」「なあに?」「今度、お母ちゃんがしんどくなったら、おばあちゃんにも教えてね。体を冷やさないとほうがいい時もあるのよ。」ひろ子ちゃんはしっかり頷きました。「おばあちゃんと一緒に看病しましょう。ひろ子ちゃんがしんどくなったときは、お母ちゃんかおばあちゃんに言うのよ。体がおかしいな。いつもと違うなと思ったら。絶対に教えてね。」「はい。」「ほんまに、だれも助けに来てくれへんわ。」お春ちゃ [続きを読む]
  • ひろ子ちゃんの看病
  • 「ありがとう、まあおばちゃん。」「邦ちゃんの好きなもの作ってくるわね。ゆっくり休んでね。」まあばあちゃんは邦ちゃんをそっと優しく握り返すと、おでこを撫でました。「はい。」邦ちゃんは子どものように素直にうなずいて、そっと目を閉じて安心したように眠りました。まあばあちゃんは邦ちゃんが眠ったのを見届けるヨッコラショっと立ち上がり、台所に立ちました。邦ちゃんの大好きななすびのお浸しを作るためです。他にも焼 [続きを読む]
  • 邦ちゃん大丈夫?
  • オッチャンの家に着くと、ひろ子ちゃんが飛び出てきました。「あ! おばあちゃん! お母ちゃんのお熱が下がらないの!」ひろ子ちゃんはまあばあちゃんにしがみついてワンワン泣きました。邦ちゃんは、クーラーのきいた涼しい部屋で休んでいました。「まあおばちゃん!」邦ちゃんはまあばあちゃんの顔を見ると嬉しそうに笑いました。「どうしたの? ひろ子ちゃん心配で泣いてるわよ。」まあばあちゃんが言うと、「すみません。大 [続きを読む]
  • 邦ちゃんが夏バテ
  • 「ひろ子ちゃんや邦ちゃんは大丈夫? 夏バテしてない?」まあばあちゃんが何気なく聞きました。「それが、ひろ子はおかげさまで元気なんやけど、邦ちゃんが倒れてしもうて……」「邦ちゃんが?」まあばあちゃんはビックリしました。「えらいこっちゃ!」お春ちゃんもビックリしました。「そやけん。医者に行ってきてんけど、なかなかなんやわ。」「まぁ……」「それで、精つけてもらおう思ってウナギ買ってきてんけど、ばあちゃん [続きを読む]
  • 暑さがマシに?
  • 「お母さん、吉川さん、またなんかあったんでっか?」オッチャンが心配そうに尋ねました。「それがな……」吉川さんと心愛ちゃんのことを話しました。「そうでっか……、あの人も次から次へと大変やなぁ……。それにしてもええお孫さんですなぁ」「そやろ? あの子は不幸になってほしいないわぁ。そんなわけで、また吉川さんと付き合いが始まってしもうてな。ちょっと参ってるんやわ」「付き合いって、難しいもんですな。」珍しく [続きを読む]
  • オッチャンだった!
  • ―――ピンポーン――ー「誰やろ……」お春ちゃんが心配そうにまあばあちゃんを見ました。「ばあちゃーん。おるかー! ナスビとキュウリ持ってきたで〜」おっちゃんの声です。「あら!」「なんや。婿さんか」二人はホッとしたように顔を見合わせました。まあばあちゃんは嬉しそうに玄関のほうへ行きました。表に出ると、おっちゃんが大きな箱を下すところでした。「まあ、こんなにたくさん!」「それがな、二日ぶりに畑に行ったら [続きを読む]
  • お豊ちゃんに話さないと……
  • まあばあちゃんはハッとして、お春ちゃんを見ました。「どないしたん?」「お豊ちゃんに話しとかないと……」「あ! ほんまや。いきなり顔合わせたら、お豊ちゃん、腰抜かしてしまうわ。えらい目にあわされたもんな。」まあばあちゃんも複雑な表情でうなずきました。「うちらかて、ちょっと怖いもんな。このまま、もとの吉川さんに戻ってくれたええけど、なんや、よう分からんもん。一回、縁がつくと、すっぱり別れられへんなぁ… [続きを読む]
  • 吉川さんの事情
  • 「心愛ちゃんも、もう夏休みやな。」「そうなのよ。」「学校が休みになったら、心愛ちゃんもちょっとは楽やろ?」「ええ」「そや、今日な、美容院の先生に聞いてんけどな。吉川さんの息子な、スナックのママと出来てるねんて。ほんで嫁さんと大ゲンカになったらしいわ。ほんで、相談してたパート先の男とエエ仲になって逃げたんやて。私全然詳しいこと知らんかってんけど、町中のうわさになってるみたいやわ。ま、もとはといえば、 [続きを読む]
  • 吉川さんは怖いけど
  • あれから吉川さんと少しお話して、別れました。家に着いて、麦茶をごくごくと飲んだ後、お春ちゃんは「なあ、わたし、行きがかり上、吉川さんに気のエエ返事したけど、不安やわ。あの人あんな感じでシレっと怖いことするもんな。」ふ〜っと息を吐きながら言いました。「でも、あの心愛ちゃんが不憫でなぁ〜。ほっといたらどんどん不幸になりそうやんか。」まあばあちゃんもうなずきました。「そや。私、びっくりしたわ。まあちゃん [続きを読む]
  • 散歩の約束
  • 「ごめんね、お春ちゃん……」吉川さんは、また謝りました。「もう過去のことはええやんか。あの時はあんたの心に魔が差したんやな。いつものあんたとはまるで別人やったもん。私らも元の妙ちゃんに戻ってほしいと思ってたんや。」「ありがとう。わたし、お春ちゃんにもまあちゃんにも悪いことばっかりして、どう謝ったらいいのか……本当にごめんなさい。」「もう、ええやん。あんまり深こう考えたら、変な病気になってしまうで。 [続きを読む]
  • お春ちゃんが帰ってきた
  • 「あんたら、こんなところで何してるんや?」「あら、お春ちゃん!」お春ちゃんはいつもより髪を短く切って涼しそうな髪型です」「美容室、早かったわね。」「そやねん。美容室の先生がな。私の頭きれいな白髪やから、もう染めんでもええ言うてくれはってん。」「ほんとね、きれいやわ。」一部分に少しだけ紫がかった色が入って、とっても涼しそうです。「そやろ?」まあばあちゃんが言うと、お春ちゃんは満足そうに笑いました。吉 [続きを読む]
  • 元通りの吉川さんに……
  • 「なんか、まあちゃんに名前を呼ばれて生き返ったわ。私、まあちゃん達に酷いことばかりしてしまって……あの時の私はどうかしていたんだわ。許してね。」吉川さんが手を合わせて言いました。「妙ちゃん、ここは暑いから公園の木陰で休みましょう。こんなに暑い日でも涼しい風が吹いてるの。」「いいの? これからどこかに行くんじゃないの?」「大したことじゃないのよ。何かないかなと思って駅前のスーパーに行くところだったの [続きを読む]
  • 心愛ちゃんのために
  • (吉川さん、寂しかったんだわ。それで、ふさぎ込んでいたのね。)心愛ちゃんは吉川さんの様子を見て、ホッとしたような顔になりました。まあばあちゃんは吉川さんの光の戻った目を見て、複雑な気持ちになりました。「心愛ちゃん、ここはおばあちゃんに任せて、学校へ行きなさい。」「でも、おばあちゃん、フラフラして一人で歩けないんです。」「大丈夫よ。公園の木陰で休んでから行くから。心愛ちゃんは早く学校へ行きなさい。帰 [続きを読む]
  • 吉川さんのうつろな目
  • 「心愛ちゃん、今日は学校でしょう。どうしたの?」まあばあちゃんが尋ねると、「おばあちゃんがあんまりシンドそうだから、病院へ連れて行こうと思って……」「お医者様はなんて?」「どこも悪いところはないそうです。うつ病かもって紹介状を渡されました。」「吉川さん、どうして、心愛ちゃんを困らせるの? あなたが守らないといけないのに……」吉川さんはうつろな目でまあばあちゃんを見ました。「わたし、死んでしまいたい [続きを読む]
  • カンカン照りと吉川さん
  • 今日は春ちゃんが美容院に行くというので、まあばあちゃんは一人で駅前のスーパーにお買い物です。ジロとミミちゃんも一緒です。この暑さです。いつもは留守番を頼むのですが、今日はジロが行きたいと言ってハタハタするので、一緒に行くことになりました。ジロには大きな保冷剤、ミミちゃんには小さな保冷剤をハンカチに巻いてお出かけです。9時を少し回った頃なのに、もうカンカン照りで、何をしなくても汗が出てきます。「ジロ [続きを読む]
  • おやかん
  • 心愛ちゃんが夕方タッパーを返しに来ました。「おばあちゃん、麦茶の作り方教えてください。」そう言って、紙袋からヤカンを出しました。「まあ……」そのヤカンの外側は焦げていて、使っていないのか白く濁っていました。「ちょっと待っててね。」そういうと、まあばあちゃんは家の中に入っていきました。「心愛ちゃん、おばあちゃんの具合はどうや?」お春ちゃんが心愛ちゃんに聞きました。「昨日から寝ています。なんか体がだる [続きを読む]
  • 元気が一番
  • 「今日も、作ったてるんか?」お春ちゃんが、まあばあちゃんに声をかけました。「ええ……」あれから、心愛ちゃんとまあばあちゃんたちのお付き合いは続いています。「毎日となると大変やなぁ……。ほっとくわけにもいかへんしな。今日は何や?」「そうめんよ。」「そうめんか。ええなぁ。今年一番目のそうめんやな。」お春ちゃんは暑そうにうちわであおぎました。「あ、ヨウカンもできてる! 私、大好きや。」「まだ固まってない [続きを読む]
  • 心愛ちゃんのことは気になる
  • 「あの子、ホンマに可哀そうやわ。あんな小さいのに苦労ばっかりして。」「ええ。」「吉川さん、なんで、壁ばっかり見てるんやろ?」「わからないけど……、あんなことがあった後じゃ、お見舞いに行くのも変だし……」「なんで、お見舞いなんか行かなあかんのや。こっちが見舞い金、出して欲しいぐらいやのに……だいたいお見舞いなんか行ったら、また搾り取られるで!」「ほんとに、怖かったものね。」「お豊ちゃんも散々やったか [続きを読む]
  • 心愛ちゃんはいい子
  • 「誰やったん?」「ココアちゃんがおかずの入れ物を返しに来てくれたわ。」「えらいなぁ。」「ほんとう。礼儀正しいキチンとした娘さんよ。」「ほんまや。吉川さん、どないしてるって?」「壁ばかり見てるそうよ。」「なんでやろ? やっぱり、嫁さんも息子も出て行ってショックやったんやなぁ……」「でも、今、ココアちゃんを守れるのは吉川さんだけなのに……」そういうとまあばあちゃんはため息をつきました。「ほんまや、壁ば [続きを読む]
  • タッパーを返しに……
  • 次の日、ココアちゃんはきれいに洗ったタッパーを返しに来ました。「ありがとうございました。」ぺコンと頭を下げる姿は本当にかわいいものです。「ココアちゃん、おばあちゃんは元気にしてはるの?」まあばあちゃんは、一番知りたくて口に出せなかったことを聞きました。吉川さんと再び付き合うのはとても怖いです。正直とても無理です。でも、ココアちゃんのことは気がかりです。「おばあちゃんは、一日中壁ばかり見つめています [続きを読む]